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この小説は、北郷一刀にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。
その点を踏まえて、お読みください。
一刀が修行に出て、2年と半年一刀はまだ帰ってきていなかった。
『建業』
~蓮華の私室~
SIDE蓮華
「お兄様……。」
窓の外の空を見て、私は溜息をついた。
「早く帰って来て下さい……。」
コンコン、ガチャ。
「失礼しまする。 ……権姫、何故そのようなお顔をなさって居られる?」
部屋で黄昏て居ると、部屋に祭が入ってきて、行き成りそんな事を言われた。
「今日は、権姫様の誕生日。 今宵は宴ですぞ?」
「ええ。 でも、お兄様にも祝って欲しかった。 そう思っていただけよ。」
そう祭に言うと、祭の顔が悲痛そうな顔になった。
「……儂がついてなかったばかりに、堅殿の無茶苦茶な修行とも呼べないものを、
一刀様にさせてしまった事を後悔しております。ですが――。」
そう繋げる祭の顔は、先ほどと違い、晴れやか。
「一刀様のことじゃ。 どうせ生きて帰ってくるに決まっておる。
それに、周りの村には、一刀様を見つけたらすぐに連絡取れるように言うておりますし。 大丈夫じゃろう!」
そう言って、笑顔を私に向ける祭。
その時、お兄様のあの優しい笑顔が脳裏に浮かんだ。
「ふふ……。 うん。 そうね、お兄様だもの。」
お兄様に祝っていただけないのは寂しかったが、今の私の顔は、さっきと違い、笑顔で居られていると思う。
《夜・建業の町の門》
SIDE???
「ふい~。 疲れた。こんなに時間がかかるとは思わなかった……。 素直に、瀧を上ってくればよかった……。」
顔を布で巻いている彼が、門の前で、そう呟き、自分の横に居る相棒を撫でる。
「ぐるぅぅぅ(そんなこと言ってないで、早く行こう。)」
と、相棒―まだ、成体になってない白い虎―に腰のほうを頭で押されて、急かされながらも門をくぐろうとしたのだが、
「おい! お前、何だそれは。」
案の定、門番兵に止められた。
「俺の旅の友だよ。 若しかして、虎を旅のともにしちゃいけないのか?」
おどけた風にして言ってみたが、逆効果だったようで。
「人を襲わんとは限らん。 兎に角、来て貰うぞ。」
門番兵はそう言って、彼の手を掴んで連れて行こうとする。
「……丁度良いや。 皆がどのくらい強くなったのか、調べてみるか。」
彼がそう言った後、門番兵は、意識を刈り取られた。
《城門》
先ほど、夕餉をとっている所に寄せられた行き成りの緊急事態。
『賊が1人で、まっすぐ城に向かってきている。 民への被害はないが、対応した兵は悉く意識を刈り取られ、地に伏せている。』
「まさか、賊にそんな猛者が居るとは思わなかったわ……。」
「うむ。 しかも民に被害無しとなると、狙っておるのは堅殿、御主唯一人であろう。 と……どうやら来たようじゃな。」
厳しい顔をして二人は、城の城門の前で腕組みをしながら、相手を見る。
白い虎を連れ居ている以外唯の少年のようだ。
武器も持っているようにも見えない。
「……シッ!」
「「!」」
と、行き成り彼は、二人に襲い掛かった。
二人の丁度間に入り、美蓮を拳で襲い、防がれたらその反動を利用し右旋回して、祭を蹴る。
蹴りは防がれるも、またその防いだ腕を蹴って、距離をとる。
襲い掛かる速度、二人に当たる拳と蹴り。
どれをとっても、決して軽くなく武将クラスの程のできばえ。
だが、攻撃を受けた二人は思った。
「(強い。 祭と同格ぐらいね。)強いじゃない……でもねぇ。」
「(儂とほぼ同格か、少し下か。)惜しい、御主位に強かったら、此処の将として十分働ける。 じゃがのぅ……。」
二人して、少年を睨む。
「手加減なんかするな!!」
そう二人は思った。こいつは、まだまだ、力を隠している……と。
「コク……。」
だが、少年はその二人の声に反応するように、少年はうなずいた後、両足を肩幅より少し大きく開き、
前傾姿勢になり、両手を交差して地面に指をつける姿勢をとる。
何とも奇妙な、構えだが、少年がその構えに移ったとたん
ゴオォゥ!!
「「!?」」
二人を、恐ろしいほどの、闘氣が二人を襲う。
「(前言撤回。祭より強いわ。)……やるじゃない。」
「(っく、儂より強い。)……本当に惜しい。」
少年の闘氣により警戒の色を強くして、二人は己の武器を構える。
三人の間に緊張が高まる。
そして、先に動き出したのは少年だった。
「……フ!」
「! 跳んだじゃと!?」
だが普通に、走ってくるのではなく、二人の頭上に飛び掛った。
しかも速さと高さもある中々できるジャンプじゃない。
「祭!」
「分かっておる!」
自分の頭上に居る少年に向かって、弓を番え放とうとするが、
ガン!
カララン。
「! な、何じゃ!?」
突然、祭の弓が行き成り弾き飛ばされた。
自分に伝わってきたのは、まるで弓を蹴り飛ばされたような感じだった。
急いで、弓を拾いに行こうとしたが、其処に降りてくる影が一つ。
「破ッ!」
「っくふ!」
少年に先回りされ、水月を蹴られ、吹き飛ばされる。
祭は、蹴られる間際、腹部に氣を集め強化したお陰で、其処までないが、
もし強化していなかったら、骨が2~3本と内臓が何個かイっていただろう。
「祭!」
「ゲホっ! 大丈夫じゃ。 ゲホッ!」
苦しそうだが、祭の無事が分かると、美蓮は少年の方に向かう。
「……。 ヤルじゃない。 貴方、何処の刺客なの? (でも刺客なら何故祭に、追撃しないのかしら?)」
徹底して目標以外は、殺さない刺客と言う事か、不思議に思った美蓮は相手に聞いてみるが、
「……。」
「あくまでだんまり? なら、捕まえて何処の刺客か吐かせて上げる!」
そう言って、一瞬に少年の前まで行き、南海覇王を振り下ろす。
「っく!」
それを後ろに飛んで、かわすが顔の布が少し切れる。
はらり。
そして、布が少年の激しい動きで少し、はがれてしまった。
「あ~あ、取れちゃった。 流石二人とも、強いなぁ。」
聞き覚えのある声に、美蓮と祭は目を大きく見開く。
右目の方の布が、剥がれ、優しいあの碧眼が見えた。
「ま、まさか、」
「もしかして!」
くすくすと、笑いながら、彼は顔を覆っている布を完全にはぐ。
「ただいま。 母さん! 祭姉ちゃん!」
その下から出てきたのは、黒髪碧眼、白い肌の、優しい笑顔を浮かべた少年だった。
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ちわっす!
一刀君が滝から落ちて、2年半後です。
ではどうぞ!