No.171951

本・恋姫無双第二十六話

nakatakさん

長らく更新できませんでしたが、風邪をひいただけです。ご心配なく。

今回は孫呉以外の現状を色々書いてみました。

それではどうぞ。

2010-09-12 05:13:25 投稿 / 全18ページ    総閲覧数:4063   閲覧ユーザー数:3132

---袁紹・南皮---

 

 

袁紹「きいぃぃぃぃぃ。黄祖の役立たず!!付け加えて、美羽さんの造反…許せませんわ!!」

 

 

勝手な言いがかりである。運の悪い時は色々重なるのでしょうか…

 

 

顔良「あの~、姫…悪い知らせが…」

 

 

文醜「公孫の姉ちゃんが結構前に孫呉と同盟を結んでたみたい。」

 

 

顔良「文ちゃ~ん…」

 

 

袁紹「許すまじ!!今すぐ叩きますわよ!!」

 

 

文醜「今は止めといた方がいいっすよ。同盟のせいか判んないけど、軍備が異様に進んでたんで。今のままだと、こっちがやばいっすね。」

 

 

袁紹「猪々子さんが言うなら、仕方ないですわね。それにしても忌々しい…白蓮さんがいなければ、動きやすいのですけれど…」

 

 

またまた善からぬ事を考えているようです…主導権を握れていない以上、仕方無い話なんですけどね…

 

 

---公孫賛・北平---

 

 

公孫賛「日頃の行いが良いせいかな?最近は、良い事尽くめ、だぁ~!!」

 

 

はしゃいでますね…大雑把に経緯を。

 

 

最初は反董卓の後だった…

 

 

孫呉の船が近くの港に来て「交易しましょう♪」だった。

 

 

最初は馬が欲しいのかな?と思った。もちろん馬『も』欲したが、向こうが真っ先に欲したのは『麦』だった。

 

 

一回の取扱量こそ多かったが、『麦』の対価として『水飴』なるものを持ってきた。

 

 

いろんな意味で甘い話である。『水飴』自体もそうだが、交換比率も「小麦:水飴」が「3:1(体積比です)」だったのである。

 

 

こんな比率でも、向こうには十分儲けがあるらしいが、こっちもこっちで儲けさせてもらった。

 

 

ある程度儲けが貯まったある日、今度は人材も連れてきた。水鏡先生の推薦状付きで…

 

 

彼女の名は向朗、字を巨達という。

 

 

今までは公孫賛が、内政、外交、軍備等一人でこなしていたが…当然、上手くいってはいなかった…

 

 

向朗が来る前は、内政が出来る人間が公孫賛一人しか無く外交とも重なり、当然負担が集中…

 

 

武官はいたのだが、公孫賛の眼が届く訳もなく…さぼりがちで質は決して良くは無かった。

 

 

向朗が来てからは、内政は分担でき、武官の訓練にも、眼が行き届くようになり、質も向上した。

 

 

財源も『水飴』流通の収益で潤沢にあり、順風満帆であった。

 

 

公孫賛「平和だね~」

 

 

足りないのは、彼女の『存在感』…じゃない『危機感』であろう…孫呉とは同盟関係では無いのだが、蜜月状態にあって、袁紹に目を付けられている事に、気が付いていない公孫賛であった…

 

向朗「近況の報告は以上です、明命様っと…ふう、やっと書き終わった…疲れた…これが無かったら、絶対来なかったんですけどね。」

 

そう言って『著:諸葛子瑜』と書かれた本(タイトルは内緒)を、そっとなでた。

 

 

---劉備・徐州---

 

 

ドンッ…書類の山がまた積まれた…

 

 

劉備「ふえぇー、まだあるの~?」

 

 

陳珪「泣き言は言っていいですから、手は動かしてくださいね。」

 

 

劉備「うぅぅー…朱里ちゃーん、雛里ちゃーん、助けて~」

 

 

諸葛亮「ごめんなさい、こっちも手が回らないですぅ」

 

 

龐統「おなじくですぅ」

 

 

徐州内での主導権は、明らかに陳珪が握っていた。事の起こりは赴任当時に遡る…

 

 

一応は、牧の劉備を立てながらも、対立関係に『あった』陳珪がはいた暴言に対し、関羽がキレて掴み掛った。

 

 

だがここで、信じられない光景を目にする。関羽が、投げ飛ばされたのである。見た目、お婆ちゃんの陳珪にである。

 

 

この件で劉陣営に対し、『怒らせたら怖い人』という印象を植え付ける事に成功したのである。

 

 

ただ、陳珪も好きで対立していたのではない。

 

 

『関羽、張飛』の至高の武と『諸葛亮、龐統』の至上の智が仕える彼女に興味があり、劉備自身が『原石』であることが、一刻程話して理解した陳珪は、彼女を育ててみたいとの思いに至り、色々と手を打ち、関羽、張飛、諸葛亮、龐統を説得し、今に至る。劉備の激務もその一環である。

 

 

最初の会話も、劉備は気付いて無いが、諸葛亮、龐統らも演技をしているのである。

 

 

この二人が本気を出せば、すぐ終わる程度の執務の量である。要は、劉備に経験値を積ませるためである。

 

 

故に諸葛亮と龐統には余裕があった。色々と未来の事象の予測を立てていた。

 

 

諸葛亮「孫堅さんが勝った…珍しく雛里ちゃんの読みが外れたね…」

 

 

龐統「孫堅さんは玉璽を手放さない、または、周喩さんでは手放す為の説得はできないって思ったからね。孫堅さんの傍らには良い参謀がいるみたいだね。」

 

 

諸葛亮「それも、全幅の信頼をおけるほどの…虎に翼が生えたようなものだね…」

 

 

龐統「救いは、向こうはこちらと友好的でいたい、と思ってもらっている事だね。」

 

 

実際、『北平との貿易の際の中継港として使わせて欲しい』と使者に孫策(と周喩)をたててまでお願いしに来たのだ。向こうから、敵対する事は無いだろう…これに関しては二人とも考えが一致した。

 

 

故に、今の心配事は北方と西方…袁紹と袁術、曹操である。事実上、劉備を含めた四つ巴の状態である。

 

 

互いに互いを牽制している状態で、皇帝を擁している曹操ですら、今は動けない状態である。

 

 

曹操に関しては、更に西方の馬騰も気にしないといけない為、余計に手も足も出ないのである。

 

 

諸葛亮「だから、この戦況を動かすとしたら、袁家の方々だと思うの。」

 

 

龐統「厳密に言えば、袁術、そのあと袁紹…になると思う。」

 

 

そんな時、一通の木簡が落ちてくる…ゴンッ!!

 

 

龐統「ふみゅ!!」

 

 

諸葛亮「はわわ!!何故、木簡が?この部屋には一本も無いはずだよ?………成程、そう言う事ですか…」

 

 

龐統「痛たたたた…朱里ちゃん、見せて。………信じて良いのかな?」

 

 

諸葛亮「わざわざ、木簡にしたのにも理由があるみたい、ほら。」

 

 

木簡をひっくり返すと、『○』とその中に『十』が書かれていた。

 

 

龐統「感謝だね~。これで、戦略が立て易くなったよ。」

 

 

木簡の内容のついて、今は伏せさせていただこう…

 

明命「任務完了です」

 

 

---曹操・洛陽---

 

 

さっきも書いたが、曹操は、自らが戦を仕掛けていくことが出来なかった。

 

 

理由は二つ、ひとつは先述の通り、袁家、劉備、馬騰の動きが気になるためであり、もう一つは、洛陽の二次復興に尽力していたからである。

 

 

『乱世の奸雄』と呼ばれている曹操だが、『治世の能臣』でもあります。

 

 

そして、復興による、名声の獲得のおまけがついた。名声が高まれば人もついてくるようになる。

 

 

その代表例が、郭嘉と程昱である。文官の不足を解消してあまりある存在だった。

 

 

曹操「ふう、やっと体制が整ったわね。後はどこを動かすべきかしらね。桂花、稟、風、意見を聞かせて頂戴。」

 

 

荀彧「はっ、やはり『袁術』でしょう。現在、玉璽を持っている事も考えて、最初はここかと。」

 

 

曹操「その後ろにいる、孫堅については?」

 

 

荀彧「今は敵対すべきではありません。水軍力は抜きん出ていて、揚子江では現在、負け知らずで事実上『江の王』と言ったところです。向こうに今の所『負けの目』はありません。」

 

 

曹操「『反孫堅連合』の可能性は?」

 

 

郭嘉「玉璽を持っていた時でしたら、出来ましたが…今は口実がありません。」

 

 

程昱「それに『反孫堅連合』を組むにしても、袁術を含めた、孫堅と友好的な勢力が、多すぎるのも問題です。現状から考えますと、袁術撃破後ですね。それと、さっき稟ちゃんが言った口実ですが、『水飴について教えろ』の勅命を出せばいいと思います。」

 

 

曹操「何故『水飴』なのかしら?」

 

 

程昱「孫呉の資金源だからです。輸入品ならばどこから輸入したのか、自前なら製造方法はどうなのか。この情報は一切漏れてきません。故に『水飴』なのです。」

 

 

郭嘉「風、その手は止めておきましょう。今じゃ『孫呉産』のもので一級品な物は多いです。紙、酒、水飴、布、塩…すぐに浮かんだ五品は重要な品ばかり。今、勅命を使った策が失敗すると、『反曹操連合』が組まれかねない。対価として五品の技術を払えばね。」

 

 

曹操「故に、『今は』口実が無い…で良いのね、稟?」

 

 

郭嘉「はい。」

 

 

荀彧「袁術を動かすのでしたら、簡単です。文一枚で事足ります。」

 

 

程昱「ですねぇ~。」

 

 

郭嘉「右に同じく。」

 

 

曹操「では、機をみて、実行して頂戴。」

 

 

三人「「「御意!」」」

 

 

時代が、動き出そうとしているようです…

 

 

---袁術・南陽---

 

 

袁術「七乃~、蜂蜜水を持ってくるのじゃ♪」

 

 

張勳「は~い♪」

 

 

いつもどおりである。

 

 

袁術「妾はいつでも、皇帝になれるのじゃ♪前祝いなのじゃ♪」

 

 

張勳「よっ、美羽様、大陸一~♪」

 

 

いつもどおりじゃ無かった…

 

 

---星・旅の途中---

 

 

星「さすがに疲れたな…此処まで登って来るのは。」

 

 

現在地は泰山の山頂です。

 

 

星「ここに来れば、何か判ると思ったんだが…無駄足だったかな?」

 

 

此処にあったのは『前の外史』みたいな、立派な廟ではなかった。今にも朽ち果てそうなボロ廟であった。

 

 

??「おや?客人ですかな?」

 

 

星「!!お前は干吉!!」

 

 

槍を構える星。

 

 

干吉「生きていましたか。今は敵対している場合ではないのでね。話を聞いていただけないでしょうか?」

 

 

そう言って、後ろを向き、両手を空に掲げた。それを見て構えを解く星。

 

 

星「わかった。で、話とは?」

 

 

干吉「貴女が『この外史に呼ばれた』理由についてです。」

 

 

星「!!…流石に驚くな。つまりは、偶然ではない…という事だな?」

 

 

干吉「ええ、その前にひとつ説明を。この外史において『この外史の趙雲』は存在…もとい存命はしておりません。家族もろとも、殺されておりました。」

 

 

星「何だと!?殺された?」

 

 

干吉「理由は貴女がお持ちになっている『槍』でしょう。正式名を『龍義主(ロンギヌス)』と言いまして、対妖、対神仙の切り札なのです。そして、使いこなせるのは、この外史では趙雲、『子龍』の名を持つ貴女、ただ一人なのです。故に貴女を『前の外史』から召喚しました。」

 

 

星「家族を殺した賊の目星は?」

 

 

干吉「多分『太平妖術』でしょう。『龍義主』でしか倒せないですし、この外史で『太平妖術』が暴れている理由は、『封印の確率』が無くなったと思っているからでしょう。」

 

 

星「敵対している場合ではない、他の理由は?」

 

 

干吉「正史、『北郷の居た世界』にまで影響が出そうなのでね。左慈は出入口を塞ごうとしていたのですが、間に合いませんでした。」

 

 

星「確かに、主殿はこっちに来ていましたな。」

 

 

干吉「おまけに『太平清領道』までこっちに来たみたいでして。ならばと、貂蝉達と協力して此処で封印しようという話になっています。」

 

 

星「私は何をすればいい?」

 

 

干吉「今の所、活躍しないでください。貴女は切り札です。貴女の存在が向こうにばれると真っ先に貴女の命を狙うでしょう。」

 

 

星「あい分かった。では、もうしばらく、旅に興じよう。ではな。」

 

 

干吉「お気をつけて。…後は、太平妖術の居場所ですねぇ…早く探さないと…」

 

 

星の出番はまだ先のようである…

 

 

あとがき

 

お久しぶりです。nakatakです。

 

九月になっても暑いですね。

 

今回は、孫呉以外を書きましたが、孫呉が『いっちょかみ』している所もあるようです。

 

更新について、出来れば、週一くらいで出したいのですが、隔週くらいになりそうです。

 

最後に…球児打たれた~orz

 

それでは、また。

 


 
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