No.148311

SHUFFLE!&リリカルストーリー 23

グリムさん

久しぶりの更新です。今回はゴールデンウィーク稟編。
芙蓉家のキャンプです

2010-06-06 00:25:50 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2024   閲覧ユーザー数:1838

第二十三話 ゴールデンウィーク 芙蓉家編

 

 

「楓、荷物って今積んだので最後か?」

 

「はい、そうですよ稟くん」

 

「あれ?でも楓ちゃん山登りのとき用のリュック四つしかないよ」

 

「え、ちゃんと人数分あると思いますけど…稟くん、桜ちゃん、リムちゃんにお父さんですよね?」

 

「…楓…楓は山に登らないの…?…」

 

「…え?あ、自分の分忘れちゃってましたぁ~~」

 

「「………」」

 

「……?…」

 

「おや?楓のやつどうかしたのかい」

 

 

これがゴールデンウィーク初日の昼前に芙蓉家の前で交わされた会話である。

 

芙蓉家(+α)の面々は予定どおり山に出かけることになっていた。山とは言ってもふもとにキャンプ場があり、山は一日で行き来ができるレベルのものであるからどちらかというとキャンプのような側面が強いかもしれない、まぁ幹夫と稟の二人で登るのならもう少し本格的な山に挑戦するというのもありだが今回の編成では妥当なところではあるだろう

 

「そういえばおじさん今回のこの車どうしたんですか?かなり立派ですけど」

 

「ああこれかい?会社の同僚に今回のことを(決まる前に)話していたんだがね、それなら普段お世話になってるお礼に使ってくれと言われてね、借りることにしたよ」

 

幹夫は楓や稟のこととなると暴走することも多く、そういう意味で周りに迷惑をかけることも多々ある。が、こと仕事に関しては優秀で上からは信頼され下からは尊敬を受けている、ちなみに娘に関しての暴走が会社で起こったことがあり優秀である上に親しみも持てる上司と部下からは思われているらしく同僚から(上司や部下に関係なく)そんなことを言われることも珍しくはないのである

 

「そうなんですか?じゃあその人にも感謝しないとですねお父さん。レンタカーなんか借りたらお父さんの夜の酒代をしばらくの間減らすつもりでしたし」

 

「か、楓ぇ~それは勘弁してくれないかい」

 

ちなみにこちらは楓さんの一言、父にはほんとに容赦のない子である、もっともこれも一つのコミュニュケーションなのかもしれないが

 

「…桜、あれ…なに…?…」

 

「ん、あれはね………」

 

ちなみにいまは車で目的地に向かって移動中、もちろん運転は幹夫だ。ちなみに助手席には稟が座っていて、後ろではプリムラ、桜、楓の順で座っている。

窓際に座ったプリムラは(自分にとって)珍しい物を見かけると隣の桜に聞いたりして驚いたりしていた(表情はわかりにくかったが)

 

まあ二時間ほどそんなこんなしているうちに山のふもとにあるキャンプ場に到着である

 

 

 

「さてとりあえずテントでも張るか、稟くん手伝ってくれるかい」

 

楓と桜の作った弁当を食べて少しした後(だいたい三時くらい)、幹夫はこう言いだした

 

「了解です、おじさん」

 

ちなみにここは割と大きなところで簡易的な宿泊施設なんかはあったりするのだが幹夫が言うには『雰囲気が出ない』とのことで芙蓉家のキャンプはテント持参である。

まあシャワーなんかは楓達の要望で施設の方で使わせてもらうことになっているが

 

ちなみに『シャワーも浴びないで稟くんの前にいるなんてダメですっ!!』とは恋人二人の共通認識らしい

 

「あ、お父さん、わたしも手伝いますね」

 

「いや、こっちはいいから少し周りを歩いてきたらどうだい?」

 

テントを張る手伝いを申し出る楓に幹夫はそうこたえる。理由は

 

「……!?……!!!……?……」

 

周りを見ながら興味シンシンに見まわしている(近しい人物がなんとかやっと感じ取ることができる程度だが)プリムラである。楓と桜はそちらのほうに目を向けるたあとすぐに顔を見合わせてうなずき合う

 

「リムちゃんお散歩行ってきましょうか」

 

「…さんぽ…?…」

 

「その辺を歩いて回ることだよ、リムちゃん」

 

「…じゃあ、行く…」

 

「ということで少し行ってきますね稟くん」

 

「おう、楽しんでこいな」

 

そういって女性陣は散策のために消えていったのだった

 

「じゃあ、さっさとテントを張ろうかね。稟くんもあっちに合流したいだろうしね、ちなみに私は施設にいる知人と話でもしておくつもりだから気にしなくてもいいぞ」

 

「はは、じゃそうさせてもらいます。ということでちゃっちゃと終わらせちゃいましょう」

 

 

 

こちらは散策組

 

「でも人が多いと思ってたのにいないですね」

 

「う~ん、いちおうゴールデンウィークも初日だし明日から出かけるって人も多いんじゃないかな?それにキャンプって言うと“夏”ってかんじがするもん」

 

自然に囲まれた道を歩きながらの会話である、ちなみにプリムラはこの自然の中の雰囲気が気にいったのか目を少しだけ細めて気持ちよさそうにしていた。

実は幹夫が人が少ないところをピックアップしたのだが(ナンパなんかが無いように)それを楓達が知る由もない。そんなふうに話していると少し開けたところに出た、周りには人の気配はない(というより実は貸切状態だったりするのだが)

 

「ねぇ楓ちゃん、ここだったらスターチスたちを出しても大丈夫かな?最近…というかずっとだけど思いっきり動けるときなんかがなくてストレスがたまってると思うんだ」

 

「そうですね。人気もなさそうですし…それにあの子たちをリムちゃんに紹介しないといけないですし」

 

街中で神獣たちを出すわけにもいかないため(生とアルトは例外だが)ランとスターチスにはあまり自由にさせてあげることができず(そのためプリムラへの紹介の機会がないままゴールデンウィークに突入してしまった)二人はそのことを申し訳なく思っていたのだった。

 

余談だが、じつは楓達、修業の成果なのか近くにいる人間は視界に入れずとも認識できるようになっている。そのためこのような会話ができているのだ。この成長スピードは神剣からの補助があるとはいえ驚異的で稟達も驚いていた。

 

ふたりがそんな話をしているとプリムラが袖を引っ張った

 

「……桜…スターチスってだれ……?…」

 

「今紹介するから少し待ってね。リムちゃん」

 

『ということでスターチス出てきていいよ。あとリムちゃんにあいさつよろしくね』

『ランちゃんでてきていいですよ。あとリムちゃんにあいさつをお願いしますね』

 

そして目の前に現れた一頭と一羽(?)。何もないところからの登場によりプリムラは驚くかと思われたのだが無反応であった

 

「リムちゃん、こっちのユニコーンみたいなのががランちゃん、フェニックスみたいなのがスターチスちゃんです。仲良くしてくださいね………ってリムちゃん聞いてますか」

 

「…………(バタッ)」

 

「「リ、リムちゃん!?」」

 

「「」」

 

訂正………プリムラは固まっていただけであった

 

「スターチス……」

 

「なんですか?ラン」

 

「ここまで驚かれるとは思いませんでした」

 

「……そうですね、でてきた状況が状況だから仕方ないのかもしれないですが少し悲しいです」

 

「「………はぁ」」

 

あわてながらプリムラを介抱する主達を見ながら神獣たちはそんな会話を交わしたのだった

 

 

「…おどろいた…」

 

プリムラの起きた後、最初の言葉である。よほど驚いたらしい

 

まあいきなり神話の中にしかいないような生物が目の前に現れれば当然の反応ではあるともいえるのだが

 

「おどろかせてすいませんでしたプリムラさま、楓さまと契約した永遠神剣第六位“繋ぎ”の神獣のランです。よろしくお願いします」

 

「わたしの方からも謝罪します。すいませんでしたプリムラさん、主人から久しぶりに実体化の許可をもらって嬉しかったからかプリムラさんへの配慮が少しおろそかになってしまって、ほんとにお恥ずかしいです」

 

「……ううん、いい。名前、プリムラ…ラン、スターチス…よろしく…」

 

それはともあれ無事に自己紹介をすませることに成功する。ちなみにランが楓のことを楓さまと呼んでいるのは流石に“我が主”とよばれることに慣れることができなかった楓が説得した成果である(それ以上は妥協してくれなかった)

 

だがとても珍しいことが起こった。自己紹介をしてあいさつを返したプリムラがランとスターチスから目を離さないのだ

 

「リムちゃんどうかしたんですか?」

 

さすがに気になったのか楓がプリムラに声をかける

 

「…ランとスターチス…私とおんなじ感じがする…」

 

プリムラはそれにといって

 

「…楓と桜からも…おんなじ感じ…する…」

 

そう言いだした。楓と桜はそれが何を指すのか考え一つの可能性に行きつくすなわちそれは

 

「「永遠神剣……」」

 

それにこのことについては楓と桜もうすうす思っていたのだ『プリムラから感じる気配が神剣に酷似している、と』この意見には二人の神剣の扱いの師であるユーノと稟も同じ意見だった。それに加えプリムラから感じるものは自分達のものよりも明らかに大きいのだ

 

「リムちゃんそれはたぶん」

 

「これのことだよ」

 

そういって二人は自分の神剣を出す。プリムラはそれを見て驚きの表情をみせる

 

「…これは何?…わたしとおなじ感じがする…」

 

「これは永遠神剣といって使い手を選ぶ武器らしいです」

 

「…………」

 

その言葉を聞いた後それに見入るプリムラしばらくはそんな状態が続き……

 

 

 

「ん、どうかしたのか?」

 

 

そんなふうに稟が声をかけるまでは同じ状態だったらしい

 

 

 

「そういうことだったのか………」

 

三人(+2匹)の話を聞いた後の稟の一言である

 

「はい」

 

「そうなんだよ。で、どうしよっかってなっちゃって」

 

桜も楓もどうしたらいいかわからないというふうな様子だ

 

「じゃ簡単じゃないか」

 

「「え?」」

 

「……どうするの?……稟…」

 

すぐに答えを出した稟に驚く楓に桜、ふつーに答えを返すプリムラ、ちなみに神獣二匹+アルトはその辺でゆっくりしている

 

「とりあえず訓練の時にプリムラも参加すればいいんじゃないか?そのときに感覚が何なのかわかるかもしれないし」

 

「「あ、たしかに(そうですね)」」

 

「……ん…それでいい……」

 

みんな納得したためそこでその話は終了である。

ちなみにこのことは稟とユーノの中ではちかいうちにやる予定のものだった、稟がよどみなく答えられたのはそのためである

 

「ま、今回はとりあえず遊びに来たんだしフツーに楽しまないか?」

 

「はい♪稟くん」

 

「うん♪」

 

稟のその言葉に嬉しそうに稟の腕に抱きつく楓に桜

 

「……………」

 

そしてそれを羨ましく感じたのか背中からぶら下がるように稟に抱きつくプリムラ

 

「ははは稟、両手に花だね。この場合は背中にもかな?」

 

稟をからかうように少し上から言うアルト

 

「楓さまも桜さまもプリムラさまも楽しそうです」

 

のんきに言うラン

 

「ふふふ、がんばってください稟さん」

 

面白そうに言うスターチス

 

 

そんなかんやで時間も忘れるくらいワイワイ遊んだため、帰りが遅いので心配して呼びに来た幹夫に神剣のことがばれたのは御愛嬌である。

 

幹夫は神剣については稟の事を信頼しているから稟に一任するといって何も言わなかった、ただランとスターチス、アルトについては気に入ったらしく、とくにアルトは息子が二人になったみたいだと言って喜んでいた

 

ちなみに次の日の山登りはランにスターチスも一緒だったのは言うまでもないと思う、こんなふうに稟達のゴールデンウィークは過ぎて行ったのだった。

 

 

あとがき

 

こんばんは。

かなり久々の更新です。覚えてくれている人はいるでしょうか?グリムです、お久になります。

 

いやなんだか今まで書く気がなかなか起きなかったためこんなに遅くなってしまいました。応援してくれているみなさん本当にすいませんでした。

 

さて今回はゴールデンウィークの稟編です。クオリティは高いとはいえませんが精一杯書きましたので楽しんでいただけると嬉しいです。

 

あとこちらの都合で楓と桜の神剣の名前が変わっています「絆⇒繋ぎ」「縁⇒結び」となっています。では今回はこの辺でしつれいします。

今までさぼった分少し頑張りますんでこれからも読んで下さるとうれしいです

 

 

 

 

 


 
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