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華琳「みんな…集まってもらったのは他でもないわ」
殺気を前面にだしながら、華琳が皆にそう言った。
ちなみに皆とは魏・呉・蜀の主だった将たちである。
華琳「それで桂花…被害状況は?」
桂花「は…。現在被害は甚大です。やられた人も数限りません。」
華琳「そう…。やっぱり今年も来たのね…。」
冥琳「こちらも被害が甚大だ…。大きな川が近くにあるせいか、多分三国の中でも一番じゃないだろうか…」
朱里「あわわ~多分蜀が一番かと…こちらは気候が三国より暑いということもあり、敵の数が把握できないほどです。」
大陸が誇る軍師達でもやつらには策がない…。
春蘭「くっ…どうすればいいのだ。このままでは…」
愛紗「春蘭の言う通りだ…。もはや我々では対抗する事も出来ん。」
思春「蓮華様…。力及ばず申し訳ありません。」
蓮華「仕方が無いわよ。やつらが相手ではさすがの思春でも対抗は難しいわ…」
華琳「そうね…。いったいどうするべきなのか…」
皆が頭を捻って考えていると、いきなり部屋の扉が開き兵士が駆け込んでくる。
春蘭「なにごとだ!!」
兵士「伝令!!たった今やつが調理場に現れました。その際典韋様が応戦しましたが、敵の数が多くまた素早いため、善戦虚しくやられました!!」
秋蘭「くっ…流琉。…やつめどれだけ犠牲をだせば気が済むというのだ!!」
雪蓮「秋蘭…。やつらは今も血を求めて彷徨っているのよ。彼らに慈悲など無いわ…」
秋蘭の悔しそうな顔を見て雪蓮が冷静にそう言う。
華琳「だからこそ対策を考えないといけないの。…そして彼が来るまで待つしかないわ。」
華琳がそう言い放つと、にわかに活気付く三国の将達…
「そうだな。彼が来れば…きっと…」
「そうよ。彼ならきっと…」
そう言って彼の到着が今か今かと待ちわびる…
桃香「そうです。彼なら…天の御遣いであるご主人様ならきっと何かいい方法を教えてくれる!!」
そう言って彼女らは天の御使いである”北郷一刀”を待っていた。
するとまた勢い良く扉が開いて皆が待ちわびた彼が姿を現した。
一刀「またせたなぁー皆!!もう大丈夫だぜ!!」
その姿はまさに天の御遣い…。彼女らにはたしかに見えていた、彼の後ろから後光が射してているのを…
華琳「それで一刀?やつらに対抗する手段とやらは出来たのかしら?」
そう言って華琳が皆が聞きたがっていたことを代表して聞く。
一刀「ああ…。俺が持っている天の知識と、俺の部下である真桜の技術があってはじめて実現できた…まさにやつらに対する最終兵器と言っても言いと思う!!」
その言葉に皆が歓声を上げる。
三国の将…いや、この大陸の人達全員の敵であるやつらにとうとう怯えて暮らすことが出来ると…彼女らは今やつらに対する対抗手段を手に入れたのだった。
華琳「じゃこれらの使い方を説明してもらえるかしら?」
真桜「あいよ~。説明ならうちにお任せや♪ならまずこの網からいってみよか~」
そう言って取り出したのは、網目が小さくとても大きな網だった。
その網に全員の視線が集まる。
真桜「ええか~。まずこれを寝台の上に吊るしておくんや。その際にやつらが入らんようきいつけてな~。隊長もいっとたんやけどこれはあくまでやつらを近寄らせんためのもので、直接倒せるもんや無いからな。最初からこの中に入ってしまえば効果はないで~」
その説明に皆が大きく首を振って答える。
真桜「次にこれや。これは直接相手を倒せるもんやけどその範囲は大体部屋一つぐらいやと思う。ただ、うちらに影響ないものつこうとるけど、それでもあまり良いってもんやあらへんから入り口とかに置いとくのがいいと思うで?そうすれば侵入しようとしたやつから死んでくと思うし、部屋に充満することも無いやろ。んで使い方はやけど、ここの先端に火を点けてもらうだけでええ、それだけで後は大丈夫や。後これだけは忘れたらあかんのやけど、効果はこれが無くなるまで…そやな大体2刻ぐらいやろか?それぐらいたったらなくなってしまうと思うで、そのつど取り替えてや。以上や!」
真桜の説明が終わると、一人一人に真桜が作った対抗手段を渡していく。
それを貰った皆は大いに喜んだ。
華琳「一刀。天の国ではこれを使ってやつらを撃退していたの?」
一刀「そうだな…。他にもいろいろあるかも知れないけど俺が知っていてこの世界でつくれそうなのはこれぐらいだと思う。でも今渡したのは俺達の世界でも長く愛用されてきたもんなんだ。だからやって損はないと思うよ?」
華琳「そう…。うまくいったらご褒美をあげるわ♪」
一刀「はは…。期待しているよ」
そう言って二人して笑いあった。
さて、皆様はもう気付かれただろうか?
夏場に現れ、いかに守備を固めても進入し人を襲う敵を…
その名は…………”蚊”
やつらこそ、夏場において人類の最大の敵と言えるだろう…
華琳「さぁ皆!!これで今日から安心して寝れるわよ!!」
全員『お~♪』
その日以降将たちの安眠は約束され、いい夢を見れるようになったそうな…
ここにやつら…”蚊”と三国の戦いは幕を閉じたのである。
ハム「あれ?私の分はないのか?」
一刀・真桜『あ…』
ハム「……いいさ。どうせ影が薄いもんな。…そういえば蚊に刺されていないの私だけだし…」
星(とうとう蚊にまで存在を忘れられるようになってしまったか…不憫なのか羨ましいのかわからんな…)
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ども秋華です。
今回の作品は、昨日の夜とうとうやつらが部屋に侵入してきたので、あまり寝れずこれを書き上げてしまいました。
皆様ならきっとこの気持ち分かってくれると信じています!!
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