呉side
「これは本当にまずいわね・・・・」
「たしかにな・・・・私もまさかここまでとは思っていなかった」
「ど、どどうしましょう?」
数人が固まり、小声で話を続けている。
「ふむ・・・・・一刀のことをここまでして奪いに来るとは・・・・」
「さすがは魏の軍師と蜀の執念言ったところか・・・・」
「しかし、本当に蜀と魏が協力しているとは・・・・」
「2対1はさすがに分が悪い・・・・どうにかならないものか・・・・」
蜀と魏に入り込もうとしたが、すでに読まれていたのか多少こそ入ることができたが、それから先へと進むことができない。
「こ、ここのままでは、本当に一刀様が・・・・」
「悲観になるな、まだ打開策はあるはずだ・・・・・・」
打開策を考えようとするも、この部屋にある悲観的な空気が消えることはなかった。
ふと、雪蓮が何かをひらめいたようだが、何も言わずに部屋を出て行ってしまった。
「雪蓮!どこへ行く!」
「ちょっと勘にしたがって行動してみる~」
「・・・・・・・公瑾、よいのか?」
「仕方ないでしょう、ですが・・・・雪蓮の勘はよく当たりますので・・・もしかしたら・・・・という期待はあります」
「わ、私たちは、私たちなりに考えて行動しましょう」
「そうじゃな、それしかない様じゃ」
三人は立ち上がり何処かへと行ってしまった。
蜀side
「思いのほか、上手くいっているようだな」
「そうですね~ですが、ここからが本番だと思います~」
「そうだな、相手はあの江東の小覇王だ、警戒しておいて損はないだろう」
「あら、そういえば風ちゃんはこっちの方に居ていいのかしら?」
居心地がよさそうにくつろいでいる風に対して、紫苑が言葉を放った。
「一応あなたは魏の軍師である以上、魏の方に良くする方が得策ではないのかしら?」
「お言葉ですが・・・・今回は同盟を組んでるんですよ~魏のことばかりしていて負けたら元子もありませんし~」
いつもと違い、どことなく視線が鋭く不機嫌な様子が伝わってくる。
「本当に・・・・・・一刀は・・・・取れるの?」
「・・・・・確実とは言えませんが、なんとかなると思います~今のところは」
「今のところは?引っかかる言い方だな、風殿」
確実と行ってほしかったのか、愛紗が食ってかかった。
「ぐー」
「寝るな!」
「おぉぉぉ!余り突っ込まれたくないところを突っ込まれたので思わず寝てしまいました」
さすがに怒ったのか、愛紗は握っていた筆をへし折った。
「おぉ、怖いですね~そんなに怒ってばかりだとお兄さんに嫌われちゃいますよ~」
しかし、怒りを一刀の事へ向け、交わした風に紫苑は警戒心を抱いていた。
魏side
「ここまでは上手くいっているようね」
「はっ、ですがこれからは呉も動くはずですので、これまで道理とはいかないでしょう」
「そうね・・・・」
「そうや!一刀を呼んで宴会なんてどうや?」
「霞殿!今は自分のしたい事で無く考えてください!」
怒られたことにビックリしたのか、霞は呆然としていた。
「いえ、その案いいかもしれないわね、確かに呉も呼ばないといけないでしょうけど、こちらからする以上、こちらの方に流れを引き込めるはずよ」
「・・・・蜀もいることですし、最悪呉の抑え役になってもらうと言ったところですか?」
「それもやぶさかではないわ」
その顔には笑みが浮かんでいた。
「ならば、思い立ったら即行動ですね、華琳様」
「そう、それでは、準備に入りなさい」
全員が宴会のための材料を集めに各方へ散って行った。
全体side
「それでは、ここに居合わせた皆に乾杯!」
皆が手に酒を持ち、乾杯をする。
「あら、一刀は飲まないのかしら?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど、ちょっと今日はいいかな・・・・って思って」
「そう、私の酌じゃ飲めないのね」
「華琳、どうしてそんな風にと取るんだよ」
この行動は少し気落ちしたように見せ、慌てさせると同時に保護欲を駆り立てた。
「それじゃあ、どうぞ」
一刀の真横という絶好のポジションを獲得した華琳は延々と一刀に酌をしようと思っていたが、そこに愛紗がもう一方のポジションに入ってきた。
「一刀殿、どうぞ」
恭しく差し出された徳利よりも、一刀の視線は差し出した時に揺れた豊満な胸にくぎ付けであった。
「あら、ずいぶんと鼻の下が伸びているのね?」
「そ、そんなことはないぞ!」
華琳の冷たい視線を受けて正気に戻ったのか、一気に酒をあおった。
「愛紗さん、ありがとう」
笑顔で自分が呑んだ盃を愛紗に渡す。
「え?」
「ご返杯って言って、もらったお酒を相手に返すんだよ」
愛紗本人はそれでなく、一刀の口が付いた盃に釘付けであった。
「いただきます」
飲む前から酔ったように顔を真っ赤にした愛紗が一刀の口をつけた部分に口をつけて、酒を飲む。
「ごちそうさまでした・・・・」
「顔が真っ赤だけど・・・・・大丈夫?」
「だ、だいじょ・・・・」
ここで極度の緊張と興奮を感じた愛紗は気を失ってしまった。
「愛紗さん?」
「きゅ~」
「仕方ないな・・・・・・」
自分の膝に愛紗の頭を載せると、次は華琳に返杯をした。
「あら、私にはくれないのかと思ったわ」
「そんな、華琳が盃を持っていなかったからしなかっ・・・・」
冷静に行っていた華琳の言葉を止めるような光景が広がっていた。
「もがもが!」
「もう、私たちのことは無視しておくつもりなのかしら?」
言葉を放ったのは雪蓮であったが、意外なことに冥琳が一刀に対して口移しで酒を飲ませたのである。
「な・・・・な・・・・」
「あら、華琳どうかしたの?」
後ろから来たのは雪蓮と祭であった、なぜか祭だけはひどく疲れている様子である。
「かずとぉ~」
口を離すとすぐに正面に回り、腰のあたりに抱きつき胸を頬擦りする。
「め、冥琳?」
「ん~ろうかしたの~?」
普通では考えられないほどの間延びした声に、その場に居た2人以外は驚いていた。
「あのね、わたしねかずとといっしょにいたいの・・・・・だめ?」
酔いのためかその潤んだ瞳に対抗する術を持っていない一刀はすぐに落ちた。
雪蓮、冥琳、祭side
宴会が始まる前のことである、なぜか大量の酒が一室に運び込まれていた。
「2人とも、これはどういうことか説明していただけるんでしょうね?」
一刀のことで苛立っているときにこのようなことをされて、さすがの冥琳も頭に来ているのかすでにコメカミに青筋が浮いている。
「いいから、ほら冥琳も」
「そうじゃ、お主も飲まんか」
2人から無理矢理と飲まされ始める冥琳、おかしなことに気付いたのは2人の考えに乗ってしまってからであった。
「もしかして・・・・・ふらりとも、わらしらけに・・・・」
「そう、ごめんね~冥琳、これしかないって私の勘が~」
「意外性の追求・・・・いいではないか」
すでに酔っていて、思考が遅くなり、さらにろれつも回っていない。
この後、祭りが公開する事態が起こるのだが、それはまた別の話である
全体side
「ん~かずとぉ~」
すでにその場は完全に酔ってしまった冥琳のデレデレ空気に呑まれてしまって、先ほどまでの魏と蜀の優勢モードは完全に吹き飛んでしまっていた。
「「狙い道理」」
2人の声は同時に発せられた、その様子を華琳、愛紗、風、が悔しそうに眺めていた。
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このままでは、間に合わないと思いながら仕事が忙しいのとなかなか筆が進まないで完全に遅れてしまいました
応援メッセージをくれた方々、返信がまだできてなくてすみません