No.193657 軍師†無双 ~策がなかなか決まらない~ その152011-01-03 11:25:39 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:12222 閲覧ユーザー数:9166 |
「ふむ、この軍勢を前にしても降伏しないとは心意気は見上げたものね」
益州攻めも終盤に差し掛かった北郷軍。
序盤で黄忠、厳顔、魏延の三人の将を下した北郷軍。
というよりあまりの軍勢に戦う気すら起きなかったようだ。
「それにしても籠城戦とは面倒なことしてくれたわね。ボクならすぐに降伏するわ」
「普通に考えてそうでしょうね。国内の砦は次々と陥落してなおこの姿勢とは国を統べる資格が無いわ」
この戦いの軍師である詠と華琳。
「っでどうするの? 降伏する気がない以上攻城戦になるけど」
「仕方ないわね。あまり被害は出したくないのだけれど」
一刀のところにきて少しだけ考えが変わった華琳。
分かりやすく言うと少しだけ優しくなった。
「そうね。でも敵の三倍どころか十倍ほどいるんだけどね」
「力でねじ伏せるしかないわね」
攻城戦の基本は籠城側の三倍の兵力が必要となる。
「そういえば、今回は誰が将軍として来てたかしら?」
「それぐらい把握しときなさいよね。孫策から黄蓋とあんたのところから夏候淵を借りてるわ」
レンタル将軍である。
それを聞いた華琳はニヤリと笑った。
「なら一刀が言っていた『遠山・葛西すぺしゃる』を使いましょう」
結果から言うと三日で城は落ちた。
苛烈な攻めに耐え切れなくなった益州兵が劉璋を裏切り城門を開いたのだ。
昼は祭が攻め、夜は秋蘭が攻める。
二十四時間交代で攻め続けた。
まさに左の遠山、右の葛西である。
これぞ一刀の考案した『遠山・葛西スペシャル』である。
昼は弓の嵐、夜は闇夜に紛れて弓の嵐。
特に夜の秋蘭の攻めは激しかったという。
落ちた時には城はハリセンボン状態となっていた。
隠れて降将である紫苑と桔梗が一般兵に紛れていたという報告もあった。
本人たちは白を切っているのだが。
劉璋はいつ間にか逃亡していたようで身柄は確保できなかった。
なにはともあれ漢の大地は北郷一刀の名のもとに再び一つとなったのだった。
「これで大陸も平和になったんだよねー」
一刀の趣味趣向によりメイド服を着た詠が淹れてくれたお茶を飲みながら一刀はまったりとしていた。
今日の一刀の政務は陛下と殿下とお散歩である。
あとは夜の性務が残っているが。
「冥琳、穏、亜莎、桂花、稟、風、雛里、詠、ねね、今はここにいない朱里」
「なんだ?」
「なんですかぁ?」
「なんでしょうか?」
「喋らないで」
「なにか?」
「ぐぅ」
「なんでしゅか?」
「なによ?」
「なんなのです?」
「…………」
一刀は初めに出会った仲間に声をかける。
「今まで俺のわがままに付き合ってくれてありがとう。みんな大好き。みんながいたから大陸は平和になった。そして、これからも俺の傍で俺を支えて欲しい」
さりげなく告白しながら頭を下げる一刀。
「もちろんだ。これからもよろしく頼むぞ北郷」
「濡れ濡れですぅ♪」
「はい! 全力で一刀様の支えになってみせます」
「子供に罪はないのよ」
「プハッ!」
「おぉ! 今日は風がお兄さんと寝るのでした」
「すごく……好きでしゅ」
「真名は……天照がいいかも」
「ねねはちんきゅーいんふぇるのを覚えたいのです」
「…………」
それぞれが一刀に惹かれていたのでそれを断る理由はなかった。
こうして軍師だらけの北郷軍は、見事に大陸を平和に導いたのだった。
「朱里」
「はわ! ご、ご主人しゃま!?」
いきなり執務室に入って来た一刀に驚く朱里。
「朱里に会いたくて来ちゃったよ」
「わ、私でしゅきゃ?」
パニックでまともに喋ることができない。
「ああ。やっぱり朱里がいないと俺、ダメみたいだ」
「ご主人様……」
朱里は喜びに身を震わせる。
とうとう愛しのご主人様が自分の事を見てくれたのだと。
これ以上の幸せはなかった。
「朱里、もう俺我慢できないよ」
「ま、ましゃか!?」
「ああ。朱里が欲しい」
「お、お勉強はしていたのでしゅが、初めてなので優しくお願いしましゅ」
「うん。俺に任せてくれ」
「……はい」
一刀は朱里の肩を優しく掴んだ。
朱里も本で勉強した通り目を閉じて軽く唇を突き出す。
そして二人の唇が触れ――――
「はわっ!」
夢オチだった。
「はぅ~。もう少しだったのにー」
そこで執務室の扉が開き兵が入って来る。
「孔明様、中央より南蛮への討伐命令が出ています」
「はわー!?」
おしまい。
<あとがき>
軍師無双はこれで終わりです( ゚∀゚)o彡°
朱里ちゃんの救済どうでした?
それではあけあしておめでとうございます( ゚∀゚)ノ
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「姓は楽、名は進、字は斎藤、真名は凪です!」
「姓は于、名は禁、字は槙原、真名は沙和なの!」
「姓は李、名は典、字は桑田、真名は真桜や!」
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