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真・恋姫†無双~赤龍伝~第2話「少年対孫策」

さん

真・恋姫†無双の二次創作の小説です。この作品には主人公も含めてオリジナルのキャラクターが存在します。その事をご了承の上、ご覧ください。

2010-10-01 02:28:34 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:12290   閲覧ユーザー数:10541

真・恋姫†無双~赤龍伝~第2話「少年 対 孫策」

 

 

 

孫策「はっ!!」

 

少年「くっ…」

 

少年はいきなり飛び込んできた孫策の攻撃を辛うじて避ける。

 

少年(なんて速さだ!)

 

雪蓮「どうしたの? あなたも攻撃してみなさいよ!!」

 

孫策は少年に襲いかかる。

 

少年は手に持つ木製の棒で、剣の刃をずらして斬撃をいなしていく。

 

孫策「少しはやるじゃない! でも。これならどう!」

 

攻撃のスピードが上げた。

 

“スパッ”

 

きれいな音を立てて棒は真っ二つに斬られた。

 

孫策「ふふ、これでお終いね」

 

そう言いながら、勝ち誇ったような顔をする。

 

少年「はぁ、はぁ、はぁ」

 

少年(やっぱりこの人強い。こうなったら)

 

少年は二つに斬られた棒を1本ずつ両手に持ち直す。二刀流の下段に構えて息を整える。

 

孫策「ん、何? まだやる……」

 

まだやる気?と孫策は言い終える前に少年の変化に気がついた。

 

孫策(さっきと雰囲気が変わった)

 

少年は息を整え心を落ち着かせて、孫策を見た。

 

腕や足、身体の動きはもちろんのこと、呼吸や視線あらゆる“流れ”を見逃さないように。

 

孫策「まだ楽しめそうね♪」

 

少年の変化が嬉しく、ついつい思ったことを口に出す。

 

周瑜「雪蓮 !!」

 

孫策「大丈夫よ。冥琳。はっ!」

 

周瑜の心配そうな声に答えて、孫策は少年に再び斬り込んだ。

 

少年「“浮葉”」

 

そう静かに言って少年は孫策の剣撃を避けた。

 

孫策「なっ!」

 

孫策から驚きの声が上がった。

 

孫策「へぇー、今ので終わりにするつもりだったんだけどな。さっきまでのあなただったら終わっていたはずよ。何をしたの?」

 

孫策が楽しそうに少年に問う。

 

少年「別に。……ただ“流れ”を読んだだけだよ」

 

孫策「ふーん。“流れ”ねぇ。じゃあ……これなら、どお!」

 

先程より速く、先程より鋭く孫策は少年に斬り込んだ。

 

孫策の目にも止まらない剣撃を少年は紙一重で躱していく。

 

一撃目。

 

―― 二撃目。

 

――― 三撃目。

 

―――― 四撃目。

 

――――― 五撃目。

 

―――――― 六撃目。

 

―――――――― 七撃目。

 

――――――――― 八撃目。

 

―――――――――― 九撃目。

 

――――――――――― 十撃目。

 

孫策「たしかに躱すのは凄いけど、躱しているばかりじゃ勝てないわよ!」

 

孫策の剣撃を紙一重で躱しながら少年は待っていた。孫策の隙を。

 

孫策の隙をつかなければ少年に勝ち目はない。

 

だから少年は待っていた。いつ出来るか分からない孫策の隙を、いつ倒れてもおかしくない身体で……。

 

 

孫堅「雪蓮に先をこされたか!」

 

黄蓋「そのようですな」

 

少年と孫策の闘いを見守っていた周瑜のもとに、孫堅と黄蓋がやってきた。

 

周瑜「文台様、黄蓋殿。よく此処だと分かりましたね」

 

黄蓋「堅殿の勘じゃ」

 

周瑜(やはり母娘だな)

 

心の中で関心した。

 

孫堅「そんなことより、あの孺子。雪蓮の攻撃をあそこまで躱すか」

 

黄蓋「大したもんじゃ」

 

三人は少年と孫策の闘いに目を向ける。

 

 

孫策「ほら、ほら、ほら! そろそろ限界みたいね!」

 

少年(たしかに、そろそろ限界かな……だけど……だけど)

 

孫策が言うように少年は限界に近付いていた。

 

足は重く、意識は朦朧としてきた。

 

けれど少年は倒れるわけにはいかなかった。

 

孫策「ほら、ほら、ほら♪」

 

孫策は攻撃の手を緩めない。むしろ、獲物をいたぶる事を楽しむかのように攻撃をしてきた。

 

少年(だけど……)

 

孫策「ほら、ほら、ほら♪ もうお終いかしら♪」

 

孫策は楽しそうに剣を振り上げた。その瞬間――――

 

少年(こんな何処だか分からない所で……)

 

少年「やられて、たまるかーーっ!!」

 

孫策「え!?」

 

周瑜「雪蓮!!」

 

孫策の何撃目かの剣撃。

 

その一瞬に見せた本人も気づかないであろう小さな隙。

 

その隙を少年は見逃さなかった。

 

二刀流に構えられていた棒。左の棒が孫策の剣を弾き孫策の体勢を崩す。そして、右の棒が孫策の首元を襲う。

 

孫策「くっ!!」

 

しかし、孫策も瞬時に体勢を立て直し少年に剣を振り下ろした。

 

 

次の瞬間、少年と孫策二人の間に一つ影が割って入った。

 

少年が放った一撃は素手で掴まれ、孫策の剣は南海覇王で受け止められていた。

 

孫堅「まったく、何をしている」

 

二人の攻撃を受け止めながら、呆れた口調で孫堅は言った。

 

孫策「母様!!」

 

孫堅「雪蓮。孺子を殺すつもりか?」

 

孫堅に睨まれ、孫策は離れて剣を鞘に納める。

 

孫策「ごめんなさい。その子が意外と強いんで、つい♪」

 

孫堅「つい♪ じゃない。まったく。まあ良い。こうして孺子を捕まえることが出来たしな」

 

欲しかった玩具を手に入れた子供のような顔で孫堅は言う。

 

孫策「あっ……その子」

 

先程から動かない少年を見て孫策は気がついた。

 

孫堅「ああ、気を失っているみたいだな。傷も少し開いてしまっている」

 

少年は孫堅に身体を預けように気を失っていた。

 

孫堅「まったく、苦労をかけおって。祭、戻って孺子の手当てをするぞ。雪蓮、冥琳、後の始末は任せたぞ」

 

そう言って孫堅は少年を担ぎ、黄蓋と共に蔵を後にするのだった。

 

孫策「はぁ、母様に良いとこ持っていかれたわね」

 

周瑜「はは、仕方がないさ。文台様にかかれば誰もが形無しさ」

 

残された孫策と周瑜はそれぞれ思ったことを口にするのだった。

 

 

黄蓋「その孺子、策殿と互角とは予想以上でしたな」

 

孫堅「私もここまでとは思わなかったよ」

 

部屋へと戻る途中、二人は少年と孫策の闘いについて話していた。

 

黄蓋「堅殿が言っていたように、本当に良い拾い物かもしれませんな」

 

孫堅「今度は逃げられないようにしないとな」

 

黄蓋「了解じゃ♪」

 

 

 

つづく

 

 

~あとがき~

 

呂です。第2話では雪蓮との対決をお送りしました。

 

次回、主人公の名前が判明する予定です。

 

真・恋姫†無双~赤龍伝~に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター①「?」

 

姓 :不明

名 :不明

字 :なし

真名:なし

武器:不明

 

本編主人公の少年。

この外史では“北郷一刀”が主人公ではありません。

古武術を学んでおり、今回はその内の奥義の一つ“浮葉”を使用。

“浮葉”相手の腕や足、身体の動き、呼吸や視線あらゆる“流れ”を見て、

相手の攻撃を水面に浮く木の葉のように避ける奥義。カウンター等の攻撃にも転用可。最大捕捉は1~2人。

 

能力値:統率?・武力?・知力?・政治?・魅力?

 

 

 

オリジナルキャラクター②『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173㌢。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5


 
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