長い戦いがようやく終わりを迎えた。五胡は俺たちに敗北してから、兵力が激減し、あの、戦い以来、一切進行してこなかった。俺たちはあの最終決戦が終わると、すぐさま天下三分の計を成り立たせた。
それから、数ヵ月後、三国の王、および武、軍師達が俺たちの城に集まり、天下三分の計を祝って、宴を始めることとなった。皆それぞれ宴を楽しみ、夜まで城に笑い声が響いていた。そんな中、俺は厠に行くといって、その場を後にした。・・・・・・・
「・・・・・ふぅ。」
俺は城壁の上で、一人酒を飲んでいた。
「いろいろあったけど、ようやく終わった。・・・・」
・・・・本当に・・・いろいろあった。・・・・・・
初めて桃花達に会った時、黄巾の乱の時、反董卓連合の時、翠たちがやってきた時、曹操達が攻めてきた時、桔梗達と戦った時、美以たちと出会った時、最後に五胡が攻めてきた時、・・・・・本当にいろいろあった。
「・・・・・もうこれで・・・・・大丈夫だな・・・・・。」
・・・・・あとは魏と呉の人たちと・・・・・やっていけるよな・・・。
「俺の役目も・・・・・ここまでか・・・・・。」
俺はその場に立ち上がった。その時、ふと自分の手を見ると、少しだが、透けているように見えた。手だけではない、体も少しずつ透けている。
「もう・・・時間なのか・・・。」
俺は空を見上げた。空を見ながら、俺は、
「桃花、これからは曹操や孫策達と共に、この国を立派な国にしてくれ・・・・・・・今まで、・・・ありがとう・・・・さよなら・・・・」
俺の大切な者に・・・・別れを告げ、目を閉じようとした・・・・・でも、それを妨げる者がいた。
「お館ーーーー!!。」
・・・・俺がもっとも愛し、俺の・・・・一番大切な人、・・・・焔耶だった。
「お館!」
「・・・・・やぁ焔耶、どうしてここに来たんだい?」
俺は振り向かず、そのまま焔耶にそういった。
「お館が急にいなくなるから桃花様が私にお館を探してきてくれと言われ、探しに来てやったんだ。」
「・・・・・そうなんだ・・・・・」
「そうなんだ、じゃない!全く、そんなところにいないで早く桃花様のところへ戻・・・っ!」
焔耶は城壁を上って、俺の体を見るなり、戸惑った。
「・・・・・どう・・・したのだ・・・?その・・・体は・・・」
「・・ん?ああ、これか・・・・見られちゃったな。・・・・実はね、俺はもう帰らなきゃいけないみたいなんだ。」
「帰る・・・?・・・帰るとは・・・・どこに帰るというのだ・・?」
「俺の元いた世界に・・・・」
「っ!!!」
焔耶はそれを聞いて、言葉を失ってしまった。
「焔耶、俺はね、役目を果たすためにこの世界に呼ばれたんだ。」
「役目・・?」
「そう、俺の役目はね、桃花を・・・・劉備玄徳を天下統一させることだったんだ。」
「桃花様を?」
「うん、でも、桃花を天下統一させてしまった以上、俺はもうここにはいられないんだ。だから俺は天に帰らなきゃいけない、俺は天に帰るけど、皆がずっと笑顔でいられるように、天で祈ってるよ・・・。」
「ふざけるな!!!!!」
「っ!!」
「桃花様達が笑顔になれる?。ふざけるのもいい加減にしろ!!お館がいなくなったら、誰も笑顔にはなれない!蜀の皆も、民も、私だって・・・・誰一人・・・・笑顔になる・・・ものなぞ・・・・いない・・・」
焔耶は、大粒の涙を流しながら俺にそう言った、俺はいつの間にか、焔耶の方を向いていた。そして焔耶の方に歩みを進めていた。そして、
「・・・焔耶・・・」
「っ!」
そっと、焔耶を抱きしめた・・・・
「おや・・・・かた・・・?」
俺は焔耶を抱きしめながら話し始めた。
「・・・俺もな、できるなら、ここに残って、皆といたいよ?・・でも、だめなんだ。俺はもともと天の人間、いずれは帰らなきゃいけないんだ。それはどうしようもないんだよ・・・・」
「お館・・・・」
「ごめん・・・本当にごめん・・・・謝って許されるわけないけど、これだけは信じてくれ・・・。俺は皆といられたこと、皆と一つになれたこと、そしてなにより、焔耶とこうして話ができていること、・・・それがうれしくてたまらない・・・」
「お館、・・・・私もお館といられたこと、すごくうれしかった・・・はじめはなぜこんな男が桃花様のそばにいるのかが理解できなかった。・・・でも、一緒に日を同じくしてるたびに、だんだんとわかってきたんだ。・・・・お館といると、心があったかくなる、そしてなにより、私たちに幸せを与えてくれていたんだと、分かったんだ。」
「・・・焔耶・・・」
焔耶が話終わると・・俺を抱きかえしてきた。
「・・・好きだ、お館・・・・・大好きだ・・・」
「ありがとう、焔耶・・・・俺も大好きだよ。」
俺たちは抱き合い続けた、
「・・・・逝かないでくれ・・・・お館・・・・・」
「・・・ごめん、焔耶、・・・もう・・・お別れ・・・・見たい・・・だ」
「っ!お館!」
「いままで・・・・ありがとう・・・・愛しているよ・・・焔耶・・・・誰・・・より・・も」
「お館!」
(お館が逝ってしまう・・・もう止められない・・・でも・・・最後に・・・・これだけは受け取ってほしい・・・・私の・・・お館に対する思い・・・・)
私は少し背伸びをし、そして、
「んっ・・」
お館の唇に口づけをした。
「ぷはぁ、え、焔耶?」
「・・・・・待っている・・・・」
「え?」
「待っているからな、お館・・・・・いつまでも・・・・・」
「・・・・・・・」
俺は迷った、ここに帰ってこられる保証はどこにもない。もしかしたら、奇跡的にまたここにもどってくられるかもしれない。でもそれはいつになるかもわからなければ、その保証もない・・・でも俺は、
「・・・・・ああ、待っていてくれ。必ず、ここに帰ってきて、一番に君に会いにくるよ。」
その奇跡にかけた。
「・・・・・じゃあね、焔耶、・・・・行ってきます・・・・」
「・・・ああ、行ってこい、・・・一刀・・・・・」
お館はその一言を言い、消えてしまった。
「・・・・・・・・」
私は無言で空を見上げた。
「・・・・・・・」
・・・・なにも言葉が浮かばない。でも、私の額には、涙があった。
「待っている・・・・待っているからな・・・・・だから・・・・・」
私はその場にしゃがみ込み、
「早く・・・・帰ってこいよ・・・・・一刀・・・・・・うっ・・・・・うわぁぁぁ・・・・・・」
涙を流し続けた・・・・・・愛しい人の別れを悲しんで・・・・・・
私は初めて空を憎んだ。私の心を傷つけたから・・・・・
私は初めて月を憎んだ。私の・・・・・・・・大切な人を奪ったから・・・・・・・・
でも・・・・・私は待ち続ける・・・・・あの人が帰ってくるのを・・・・・・・
ただ・・・・・待ち続ける・・・・・・・いつまでも・・・・・・・・
END
ども、anです。焔耶ENDどうだったでしょうか?自分で書いといてなんですけど・・・・・泣けると思います。はい・・・・・・
さて、今日はここまでといたします。焔耶END続編を見たい人がいたなら、b←この文字で表してください。
それではこの辺でバイ」
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投票です。
アンケートは、3と4が多かったのでどちらにしようか迷った末、焔耶から書こうと思いました。思春は焔耶の後に書こうかと思います。期待しててください。
ではどうぞ^^