No.181654

真・恋姫†無双―秘密を秘めし御遣い―第四・五話 拠点

bsrsさん

こんにちは

今回は前回のあとがきでも書いたとおりに拠点を書いてみました。今回の拠点のネタは実は私の姉の実体験を書かせていただきました。
その際、姉にはボコボコにされましたがどうにか許可をもらいました。(褒めてください)

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2010-10-31 18:00:37 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:4110   閲覧ユーザー数:3411

 

 

北郷一刀、聖フランチェスカ学園の学生、一見男に見える彼だが、その実は女性である。彼女は男として生活を送っていたが、ある時不審な少年を目撃、対峙した。しかし、少年の持っていた銅鏡が割れてしまい不思議な光に包まれ気付けば有名な武将が全員女性という三国志の世界へと迷い込んでしまった。

 

そんな彼女を拾ったのは金髪ツインテール美少女、乱世の奸雄とも呼ばれし覇王、曹孟徳だった。一刀は彼女の下で天の御遣いとして仕えることを決意する

 

彼女は曹孟徳に集う仲間たちと共にさまざまな危機を乗り越えて来た。しかし、今彼女にかつて無いほどの危機が訪れようとしていた。

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・そろそろだ、・・・・そろそろアレが・・・・くる!」

 

南西の街での戦いから数日、無事に陳留へと戻ってきた一刀達は一時の平穏を過ごしていたのだが。一刀は自分の部屋で生徒手帳のカレンダーを見ながら深刻そうな顔をしていた。

 

一刀「こっちに来る前にアレがちょうど終わったから、此処に来てそろそろ一ヶ月。どうしよ~」

 

彼女はもうすぐ訪れる大問題に頭を抱えてしまう。

 

一刀「あっちでは、簡単に済ませてたけどこっちの世界じゃどうしてたんだろ?あ~もう!!歴史の授業でもこんなの習ってなかったし!!」

 

頭を掻き毟りながら苛立つ一刀。今彼女が抱えている問題は元の世界では簡単にできることらしいのだが、彼女はそれが三国志の時代ではどうやっていたのか知らなかった。

 

一刀「・・・・・聞くにしても華琳達には男として通しているからなぁ。男の俺が聞いたら多分・・・・殺されるかも」

 

あまり自分が女であるとバレる行為はしたくない一刀だが・・・

 

一刀「・・・・・・背に腹は代えられない。ここはさりげな~く聞くしかない。期限は後三日と言ったところか」

 

一刀は覚悟を決め立ち上がる。残り日数は少ない、なんとしても華琳達から聞き出さなければならない。彼女がそれほどまでに追い詰められる問題。それは・・・・

 

一刀「なんとしても聞き出してやるぜ!この時代の生理処理の仕方を!!」

 

こうして一刀の三国時代の生理処理調査は始まったのだった。

 

 

一日目

 

 

 

一刀「まずは聞きやすそうな季衣か流琉に聞くのが妥当かな?」

 

一刀は曹操軍の中でも大人しい分類に入る季衣と流琉に的を絞り食堂へと向かう。

 

流琉は訓練や仕事が無い時などは調理場に赴き日々料理の腕を磨いていた。最近は一刀から教えてもらった天界の料理を自分の工夫を加えながら練習中で、その味見と称していつも季衣が食べに来ていたのを知っていた一刀は今日は二人とも休みだったと思い返しながら歩いていた。

 

一刀「そういえば中庭を通っていけば近道だって春蘭が言ってたな。行ってみるか」

 

一刀は以前に教えてもらった近道を通りながら食堂へと進むのだが・・・

 

シュウゥゥゥゥゥゥッゥゥゥゥベチャ!!

 

一刀「うわっ!!な、なんだこれ!?」

 

中庭を歩いていると空から容器のような物が頭に落ち中に入ってた液体を頭に被ってしまう。一刀は突然の事に驚くが額から滴り落ちて来た液体を指で拭き取り見てみると、黄色くキラキラして嗅いでみると甘い匂いがした。

 

一刀「これって蜂蜜?でもなんで蜂蜜が空か「兄さま逃げてください!!!」へ?」

 

ガブッ!!

 

一刀「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

季衣「ウウゥゥゥゥゥ!!」

 

一刀が不思議に思っていると突然の声に何事かと思った瞬間、どこからか現れた季衣が大きな口を開け蜂蜜の付いた一刀の頭にカブリついたのだ。

 

一刀「いたたたたたたた!!き、季衣!?なにして!ヤメ、ヤメ・・」

 

季衣「ウウゥゥゥゥゥ!!ウウウゥゥゥゥゥゥ!!」

 

流琉「すみません兄さま!!」

 

一刀「流琉!?季衣はいったいたたたたた!!」

 

二段に作られている中庭の上段から顔を出して慌てた様子で一刀達の所へ駆け寄る流琉、その両手には買い物袋が抱えられていた。

 

流琉「先日、兄さまに教わった「ほっとけーき?」という物を作ると季衣に教えたら、それが楽しみで昨日からご飯を抜いていたらしく・・・・」

 

 

 

回想

 

流琉と共に買い物を済ませた季衣だったが、此処に来て限界が来たらしく、買い物で買った蜂蜜を少しだけ舐めようとした時に流琉に止められ口論となってしまう。

 

流琉「季衣!あともう少しなんだから我慢しなさい!」

 

季衣「いいじゃん少しぐらい舐めたって!」

 

流琉「そう言って以前、全部無くなったことあるじゃない!いいから返しなさい!」

 

季衣「いやだ!」

 

そうこうしながら蜂蜜を取りあっていると、二人は蜂蜜を落としていまい一刀の頭にかけてしまう。

 

それを呆然と眺める二人、その時流琉がボソッと「これじゃほっとけーき作れないかも・・・」と言ってしまった。それを聞いた季衣の今まで我慢していた何かがキレた。

 

プッチン♪

 

季衣「ウガアァァァァァァァ!!」

 

流琉「季衣!?」

 

季衣は猛獣と化し一刀目掛けダイブ アンド イート したのである。

 

回想終了

 

 

 

流琉「ですので今の季衣には目の前の兄さまはあまい蜂蜜のかかったお菓子にしか見えていません!!」

 

一刀「そんな俺はお菓子じゃ!「ガブッ!!」ぎゃあぁぁぁぁぁ!!くわれるぅぅぅぅぅぅ!!」

 

流琉「季衣!止めなさい!それは兄さまだよ!」

 

頭をガジガジ噛まれながら中庭を駆け回る一刀、しかし、季衣の暴走は一向に収まらない。

 

一刀「クソ!季衣落ち着け!ほらヨシヨシ」

 

季衣「うううぅぅぅぅぅぅ・・・・・」

 

一刀は季衣を落ち着かせるべく頭を撫でる。それにより頭に噛みついたいた力が弱まり頭から外れる。これでやっと解放されると安心する一刀だったが・・・

 

季衣「ウガ!」

 

一刀「うわっ!?」

 

ガバッ!ペロペロペロ

 

落ち着きを取り戻したかと思えた季衣だったが、次は一刀に覆いかぶさり蜂蜜の付いた顔を舐めて行く。

 

一刀「こら季衣!ヤメ、ちょっ!まって!あっ///// /////]

 

季衣「ペロペロペロペロ」

 

季衣は一刀の言葉が耳に入らずお構いなしに一刀の顔を舐めまわす。初めは髪、次に額、鼻、頬、首と蜂蜜が滴り落ちて出来たスジを舐めとっていく。

 

一刀「あっ・・・ダメだって・・・言って・・・ハァハァ、る、流琉、止めさせ・・・て////// //////」

 

流琉「に、兄さま・・・・色っぽいです///// //////」

 

季衣の舌使いに変な気分になってきた一刀は流琉に助けを求める。しかし、流琉は手で顔を隠しながら指の間を開け顔を赤くしながら二人の行為をしっかりと見ていた。

 

季衣「ペロペロペロ」

 

一刀「ハァハァハァ・・・・////// //////」

 

一刀の顔についていた蜂蜜を全部舐め終えた季衣は他に蜂蜜がついて無いか探す。すると、首筋を通り胸元に流れていた雫を発見し一刀の襟に手を掛け脱がそうとする。

 

季衣「いただきm」

 

一刀「はっ!?いい加減にしろおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

ショイッ!ドガァァ!!

 

季衣「ギャジュン!!」

 

己の正体の危機に一刀はとうとうキレてしまい覆いかぶさっていた季衣の腹部に足を掛け巴投げを決めた。投げ飛ばした後、地面に落ちた衝撃で季衣は気を失ってしまう。

 

 

 

季衣「ごめん兄ちゃん」

 

一刀「まったく、そんなになるまで我慢することないのによ」

 

意識を取り戻した季衣は正気を取り戻しており、自分が暴走して一刀に迷惑をかけた事をしり頭を下げる。

 

流琉「もう季衣の所為で蜂蜜が無くなったんだからね!今回のほっとけーきは諦めなさい」

 

季衣「そ、そんなぁ~」

 

楽しみにしていた天界のお菓子が食べられなくなりショボンっと肩を落とす季衣。一刀はその姿が見てられず何とかしてやろうと思った。

 

一刀「仕方がない。流琉、買ってきた材料って何がある?」

 

流琉「え?材料ですか?えっとですね。塩、砂糖、小麦粉、卵、あと山羊の乳がありますね」

 

一刀「それだけあれば十分だな。二人ともついておいで」

 

季衣・流琉「え?」

 

一刀「俺が天界のお菓子を食べさせてあげるよ」

 

一刀は二人を連れて料理場へと赴く。

 

 

 

 

 

調理場へと来た三人は荷物を台に置き、買ってきた材料を並べる。

 

流琉「兄さま。この材料でいったい何を作るのですか?」

 

流琉は料理への好奇心からキラキラと輝いた眼差しで一刀に聞く。一刀は普段しっかりしている妹分の子供らしい姿に頬が緩んでしまう。

 

一刀「今回は蜂蜜がダメになったからな。この材料でなら天界ではいろいろお菓子は作れるんだ。例えば、そうだなぁ~、よし!今回はドーナッツを作るか」

 

季衣・流琉「どーなっつ?」

 

二人が聞きなれない名に頭をかしげている間に一刀は料理に使う道具を出していく。そして、粗方準備を終えると。

 

一刀「北郷一刀の3分クッキング~♪」

 

季衣・流琉「!?」

 

どこからともなく某料理番組の曲が聞こえてきそうなノリで一刀はお菓子作りをはじめる。

 

一刀「まず初めに塩と小麦粉を振いに合わせます。そして、流琉!この前作り方を教えたバターってある?」

 

流琉「は、はい!ここにあります」

 

一刀「よし、それを火にかけて溶かしてくれる?」

 

流琉「わかりました♪」

 

流琉は自分の知らないお菓子作りと大好きな一刀との共同作業で胸が躍る。しかし、季衣は自分だけ退け者にされているのが面白くなく頬を膨らませる。

 

季衣「兄ちゃん!ボクにも手伝わせてよ!」

 

一刀「ん?そうだな。だったら油を鍋に入れて温めておいてくれ」

 

季衣「うん♪わかった!」

 

一刀「それじゃ、次は卵と砂糖をよくかき混ぜます。その次に山羊の乳と流琉!溶かしたバターを入れて」

 

流琉「はい♪」

 

一刀「それを混ぜ。よく混ざったらさっきの小麦粉を二回に分け入れますが。此処で重要なのは混ぜ過ぎないこと少し粉っぽさを残す程度に混ぜます」

 

流琉「は~い♪」

 

流琉は一刀の解説をしっかりと聞き、手元にあった竹簡にメモしていく。

 

一刀「さ~てここからがドーナッツの楽しいところだ♪二人ともこの生地で好きな形を作って油の中に入れていくんだ」

 

流琉「好きな形ですか?」

 

季衣「なんでもいいの?」

 

一刀「あぁ、大体支流なのはこうやって輪を作る物が多いんだけど、他にも星型とか動物とかもできるな」

 

季衣「春蘭様もできる?」

 

一刀「春蘭は~~無理!!」

 

季衣「え~~!!」

 

尊敬する春蘭を作りたかった季衣だったが、流石に人の顔とかできないだろうと思ったのだが

 

流琉「できました!秋蘭様です♪」

 

一刀「なっ!?」

 

季衣「うわ~そっくりだ!ねぇねぇ、流琉、春蘭様も作って!」

 

流琉のつくった秋蘭ドーナッツはとても細かくできていた。一刀はさすが料理上手の流琉だと感心した。その後も二人は楽しく生地でいろんな形を作っていき油の中に入れていく。

 

生地が茶色っぽくなるとサッと油から取り上げ油をきる。二人は初めてみるお菓子に興奮地味に見つめる。

 

一刀「最後に砂糖をかけて出来あがり♪さぁ、どうぞ♪」

 

季衣・流琉「「いただきま~す」」

 

二人は出されたドーナッツを口に運んでいく。二人は食べた瞬間、初めての食感と味に驚愕する。

 

季衣・流琉「「お、美味しい♪」」

 

一刀「はは、よかった。」

 

季衣「兄ちゃん!これすっごく美味しいよ。後で春蘭様達に持って行ってあげてもいい?」

 

一刀「あぁ、もちろん」

 

流琉「に、兄さま?」

 

一刀「ん?なんだい流琉?」

 

流琉「ま、またこうやって一緒に料理をしてもらってもいいですか?///// /////」

 

一刀「もちろん♪俺も料理は好きだからいつでも手伝うよ」

 

流琉「あ、ありがとうございます♪」

 

その後、三人は楽しい時間を過ごしたそれはまるで休日の昼下がりに娘たちにおやつを作って仲良く食べている母娘のようだった・・・・・・・・っと通りすがった女官と兵士達が温かな目で見守っていた。

 

 

 

 

一刀「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!二人に生理処理の仕方を聞くの忘れてたぁぁぁぁぁ!!」

 

二人と別れた後、己の目的を思い出した一刀は後悔しながら恥ずかしげもなく叫ぶ。一刀は程々後悔し終わると「こうしていても仕方がない」っと次に期待して目的の人物に会いに行く。

 

一刀「そうだよ!俺には美里って言う可愛い軍師がいるんじゃないか」

 

一刀は期待を胸に美里を探す。擦れ違う女官達に聞くと書庫にいると言われ、一刀は急いで書庫へとむかった。

 

一刀「え~と、書庫は、っと・・・お?あの部屋か?」

 

書庫を探して歩いていると扉が半開きの部屋を発見する。一刀は部屋の中を覗くと部屋は本で埋め尽くされており一目で此処が書庫だとわかったのだが、中には目的の美里の姿はなく代わりに桂花が書庫整理をしていた。

 

桂花「あ、アンタ何しに此処に来たのよ!」

 

一刀「あれ?桂花だけか?美里がいると聞いたんだけど?」

 

桂花「美里?あの子なら文官たちに必要な資料を届けに行って貰ってるわよ」

 

一刀「そうか、だったら此処には用は無いな。邪魔したな」

 

桂花「ちょ!ちょっと待ちなさいよ!」

 

美里を探しに行くためと書庫を出ようとすると桂花に呼びとめられた一刀。一刀はそのまま足を戻し桂花の傍までやってくる。

 

一刀「なんだよ?俺は忙しいんだけど?」

 

桂花「こっちだって忙しいわよ。ちょっと確かめたいことがあるのよ」

 

一刀「確かめたいこと?」

 

桂花「手を出して頂戴」

 

一刀「手を?・・・・・・・ん」

 

一刀は突然の要求に疑問を感じながらも断る理由もなかったので言われるままに手を差し出す。桂花はしばらく一刀の手を見ていたが見終わると何かを決心したかのようにゆっくりと自分の手を差し出し・・・

 

ガシッ

 

一刀「・・・・・どうしたんだよ手なんか握って?」

 

桂花「・・・・・・やっぱり・・・・感じない」

 

一刀「感じない?・・・・なにを?」

 

桂花「嫌悪感よ!アンタ私が男嫌いなの知ってるでしょ!」

 

一刀「あ~、なんかそんな事言ってたなぁ」

 

一刀は握られていない手の方で頭を書きながら桂花と初めて会ったときに華琳が言っていた事を思い出す。

 

桂花「私は男に近づかれたり触れられるとすごい嫌悪感が体を走るの。だけど、初めてアンタに触れた時にはそれを感じなかった。あの時は緊急時で感覚が麻痺してたからかもしれないと思ったけど、今回はちがう。今回は自分から触れようと思って触れた。だけど何も感じなかった。なんで?・・・」

 

一刀「うっ・・・そ、それは・・・」

 

予想だにしなかった緊急事態に一刀は内心パニックになっていた。よもや桂花にバレてしまうとは考えても見なかった。桂花は男である自分とは一線を引いているから心配はないと多寡をくくったのが失敗だったと反省する。

 

桂花「もしかして・・・アンタ・・・」

 

一刀は頭をフル回転で考えた。この状況をどう切りぬけるかを。一刀は考えた、考えに考え考えた!そして・・・

 

桂花「アンタまさかおん「人間と見てない!」・・・・・え?」

 

一刀「け、桂花は俺のことを男として見ていないのなら俺は人間として見られてないんじゃないかな?うん!そうだよ!それしか考えられない!」

 

桂花「・・・・・・・」

 

一刀の苦し紛れの言葉に桂花は駄目り込んでしまう。一刀はやっぱり天才軍師を騙すには無理があったかと覚悟を決める。・・・・しかし

 

桂花「・・・・そうよね。言われてみればそんな気がするわ!そうよ!私はアンタの事を人間として見てないんだわ!アンタなんか馬で十分そう!アンタは種馬よ!!」

 

一刀「あははは、・・・・種馬・・・ですか」

 

自分で言ったことだとは言え、少し悲しくなってきた一刀であった。

 

桂花「まぁ、アンタに触れられるのなら好都合だわ。・・・ちょっとアンタ付き合いなさいよ」

 

一刀「はい?」

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・桂花・・・・これでいいのか?」

 

桂花「ちょっ!何処触ってんのよ!ここよ、しっかり掴みなさい」

 

一刀「・・・・・・こうか?」

 

桂花「っん・・・・・あっ・・・・ちがうわよ・・・もう少し上よ」

 

物静かな書庫の中には二人の男女、二人の呼吸は先ほどよりも荒々しくなっていた。

 

桂花「そう、もっと突き上げなさい。」

 

一刀「桂花・・・・俺もう・・・・限界・・・・」

 

桂花「なによ!もうへばったの?だらしがないわね!あともう少しなんだから頑張りなさいよ!」

 

一刀の苦痛を耐えるかのような声が書庫内に響く。

 

一刀「くっ・・・・もう駄目・・・桂花、もう限界だ。俺の・・・俺の・・・」

 

 

 

 

 

 

一刀「お前を持ち上げてる手が痙攣してんだよ!!」

 

一刀は苦痛を訴えながらも痙攣する腕で桂花の体を持ち上げ続ける。なぜこのような事になっているのかと言うと一刀の触れられると知った桂花は、書庫整理のため一番上の棚に本を直すから持ちあげろと命令され渋々持ち上げたからである。

 

桂花「なによ!それって私が重いって言う意味じゃない!!やっぱアンタなんかに頼むんじゃなかったわ!!」

 

一刀の不満の声に桂花は怒り、宙づりになっていた足をバタつかせ一刀の体を蹴りつける。

 

一刀「イテ!イテ!こらやめろ!!今、そんなことされたらわっ!!」

 

桂花「きゃっ!?」

 

ドンガラガッシャン!!

 

一刀「イテテテ、まったく少しは後先考えろよな」

 

桂花「なによ!アンタが悪いんじゃない!!」

 

美里「・・・・・・二人とも・・・・・何をしてるの?」

 

一刀・桂花「・・・・え?」

 

バランスを崩した一刀は桂花と共に倒れてしまう。その時、丁度桂花が一刀の体に覆いかぶさるように倒れたので傍から見れば押し倒してるように見えてしまう。そして、それを偶然にも戻ってきた美里が見てしまう。

 

一刀「み、美里!?ちょうど良かった、お前に聞きたい事が「カズ君は少し黙ってて!!」み、美里・・・さん?」

 

美里の物凄い気迫に黙り込んでしまう一刀。美里は一刀を黙らせた後桂花に視線を戻し睨みつける。

 

桂花「な、なによ?」

 

美里「・・・・・・・・・・貧乳」

 

カチン!?

 

桂花「なんですってぇぇぇぇぇx!?」

 

美里の呟いた桂花が一番気にしている一言により桂花はキレた。

 

美里「だから貧乳って言ってるの!この貧乳!!なにさ、私がいないからってカズ君を連れ込んで押し倒したりしちゃってさ!押し倒すんなら自分の体に自信のある所を持ってからにすれば?例えば、胸とか、胸とか、胸とか、胸とか、胸とか?」

 

桂花「アンタ・・・人が気にしている事を何度も!!アンタだって人の事言えないじゃない!!この幼児体型!」

 

美里「ふん!美里はまだ発展途上だから大丈夫だもん!!それに比べて桂花ちゃんはもう成長止まってるんじゃない?この半年、増えたのって体j「ワーワー////// /////」だけじゃなかった?」

 

桂花「ア、アア、アンタなんでそれを知ってるのよ!!」

 

美里「フフ、このミミは伊達についていないのだよ桂花君」

 

桂花「黙れ!!イヌミミ幼女!!」

 

美里「なによ!ネコミミ貧乳!!」

 

桂花「フシャーーーーーー!!」

 

美里「ウゥーーーーーーワン!!」

 

互いに威嚇し合う桂花と一刀は怒りが爆発している二人の影からイヌの化身とネコの化身の姿を見た。一刀は巻き込まれる前に書庫を出ようとするのだが・・・

 

美里・桂花「「どぉ~こ~に~い~く~の~?」」

 

ガシッ

 

一刀「ひっ!?」

 

出口まであと一歩と言うところで両肩にネコとイヌの手がかかり、一刀は書庫の中へと引き戻され扉は閉ざされた。

そして、その日はもう一刀の姿は見られなかった。

 

二日目

 

 

 

一刀「昨日は散々な目にあったなぁ。だけど今日こそは・・・」

 

拳を握りしめ目的を果たすために燃える一刀。昨日は思わぬ出来事にペースを乱されたことが原因だと反省し一刀は今日一日平然を装う事に決めた。

 

一刀「今日は凪達と警邏の仕事があるから、今日は凪達に聞いてみるか」

 

一刀は目標を凪達に決め、凪達のと待ち合わせている隊舎へと向かう。

 

一刀「おはよう皆」

 

凪「隊長、おはようございます」

 

沙和「隊長♪おはようなの~♪」

 

真桜「おはようさん隊長」

 

一刀の挨拶に三人も返す。なぜ三人が彼女のことを隊長と呼んでいるのかと言うと、彼女達は華琳の仲間になった後、一刀の部下となり北郷隊の副隊長を任されたからである。一刀はまだその呼び方に慣れていないらしく赤く染めた頬を指でかいた。

 

一刀「ハハ、やっぱりまだ少し恥ずかしいなその呼び方///// /////」

 

凪「そのうちに慣れますよ。・・・さぁ、今日も街の平和を守るために行きましょう」

 

一刀「そうだな。それじゃ、今日は西地区を回ってみるか?」

 

真桜・沙和「「さんせ~い(なの)」」

 

警邏をする地区を決めた四人は数人の部下を連れ西地区へと向かった。

 

 

 

 

一刀「へぇ~この辺はいろんな店がならんでいるなぁ」

 

一刀達が歩いている大通りには様々な店が立ち並び道は買い物客でにぎわっていた。

 

凪「・・・・・・そ、そうですね」

 

一刀「ん?凪、どうした?具合でも悪いのか?」

 

凪「い、いえ大丈夫です///// //////」

 

一刀「ん?そうか・・・」

 

凪の様子がいつもと違っていたので一刀が心配して声をかけると凪は頬を染めながらなんでもないと答える。一刀は少し気にかかったが今は警邏中だったので後でもう一度聞くことにした。その時にでも目的の事を聞けばいいと一刀は思った。

 

一刀「しかし、あの二人はどこに行ったのやら・・・」

 

凪「まったくです。あの二人は警邏を何だと思っていのでしょう」

 

一刀「散歩?いや、掘り出し物探しと思ってるんじゃないのか?」

 

凪「・・・・二人ならあり得るかもしれません」

 

今大通りを歩いている北郷隊の中に沙和と真桜の姿がなかった。二人は西地区に来るとすぐに何処かへと消えていたのである。二人のサボり癖は今に始まった事では無く度々このように突然と姿を消すのである。

 

一刀「しょうがないから今日も俺と凪の二人だけで回るか?」

 

凪「ふ、二人だけ・・・・・はい!///// /////」

 

凪は一刀の言った二人だけと言うことに反応して顔を赤らめる。そんな二人は余所から見ればデートをしているカップルに見えなくもないのだが、後ろの兵士達は・・・

 

兵士(((俺たちは空気扱いですか?お二人さん)))

 

と心の中でボヤキながらも二人の邪魔をしない様に後ろをついて行く兵士たちは空気を読むことに長けていると言える。

 

凪「では、次はこちらの方に「「よっしゃー!!(やったーなの!!)」」・・・・この声は・・・」

 

しかし、折角の兵士達の心使いを無にする二人の声が人でごった返す大通りに響いた。一刀達は声のした方を見るとそこには道の両脇にある二つの店で品物を漁っている二人の姿があった。

 

沙和「やったー!!こんなところで限定発売されたぬいぐるみに会えるなんてツイてるの♪これは絶対に買わないとね」

 

真桜「おぉ!まさか!?こないなところで幻と言われたカラクリ夏侯惇将軍騎馬版があるとは、これは何が何でも買わないといかん!!」

 

と店に置いてあったぬいぐるみとカラクリを抱え大はしゃぎする沙和と真桜。一刀ははしゃぐ二人の傍まで行き二人に声をかける。

 

一刀「なにをやってるのかなぁ?二人とも」

 

沙和・真桜「「あ、隊長」」

 

二人は一刀に気付くと何食わぬ顔で抱えてたモノを持ったまま一刀の前までくると、持っていたモノをグイッと一刀の顔に近づけみせる。

 

沙和「隊長、みてみて♪この子可愛いでしょう♪この子若い女の子に大人気でなかなか手に入らないんだよ!隊長も可愛いの好きだよね?」

 

一刀「え?いや、俺は別に・・・」

 

真桜「なにを言っとるんや沙和?隊長は男やで?男やったらやっぱりカラクリやろ!みてみて隊長♪この夏侯惇将軍、普通のカラクリ夏侯惇とは違うて騎馬に乗っとるんやで!しかも、これが二つあると戦うんやで!!な?メッチャカッコいいやろ?」

 

一刀「えっと、確かにカッコいい・・・・かもな」

 

沙和「えぇ~、隊長は絶対可愛い物の方が好きだよ。美里ちゃんとか見てる時の目とか優しい感じしてたの」

 

一刀「え!?俺そんな目してたの!?」

 

沙和の指摘に驚く一刀今後はもう少し自重しようと心の中で決めた。

 

真桜「いいや!絶対カッコいいカラクリの方がすきや!」

 

沙和「ぶぅ、違うもん!かわいいモノだもん!」

 

真桜「カッコいいカラクリ!!」

 

沙和「可愛いヌイグルミ!!」

 

一刀の好みで言い争う二人。二人の意見に一刀は本当なら沙和の言った通り可愛い物が好きなのだが、男としてなら此処はカッコいいカラクリを選ぶべきなのかと悩んでいた。とりあえず二人を落ち着かせようと声をかけようとしたその時

 

凪「いい加減にしろ!!二人とも!!」

 

一刀「な、凪!?」

 

先ほどから黙っていた凪だったが突然怒鳴ると、物凄い気迫を纏いながら一刀の横を素通りして二人の前へと歩む。いつもの凪なら二人に注意する所なのだが今日は少し様子が違っていた。

 

凪「二人とも・・・今が仕事中だと言うことが・・・・・わかっているのか?」

 

沙和「な、凪ちゃん・・・・怒ってる?」

 

凪「怒っているに決まっているだろう!!それに今日の私は今朝から機嫌が悪いんだ!これ以上私を怒らせないでほしいのだが・・・」

 

真桜「今朝から?・・・・・・あぁ、なるほどだから今日は機嫌悪かったんか」

 

沙和「なるほどなの~」

 

一刀「ん?なんのことだ?」

 

先ほど気にかかった事といつもと様子が違う凪に不思議に思っていた一刀だが、二人は何故なのかわかったみたいだ。

 

沙和・真桜「「凪(ちゃん)、今日あの日やろ?(なの?)」」

 

凪「な!?//////// ///////」

 

一刀「あの日・・・・・・って!?あの日なのか!?////// ///////」

 

二人の言葉に凪は顔をこれでもかと言うほど赤くなっていく。一刀も女なのであの日と言われれば何のことなのか察しが付き不機嫌になるのも理解できたのだが、女の子だから分かる事なのだが男の前で自分があの日だと知られるのはすごく恥ずかしいことだ。一刀もそのことがわかっていたので今の凪の気持ちがよくわかった。

 

一刀「な、凪?俺は何も聞いてないからな?その・・・だから・・・気にするん「二人とも」・・・ひっ!?」

 

一刀が励まそうと声をかけたがすでに遅し、凪の体は黄金色に輝きだし髪は逆立ちまるでスー○ーサ○ヤ人のようになっていた。

 

凪「よろこべ、今日は二人とも仕事なしになった。・・・・いや、これからは仕事をしなくてゆっくりと寝ていてくれ…永遠に!!」

 

沙和「な、凪ちゃん!?ご、ごめんなの!!」

 

真桜「つい口がすべってもうたんや!!ほんま堪忍してや!!」

 

凪「問答・・・・無用!!」

 

ドガアァァンッ!!!

 

沙和・真桜「ウギャアアッァァァァッァ!!!!」」

 

凪の放った『乙女の心は傷ついた』氣弾は見事二人に命中した。二人はプスプスと煙を出しながらもピクピク動いたので死んではいないみたいだ。

 

凪は横たわる二人の襟を掴み「交通の邪魔になるので隊舎に捨ててきます」と言って二人だった物を引きずりながら隊舎へと歩いていった。一刀と傍に控えていた兵士たちは心の中で同じことを誓った「凪を絶対に怒らせてはいけない」っと。

 

 

 

 

一刀「昨日の凪は怖かったなぁ。これじゃしばらくは生理のことは聞けないな。・・・どうしようか」

 

一刀は凪達が去った後、残った兵士達と警邏を終え城に戻っていた。目的が果たせないまま時間だけが過ぎて行くことに焦りを見せ始める一刀。だが、まだ一日あると前向きに考え次の聞く相手を考える。すると・・・

 

華琳「あら?一刀じゃない?」

 

一刀「ん?げっ、華琳・・・」

 

後ろから声をかけられ振り向くとそこには、春蘭と秋蘭を引き連れた華琳がいた。どうやら今からお茶会をするらしく後ろの二人の手にはお茶とお菓子があった。

 

華琳「なによ、なにか私とあって嫌なわけ?」

 

春蘭「キサマ!!華琳さまと会えて嫌だと言うのか!!」

 

一刀「べ、別に嫌じゃないけど・・・それよりも今からお茶会か?」

 

華琳「ええ、政務に一区切り出来たから休憩がてらね。貴方もくる?」

 

一刀「いいのか?」

 

華琳「ふふ、昨日のどーなっつ?だったかしら、あれ季衣達からもらったのだけれどもとてもおいしかったわ。そのお礼をしたいのよ」

 

一刀「そういうことなら・・・」

 

華琳「では決まりね。それじゃ行きましょ」

 

一刀はお茶会に参加することで場が和み、聞きづらいあの日の事を聞けるかもと考えながら華琳達と共に中庭へと向かった。

 

秋蘭「華琳様、どうぞお茶が入りました。」

 

華琳「ありがとう秋蘭。・・・・・ふぅ、おいしいわ」

 

秋蘭「ありがとうございます」

 

中庭に設置されている席に座ると秋蘭は手慣れた手付きで三人にお茶を入れて行く。ウェイター服を着せれば様になっていただろう。

 

華琳「それでどうなの、あの三人は?」

 

一刀「三人?あぁ、凪達か。まぁ、大丈夫だろ、三人共それなりに頑張ってるみたいだし、それに凪に関したら俺よりも強いからなぁ」

 

華琳「そう・・・頑張ってるのね。それなら黄巾党との決戦には間に合いそうね」

 

一刀「決戦?」

 

秋蘭「黄巾党の大群が一か所に集まろうとしているのだ。奴らも本気になったのだろう」

 

華琳「周辺諸侯も本腰を入れて討伐に出るはずよ。多分これで決着がつくはず・・・あら?春蘭そこどうしたの?」

 

春蘭「こ、これですか?すみません鍛練中に切ってしまったようで・・・」

 

華琳が話しをしていると春蘭の服の袖が破れているのに気付く。春蘭は少し気まずそうにしながら袖を隠す。

 

秋蘭「仕方がない、後で私が「俺がしてやろうか?」・・・なに?」

 

一刀は何故か持っていた裁縫セットを取り出し針に糸を通した。

 

一刀「ほら、春蘭袖をこっちに向けて」

 

春蘭「ふん!男のキサマができるはずがないだろう!」

 

一刀「それは見てから言ってもらいたいものだな。ほら、さっさと貸す」

 

春蘭「・・・・変なことすれば叩き切るからな!」

 

一刀「はいはいっと」

 

渋々ながらに袖を差し出す春蘭。一刀は春蘭の手を掴むように袖を握るとスッと針を破れている箇所に通し縫って行く。その手際の良さに華琳たちは驚いた。

 

一刀「これで・・よしっと!どうだ?」

 

春蘭「あ、あぁ、すごいな縫い目がまったく目立たない」

 

秋蘭「意外な才能だな」

 

一刀「ま、まぁ、天の国では男でもこれぐらいはできるんだよ」

 

一刀は怪しまれない様に言い訳をしながら湯呑に入ってたお茶を啜る。

 

華琳「・・・・一刀・・・私の嫁にならないかしら?」

 

一刀「ブハッ!?ゲホゲホ!!な、なにをいきなり言いだすんだ」

 

春蘭「か、華琳様!?本気ですか?」

 

華琳「だって料理上手は昨日のお菓子でわかったし、裁縫も上々、これなら良いお嫁さんになれるじゃない。だったら私が貰ってあげてもいいと思ったのよ。そうね式は盛大に開いて一刀には花嫁衣装を着させたいわね」

 

一刀「良いお嫁さん・・・・花嫁衣装///// /////」

 

一刀は純白のウエディングドレスに身に纏い幸せそうな顔で相手にお姫様だっこをされているの想像し、一刀の顔はニヤけてしまう。

 

一刀「・・・・・・いいかもしれない」

 

華琳「ん?なにニヤニヤしてるのよ気持ち悪いわね。冗談に決まってるじゃない!大体、その程度で私の相手に慣れるわけないじゃない!・・・・まぁ、もう少し上達したら考えなくもないのだけれども////// ///////」

 

一刀「ハハ、そうだよな!冗談だよな!!男の俺が嫁っておかしいもんな!!ハハハ・・・・はぁ」

 

少しでも女の夢をみてしまった事に一刀は肩を落とす。そのため華琳が恥ずかしながらも最後に行ったことをスルーしてしまった。

 

 

春蘭「ところで先ほど見掛けたのだが凪の奴はどうしたのだ?今日はやけに機嫌が悪いように見えたのだが」

 

一刀「あぁ、それなら・・・・コショコショコショ」

 

一刀はあまり大きな声で話せないので三人の耳を借りて小さな声で先ほどの出来事を話す。

 

春蘭「なるほど、そういうことか」

 

華琳「それは機嫌も悪くなるのだろうし、怒りもするわね」

 

秋蘭「同感です」

 

三人は凪の気持ちに同感していると一刀はこれはチャンスじゃないのかと思った。

 

一刀「そう言う物なのか?男の俺は知識としてなら知ってるけど、実際どんなものなのかわからないからな。あ、これは男として気になる事だからな!男として」

 

華琳「・・・・・そうね、男には味わえない苦痛かしらね。だけど、それと同時に女にしか無い幸福を感じさせることでもあるって聞いたことがあるわ」

 

一刀「幸福を感じさせる?」

 

華琳「私も初めての時は戸惑った時期があったわ。でも、私の母はその時「貴方は母親になる資格を持ったのよ。貴方と貴方を愛する人との結晶を宿す資格を持ったのよ」って優しい笑顔と一緒に言われたわ。私はその言葉を聞いてとても幸せな気持ちになったわ。だってこれは男には無い女の特権だもの」

 

一刀「・・・・なるほど、華琳も母親になりたいって思う気持ちがあったんだな」

 

華琳「なによ私だって女よ!まぁ、今は可愛い女の子とイチャイチャすることが楽しいから、しばらくは必要ないわね」

 

一刀「さいですか・・・・」

 

一刀は良い話しをしていても華琳は華琳なのだなぁと思い、会ったことのない華琳の母親に「貴方の娘は百合の花道を歩んでいますよ」っと心の中でご報告した。

 

華琳「さてそろそろお開きにして仕事を再開させましょうか」

 

秋蘭「そうですね」

 

そう言い席を立つ三人、一刀は焦った。まだ重要なことが聞けていない、このまま終わらせられないと一刀は華琳達を引きとめようと立ち上がったのだが。

 

ピチャ

 

一刀(ん?ピチャ?、何か湿ってるような・・・・)

 

春蘭「お、おい!北郷、キサマ大丈夫なのか?」

 

一刀「え?大丈夫って?」

 

春蘭が一刀の下半身部分を指さす。一刀もゆっくりと視線を落としていく。すると、そこには白い制服ズボンのお尻部分が赤く染まっていたのである。

 

一刀(そ、そんな!?まだ一日ぐらい余裕があると思ったのに!なんでこんな状況で始まっちまうんだよ!)

 

華琳「一刀・・・・あなた・・・まさか」

 

一刀(いやだ!女ってバレれるのは困るけどよりにもよってこんなバレ方は嫌だぁぁぁぁぁ!!)

 

一刀「か、華琳・・・これは・・・その「ごめんなさい」・・・・はい?」

 

一刀は頭の中が混乱してしまい、どう言い逃れするか思いつかないで動揺していたのだが華琳は何故か謝りだしたのだ。

 

華琳「ごめんなさい気付かなくて。…貴方がそんなに大変なことになっていたなんて」

 

一刀「か、華琳・・・そんな謝らないでくれよ、隠してたのは俺の方なんだし・・・」

 

華琳「いいえ、貴方が隠すのも無理はないわ。だって・・・・・・・痔だなんて恥ずかしいものね」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

 

華琳「でも安心なさい。私たちが極秘に良い医者を連れてきてあげるから待ってなさい!行くわよ二人とも!」

 

春蘭・秋蘭「「御意」」

 

一刀「ま、ま、待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

医者を呼びに行く三人を必死に追いかけ呼びとめる一刀。しかし、どうにか追いついた時には城中を走っていたので、城の者に血の付いたズボンを見られてしまったのである。

 

 

 

 

 

 

一刀「うっ、うっ、ううぅぅぅぅぅ~~シクシク」

 

華琳を呼びとめた後、どうにか説得は出来たものの城の者には天の御遣いが痔になったと言う噂が流れてしまい。その日は見る人から全員気の毒そうな目でみられた。

 

コンコン

 

秋蘭「北郷、いるか?」

 

部屋の寝台で枕を濡らしていた一刀の下に秋蘭が訪ねて来た。一刀は涙を拭いながらドアを開ける。

 

一刀「グスッ、な、なんの用だよ」

 

秋蘭「華琳様からこれを渡すようにと」

 

そう言い持っていた箱を差し出す。一刀は箱を受け取り中身を確認すると中には薬と柔らかい布のようなモノがあった。しかし、その手触りや感触は見覚えがあった。

 

一刀「秋蘭これって・・・」

 

秋蘭「一つは痔によく効く薬だ。それともう一つは軟婦巾(ナプ○ン)と言って女性が生理の時に使う物だ。これで出血の時でも大丈夫だろう。使い方は一緒に入ってる紙に書いてあるから。それじゃ、体は大事にしろよ北郷」

 

秋蘭は目的を果たすと一刀の部屋を後にした。そして、残されたのは白い灰となった一刀がこれまでの苦労を思い返しながら涙を流すだけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

一刀を付け狙う謎の少年左慈。彼は今、一刀を自力で探すためとある街へとやってきていた。

 

左慈「クソ、どこを探しても見つからない!本当に奴はこの外史にいるのか」

 

イライラを積もらせながら道を歩いていると何やら人が集まりだし騒がしくなってきた。

 

左慈「なんだこいつ等は邪魔だ!どけ!」

 

人を掻き分けながらも前に進もうとする左慈だが、人の数が多すぎて人ごみに呑まれてしまった。そして辿りついた場所は華やかな衣装を纏った男女を祝福する行列の中だった。

 

男「おめでと!!」

 

女「おめでとう!!幸せになってね!!」

 

花嫁「皆ありがとう!!」

 

花婿「絶対に幸せにして見せるからな!!」

 

左慈「・・・・・・・・・ふん、下らない。人形風情のまま事など」

 

左慈は鼻で笑いその場を後にしようとするのだが、その時、花嫁が投げた花束が左慈の胸の中に落ち思わず受け取ってしまう。

 

左慈「な、なんだこれは?」

 

男「おお!!こんど幸せになるのはあの兄ちゃんだ!!」

 

女「クゥ~、悔しい私が貰うはずだったのに!!」

 

男「やったな兄ちゃん!!」

 

花束を持った左慈を人々は祝福した。左慈は突然の事で何が何だか分からずにいた。

 

左慈「な、なんだ!?これを受け取ったからなんだというんだ!!」

 

男「知らないのかい兄ちゃん?この町の結婚式で花嫁が投げた花束を受け取った者は次に結婚できるっていわれているんだぜ」

 

左慈「け、結婚!?////// ///////」

 

左慈は男の言葉を聞くと頭の中に自分の結婚式の姿が思い浮かんだ。

 

 

 

妄想中

 

干吉「おめでとうございます左慈」

 

左慈「ありがとよ干吉」

 

干吉「うらやしいですねあんな可愛らしい人と結婚できるだなんて」

 

左慈「ふん、テメェには絶対やらないけどな」

 

干吉「わかっていますとも、でわ行きましょうか?花嫁が待っていますよ」

 

二人は花嫁のいるマージンロードへと進む。ちなみに仲人は干吉です。

そして、頭からベールを被り左慈を待つ花嫁の下へとたどり着く。

 

左慈「待たせたな。いろいろと」

 

花嫁「ううん、そんなことないよ。」

 

左慈「これからは俺がお前を守ってやるからな」

 

花嫁「うん♪」

 

貂蝉「では、花嫁に近いのキィィィィィスをぉぉぉ!!」

神父の恰好した筋肉だるまが二人にキスをするようにいうと左慈はゆっくりと花嫁のベールをあげその顔を見つめる。

 

左慈「・・・・・・可愛いぜ北郷」

 

一刀「・・・・・・・左慈♪」

 

そして二人は誓いのキスを・・・・・・

 

妄想強制終了

 

 

 

左慈「うわあぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

男「わはは、あの兄ちゃん嬉しさのあまり走ってどっかにいってしまったぞ!」

 

 

左慈はその後も日が沈むまで荒野を走り続けた。それでも手にはしっかりと花嫁から受け取った花束を大事にもっていた。

 

 

おわり

 

 

 

 

 

あとがき

 

どうでしたでしょうか?

今回のネタは姉の実体験と言いましたが、姉が女友達の家で実際に始まっちゃって気付かないうちに血が滲んでいたそうです。その友達は軽いホラーだったと話していました。

 

さて、今のところ順調に一週間単位で一話更新しているのですが、残念なことに来週は大事な入社試験なので更新が遅れてしまいます。

楽しみにしている方、まことに申し訳ございません・

試験が終わり次第執筆しますので、どうかお待ちください!!

 

では、次回の予告ですが、いよいよ黄巾党のとの最終決戦。そしてついに一刀の正体に気付く者が!!

 

それではまた会いましょう。


 
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