虫の声も聞こえぬ深夜の洛陽。草木も眠る時刻に明かりの灯された城壁で少年が星を見つめていた。
歳は十五、六ぐらい。大事そうに両手にすっぽり納まる大きな壷を抱え、我が子のように優しく撫でている。
色のない瞳は虚しく星を見つめ、人形のように動かない表情は不気味さを感じさせる。
「お前たち、これからたくさんの人が死ぬよ。お前たちに頑張ってもらう」
壷に視線を落として優しく撫でる。壷を地面に置き、蓋を開いた。
「お行き。十常侍を皆殺しにするんだ。それ以外は食べちゃ駄目」
壷からするりと出て来た何かを月明かりが照らし出す。
紐のように長いそれは体をくねらせながら城壁を滑り降りていく。
それを確認した少年は壷にそっと蓋をし、大事そうに両手で包んで持ち上げた。
「相変わらず悪趣味よね、アンタ。いくら月のためだからって限度があるわよ?」
声のした方へ視線を向けるとツンとした態度の眼鏡をかけた少女が腰に手を当てて立っていた。
「僕はただ月と詠を護りたいだけ。それ以外に興味はないよ」
「それでも、よ。いくら飼い慣らしたからって毒蛇を放って暗殺するなんて危険だわ。もしも関係のない、ボクたちの大切な月を襲ったらどうするのよ」
「大丈夫。月にはあの蛇たちが嫌う匂いをつけてもらっている。もちろん、月にはとても好い匂いにしか感じない僕特性の“毒”」
「それ。そのアンタの自分で調合した薬品とかお香を毒って言うの止めなさいよ。聞いてると不安になるし」
「僕の調合した物をどう呼ぼうと僕の勝手。詠には関係ない」
「そうかもしれないけど……って、どこ行くのよ? まだ話は終わってないわよ」
「終わったよ。詠、空を見てご覧」
「……空?」
言われて空を見上げる。
満天の星空が広がる意外どこも変わったことのないいつも通りの空がそこにはあった。
「空が何よ」
「星がひとつたりとも流れない。それだけだよ」
「それだけって……あ、ちょっと待ってよ! まだ話は終わってないわよ!」
少女の声が城壁に響いた。
1
許昌には立派な風呂場がある。司馬懿が腕利きの職人に頼んで作らせた風呂場は広く、壁には絵師に桜が舞う桃園で酒盛りをしている三人の女性(男性だと問題がありそうなので)を描かせ、風情のある風呂に仕上げられていた。
壁に描かれる女性たちは酒を片手に酒宴を楽しんでいる様子だ。しかし、その目は表情はなく、ぽっかりと穴が開けられていた。
「勝里さん! マズイですって。バレたらどうするんですか!?」
三人のうちの左にいる女性から声が聞こえた。絵が喋っているのはなく、その後ろに隠れた男のものだ。その名は北郷一刀。天の御遣いと噂される人物その人である。
「大丈夫です。湯気も出ていますし、気配を消していれば問題ありません」
真ん中の絵、その後ろに居る司馬懿が笑顔で答えた。
「そうだぜ一刀。天に気付かれるかもしれないが、あの嬢ちゃん二人なら大丈夫だ」
右の絵の後ろにいる鄧艾が励ました。
「そういうことじゃないんです! どうして覗きをしようなんてことになったんですか!?」
「至極簡単な事です。見たいからですよ、一刀くん」
がく、と膝から崩れ落ちる一刀。そうだった、こういう人なんだ、この人。改めて司馬懿の性格を思い出して妙に納得してしまった一刀は鄧艾に目を向けた。
「辰さんは覗きするような人だとは思いませんでした」
「俺は特に理由はないぞ。強いて言うなら旦那に誘われたから、だな」
鄧艾の答えに一刀は以前話した姜維との会話を思い出す。その時に姜維は「見境がなくなる」と言っており、それをようやく理解することが出来た。つまり、司馬懿のすることに特に疑問を抱かずに一緒にやってしまうのだ。
普通の人なら注意するところだが、司馬懿がやるから何も言わず、疑問にも思わずついていくのである。
「ちなみに一刀くんは誰の裸を見たいですか?」
「ぶっ! 何を言ってんだあんた!」
「おそらく入ってくるのは彗里と天、それに藍花(らんふぁ)さんの三人でしょう。そうなるように仕向けましたから間違いありません」
藍花とは、袁紹、曹操を経て司馬懿の仲間になった荀諶のことである。
「どこからそんな自信が出てくるのか凄く疑問です」
「強いているなら面白そうだからです。わたしから言った方が言いやすいですか?」
「そりゃ……まぁそうですけど」
「ならば言いましょう。わたしは彗里を覗きに来ました」
「恥ずかしげもなく言ったよこの人!」
爆弾発言におどおどする一刀に司馬懿はふんわりとした笑顔で一刀の肩に手をぽんと置いた。
そして一刀は逃げられないと言う事を今更になって悟った。
「お、俺は……無理やりつれてこられた感もありますし、特にこれというのは」
「そうなのですか? わたしはてっきり朝起こしに来てくれる女の子だと」
「どうしてピンポイントで荀諶に行くんですか!?」
荀諶は一刀の教育係を命じられており、仕事の合間に様子を見て一刀の成長を確かめているのである。もちろん、今でも早朝城内一周は続けられている。
「違うのですか? でしたら昼食を文句を言いながら作ってくれた女の子」
「それも荀諶でしょ! というか何で知っているんですか!?」
「美味しかったですか?」
「家庭的な味で好きでした。って、何を言わせるんですか!?」
「そのお礼に使うことがなく貯めていたお給金でその子が欲しがっていた書物を送ったそうですね」
「わかりました。もういいです、荀諶を見に来ました!」
「素直でよろしい。辰は聞くまでもありませんね」
「まぁ、天さんですよね。辰さんは」
「どうして俺なら天が名が挙がるのか知らないが、この流れだと天かな」
わいわい騒いでいると不意に司馬懿が人差し指を立てて口元に持っていった。
静かに、という合図らしく、覗き穴から風呂場を覗き込んだ。
一刀と鄧艾もそれに従い風呂場を見る。
「最初に入ってきたのは彗里ですか」
湯煙の向こうにいる小柄な人物を見て司馬懿が呟いた。
子供の中に混じっていても特に違和感のない徐庶は見た目同様に発育が遅いのか、胸は小ぶりでお尻も小さく、子供っぽさが少しだけ残っていた。
湯船に浸かろうとつま先で温度を確かめようとして、熱かったのか思わず足を引っ込めて湯船を睨みつける様子に徐庶には聞こえない程度の声で「彗里は本当に可愛いですね」と司馬懿が二人に同意を求めていた。
ようやく浸かる事が出来たようで、続いて湯煙の向こうに人影が映った。
「荀諶、かな。あれ」
一刀の言うとおり荀諶である。
徐庶ほど小柄ではないが、一刀の腰辺りまでしかない身長はやはり小さく、それに比例するように胸も小さい。いつもは犬耳頭巾で隠れている長い髪を揺らしながら湯船に足を浸けてそのまま腰を下ろした。
「次は天だな」
スラリとした体付きに強調された括れ。女性らしい丸みのある体付きだが無駄な脂肪が一切なく、引き締まった体は決して恥ずかしくない。鋭い目つきは美人の容貌を引き立て、大人の女性と言えるだろう。しかし、完璧と言える姜維だが、残念な部分が一つだけある。胸だ。
本当にあるかないかわからない膨らみのない胸板がとても寂しそうである。
「三人とも入ってきましたね。それでは、息を殺して覗くとしましょう」
「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」
静かな沈黙を破ったのは荀諶だった。
湯船に浸かってから三人とも特に何か喋るわけでもなく、お互いの様子を窺っていたのだ。
「どうしたんですか?」
「あんた達の関係……彗里は勝里さまと。天は辰との関係が聞きたいの」
「何を藪から棒に」
ポンッと茹蛸のように真っ赤になった徐庶とは対照的に冷めた反応で姜維が答えた。
「ふざけているとか馬鹿にしているわけじゃないわよ。相手とその人の関係を知っていればいろいろと取るべき行動が決まってくるじゃない」
「例えば?」
「彗里が勝里さまと恋仲だとすれば、気を利かせるべき場合がある。そうでないなら別に構わないけど、そうだとすれば出来る限り気を利かせるのが礼儀と言うものよ」
「確かに。それを誤れば空気の読めない奴と思われるだろうな。わたしと辰は深い仲と言うわけではない。強いて言うなら好敵手として互いを高め合っている」
荀諶は顎に手を当てて頷いた。
「なるほどね。それじゃ次、彗里」
「うわわ……べ、別に深い仲というわけではなく、主従の関係です。からかわれる事はよくありますが……それ以外は天さんと何ら変わりません」
「な~んだ、そうなの。てっきりどっちかは恋仲だと思ってたんだけど、的外れね。あぁ~悩んでたのが馬鹿みたい」
つまらなそうに肩まで湯船に浸かった荀諶に徐庶が予想だにしないことを口にした。
「藍花さんは北郷さんと恋仲なんですよね?」
それを聞いた荀諶が勢いよく立ち上がった。
立ち上がるのと同時に打ち上げられた水しぶきが徐庶たちを襲う。ついでにどこからか小さな驚きの声が聞こえたが、三人には届いていない。
「な、なななに、なによそれ!? そんなでたらめどっかから上がってきたのよ!?」
「え? いえ、毎日朝起こしに行っているようですし、厨房で文句を言いながら北郷さんのために料理をしている姿を見かけましたし、仕事の合間をみて勉強を教えて自分に見合った男性にしているのだと」
「違う! あれは勝里さまから北郷一刀の教育係を命じられて仕方なく毎朝起こしに行ってるだけ。あいつ全然起きないし、この前なんか寝ぼけて布団の中に引きずり込まれそうになったわ」
「一刀は中々に大胆だな」
「それも違う! で、料理したのはあいつの言動にムカついたから。『荀諶って料理できるの?』って聞いて来たから『あんたに食わせる料理はない』って答えたの。そしたら『できないんだ』とか言ってきたのよ、あの変態疫病神!」
「作れる、と言えばよかったではないか。一刀も違う意味に捉えたのだろう」
「そうよ。だから見返してやろうと厨房借りて文句言いながら料理してたの。料理を作ったのはわたしの名誉を守る為。あいつの為なんかじゃないわ」
「そうだったんですか。すみません、何も知らずに」
「……いいのよ。まぁ、振り返ってみれば知らない人から見ればそう見えなくもない事をしているわ」
「ちなみに、一刀は料理にどんな評価をつけた?」
姜維の言葉に荀諶は口を開こうとして言いかけた言葉を飲み込んだ。
「………………言わない」
「言わない、ではなく言えないのだな」
「うっさいわね。天! あんたはどうなのよ? 辰に料理作った事あるの?」
「わたしか? あるぞ。今ではそんな暇すらないが、一刀が来る前は勝里さまと辰に料理を振舞っていた時期があった」
「へ、へぇ、意外ね。そんな風には見えないのに」
「初心者に毛が生えた程度の腕前だ。とても彗里には適わない」
「え? いや、料理は確かにしますけど、それほど凄いわけでは」
「謙遜する必要はない。勝里さまに頼まれて夜食を作ったそうじゃないか。とても美味しいと皆に触れ回っていたよ」
「触れ回るほど美味しかったのですか……それならよかった」
ホッと一安心している徐庶に荀諶がニヤニヤといやらしい視線を向けていた。
それに気付いて慌てて顔を隠し、湯船の中に隠れてしまう。
「程々にしておけよ。わたしはそろそろ上がる。少し用があるのでな」
「用って辰に会いに行くとか?」
「あながち間違ってはいない。少し説教をしなければならないのだ」
「そうなの? それなら一つだけ。お風呂上りの女性って魅力的らしいわよ」
「……そうか。覚えておこう」
姜維は湯船を出る一瞬の間に司馬懿たちが隠れている壁に視線を向けた。
それから何も言わずに歩いて湯煙の向こうに消えていった。
「辰、あとはよろしくお願いします」
「あいよ。天は俺にしか説教ないらしいから行ってきますわ」
姜維が風呂から出てすぐに鄧艾も覗き穴のある場所から立ち去った。
「辰さん、大丈夫なんですか?」
「天が怒る箇所は恐らく覗きをしていたという事ではなく、わたしを止めなかった事です。辰と天の関係に支障が出る事はありませんし、わたしたちにも……わたしには被害が来る事はありません」
「なんで言い直したんですか!?」
「静かにしないと見つかりますよ」
一刀は口を両手で押さえて大きく頷いた。
「よろしい。ところで一刀くん、荀諶さんの手料理を食べてなんと言ったのですか?」
「え? いや、普通に美味しいって言いましたよ。あと『良いお嫁さんになる』って言ったくらいで」
「なるほど。そうですか。わかりました」
「なんでそんな良い笑顔なんですか?」
「わたしの目標の一つ、一刀くんとその奥さんとの子を抱っこする日が近いかもしれません」
「なんですかその目標! おかしいでしょ!!」
「静かに。さあ、続きを見てみましょう」
「……勝里さん、あとでお話があります」
「わかりました。それは後で聞きます」
一刀を適当にあしらって再び覗き穴の中を覗いた。
「いい加減機嫌直しなさいよ。悪かったから」
困ったように荀諶はムッと頬を膨らませてそっぽを向く徐庶に言った。
「怒る事でもないでしょ? 主人に料理を褒められたんだから嬉しいって思ってもおかしくない」
「別に怒っているわけでは……ただ、藍花さんの無神経さに呆れているだけです」
「はぁ? わたしのどこが無神経だって言うのよ」
「勝里さまは名門司馬家の出で領地を治める太守。そして自身は司隷校尉と地位も高い。それに比べわたしは平凡な家の出で勝里さまの私兵。天と地ほどの差があるんです」
「相応しくないとか思ってるの? 馬鹿みたい」
「ば、馬鹿とは何ですか。同じ名門の荀家の出である藍花さんならわかると思ったのに」
「あぁ~駄目駄目。わたしそういうの大ッ嫌い。何度会った事もないどこぞの家の豚みたいなのと結婚させられそうになったか」
「……名門も大変なんですね」
「そうよ。それに比べて勝里さまは容姿端麗、知勇兼備で言動と行動を除けば言う事なし。正室がいるとか側室とかそういう話は聞かないから狙ってもいいんじゃない?」
「せ、正室!? それってつまりあの……」
「奥さんのことよ。………こういう話は不得手なのね」
かぁ~っと徐庶の顔がお湯の温度のせいではなく真っ赤になり、にやにやと荀諶が距離を詰めていく。
「実際はどうなのよ。城や街ではそれなりの噂になってるの知ってるかしら? ほとんど毎日のように傍にいるから人目も結構集まってるのよ」
「うぅ……どうすれば……ここは距離を置き、数歩後ろを歩くべき……」
「それは妻の行動よ」
「うぅ~~~!!!」
頭を抱えてぶくぶくと湯を泡立たせる徐庶に荀諶は苦笑を浮かべた。
「そ、それなら藍花さんと北郷さんもお似合いだと思います!」
「ちょっ!? あんな奴とお似合いなんて寒気がするから止めてよ!」
「いいえお似合いです! 何だかんだ言いながら藍花さんは北郷さんのことをよく見てますし、彼の事を観察しているのは知っています。彼一人にだけ真名を呼ばせないのは恥ずかしいからじゃないですか?」
「真名を呼ばせないのはあいつが嫌いだから! そんなこと言ったらあんただって北郷に真名呼ばせてないじゃない」
「彼とは本当に話す機会がないんです。藍花さんが改めて一員に加わる以前から指で数えられるくらいしか話していません。内容も報告と挨拶程度です」
「………忙しいのは知ってるけど、暴言言いまくってるわたしより酷くない? せめて世間話くらいしてやりなさいよ」
「許昌に来て本当に忙しかったのでそんな暇がありませんでした。勝里さまは暇な時間を見つけて北郷さんに会いに行っていたようですけど、わたしは会いに行く必要がありませんでしたから」
「それもそうね。わたしだって命令じゃなかったらあんな奴に会いたくないもの」
「それは本心ですか?」
「本心に決まってるでしょ! もういいわ。これ以上は不毛だから出る」
荀諶が湯船から出て出口の方に歩き出した。
「これから北郷さんに勉強を教えるんでしたよね?」
「それがどうしたのよ」
「風呂上りの女性は魅力的に見えるそうなので。それだけです」
「うっさい!」
風呂上りのせいなのかそうではないのか、荀諶はズカズカと足音を立てながら風呂から出て行った。
一人になった徐庶はふぅ、と息を漏らす。そして、自分の体に視線を落とした。
「子供っぽくて見所のない体。はぁ……」
徐庶はため息を漏らした。小ぶりな胸に小さなお尻。それに比例するように小さく子供っぽい容姿に果たして彼は振り向いてくれるだろうか。
徐庶の仲では答えは「いいえ」だ。女らしいというのは姜維のように胸がなくてもスラリとした体付きに美人の顔立ちのような人の事を言うのだ。
子供っぽい自分にはそんなの無縁で、とても振り向いてもらえる事はないだろう。
「勝里さまには相応しい方がいるはずです。わたしなどがでしゃばる必要なんてない」
『わたしはそうは思いませんよ。相応しい相応しくないのを決めるのはわたしです』
「こ、この声は勝里さま!? いったいどこから……!!」
急に聞こえた主人の声に驚く徐庶は周囲を見渡した。
しかし姿はなく、幻聴かと思って息を漏らすと、
『壁の絵のところの後ろにわたしはいます。気付きませんでしたか?』
「壁……」
言われて徐庶はそちらに意識を集中させる。
三人の女性が描かれた壁の向こうから声がしている事にようやく気が付いた。
「まさかずっとそこに……?」
『はい。入浴直後からずっとここにいました。お話も全部聞いてましたよ』
徐庶の顔から血の気が引いていく。
ずっと聞かれていたのだとすれば荀諶との会話も独り言も聞かれていたということだ。弁護しようと口を開こうとしたが、それを司馬懿は許さず、言葉を続けた。
『確かに分不相応はあります。しかし、それを言ってしまったら肉屋のせがれの妹が皇帝陛下の妻、というのはおかしなことです。ただ美人だからという理由で妻にしたという話ですし、陛下の妻ならそれなりの人物である必要がありましたが、それがなかったのですから必要ないのでしょう』
「それは陛下の話で、わたしに当てはめるのはおこがましいにも程が……」
『彗里。人は誰しも恋をします。世間がどう言おうと構わず、あなたはあなたの信じた恋をしてください。噂の方はわたしから手を回して抑えておきます。彗里にも天にも藍花さんにも辰にも一刀くんにも自由に恋をする権利がありますから』
「――――ッ!? 弁解をさせてください! わたしは決して勝里さまとの噂を嫌がっているというわけではなく、むしろ……!」
『わかっています。ごめんなさい。少しからかってしまいました』
「うぅ……またからかわれたんですか、わたし。それより、覗きを教えるなんておかしいですよ」
『簡単なことです。彗里に隠し事なんてしたくありません』
「……物は言い様ですね」
『わたしもそう思います。それではわたしは仕事に戻りますので、後で手伝いに来てください』
「あ、はい。後ほど窺います」
『お願いします。彗里、面白い事を教えてあげます』
「……? 何ですか?」
『お風呂上りの女性は魅力的だそうです。わたしとしては是非そのような姿を見てみたいのでお伝えしておきます』
「うわわ……!!!」
驚く徐庶の反応を確認してから司馬懿は覗き場を後にした。
司馬懿に言われた事が頭の中を駆け巡り、しばらく湯船から出る事ができなかった。
どうも傀儡人形です。
今回は反董卓連合の出だしと日常風景みたいなもんを書いてみました。
平気で覗きをする司馬懿の変態さが出ていれば幸いです。
更新遅いですが、よろしければみてやってください。
では。
Tweet |
|
|
9
|
2
|
追加するフォルダを選択
どうも傀儡人形です。
かなりの駄文。キャラ崩壊などありますのでご注意ください
オリキャラが多数出る予定なので苦手な方はお戻りください
続きを表示