5年目
特段・・合肥には変わったことは無い。
ただ、俺個人には一つの変化がおこっていた。
「にぇぇぇぇぇーーん」
俺は今ものすごくにやけた顔をしている。
泣き声の主の可愛らしさが原因だ。
ちなみに、泣き声の主はふくちゃんじゃない。
ふくちゃんなら「に」じゃなく「び」だ。
他人からすればさほど差は無い違いだが・・。
「ふくちゃん中毒者の俺だけにはわかるんだよな~♪ぐふふふふ~・・」
「か、一刀さん・・」
そんな風に悦に入っていた俺にふくちゃんが話しかけてくる。
「ん?どうしたのふくちゃん」
「セイが泣くので、邪悪な笑いはやめてください」
そういわれてよくみると、セイが先ほど以上に泣いている。
俺は「よしよし」とあやし始め、数分後落ち着いたセイは泣き疲れたのか眠りだす。
「ふう~やっと泣き止んだか」
「ええ・・そうですね」
「それにしても・・やっぱり、親の遺伝だね~泣き虫すぎる」
「そ、そうですね」
「・・そうなるとこの娘も将来は惰弱な子になるのか」
「うっ!・・そ、それはわたしに似ないで欲しいです」
「うん・・おれも父親としてふくちゃんレベルの惰弱はいやだし~」
そう・・この娘は数日前にふくちゃんが生んだ(セイ)だ。
俺とふくちゃんの愛の結晶だ。
「そ、そんな・・はっきりいわないでも」
「仕方ないよ・・ふくちゃんは実際駄目駄目な惰弱娘だし」
「そ、そうですけど・・そんなハッキリ!ひ、ひどいですよ・・びっ!びぇぇ・・」
「娘の前で親が泣いたら駄目だよ~ふくちゃん(にやっ)」
「ふぐっ!・・び、・・・・びっ・・・んんーーっ・・」
!!・・泣くのを我慢してる!我慢してるよ~!惰弱娘の「あの」ふくちゃんが。
母親としての自覚と、泣き虫スキルの葛藤が、ふくちゃんの中で激しい攻防をしてるんだろうな。
ああ~我慢してる顔もなかなか・・趣がある今度からこの責めでいこうかな~。
でも~何時もの泣き顔も捨てれないな・・。
「泣き顔」と「我慢顔」・・ああ!!なんて贅沢で苦渋な選択なんだろうか!!
結局、ある程度泣き顔拝んだ後、耐えるよう諭して我慢顔をも拝む両立案にすることにした。
※これ以降シリアスモードも含まれます・・ハーピー気分の方は色々ご注意を。
6年目
「びぇえええーーん!!(にぇえええーーん!!)」
「はぁはぁ・・(親子w泣き顔!!)」
俺は楊州南部の孫家の情報を、ふくちゃんに報告していた。
孫家に関する情報はここしばらく増えている、これは着々と力を増してる証拠でもある。
はぁ~・・頭が痛くなる。
伝わる孫家の情報は、軍備の拡張が進んでいるとか、国内内政が充実しはじめた等、対孫家の最前線合肥に住む俺たちにとっては嬉しくない話ばかりだ。
孫家が内部分裂したとか、国内が荒れまくってるとか・・ほんとはそんな情報が聞きたいのに。
今報告してる情報も俺が望む無いようではなく、・・ある将軍が招かれて孫家に仕官したとの話だ。
その将軍は元袁術軍で楊州北部=俺たちの勢力範囲の地理に詳しく、更に陳蘭ら三名とも親しい人物であるらしい。
この人事は確実に対楊州北部=俺たちへの侵攻を意図したものだ。
孫家の合肥への侵攻・・。
まあ、元々はそうなるものと分かっていたが・・実際に孫家に動きがあると知ると鬱々とする。
なので今は・・そんな鬱々とする感情を。
ふくちゃんを脅し(孫家が攻めてくると)泣き顔を見て俺の心を慰めている。
ただ・・ふくちゃんの泣きに影響されたのか、セイ(ふくちゃんの膝の上の)も一緒に泣いてしまった。
嗚呼~愛する二人のw泣き顔・・・興奮して鼻血がでそう。
でも、そろそろ我慢顔もみたくなってきた。
「ふくちゃん・・泣くのやめ!!セイがつられてなくでしょ!」
「ひっ!!・・ぐっす、ぐっす・・そ、そうですよね・・・が、我慢・・ぐっす・・ぐっす」
そういいながら、ふくちゃんは我慢しようと努力するが・・。
泣き虫スキルのせいで、少し時間がかかりそうだ。
しかし、話だけこの泣きようだもんな、ふくちゃんは~。
実際、孫家が攻めてきたらどうなるんだろう・・。
「(孫家に幾重にも城を包囲され、宮殿の奥で怯えガタガタするふくちゃん・・)」
・・想像したら快感で背筋が「ゾクッ」とした。
・・・は、はやく~こないかな孫家。
たしか、赤壁の後だよな合肥攻めって。
なら後数年先か~・・嗚呼~待ち遠しいな。
「あっ」
でも、赤壁前に『劉馥』って死んでいたんだっけ。
なら泣き顔はみれ・・な・・・い・・・・・。
・・・・・・・・・赤壁の戦いまで後2年。
Tweet |
|
|
15
|
1
|
追加するフォルダを選択
劉馥?を恋姫風に・・ssです。 突拍子も無い設定かつ、インスパ元の続編になりますので・・インスパ元を先にご覧ください。