No.174556

真・恋姫†無双 黄巾√ 第八話

アボリアさん

黄巾党√ 第八話です
未だ新しいPCには馴れず、以前よりも画面が少し大きくなったことにより慢性的な眼精疲労に陥っております(笑)
今回は本来袁術さんのお話の予定でしたが、彼女の登場については少し詳しく書きたいと思い、こうしてねじ込んでみました
勧誘のお話の為、オリジナルの方の出演が多くなっていますが、主要キャラではあるものの、彼女もモブですのであしからず
後、彼女が何度か繰り返す「好々」という単語は、口癖だったという逸話からきております

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2010-09-25 10:05:35 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:8339   閲覧ユーザー数:6687

曹操軍と協力して……というか助けられた戦いの後、俺達は曹操の領内である許昌周辺での公演を済ませ、一路南へと向かっていた。

それというのも、あの戦いで俺達はまだまだ力が足りないと実感させられた為、賊が多発しているという北を一時避け、南で戦力増強に努める事が主な目的だったりする。

 

それに伴い、以前協力を取り付けることが出来た陳寔(ちんしょく)さんに相談してみた所、新に豫州の士大夫だったという李膺(りよう)と荀爽(じゅんそう)という人を紹介してもらったのだった。

李膺さんは軍人として鮮卑族との戦いで、荀爽さんは政治家として朗中という役職についていて、と二人とも優秀な漢の臣だったらしい。

だが、二人とも潔癖な人物だったゆえに李膺さんは宦官の権力者、中常侍に真っ向から対立して、荀爽さんは推挙の際政治に対しての非難を行ったことで両名とも疎まれるようになり、遂には陳寔さんと同じく党錮の禁により失脚してしまったのだという。

俺達は、漢の忠臣であり現在の政治に不満を持っている、という条件に完璧に当てはまった彼らを陳寔さんの紹介を通じて彼らに接触、その結果、彼ら二人にも協力をしてもらえる事が決まったのだった。

 

その後、李膺さんには軍の指揮関係を、荀爽さんには陳寔さんのように地元に残り民への協力の呼びかけを担当してもらう事になった俺達は、豫州を抜け、荊州へと向かったのだった……

 

 

 

 

「ここが……」

 

所変わって、ここは荊州の北部、新野。

豫州を出て、俺達が目指していた目的地である建物を前にし、俺は一人呟く。

 

その建物の入り口には……『水鏡女学院』とあった……

「なるほど、旅の歌い手さん達ですか。遠路はるばるようこそお越しくださいました」

 

そういって妙齢……というにはいささか若過ぎるくらいの女性が礼を取る。

彼女がこの学院の長である司馬徽(しばき)――俗に言う水鏡先生――だという。

 

「して、ご用向きは何でしょうか?私達はしがない書生の身。歌い手さん達が訪ねてこられた理由が分かりかねますが」

 

そういってにこやかに俺達に話を振ってくる司馬徽さん……だが、その目はまるで、こちらの思惑を見透かそうとしているような眼差しに見えた。

 

「え~、とそれはですねぇ~」

 

「ちょっと待って、姉さん」

 

話を振られ、話し始めた天和だったが、それを人和が制する。

 

「司馬徽さん。貴女様のお噂はかねがね伺っています。ですので回りくどい話は抜きで、本題に入らせて頂きます。……私達に、お力をお貸し頂けませんか?」

 

「……ほう」

 

人和の言葉に司馬徽さんが少し顔を顰める。

 

「……少々、詳しくお話を伺う必要があるようですね」

 

司馬徽さんはそういうと俺達に「続きを」と促しつつ目を閉じる。

その言葉に俺達は、事の全貌について話し始めるのだった……

 

 

 

 

 

「……なるほど、話は分かりました」

 

世の中を正す為、民による決起を行う事、その為に民を中心に仲間を集めている事、知識人と呼ばれる人達にも協力を呼びかけている事などを説明すると、司馬徽さんは閉じていた目を開け、俺達の方へと向き直る。

 

「貴女方も腹を割って話してくださったのです。こちらもはっきりと答えましょう。……私ではお力になれません」

 

「え……?」

 

司馬徽さんの答えに俺達が言葉を失っていると、司馬徽さんは更に続ける。

「世間ではどういわれているかは知りませんが、私はこの私塾で物事を教えているだけの一介の書生です。貴女達のいう、叛を起こす手伝いが出来るような人物ではありません」

 

「そ、そんな事は!!」

 

尚も食い下がるように俺が叫ぶが、彼女は首を横に振って答える。

 

「私は世に出ることを望んでいませんし、貴女達がどのような人物かも知らない。そんな中で命を預けるが如き協力をする事は出来かねます。ただ私を信頼してお話くださったのでしょうから、このお話は私の胸の内にしまっておき、他言はしないと誓いましょう。ですが、お力添えは出来ない、というわけです」

 

そう、断じるような口調ではっきりという司馬徽さん。

その凛とした態度に、俺達が二の句を継げなくなってしまっていると……司馬徽さんは今までの雰囲気を吹き飛ばすように笑顔になる。

 

「はい、この話はここまでにしましょう。それより、私は貴女達の歌に興味がありますね」

 

 

 

「「「「……は?」」」」

 

 

 

司馬徽さんの突然の変わりように俺達が呆気に取られていると、司馬徽さんは手をあわせながら更に続ける。

 

「こんなご時勢、娯楽なんて無いでしょう?私の女学院でもそれと同様でしてね。折角来てくださったのですから、貴女達の歌を皆に聞かせてあげてくれませんかね?」

 

そういって司馬徽さんはニヤッと口元を歪ませつつ、

 

「貴女達が大陸を揺るがそうとしている、というほど自信がある歌ですもの。さぞかし素晴らしいものなのでしょう?」

 

挑発するように言ったのだった。

 

「……上ッ等じゃない!!やってやろうじゃないの!!」

 

「うんうん!!お姉ちゃんもちょっとカチンと来ちゃった!!」

 

「ちょっと姉さん達、落ち着いて……」

 

案の定、というか単純にその挑発にのる天和と地和を宥める人和。

 

だが、俺はそんな言い合いに「いや、」と割ってはいる。

 

「どうせだからさ、歌を披露していかないか?司馬徽さんが言うように、折角きたんだし」

 

「一刀さんまで……」

 

そういって人和が嘆息するものの、俺の言葉を聞いた司馬徽さんは「では、決まりですね~」と言いつつ、準備の為に出て行ってしまう。

 

こうして俺達は(人和にとって)半ばなし崩しに公演を行い、それが終わると、もう遅い時間になってしまったと言う事でその日はそのまま女学院を後にしたのだった。

「……まったく、今日は収穫無しだったわね」

 

人和が俺達の方を半眼で睨みつつ、ぼやく。

 

「え~?でもさ、思いっきり歌えたから良いじゃん♪」

 

「そ~そ~、皆にも好評だったし、あの司馬徽とかいう先生の鼻もあかせたし、別に良いじゃない」

 

対する天和と地和は、歌を思いっきり歌え、女学院の皆にも好評だった事でもう上機嫌のようだった。

そんな二人を見て人和は「はぁ~……」と大きな溜息を吐く。

 

「確かに歌は好評だったわね。でも、二人とも最初の目的を忘れてるでしょ?司馬徽さんに助力を求めて、それをはっきりと断られて、そこから説得も出来なかったのよ?」

 

そこまでいって、人和が俺の方を見てくる。

 

「それなのに今日は一刀さんまであんな挑発に乗って……結果、今日は女学院で歌っただけだったじゃない。それも、無料で」

 

言いつつ、更に大きな溜息を吐く人和。

 

「う~ん、別に、俺は収穫なしだったとは思わないけどな」

 

「……どういうこと?」

 

俺の言葉に疑問を持ったのか人和が聞いてくる。

 

「だってさ、司馬徽さんも言ってただろ?『どのような人物かも知らない人に命を預け、協力をする事はできない』ってさ。それって裏を返せば俺達のことをよく知ってもらえれば協力してくれるかも知れないって事だろ?」

 

「あ、そっか。そういえば帰るときも『また来るなら歓迎しますよ』って言ってたもんね!!」

 

「それだって社交辞令か、もしくはまた娯楽があれば、って下心で言った言葉かも知れないでしょ?」

 

「そうだとしても、さ。司馬徽さんがああいっている以上、ただ説得しても意味がないような気がするんだ。だったら俺達を知ってもらう必要があるだろうし、その為に何をするべきかって言ったら歌しかないだろ?それに、どのみちこの荊州で人を探そうとしたらあの人の助けが必要なんだし」

司馬徽さんは自分の事をただの書生なんていっていたが、実際彼女の顔の広さは荊州一だ、と言うのが陳寔さんから聞いた情報だ。

その彼女の協力があるなしじゃあ大きく違うだろうし、もしかしたらこの時期では名は広まっていないものの臥龍鳳雛(がりょう、ほうすう)と呼ばれる二人……諸葛亮と龐統の二人と繋がりを得られるかもしれない。

 

「だからさ、一回断られたくらいで諦めるよりは少しでも繋がりをつけておいて、根気よく説得するべきだと思うんだ。……どうかな?」

 

そこまで言って、俺が尋ねるように聞くと人和は少し考えるような仕草を見せると、「……そうね」と答える

 

「確かに一刀さんのいう通りかも。どうせあの人を口説き落とさないといけないなら、積極的に売り込む必要がある、ってことね」

 

「そういうこと」

 

「……え~っとぉ」

 

俺と人和が話していると、天和がおずおず、といった風に話しかけてくる。

 

「つまり……どういうこと?」

 

そういって笑顔で首を傾げる天和……それを見て、俺達二人は脱力してしまう。

 

「……そうね。姉さん達にも分かるようにいうと、暫く水鏡女学院に通って、歌を歌うかも、って事」

 

人和のかなり噛み砕いた説明に「なるほど~」っと答える天和と地和……ってまさか地和も分かってなかったんだろうか?

 

「うん、それじゃあ今日は早く帰って、明日も頑張ろ~!!」

 

「おおーー!!」

 

「……あんな説明しといてなんだけど、ほんとに二人とも分かってるのかしら?」

 

「まあ、何とかなるだろ」

 

二人のお気楽思考に苦笑しつつも、こういった話で暗くなるよりは彼女らしくて良い。

 

そんな事を考えつつ、俺達は帰路を急ぐのだった。

それから数日の間、俺達は毎日のように水鏡女学院を尋ねた。

ある時は院生に歌を聞かせ、ある時は説得をはぐらかされ、またあるときは何故か雑用を頼まれたり……と色々な事があったものの、とにかく俺達は懸命に通い続けたのだった。

 

 

 

 

「全く、貴女方も物好きですねぇ……まあ、私からしてみれば、それもまた好々(よしよし)、と言った所ですが」

 

通い始めて何日か目になった日の事、俺達の顔を見るなりそういう司馬徽さん。

 

「司馬徽さん。お話、もう一度考えて頂けませんか?」

 

俺がそう言うと、司馬徽さんはやれやれ、と言った風に首を振ると、

 

「……中に入ってください。そこでもう一度、お話を伺いましょう」

 

そういって俺達を中に招き入れてくれたのだった。

 

 

 

 

「貴女方に問わせていただきます」

 

部屋に着くなり、司馬徽さんはそう話を切り出す。

 

「貴女方は民の力で乱を治める、と言います。それは民の為だとも。しかし、果たして本当に民の為になるのでしょうか?」

 

そういって司馬徽さんは俺達を見据える。

 

「叛を起こせば、いくら策を練っていたとしても少なからず血が流れます。更に、失敗すればそれとは比較にならないほどの数の民が傷つく事になる。……しかし、この乱世、それを打開せんとする英傑は星の数ほどに現れる事でしょう。それならば、下手に動かず、大陸の推移を見守ったほうが良いのではないでしょうか?」

 

司馬徽さんの言葉は確かに的を得ているのかもしれない。

 

「真に民の為を思うならば、ここで立ち止まり、悪戯に世を乱すような事はすべきではない……そう思いませんか?」

 

全て正論ではあるし、一度は俺も考えた事だった……だからこそ、

ここは引くわけにはいかなかった。

 

「……確かに先生の仰るとおりかもしれません。でも……民として生きている人達にとっては、理屈じゃないんです」

俺は司馬徽さんの目を真っ直ぐ見詰め、話を続ける。

 

「乱世になって、一番酷い目に遭うのは、ほかならぬ民の立場の人達。それなのに、自分達の事なのに、ただ耐えるだけ、我慢してやり過ごすだけなんて出来ない。だったら、俺達の手で、何かを変える事ができるのなら、その為に頑張りたいんです。それに……俺達の志に、多くの人々が賛同してくれた。その人達の思いに答えるためにも、俺達は……前に進みたいと思っています」

 

いつの間にか目を閉じ、俺の言葉を聞いていた司馬徽さんは「そうですか……」と少し重い口調で答える。

 

「その想い、変わる事は無いですか?」

 

「はい」

 

俺が答えると、暫くの間、重苦しい空気が漂う……すると、司馬徽さんが目を開き、

 

 

 

「好々。でしたら、私も微力を尽くさせていただきましょう♪」

 

 

 

今までの重苦しい空気を全く感じさせないテンションで答えるのだった……って、え?

 

「……え~っと?司馬徽さん、反対じゃなかったんですか?」

 

呆気に取られながらも天和が聞くと、司馬徽さんは「いえいえ」と笑顔のまま答える。

 

「最初に話を聞いた時から、力を貸そうとは思っていたんですよ?陳寔さんや荀爽さんの紹介があるのなら、少なくともおかしな人ではないと思っていましたし」

 

ですが、と司馬徽さんは続ける。

 

「人を見ると、その人物を自分で鑑定したくなるのが私の性分なのですよ」

 

司馬徽さんの話を聞くと……何度も尋ねさせることで忍耐力と真に自分を必要としているかを、歌を聴くことで本当に人心を震わせる力があるかを、雑務をさせる事で相手を敬えるかどうかを、話をあえて否定してみせる事で相手の志が定まっているかを量っていたのだという。

「いやいや、四人とも、なかなかに好々でしたよ」

 

満足そうに語る司馬徽さんだったが、対する俺達はといえば……完全に力が抜けてしまっていた。

 

「あの……それで、司馬徽さんは協力してくれる、って事で良いんでしょうか?」

 

脱力しながらも確認の為に尋ねる人和。

 

「はい。……あ、それと最初から思っていたんですが、私の事は水鏡と呼んで下さいね。義兄である龐徳公(ほうとくこう)に名づけて頂いて、気に入っている名ですので」

 

笑いながらそういう司馬徽……水鏡先生。ってか、登場とキャラが変わりすぎだろ……

そんな俺の心境が伝わるわけも無く司馬徽さんは続ける。

 

「そうなると、とりあえず龐殿や元直にも声をかけるとして……あの二人は間が悪かったですかねぇ」

 

「二人って?」

 

天和が聞くと、「ええ……」っと答えにくそうに水鏡先生が答える。

 

「私の門下生に優秀な子が二人いたんですが……貴女方が尋ねてくる少し前に、旅に出てしまったんですよ。乱世を治める為、仕える主を探す為にね」

 

その言葉……水鏡先生の門下生で、優秀な二人、という言葉にまさか、と嫌な予感がした俺は恐る恐る尋ねてみる。

 

「もしかしてその二人って臥龍と鳳雛……諸葛亮と龐統だったりしませんよね?」

 

「おや?その通りですが……何故その名を知っているのです?確かその呼び名は龐殿……龐徳公しか呼んでいなかったと思ったんですが」

 

不思議そうに聞いてくる水鏡先生……だが、俺はといえばその答えに落ち込んでしまった。

 

まさか、一足違いで諸葛亮と龐統に会えないなんて……!!

 

「なぜかは知りませんが、その様子だと二人の事は知っていたご様子。しかし……二人がいないだけでそう露骨に落ち込むのは失礼だと思いませんか?」

 

「え?……あ、いや、そういうわけじゃなく!!」

 

少し睨むように俺を見てくる先生に慌ててフォローを入れる。

確かに今の俺の態度だと、二人だけが目当てで先生をないがしろに考えていると思われるかもしれない。

そう考え、俺が必死になっていると、一転、先生はくすくすと笑いながら答える。

 

「好々、冗談ですよ。それに、私自身あの子達の才は分かっています故。まあ、あの子達の事は時が合わなかったと諦めてもらうとして……そうですね。代わりと言ってはなんですが、一つ、案をご教授しましょう」

 

「案……ですか?」

 

人和がそう聞くと、水鏡先生は「はい」と答えつつ、語り始める

「貴女方のお話では、民を扇動し、その力で叛を起こすといいましたが……それだけでは力は足りないでしょう。故に……侠者を取り込む事をお勧めいたします」

 

侠者?っと俺が疑問に思っていると、人和が解説してくれた。

 

「侠者っていうのはつまり……任侠者のことよ」

 

「任侠者って事は……それってつまり、やくざ者を取り込めって事ですか!?」

 

俺が驚きの声を上げると、「一概にそうというわけではないんですよ?」と先生がフォローを入れてくれる。

 

「侠者というと確かに闇の部分が多く見られますが、その実、社会を裏から支えているのは侠の者達ですし、中には賊まがいの者達もいますがその大半は義によって動く者達です」

 

確かに侠が一概に悪いわけではないのは分かる。たしか、三国志の関羽や張飛、劉備も侠者だったという逸話もあるわけだし。

それに、と前置きしつつ先生は更に続ける。

 

「陰陽の考えにのっとれば、朝廷を表……つまり陽と考え、それを立て直すのならば陰、つまり裏で社会を支える侠の力が必須となる。ということです」

 

「で、でもそれだと、賊の連中がまぎれてくるんじゃない?」

 

地和のいうことも最もだ。志を持つ者ではなく、自分の利の為に黄巾を利用しようとする奴が出てこないとも限らないし、そうなれば史実の二の舞になってしまう。

 

「危惧は最も。そうやって危機を考える態度も上に立つ者としては好々です。ですが大丈夫ですよ。私は臥龍、鳳雛と比べればたいした事はありませんが、人を見る目だけはありますので。あとは軍規……というか、規律をしっかりと定め、お互いがお互いを監視するように仕向けていけば、利用しようとするような者がでてくる事は防げるでしょう」

 

一を聞けば十で答える、といわんばかりにすらすらと答えてくる水鏡先生

 

「彼らの引き入れ方はおまかせします。歌で取り込むもよし、口説き落とすもよし。……はてさて、これで信頼は得られましたかね?」

 

そうやって悪戯っぽく笑う先生に、俺達は脱帽するしかなかった。

 

「……先生が協力してくれて、本当に良かったです。これからもよろしくお願いします」

 

そういって俺達は頭を下げる。

そんな俺達に向かって水鏡先生は、

 

「好々」

 

とだけ答えたのだった。

こうして俺達は大きな味方を得て、袁術の領土である南陽を目指すのだった……

 


 
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