No.172573

その瞳に映りし者 エピローグ

madokaさん

小説「その瞳に映りし者」のエピローグです。
本編と併せて、読んでくださると嬉しいです。

2010-09-15 06:16:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:674   閲覧ユーザー数:665

その瞳に映りし者

~エピローグ~

 

 この街に、初雪が降る頃…

ソユーズ家に一通の手紙が届いた。

 

親愛なるお姉さまへ

お元気ですか…風邪などひいてませんか。

この街にやってきて、もうすぐ3ヶ月になります。

ここは彼の生まれた街です。

とても、自然が豊かで…まるで、わたしが育ったソユーズ家のようです。

昨日、とうとうこの街にも雪が降りました。

庭の畑もうっすらと雪化粧してて、とっても綺麗です。

実は、わたし…ここに来て、はじめて鍬というものを持ちました。

畑仕事なんて、したことがなかったので…とっても新鮮です。

まだまだ、慣れないことばかりだけど…カイルと二人で楽しくやっています。

ずっと、ソユーズ家に勤めてくれてたのに、カイルの家族のことは、今まで何も知りませでした。

ここに来て、初めて知ったのですが…

彼のご両親は、彼がソユーズ家に奉公に出された後、相次いで病気で亡くなったそうです。

彼は、そのことを何も話さず…今まで、私たちに仕えてきてくれたのです。

何も知らず、我侭なことばかり言って、困らせていた自分が恥ずかしくなります。

これからは、少しでも彼の支えになっていけたらいいなと思っています。

 

最後に…

今まで大切に育ててくれたソユーズ家の皆を裏切るようなことをしてしまって、

本当に御免なさい。

突然、屋敷を出ることになってしまい…色々と迷惑をかけたと思います。

あの時は、そうするしかなかったのです。

お母様や叔母さま、そしてリオンさま…

最後まで、自分の我侭を貫いたこと、お許しください。

いつか、また落ち着いたら連絡します。

どうぞ、お身体には気をつけて…お逢いできる日まで…お元気で。

                                 ジュディより

 

 


 
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