文字サイズ:
幅:
真・恋姫無双 二次創作小説 明命√
『 舞い踊る季節の中で 』 -寿春城編-
第50話 ~ 自ら舞う想いに、美しき羽は天に願う ~
(はじめに)
キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助
かります。
この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。
北郷一刀:
姓 :北郷 名 :一刀 字 :なし 真名:なし(敢えて言うなら"一刀")
武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇
:鋼線(特殊繊維製)と対刃手袋
得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(本人は無自覚)
気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)
神の手のマッサージ(若い女性には危険です)、メイクアップアーティスト並みの化粧技術
最近の悩み:某日、某屋敷にて
甘く、心休まる匂いに、 下から感じる暖かい柔らかな感触に、 左手を引っ張ら
れるも、掌にちょうど良い大きさの、柔らかな感触に、 そして、頭と下半身を包み
込むように固定された感覚に、 俺は、母親に抱かれた赤子のような心地良さを感じな
がら、意識が深い眠りから、浮上するのを感じる。
そうだ、昨日は、また翡翠に見っとも無くも、泣きついて、喚いてしまったんだ。 そ
うか、そのまま俺寝てしまったのか、そう思い出し、目を開けると、
「・・・・・・・・・・っ!」 とんでもない事態になっていた。 俺の顔を包む柔らかなものの
正体は、翡翠の胸とお腹で、左手は何故か明命の胸に手を当てていた。 ・・・・なんで?
と思う反面、その感触と、彼女達の匂いに、頭が沸騰しそうになる。 とにかく二人が
目を覚ます前に抜け出さねば、 と思ったのだが、びくともしない。 頭は翡翠の両手
で抑えられ、 左手は、明命の手によって、胸に押し付けられていた。 そして絶望的
なのが、下半身を、明命に何時かの抱き枕のように、足を絡ませられ固定されていた。
・・・・ど、どうしよう?(汗
(今後順序公開)
翡翠視点:
私の顎に添えられていた一刀君の指が、そっと離れて行ってしまいます。
目を瞑り、訪れる時を待っていた私は、一刀君の離れて動かない気配から、
それが、もう終わりなのだと知る事が出来た。
何も無かった、一時、
無防備に晒した私をじっと見詰めながらも、
一刀君に、全てを委ねたにもかかわらず、
私の本当の願いを、叶えてくれる事はなかった。
その事に、私は憂愁に捕らわれながらも、
『 一刀君だから 』
と、心の中で小さく溜息を吐きます。
でも、それは、少し違っていました。
何故なら、
目を開けると、其処には少し呆然とした一刀君が、
少し恥ずかしそうに、此方をそわそわと眺めていたからです。
「一刀君、終わりましたか?」
私の掛けた言葉に、一刀君は我を取り戻したのか、
小さく頭を振ってから、
「ああ、一応ね。
翡翠の肌の色に合わせた物まで用意していなかったから、控えめだけど、
なるべく、翡翠らしさが活きるようにしてみた」
そう言って一刀君は、鏡を私の前にかざします。
其処には、確かに私が居ましたが、今までの私と全然違いました。
素肌の処理は完璧なのは、言うに及ばず。
私の悩みの種である、童顔を打ち消すのではなく、
幼い雰囲気を残したまま、大人の優しげな艶が感じられるようにしています。
それに、目許も濃淡を上手く使い明るくし、なんとなく輝いて見えます。
確かに凄いです。
それに、髪にしても、色布を使ったりと、知らないような技法や組み合わせで、
決して華美や派手にならず、どちらかと控えめな感じに纏めてあります。
ですが、全体で見ると、控えめの中にも、確かな存在感と、
一刀君の言う、私らしさを感じさせるように、施してあります。
これで、控えめな化粧だとしたら、万全を期したら、何処までになるんでしょうか?
でも、そんな事より、
私は、一刀君の言った言葉と、この結果がとても嬉しいです。
『 翡翠らしさを活かした 』
今の私は、その一刀君の出した答えです。
この今の私が、一刀君の心に映る私なのだと、
確かに、今の私も綺麗ですが、客観的に見て、今の一刀君には及びません。
それでも、一刀君は、離れて落ち着いて見た時、私に見惚れていました。
一刀君、気がついていますか?
つまり一刀君は、そういう眼で私を、そしてたぶん明命ちゃんを、見ているって事なんですよ。
義姉や義妹ではなく、女性として見ているって事なんですよ。
私の今の姿が、それを証明してくれているんですから。
もっとも、一刀君は気がついていないんでしょうね。
気がつかないように、しているんでしょうね。
まったく、しょうがない人です。
でも悔しいですから、少しだけ悪戯させてもらいます。
私は一刀君に、優しく笑みを浮かべながら近づき、
「どうですか、一刀君から見ての、今の私は?」
もう分かりきった事を、一刀君に尋ねます。
そんな私に、少しうろたえる一刀君、
でも、これで終わりでは無いですよ。
「きちんと、真っ直ぐ見てくれなければ、分からないですよ」
そう言って、もう少し近づき、
下から手を伸ばして、一刀君の首にぶら下がる様に持たれ掛けながら、
少し子供らしく、そして、年上らしく一刀君に微笑みます。
下から覗き込むように、
真っ直ぐに、
私の想いを籠めて、優しく微笑みます。
「・・・うっ、その、・・・・凄く綺麗・・・・・」
頬を少し朱に染めながら、しどろもどろに、答えてくれます。
ふふふっ、可愛いです。
そんなに照れてしまって、
私に化粧を施したのは、一刀君なんですよ。
そして、こういう事させているのも、一刀君なんですよ。
「・・・・ちょ、その、翡翠、・・この姿勢は色々不味いから・・・」
何が不味いんですか?
そして、それは何ででしょうね?
一刀君、その答えは、一刀君の中にあるんですよ。
その事に、早く気がついてください。
私達にだって、我慢の限界があるんですからね。
なるべくなら、一刀君を傷つけるような形では、結ばれたくないんです。
だから、今は此処までです。
私達には、やるべき事があります。
だから、このまま、一刀君を押し倒す訳にはいけません。
「そろそろ、袁術の城の厨房が借りられるはずです。
一刀君が、どんな菓子と料理を作るのか、楽しみです」
そう言って、私は手荷物を持って、呆然とする一刀君を置いて部屋を出ます。
あぅっぁぅぁぅぁぅ・・・・・・・・思い返せば、ずいぶん大胆な事をしてしまいました。
一刀君に、・・・・ぁぅぁぅ・・・・はしたない女と、思われていないでしょうか?
美羽視点:
「単刀直入に言うわ。
貴女の所の張遼を、私に譲ってくれないかしら」
「主殺しの張遼をか? 物好きじゃのぉ
じゃが、あれは妾の臣下じゃっ、曹操殿にくれてやる訳には行かぬのじゃっ」
曹操の要求は、思った通りだったのじゃ、
張遼の今の扱いを思えば、曹操の所に行った方が幸せなのじゃろうが、
妾にも目的がある。 それに、アレ等の望みもある以上、素直に頷くわけには行かぬ。
「無論、無料とは言わないわ。
そうね、貴女が虎牢関で失った兵と同じだけの数、兵一万七千を、譲り渡すわ」
ざわっ
アレ等が曹操の出した代価にざわめき出す。
驚いたのじゃ、七乃から、
『きっと曹操さんの事ですから、あの人達が考える以上の代価を、提示してくると思います』
なんて言っていたので、覚悟しておったのじゃが、
予想を大きく超えていたのじゃ、
すでに、アレ等の中には、頷けと視線を送ってくるものも居るが、一番妾に頼みを言うアレは、
強欲にも、値上げをしろと目で言ってきた。
正直、この時点で頷きたいのじゃが、仕方あるまい。
「それは妾としても助かるが、兵二万、・・・・・・・曹操殿とて、決して少なくない数、
掻き集めを寄越されても、精強な妾の兵とでは吊りあわぬぞよ」
アレ等が納得する上げ幅と、幾つか用意しておいた言葉を告げる。
これで、アレも満足すだけの物を出すはずじゃ。
「なら、それに、糧食を三ヵ月分付けてあげるわ。 でも、これ以上は無しよ。
その時は、この話は無かった事にしてもらうわ」
その曹操の言葉と気魄に、アレは満足したように頷いたのじゃ。
これ以上要求をすれば、近いうちに全てを奪う、と言う曹操の気魄に押されたようじゃ。
曹操がそれだけして欲しがるという事は、張遼がそれだけ優秀であると言う事、
それが、アレ等の心に刻む事ができたのじゃ。
じゃが、だからこそ、すぐに譲り渡す訳にはいかぬのじゃ、
「曹操殿を信じぬ訳では無いが、兵の質に不安があるのじゃ。
そこで、張遼を引き渡すのは、三ヶ月待ってくれぬか?
その三ヶ月で、張遼にその兵を鍛えて貰いたいのじゃ。
なに、代価は曹操殿が言った通りじゃ。
三ヶ月経ったら、約束通り、張遼は曹操殿に譲り渡すのじゃ」
妾の言葉に、アレ等は、最初こそ驚いて妾を睨んだが、
最後まで言い終えた頃には、その顔は満足していた。
『 よくやった 』
と、そう目が言っておった。
そして、妾と七乃の思惑とおり、曹操は、妾の言葉に頷く、
ただ糧食は、引渡しの時と言うて居ったが、
結果的に手に入るならば、アレ等は文句は無い様子じゃ。
そして、商談が終われば用は無いとばかりに、立ち去ろうとする気配を見せる曹操に
「そうじゃ、此度の良き商談の礼、と言ってはなんじゃが、
妾の所の孫策が、変わった菓子と料理を馳走してくれると言う。
良かったら、曹操殿も相伴して行かぬか?」
そう、言って、引き止める。
曹操ならば、孫策達を気にしない訳無い、と言う七乃の言どおり、
曹操は、今夜の逗留を承諾したのじゃ。
そして、曹操を利用して、孫策達に逸早く、この事を報せる。
此処までは、七乃の描いた筋書き通りなのじゃ、
ただ、誤算だったのは、代価の兵が多すぎた事。
・・・・・・孫策は、この事態をどう動くかのぉ
妾達は、やれるだけの事はやったのじゃ、
あとは、孫策、そして張遼しだいなのじゃ。
さぁ、踊ってたもれ、
七乃が、音を奏でよう、
妾が、それに合わせて、歌声をふるわせよう。
じゃから、踊ってたもれ、
妾の望みのために、踊ってたもれ
そして願わくば、
天よ、
妾の望みを、叶えてたもれ、
つづく
あとがき みたいなもの
こんにちは、うたまるです。
第50話 ~ 自ら舞う想いに、美しき羽は天に願う ~ を此処にお送りしました。
とうとう、50話と長丁場の話になってしまいました。
当初の予定では、もう終わっている予定だったのに、半分ぐらいしか話を進めていない気が・・・・・(汗
よく分かりませんが、Tinamiでは、話数の多い方になるのかもしれません。
私の尊敬する、ある作者様の作品は、もうすぐ100話に届きそうな勢いですし、
作品のクオリティー共々、あの方を崇敬いたしております。
さて、前半は前回の続き見たいの話しになりました。
年上らしく、そして娘悪魔的(小悪魔的)に迫る翡翠、 そして後からその事で、落ち込む辺りは、諸葛家の血統なのかと、書き終わってから思ってしまいました。
連合前に開き直ったとは言え、それからも我慢する事の多かった彼女達、寿春城編では、少し大胆にして行こうと思ってはいたのですが、・・・・・・・・脳内の彼女達は、すでに我慢の限界が近いようですね。
私の指を勝手に動かし、筆を進めます(汗
そして後半は、反対に前回の裏側です。
少しづつ明らかになっていく美羽達の企み、彼女達の『望み』とは、なんなのか?
今後の展開をお待ち下さい。
では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。
Tweet |
|
|
![]()
175
|
![]()
16
|
『真・恋姫無双』明命√の二次創作のSSです。
袁術との謁見のため、美しく着飾る翡翠、そんな翡翠に一刀は何を感じるのか、
そして、曹操と相対する袁術、彼女は己が望みのためにどう動くのか・・・・・・・、
続きを表示