No.180281 異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 A`S 21話RYOさん 2010-10-25 06:02:59 投稿 / 全11ページ 総閲覧数:3647 閲覧ユーザー数:3384 |
………………………………………………
魔法少女リリカルなのは月・・・・・・始まります。
yukito side
どうシてこんなことニなったンだ……
おレのせいか? カノジョのせいか?
ワカラナイ……
でも、もしあのトキのオれに力があれバ……
そうだ力ダ。
力チカラちから力力チカラちから力……
チカラ!
その時に思い浮かんだのは自らを犠牲にし、力に翻弄されながらも人のために戦った緑色のヒーローを思い出した。
「うあぁああああああああああ!」
side out
FATE side
「うあぁああああああああああ!」
ユエが声を張り上げて叫んでいる。
悲しい叫び。それに何かへの渇望。そんな思いが届いてくる。
「……ユ…エ? ……ユエ!」
「くっ!? バカな!? 何故やつが此処に!?」
!? この人ユエがここに居ないのを知っていた!?
「まあ良い。奴は今連戦で戦う事すらできまい。なら此処で殺しておけば計画に支障が出なくなるだろう。」
計画!? 何の事!? それにユエを殺すって……
「……ユ…エ。」
逃げて!
そう言おうとした時だった。
ユエが手を胸の前でクロスさせた。
あの魔法を使うつもり!?
私の頭にはこの間、ユエと戦った時のあの風景を思い出していた。
「なっ!? まさか……あれを使う気か!? くっ!?」
後ろにいる人はそう言うと私の胸から手を引き抜いてユエに向かって行った。
あの時のことも知ってるの!? いったい誰!?
このままじゃユエが!
ユエのあの魔法は呪文が要る。それも長い。その前に攻撃されたら……
「ユエーーーーー!」
でも私が見たのは想像と違うものだった。
ユエが振り下ろして叫ぶ。
「変身!」
ユエがそう叫ぶとユエの隣から緑色の怪物が現れる。
それはユエが仮面の人に近づくごとにユエに近づいていって……
重なった。
side out
yukito side
俺ハギルスに変身シた。
「アアァアアアアアアアアアアア!」
「なに!? あの魔法じゃない!?」
うるさい仮面ダ。叩き壊してヤル。
「ガアッ!」
「くっ!」
――ガキン!
防がレた。タリナイ、俺ニもっとチカラヲ!
――妖力全開
――解放完了
――剄全開放
――解放完了
――霊力全開
――解放完了
――魔力、氣ともに全開放
――エラー。魔力、氣、ともに限界
――オーバードライブ・限界突破開始
――警告。オーバードライブは人体に危険が――ハヤクしロ――オーバードライブ開始
「ガッ!? ……アアアァアアアアアアア!」
仮面野郎ハ、マダ俺ノ目の前にイる。
メザワリダ……シネ。
「ガアアアッ!」
「ぬっ…くぅ!?」
――ピシッピキピキ!
コレデモマダ罅ダケダト!?
フザケルナ!
モット……モット……チカラが手に入るナラ理性モイラナイ!
――スキル……狂化Aランク
スキルを発動した瞬間。俺の意識は途絶えた。
side out
第3者視点
そこからの戦いは……いや、戦いともよべない一方的な殺戮だった。
「ガアアアッ!」
「がはっ!?」
ギルス(雪人)が腕を振るい、それを仮面の男(リーゼロッテ)がバリアで防げずに吹き飛ばされている。
速さはやや雪人の方が速い程度。それをここまでのワンサイドゲームにしているのはギルスの戦いの本能と、全ての力を掛け合わせた上に狂化している事によって得られるパワーだった。
ギルスのパワーは本来10t。それが強化されているのを防げたのは、リーゼロッテの長年の戦いの経験と、雪人が開放した力を合成しないで身に纏い互いに邪魔しあっているからだった。
しかし、狂化でさらにパワーが付きロッテのバリアを一撃で破壊できるようになっている。
「ガアアッ!」
ギルスクロウを伸ばしロッテを斬り殺そうと接敵する。
ロッテは先ほどまでの戦いで防御は危険と判断し回避に専念する。
「ガアッ! ヴアッ! ……ガアアアアアアッ!」
殺そうと思っている敵が回避しているのに焦れてきたのかギルスは叫びをあげ腕についている鞭、ギルスフィーラーをロッテの足に向かって振り下ろす。
さて、鞭はRPGなどではあまり強い武器ではない。剣や槍などに比べると見劣りしてしまう。格好悪いし。しかし、現実の鞭は音速の速さで飛び、皮や肉を傷つけるくらいの力があるのだ。もしそれがギルスの力で振られ
たら?
――バキン! ボキリ!
振り下ろされたギルスフィーラーはロッテがとっさに張ったバリアを軽々破り、ロッテの足をへし折った。
足が千切れ飛ばなかったのは不幸中の幸いだろう。
「ぐっ!? ああ……ぐああああああ!?」
ロッテが痛みで叫ぶがギルスにはそんなことは関係ない。
後は殺すだけとゆっくりロッテに近づいていく。
「ユ…ユエ…やめ……」
フェイトとシグナムは離れたところに居た。
フェイトはなんとか虐殺を止めようと思っていたが、ギルスから放たれる濃厚な殺気に当てられ動けなかった。
(タカシナ! 止せ!)
シグナムは動けてはいるがギルスの様子に手を出したら危険と判断し、念話によって雪人を止めようとしている。
そうしている内にギルスがロッテを捉えた。
ギルスクロウを振りかざし止めを刺そうとする……が。
「があ!?」
ギルスの目の前に居たロッテが消える。
ギルスは辺りを見渡すが見つからない。シグナムとフェイトがホッと一息ついた瞬間。
「……ギィ!? ガアアアアアアアアアアア!?」
魔力刃がギルスに迫り腕を斬り飛ばした。
襲撃者は喜んだ。妹を傷つけたあいつに仕返しをしてやったと……しかし、その感情は驚愕に変わる。
「ぐぅ! ガアアアアアアアアア!」
「なっ!? バカな!?」
ギルスが叫ぶと腕が千切れた部分から再生した。
ギルスは魔力刃が飛んできた方向を見て、襲撃者を見つけた。
仮面の男と同じような匂いがする。そう本能で感じたギルスは咢を開き咆哮とともに剄を放った。
その技は奇しくもある世界の咆剄殺という技と似ていた。
――ズドン!
「ぐあああああ!?」
攻撃は襲撃者、リーゼアリアに直撃し防御すらしてなかったアリアは地面に堕ちていった。
ギルスはそれを見届けるとリーゼの方向へ走り出した……が。
「待って! ユエ!」
それはすぐに止まる。
目の前にフェイトが両手を広げて道を塞いでいるからだ。
「ガアアアアアア!」
ギルスは退けという意味を込めて叫ぶ。退かないなら容赦はしないと。
「ううん。退かないよ、ユエ。」
しかし、フェイトは退かない。
その瞳には決意の炎が灯っていた。
「スゥ……ガアアア!」
ギルスは先ほどの咆剄殺を放った。
side out
FATE side
私が退かない事が分かったのかユエはさっきの攻撃をしてきた。脅しじゃない。直撃コースだ。
防御しちゃだめだ。防御したらユエは私まで敵だと思っちゃうかも知れない。
だから私はそのまま手を広げている。
そして攻撃が私に……
「馬鹿者!」
私に当たる筈だった攻撃は横から入ってきたシグナムによって防がれた。
シグナムは私を連れてさがる。
「何をしているのだ! タ……ユエが正気でない事くらい魔導師のお前でも解るだろう!?」
「……解ってます。でも……」
さっきのユエの叫びが悲しそうで、辛そうで……
私は……今の痛々しいユエが見ていられなくて、ユエが何かに脅えたり悲しんだりしていたんだったら、なのはが私にやってくれようとしたように分け合いたくて。
そう思ったら私は走り出していた。ユエに殺されるかもかもしれないと思った。怖い……でも、私と母さんを助けてくれたユエが苦しんでる。なら今度は私がユエを助ける番!
「私は……あんな悲しそうなユエを見ていられません。」
「お前は……良いだろう。私も手伝おう。」
シグナムがそう言ってきた。
「え!? ……でも危ないですよ!? それに……あなたとユエさんは味方同士じゃないですか!」
「ふっ……この位の危機的状況なら何度も潜り抜けてきた。それに……ユエは私達に迷惑は掛けないと言って蒐集について来たのだ。これは迷惑以外の何物でも無いからな。少しくらい殴っても罰は当たらないだろう?」
そう言ってシグナムは私に笑いかけてきた。
「そ、そうなのかな?」
「そうなのだ。」
そ……そうなんだ。
「さて……手伝うのは良いがどうやって止める? あの攻撃はさすがにガードしきれんぞ。」
「そ……それは……」
[先の攻撃、威力が少なかったぞ。]
あ、バルディッシュが喋った。じゃなくって。
「それって仮面の人を攻撃した時より少なかったって事?」
[Yes.]
「もしかしたら無意識に手加減しているのかもしれんな。」
そうなのかな? そうだとしたらちょっと嬉しい。
「ふむ……では、ユエを気絶させるか。」
「ええ!?」
「気絶させなければユエが仮面の男を殺してしまうかもしれんぞ?」
うっ……それはダメ!
「分かりました。行きます!」
「ああ、行くぞ!」
私達はユエに向かって行く。
先に攻撃範囲内に入った私は、ユエを軽く斬り、すぐに範囲外に出る。
「ガア!?」
驚いたユエは私に向かって手を振り回してくるけどさっきより全然遅いそれは簡単に避けられた。
[Schlangeform]
「はあっ!」
シグナムの方からそう聞こえた瞬間、ユエが吹き飛ばされた。
「ガアア!?」
吹き飛ばされてもユエはすぐに体勢を立て直し、そのままこっちに直進して来た。
ユエも正気じゃ無いからかすごく読みやすい。だから……ごめんね?
「ガっ! ガアア!?」
ユエが直進して来た所を私が置いておいたバインドがユエを掴む。
「グアアアアアアア!」
「くっ! くうぅ!」
ユエは早くその場から逃げようともがく。私はユエが逃げないように必死でバインドに魔力を込め続けた。
「シグナム!」
「大丈夫。準備は出来ている。」
[Bogenform]
レヴァンティンがカートリッジをロードし、鞘と剣を合わせ姿が変わる。その姿は……弓!
「行くぞ……ユエ。」
カートリッジが上下でロードされる。
「翔けよ、隼!」
[Sturmfalken]
シグナムが弓を放つ。
ユエはその弓が自分に中るのを見届ける事しか出来なかった。
「グ…ギャアアアアアア!?」
叫び声とともにユエが倒れ、いつもの少年の姿に戻った。
side out
yukito side
暗い暗い闇の中。
俺はその中に漂っていた。
最悪の場所だった。早く誰かに助けて欲しかった。
その中をゆっくり進んで漂っていると前に誰かが居た。
「よう。」
そいつはフランクに話しかけてきた。馴れ馴れしいやつだ……当然か。こいつは……
「俺か……」
「そう。俺だ。」
そこには俺が居た。昔の姿の俺。と言っても神の所に来た時より背も高くなって無精ひげを生やしている。
「俺は二重人格じゃなかったはずだけど?」
「冗談きついぞ。もう忘れたのか?」
忘れるわけがない。さっき思い出したんだから。
「お前は良いよな? 全てを忘れてリリカルの世界で楽しくやりやがって。」
「忘れたくて忘れてたわけじゃない。」
「へえ? ……くくっ。嘘つくなよ。忘れたいと思ったから忘れちまったんだろ?」
「…………」
くっ! ムカつく野郎だ。
「ああ。俺もお前がムカつくよ。」
「じゃあどうする? やんのか? あぁ!?」
「おいおい、やめてくれよ。銃と剣使うしか能の無い俺が、最強系オリ主のお前と戦って勝負になるわけねえだろ。」
目の前の俺はビビっているようなふりをする。
「まあ、なんだ。胸糞悪い話だが、俺とおまえは一つってわけだ。もうすぐお前の記憶でしかない俺はお前に吸収されて無くなっちまう。」
「ならさっさと逝け。」
「ひでえな。……最後に言っておきたくてな。」
目の前の俺は光の粒子になりながら俺に語りかける。
「お前にこれから何があるのか分からねえが……もっと力をつけろ、戦略を磨け、守ることに貪欲になれ。」
言いながら俺は俺の頭を撫でてくる。……やめれ。
「そうすればお前は……今度は誰も……」
目の前の俺がそこまで言って瞬間。
俺を衝撃が襲った。
目が覚めるとそこは青空が広がる無人世界だった。
「ユエ!」
「タ……ユエ!」
フェイトとシグナムが近づいてくる。
「シグナム……フェイ…ゴプッ!?」
いきなり胸に激痛が走り。気管から液体がせりあがってきた。
「ユ、ユエ! 血が……」
ちぃ! 魔力の枯渇!? どうしてこんな事に!?
「ぐぅ!? がああ!?」
「ひっ!? 手……手が!?」
今度は手が萎れて爺さんのような手になってしまった。
ギルスの老化現象!?
「なっ!? 何が起こって……!?」
「覚えていないのか? お前はいきなり叫びだして暴走しだしたんだ。」
シグナムが俺にさっきまでの事を説明する。
「そういう事か。……フェイト。」
「な、なに?」
「この姿を覚えておけ。力を求めすぎた者の末路だ。まあ、末路と言っても死にはしないのだが。」
さて、そろそろ帰るか。
(シグナム。少し目をつぶれ。逃げるぞ。)
(タカシナ!? 念話などして……分かった。)
俺の事を心配しているのかシグナムは念話の魔力を使ったことを咎めずに目を瞑った。
「ごぷっ!?」
「ユ、ユエ!」
「フェイト……」
「な、なに? どうしたの? ユエ。」
「悪いな。太陽拳(弱)」
「きゃっ!?」
カメラのフラッシュより強い程度の光でも確実にフェイトの目は眩む。
「シグナム! 今だ!」
「時空転移!」
「ユエ!?」
叫ぶフェイトを置いて俺とシグナムは地球へ帰った。
あとがき
はいどうも~作者です。
皆さん。いかがお過ごしでしょうか?
作者は週末はずっと家に籠ってゲーム三昧だったから頭が痛くて痛くて。
それはそれとして今回の異世界冒険譚は!
雪人君はやっぱり暴走してしまいました!
雪人君が言っていた彼女とは!? あの時とは!?
雪人君の暴走が狂化でさらに強化!
そして……ロッテの足があぁあああ! ロッテは足のパーツがいいよね。ふっともも!
ユエの暴走を止めるために共闘するシグナムとフェイト。
雪人の心の中で出てきたもう一人の雪人の昔の姿(おっさんver)。
このおっさん雪人君が撃てない銃を使えるという。
このおっさんの過去に何があったのか! 雪人君が銃を使えないのに過去であるおっさんが使える理由は!?
いつか説明します。
それでは次回もよろしくね~~~。
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交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。
そして物語はA`Sへ・・・