第十四章「使者」
「ねぇ、冥林。陳留・・じゃなくて天の御遣いの事何かわかった」
「雪蓮の言う通り明命に行かせたのだが、警備が厳しくて無理だったそうだ」
「あの明命でも駄目だったの」
「あぁ、間者の数が尋常じゃないほど多いとのことだ」
「それじゃ、私たちは全くわからない人と戦わなければならないじゃない」
「大陸一・二の武人で正体がわからない。これほど厄介なものは無いな。それと雪蓮・・・」
「なに冥林?」
「また、仕事をサボって酒を飲んでいたな」
「えっ!どうしてしっているのよ」
「いいから、早く仕事に戻りなさい」
「冥林のケチ~~」
「と言うわけで、俺と沙和が君たちの護衛謙連絡係だ」
一刀の前には張三姉妹がいて、横には沙和・焔耶・椿・万里がいた。
「よろしくなの~」
「よろしくお願いします」
「よかったね、ちーちゃん。一刀が来てくれて」
「ちょっ!天和姉さん。何てこと言うのよ」
「え~~、だってちーちゃん。一刀じゃないかも知れないって言ったら残念そうな顔していたもん」
「ち・違うわよ。それはちぃ達の護衛が弱くなるとと思って」
「ちぃ姉さん。その態度は残念そうな顔をしていたと言っているのと同じよ」
「っ!」
「まあまあ、俺は何時もここに来れる訳じゃないから大まかの事は沙和と話をしてくれ」
「えっ!そうなの」
「俺はこれでも曹操軍の筆頭将軍だから色々やらないといけない仕事があるんだ」
「そうなんだ」
地和が残念そうな顔をして一刀の方を向いた。
「でもね。隊長はできるだけこっちにも顔を出すって言っていたの。だから心配要らないのー」
「なら、一刀。今日はお祝いしよう」
「お祝い?」
「そう、私たちのお祝い」
「つまり俺に・・・」
「一刀の奢りで一報亭にご飯食べに行こう」
「沙和も賛成なの」
「私も」
「ちーちゃんは?」
「ちぃも一刀がいいなら」
「俺の意思は無視か・・」
一刀は観念して財布の中身を見た。
・・・これだけあれば十分か
「わかった、奢るよ。万里達も行くだろ」
「もちろんですぞ、主」
「ワタシも別に構わんが」
「その、お邪魔じゃなければ」
一刀達は一報亭の方へ向かった。
「やっぱり、一報亭の焼売はおいしいね」
「そうね。天和姉さん」
「隊長ご馳走様なの」
「おいしかったですぞ、主」
「あの、一刀様。ありがとうございました」
「ありがとうございます、お館」
「その、ごめんね。姉さんが我がまま言って」
「別に構わんさ。地和もおいしかっただろ?」
「えぇ」
一刀は財布の中に小銭を入れた。
「そういえば、隊長の給金っていくらぐらいなの?」
「うん。・・だいたい沙和の三倍位かな」
「え~~そんなにも貰っているの。贔屓なの」
「なに言っているだ。春蘭や秋蘭・桂花も同じくらいだぞ」
「一刀様と桂花さんは曹操軍の筆頭将軍と軍師。春蘭さんと秋蘭さんは華琳さんの古参の方なのでそれ位が順当かと」
「一応、拙者達にも給金は出ておるが、足りない時は主から貰うことになっているから」
「そうだったの。隊長の臣下も大変なの」
「そうでもないぞ。昼はだいたい万里殿と主が作ってくれるし。必要なものはだいたいが主に言ったら買ってくれるから拙者達はそんなにお金を使わないんだ」
「なにそれ」
「贔屓なの」
「ずるいよね。贔屓だよね」
「別にずるくもないだろう。本当は俺が出さないといけないのを華琳が出してくれているんだ。だから俺は必要な物だけは出そうと思っているだけだ。まぁ、それでもお金は貯まるんだけどな」
「ぶ~ぶ~なの~」
「沙和もさっさと警邏に戻らないと凪に滅給されるぞ」
「そうなの、早く戻らないといけなの。それじゃ天和ちゃん達また明日なの」
沙和は手を振ってその場を後にした。
「それじゃ、俺も城に戻るから何かあったら警備隊を通してくれたらすぐに駆けつけるから」
「わかりました」
「じゃあね一刀」
「か・一刀。また明日」
「あぁ。また明日」
一刀達も城に戻って行った。
「それにしてもちぃ姉さんも大変な人を好きになったわね」
「な・何よ」
「だって相手は、大陸一・二と言われる武の持ち主で政事も出来る。そんな人なのよ、一刀さんて」
「それでも」
「ちーちゃん。私も一刀の事狙っているから負けないよ」
「ちょっ!天和姉さん」
「フ、フ、フ」
張三姉妹の中で一刀争奪戦の幕が開けた。
「一刀様。この書簡に印を押してください」
「わかった」
「お兄さん。こっちの書簡にもお願いします」
「一刀様。この書簡に目を通しといてください」
一刀は自分の軍師達と一緒に政の仕事をしていた。稟は街の改善案。風は土地関係。万里は新兵の振り分けといった書簡を一刀に見せていった。
「ふう~~。一度休憩にしないか?」
「そうですね」
「でしたら私。お茶を持ってきます」
「風、そこの棚にお菓子があるから取ってくれ」
「はい、は~~い」
「後どれくらいだ、稟」
「そうですね。後は三分の一位でしょうか」
「なら、休憩が終わったらいっきに終わらせるぞ」
「はい」
「了解で~~す」
一刀達は万里が来るのを待った。
「どうぞ、一刀様」
「ありがとう、万里」
「いえ、風さんと稟さんも」
「でわでわ、いただきます」
「いただきます」
ズズズズズズ
「うん。いつもだけど万里の入れてくれるお茶はおいしいな」
「そうですね。心が和みます」
「グ~~~」
「風さん、持ったまま寝ると危ないですよ」
「おぉ、万里ちゃんが起こしてくれなかったら本気で寝てしまう所でした」
「相変わらずだな、風は」
「むぅ~。最近お兄さんは風に意地悪なのですよ」
「そんなこ(コンコン)・・どうぞ」
「北郷様。曹操様がお呼びです」
「わかった、すぐに行くよ。それじゃ、行きますか」
「「「御意」」」
「どうしたんだ、華琳」
「一刀。あなた麗羽の事覚えているかしら」
「袁紹さんの事」
「えぇ。その麗羽から使者が来たの」
「内容は」
「洛陽の暴君、董卓を倒そうだそうよ。自分が洛陽から追い出されて事がむかついたのでしょう。けど私は頃を気に天下に名を轟かせるは、一刀も付いてきてくれるでしょう」
「もちろん。俺は何が遭っても華琳を守るよ」
「なら、出陣の準備をしなさい」
「仰せのままに、我が覇王よ」
一刀は華琳に頭を下げてその場を後にした。
「稟。報告忘れていたでしょ」
「申し訳ございません。今夜にでも報告しようと思っていたのですが」
「今回はもういいよ。でも今度からは情報が入ったらすぐに教えてくれ」
「はい」
「けど、今回かちょっとお仕置きしないとな」
「お・お仕置きですか」
「今夜、閨に追いで可愛がって、あ・げ・る」
「は・はい」
稟が満面な笑みで一刀を見る。
「第二の華琳さんですね~」
「一刀様。その・・私も」
風と万里は二人のやり取りを見て少し恥ずかしくなった。
「どう思う朱里ちゃん、雛里ちゃん」
「そうですね。董卓さんは別に暴君と言われるほど悪事はやっていないと思います。洛陽に放った勘者さんによるとかなり栄えた街とのことです。しかし今回の連合には参加するべきかと思います」
「桃香様の名を上げるためと連合に参加する人達を見るいい機会かと思いましゅ・・噛んじゃった」
「そうですよ、桃香様。我々も参加しましょう」
「そうなのだ。もしかしたらあの強いお兄ちゃんとも会えるのだ」
「鈴々。その強いお兄ちゃんとは誰なんだ」
「あぁ、それはですね。陳留にいる北郷さんの事ですよ、星さん」
「ふむ。あの大陸一・二の武の持ち主と言われる天の御遣い殿か」
「今は、魏の懐刀と言われています。最近は曹操さんの所に送った勘者さん達は誰一人として帰って来ていませんからそんなに情報が無いですけど」
「ですので。今回の連合の参加はとくに曹操さんの情報を得るにもいい機会だと思います」
「わかった。私達も連合に参加しよう。きっと董卓さんも良い人だよ」
「でわ、我々は出陣の準備をして参ります」
「お願いね、愛紗ちゃん」
「はっ」
啄県の劉備を連合に参加する事が決まり三国の戦いの始まりの第一歩がまたしても進まれた。
「稟・・ん・・」
「か・一刀様。あっ・・」
稟の首筋に優しく口を付けた。
「ん・・ちゅ・・ちゅっ・・・」
「あっ・・・あん・・か・一刀様・・その・・」
稟は一刀の唇を欲しそうに眺めていた。
「ダメだよ。・・ん・・ちゅ・」
「ど・ああ・・どうして?」
「稟が気持ちよくなったらお仕置きにならないもん。・・ん・・ちゅ・・」
「あ・・そこ・・だ・だめ・・」
一刀は服の上から稟の胸を舐めた。
「なにが駄目なの」
「服に涎が。・・あっ・・」
「本当はもっとやって欲しいだろ?」
「ちが・・ん・・一刀様。もう・・」
「なら、稟が俺を気持ちよく出来たら許してあげる」
「ひ・ひどい・・ん・・」
「どうする?」
「し・します」
「じゃ、お願い」
稟は一刀を気持ち良くするまでひたすら奉仕し続けた。
第十四章 完
「第十四章終了。どうでした稟とは楽しめましか?」
「そりゃ、もう」
「それはよかった」
「私も嬉しかったです」
「それはよかったですね~~」
「「風!!」」
「いやいや。お兄さんもここまでのド変態さんとは」
「こまりましたね~~。風さん」
「そうですね~~」
「いや、ちが・・」
「違わないでしょう」
「一刀様。この二人には何を言っても意味を持たないと思いますが」
「そうだよな~~」
「まぁ~~、それはさて置き。次週は私の関係上お休みにさせて頂きます」
「どうしてですか?」
「稟ちゃん。それはやっぱし女絡みですよ」
「そうなのですか?」
「やはりお前も」
「残念ながらクラブの合宿でして。できれば土日以内で出来るように努力したいと思っていますが、多分無理なので前もって報告しときます」
「そうですか~~」
「黒竜殿も苦労しているのですね」
「まぁ~~、頑張って来い」
「そうします。それではここは今いる全員でいつものの挨拶して終わりましょう」
「了解」
「了解しました」
「は~~~い」
「それでは皆さんまたあう日まで」
「BY]「BY」「バイ」「バイ」
Tweet |
|
|
64
|
9
|
追加するフォルダを選択
張遼達も洛陽に帰りしばらくは平和が続いた。しかしある日名門袁家から反董卓連合の誘いが華琳のもとへ届いた。華琳はどうするか?