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『舞い踊る季節の中で』 第31話

うたまるさん

『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。
明命√の作品となります。

軍議を終え、出陣するまで後わずかな時、周瑜は一刀に最後の選択を迫る。その選択に一刀は・・・・・・・・・
そして、一刀をその目で確認した諸侯達は・・・・・・・・

2010-04-24 09:33:22 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:21515   閲覧ユーザー数:15201

真・恋姫無双 二次創作小説 明命√

『 舞い踊る季節の中で 』

  第31話 ~ 策謀に踊り惑う心 -後編- ~

 

 

(はじめに)

 

 キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助

 かります。

 この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。

 

北郷一刀:

     姓 :北郷    名 :一刀   字 :なし    真名:なし(敢えて言うなら"一刀")

     武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇

        :●●●●

     得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(ただし本人は無自覚)

         気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)

         神の手のマッサージ(若い女性には危険です)

 最近の悩み:最近、二人の様子が、また変わってきた。 時折ボーとするのは相変わらずだが、よく目が

         合うようになった。 これだけなら、特に問題は無いのだが、その瞳に、何か熱いものを

         感じる。ぶっちゃけ、艶を感じるのだ。 以前二人に感じた時は、その何というか、妙な

         雰囲気に陥ったり、明命が無邪気に抱きついてきた時だったのだが、最近は、只、其処に

         いるだけで、感じる事が増えてきた。・・・・・・うん、とりあえず寝る前にしっかりと舞いを

         練習して、雑念を追い払う事にしよう。

         それにしても、女の娘って、こうも短期間で変わっていくものなのかなぁ?

         それとこうも変わってきた原因はなんだろう?

  (今後順序公開)

 

★オリキャラ紹介:

諸葛瑾:

  姓 :諸葛    名 :瑾    字 :子瑜    真名:翡翠

  武器:"双天" 対の双剣

  武力:52(平均的な将を60とした場合)

  智力:81

  政治:89

  家事:92

  魅力:想像にお任せします(w

  焦った時の口癖:『 あうあう 』又は 『 ぁぅぁぅ 』等の類語です

  性格:基本的に温厚で、外見に反して大人の女性

     だが、焦ると地が出てしまう。(朱里と違って、自分を律しています)

     警戒心が強い性格だが、一度心を許されると、親身になってくれる。

     妹がいるため、基本的には面倒見が良く、放っておくと、食事を取るのを忘れる明命を心配してよく

     食事を差し入れていた。

     やはり、妹がいるためなのか、時折人をからかって、その反応を楽しんだり、とんでもない悪戯を仕

     掛ける悪癖もある、だが性質の悪い事に普段が完璧なだけに、周りは怒るに怒れないでいる。

     家事全般は人並み以上に出来、そこらのお店以上と自負していたが、丹陽で知り合った男性の腕を見

     て自信を喪失。 以降こっそり腕を磨いているが、全然敵わないと嘆く毎日を送っている。

     武術は好きではないが、妹達を変態共から守るため、必要最低限身に付けたもの。

     姉妹揃っての発育の悪さをコンプレックスに思いつつも、それを武器にする強かさを持っている。

     自分を子供扱いしない男性が好みだが、言い寄ってくるのは変な趣味の持ち主ばかりで、17の時、現

     実の男(変態の多さ)に愛想が付いた時に『八百一』と出会う。 以降のめり込み、妹達を洗脳する

     も、基本的には周りには秘密にしている。そのうち執筆も行うようになり、掲載されるようになる。

     数年たった現在では、定期的な愛読者もつき『八百一』の主要作家の一人となっている。

     黄巾の乱後、作品が益々洗練され、世に愛読者を急増させる要因となった。

一刀視点:

 

 

 

連合軍の陣地を突っ切り、自分達の天幕に戻った俺達を、周瑜が出迎えてくれた。

 

「・・・・・・やるわね、彼女。 上手く乗せられちゃったわ」

「よく言うよ、自分から喜んで乗ってた癖に」

「あははははっ、やっぱ一刀には分かっちゃったか、でも、劉備が思ってたよりやると思ったのは本当の事よ」

「まあ・・・・・・こちらの言う事は全て疑っているようだったしな」

「それぐらい出来ねば、この乱世では生き残ってはいけまい」

 

俺と孫策の感想に、周瑜は当たり前の事をと、小さく溜息をつく

 

「そうなんだけどね。 ぽややんとした見た目に反して、結構強かなのがちょっと意外だったのよ」

「ああ、それは俺も思ったかなぁ」

「だけど、ああいう型の人間は、一度信用出来ると認めさせたなら、心強い味方になってくれるわ。

 でも一刀を連れてって正解だったわ。 一瞬冷やりとする事も在ったけど、おかげで、彼女達の事が色々分

 かったわ」

「何があったのだ?」

「一刀が勝手に劉備に質問したのよ。 何故連合に参加したのかってね」

 

ああ、やっぱり、言いふらしたか、

只で済むとは思ってなかったけど、仕方ないかな・・・・・・

一通り孫策の話を聞き終えた周瑜は、

 

「なるほど、劉備はそう答えたか・・・・・・確かに、最良の質問と言えるな、此方の手の内を見せずに、相手の手の

 内を知る事が出来た。 北郷よくやったと言いたいが、あまり心配を掛けさせないでくれ」

「すまん、だけど、どうしても確認しておきたかった事なんだ。 それに、此方の手の内も知られたと思って良

 いと思う」

「ほう、どうしてそう思う」

「向こうの軍師が、俺の意図に気がついていたからさ、たぶん、伏竜と凰雛だと思うけど、・・・・・・二人とも孫策

 の意図にも、最初から気がついていた節があったしね。

 ・・・・・・話せなかったのは残念だけど、間違いなく警戒すべき相手だと感じた」

 

俺の話を腕を組んで黙って聞いていた周瑜は、やがて腕を解き

 

「その二人の事は、報告があがっている。 北郷がそう感じたなら、間違いないだろう」

「・・・・・・俺、信頼されてるんだな」

「当たり前だ。 と言いたい所だが、翡翠に、妹は自分以上と言わせる相手だ。 報告、翡翠、そして北郷、

 それら皆が、同じ結論を出しているのだ。 信じぬわけにはいくまい」

「やっぱり、あれが諸葛亮だったのか」

「何だ、翡翠から聞いていたのではないのか?」

 

俺の呟きに、周瑜が意外そうに訊ねてくる。

 

「妹がいる事は知っていたけど、何処にいるかは聞いていなかったよ」

「なるほど、翡翠らしい。 おそらくお前に余計な気を使わせたくなかったのだろう」

 

まぁ、そうだろうな。 翡翠はそう言う所あるから・・・・・・

孫策達の為、そして家族のためなら、きっと笑って泥を被る。

そして、自分が深く傷ついても、家族を温かい笑顔で迎える。

そんな広く深い優しさを持っている。・・・・・・・・・・でも、それは、危うい優しさ、

翡翠の優しさに、何度も救われている俺が思うのもなんだけど、いつか、耐え切れず壊れてしまわないかと、摩り切れてしまわないかと、本気で心配になる。

 

 

 

 

 

「で、これからどうするつもりだ? 袁術の手前、堂々と共同戦線なんて張るわけにはいかぬぞ」

「そうねぇ、一刀ならどうする?」

「それは、汜水関をどう陥落させるかと言う事?」

 

孫策の言葉に、俺は考え込むのをやめ、周瑜に確認を取る。

そして、俺の意図が伝わったらしく

 

「いや、どう切り抜けるかだ」

「なら、考える価値は在るかな、・・・・・・聞いている情報が確かなら、汜水関を陥落させるなんて手は、今の連合

 が総掛かりでも、無理だと思う」

「ほう何故だ?」

「まず地形、周囲は断崖絶壁に囲まれ、砦の外壁も高く強固、これでは奇襲を掛けても、極少数の兵でしか実行

 できず、嫌がらせ程度の意味でしかない。

 次に時期、連合がいくら五倍の兵力を有していたとしても、冬を目の前にして、短期間で砦を落とすには不足 しているし、兵糧や物資もそこまで余裕は無いと思う。 なにより、うちを含めて、諸侯達がそれだけ自分の

 土地を留守に出来ないだろうね。

 そしてその連合と言う形が最大の理由かな、結局はただの集まりだから、足並みを揃える事は出来ないし、

 その気も無いと思うからかな」

「では、どうする?」

「そもそも、陥落させると言う前提が間違いだ」

「亀を殺すなら、首を出したところと言うわけか、だとして、どうやって、亀に首を出させる?」

「汜水関を守る将は?」

「今分かっているのは、勇将華雄。 そして、神速の張遼の二名だ」

「華雄って、あの華雄?」

 

俺と周瑜が問答しているところに、孫策が割り込み、周瑜に問いただす。 どうやら顔見知りの人物らしい。

 

「ああ、あの華雄だ」

「そう、母様に追いやられて、何処行ったかと思ったら、こんな所にいたのね」

「その華雄って、どんな人なの?」

 

俺の言葉に、孫策は苦笑を浮かべ

 

「昔、母様と一戦やりあってね、その時私も隣に居たけど、とにかく武に自信持っていて、その武もたいした

 ものよ。 あの時は、相手の兵糧が尽きて引き上げたけど、突進力だけならかなりのものよ」

「なら、散々焦らす様に城壁に攻撃した後、その後、華雄の武を罵って見ると言うのは? 思春とかを見ても、

 この世界の武人は、自分の武にかなりの誇りを持っているから、その辺りも絡めてなら、怒って出てくるかも

 しれない、其処へ応援という形で・・・・・・やっぱ無理があるか・・・・・・砦に立て篭っていたら勝てると分かってい

 たら、普通は出て来ないか、・・・・・・なら危険を少し上げて・・・・・・・・」

「出て来るわね」

「出て来るだろうな」

「はっ?」

 

なんとなく思いつきで喋った策を、我ながら無理があると思い直し、今度は真面目に、幾つかの策を想定しては否定すると言う作業を続けていると、二人から、そんなありえない言葉が出て来たため、つい間抜けな声を出してしまう。

だけど、孫策は真面目な顔をして、俺を見詰め。

 

「一刀がどう思っているか知らないけど、武将にとって、武の誇りは絶対よ。 嘗められたら、自分だけではな

 く、付いてくる兵達を危険に晒す事になるの。 武将はね、自分の武の誇りを守る事で、兵や民を守るの、

 まぁ、それも状況次第なんだけど、華雄って言うのは、その辺りが極端なのよねぇ。 前もそれで母様の策

 に嵌って、戦線を突出させすぎたのが原因で、補給路を絶たれちゃったんだから」

「いや、でも幾らなんでも・」

「その時は、また別の手を考えるわ。 冥琳、劉備に作戦を伝えて、相手が出てきたら、此方は応援って形で横

 激を掛け相手を分断するから、後は其方で頑張りなさいってね」

「了解した。 雪蓮は袁術の方を頼む」

「ええ、ちょいちょいと行って来るわね」

 

 

 

 

 

孫策が場を離れるのを見計らうように、周瑜はこちらを見る。

そしてそんな周瑜に、俺は、どんどん話しが進んで言った事に対する、不安を拭い去るように、

 

「いいのか? あんな子供の喧嘩のようなもので動いちゃって?」

「ふっ、子供の喧嘩か、言いえて妙だな。 だが、こういうものは単純なものの方が、効果が高い。

 それに攻城戦となれば、打てる手など限られてくるし、我等にそれを打てるだけの力は、まだ無い。

 なら、少しでも可能性のある策を打つしかあるまい。

 何、効果が無かったとしても、策を実行するのは劉備達で、我等には何の損害も無い。

 我等が力を見せるのは、あくまで相手が出てきてからだからな」

 

周瑜が諭すように、優しい眼差しを俺に向けて言う。

・・・・・・でも、言ってる事は結構腹黒いよな・・・・・・

 

そう呆れていると、周瑜は表情を厳しいものに変え

 

「だが、これはお前が出した策だ。

 過程はどうあれ、お前の策が元で兵達は命を晒す事になる。 お前の策に命を掛ける事になる。

 そして、死んでいく、相手を殺していく。 お前は、その意味を理解しているのか?」

 

そんな冷たく、硬い言葉が、俺の胸に深く突き刺さる。

その刃は幅広く、そして毒が塗られている。

急速に回る毒と、刃の傷が、俺の心を蝕む。

泥沼に突き落とされたように、思考が、・・・・体が、・・・・重くなるのが分かる。

分かっていた事、・・・・・・・・そして覚悟していた事。

 

だけど、いざ実行されようとした時に、そういう風に指摘されると、やはり辛い。

 

・・・・・・・・でも、

 

「今なら、まだ引き返す事もできる。

 お前の知識は、我等に多くのものを齎せてくれる。

 今なら、戦場に出ずともやれる事はあると、周囲も納得させられる。

 まぁ、あれはあれで、大変だとは思うが、戦場で人の死を見なくても済む。

 今ある作戦を止めて、別の策を打つ事も出来る」

 

そして、泥沼の中から救い出すように、蜂蜜のように甘い言葉で、手を差し伸べる。

もし、この手を振り払えば、俺は此処から抜け出す事は出来ないだろう。

この先、死ぬまでずっと、この泥の中を歩かねばならない。

・・・・・・だけど・・・・・・

 

「眠れぬ夜を過ごす事も、悪夢に魘される事も無い。

 翡翠と明命も、お前が戦場に出る事を、喜んではいまい。

 このままでは、罪に苦しむお前を、落ち込むお前を救おうと、

 二人は、しなくても良い苦労を背負うのだぞ。

 だが、此処でお前が引けば、二人にそんな迷惑を掛ける事もない」

 

ズキンッ

 

とどめとばかりに、周瑜の言葉が、俺の心臓を鷲掴みにする。

それは、俺にとって、致命傷とも言える重い言葉、

俺の不文律の領域、

 

そう、二人には迷惑を掛けてばかりいる。

明命の暖かさと輝きが、自分を保たせてくれた。

翡翠の優しさと厳しさが、俺を泥の底から救い出してくれた。

 

そして、俺はたぶん、殺し合いに慣れる事なんてないし、慣れたくない。

きっと、今この手を振り払えば、二人に迷惑を掛け続ける事になる。

いや、呆れられ、見捨てられるかもしれない。

 

嫌だっ!

 

俺の奥底から、そんな叫びが、

悲痛の声が、聞こえる。

そう、考えるだけでも、震えが来る。

 

・・・・・・でも・・・・

 

「あそこに、お前の牙門旗がある。 あれが揚げられれば、もはや後戻りは出来ぬ」

 

周瑜の指差す方向には、十字の牙門旗が出陣するその時まで、地に寝かされ、待機している。

 

「翡翠と明命もお前を心配して、任務に支障が出るかも知れぬのだぞ、なら・」

「違うっ!」

 

 

 

 

 

 

周瑜の甘い言葉を、俺の叫ぶ声が遮った

そう、違うんだ

 

「確かに、俺は弱いかもしれない。

 明命や翡翠に迷惑掛けてばかりかもしれない。

 俺なんか居ても居なくても、戦況には影響は無いと思う。

 でも、違うんだっ!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「それに、・・・・・・もう遅い。

 俺の手は、もう血に汚れている。・・・・・・・・一人二人じゃない。

 いつかの盗賊達だけじゃない。 前の戦で、ただ見ていただけだけど、それでも俺は参戦したんだ。

 敵も・・・・・・・・味方も、多くの人を死なせた。

 彼等だって、死にたくなかったはずだ。 必死で生きていたはずだ」

 

俺の体の奥から湧き上がるような声を、周瑜は黙って耳を傾けている。

 

「だけど、それを奪ったんだ。

 例えどんな形でも、その事実は変わらないっ!

 目を逸らしたり、逃げたりしては、いけないんだっ!」

 

胸の中のものを一気に吐き出すように、一方的に叫んだ俺は、やがて心が落ち着いていくのが分かる。

俯いていた顔を上げると共に、あの時の想いが蘇る。

 

「だから、俺はあの夜誓った。

 鎮魂の舞と共に、逝ってしまった者達に誓ったんだ。

 奪った命の分、哀しむ者達の分、安心して暮らせる国を作ると、

 一人でも多く、心から笑って過ごせる世の中を作るのだと」

 

そう、誓った。

二人が笑って居られる世の中にすると、

二人が愛する者達が、笑って過ごせる国を作るのだと、

 

何もかも失くした俺を受け止めてくれた、この世界の人達を、

せめて、手の届く範囲だけでも良いから、少しでも多くの命を救うのだと。

 

「だから、これは俺の我が儘だ。

 二人には、いつか見限られるかもしれないけど、・・・・・・それでも、これは譲れない想いなんだ」

 

周瑜の目を真っ直ぐ見ながら、俺は自分の想いを告げる。

周瑜は瞳の奥の光を、ゆらゆらと揺らし、やがて、

 

「正直、お前を見誤っていた。 多少情けない所があろうと、お前は立派な孫呉の将だ。

 北郷、先程の非礼の数々、このとおり心から詫びよう」

 

そう俺に、頭を下げようとするが、俺はそれを、慌てて止める。

周りに兵達の目があるにもかかわらず、総都督である周瑜が、頭を下げようとした。

でも俺はそれを止めた。 だって、あれは周瑜なりの優しさなのだと分かるから・・・・・・・・、

おそらく、孫策に黙っての独断で、もし俺があの場で頷いていたら、本当に戦場から遠ざけただろう。

 

まぁ、俺が止めにはいるや否や、下げ始めていた頭をあっさり上げたところを見ると、その辺りはしっかり計算されていたようだけど、その想いまでは変わらない。

そして、その想いを俺はしっかりと受け止めることが出来た。

だから俺は、

 

「周瑜・いや、冥琳、おかげで、きちんと覚悟決める事が出来たよ。 ありがとう」

 

そう、呼び名を預かったままの真名に変え、

感謝の気持ちを、そして、多くの想いを籠め、少しでも伝わるように、精一杯の笑顔を冥琳に向けて、感謝の言葉を告げる。

 

「////////////」

 

だけど、俺の言葉等関係ないとばかりに、冥琳は背を向け、

 

「まったくっ、お前ときたら・・・・・・・・そう言えば、お前は二人に見限られるかもと言ったが、あれは本気か?」

「えっ? ああ、やっぱりあんまり情けない姿見せてたら、誰だって嫌になるだろ?」

「お前は、逆の立場だったら、二人を見限るのか?」

「あっ」

「そう言う事だ。 もう少し二人の想いを信じてやるんだな。

 それと、二人に甘えたなら、その分甘えさせてやればよい、それだけの事だ」

 

そう、今度は、そっけない声で、

だけど、今まで以上に暖かく感じる声で、冥琳は俺の誤りを正してくれる。

 

 

 

 

 

荀彧(桂花)視点:

 

 

「華琳様、お帰りなさいませ」

「桂花、こっちの方はどうなの?」

「はい、軍の方は滞りなく予定通り進んでおります。

 細作も、各諸侯と汜水関と虎牢関に放ちましたので、追々最新の報告が来るかと」

 

私の幾つかの報告を歩きながら聞き、やがて天幕に入ると、

 

「それで、軍議の方は如何でしたでしょうか」

「総大将は麗羽に決まったわ」

「華琳様を差し置いて、図々しい」

「いいのよ。 あんな面倒な事、やりたい者にやらせておけば良いのよ。 私達は実をとる。 違って?」

「はい、瑣末な雑多など、あの阿呆に全部押し付けてしまわれればよいのです。

 それで、華琳様の御眼鏡に適う人物はおられたでしょうか?」

 

私の、質問に華琳様は、小さく溜息をつかれ(どうやら、期待した程ではなかったようです)

 

「馬騰に逢えるのを楽しみにしていたのだけど、残念ながら娘を名代として送ってきたわ。 どうやら、病の噂 は本当かもしれないわね。 で、その娘も、鷹が鳶を生んだとまでは言わないけど、盟主の器じゃないわね、

 あれは・・・・・・、

 劉備は、前より成長したようだけど、まだまだ甘さが抜けないわね。 この戦次第では、早々に潰して関羽

 を頂く事にするわ」

 

あぁ嘆く華琳様も素敵です。

その憂いを含んだ目が、私の心を苛みます

あぁ、華琳様の心が少しでも晴れるなら、この桂花なんでもいたします。

 

「麗羽は相変わらずよ。 どうやら、袁家の人材不足は深刻のようね、あれでは麗羽が、ああいう行動を取るの

 も無理ないわね」

「無能な集団の癖に、足を引っ張るのだけは巧みな連中です。 今回も袁紹は、袁家のためと思い、連合を発足

 したのでしょうが、周りの連中に足を引っ張られて、軍を半分しか動かせなかったようです」

「兵の質も悪いようね。 なにせ作戦が

 

 『雄々しく、勇ましく、華麗に進軍』

 

 よ? あまりの言葉に、諸侯達は何も言えなかったわ」

「・・・・・・どうやら、老人達が自分の身を守りたいがため、古参の兵を出す事を許さず、新兵しか動かせなかった

 のでしょう」

 

華琳様の言葉に、私は呆れ果てます。

作戦の内容もそうだけど、相変わらずの袁家の老人達の腐敗振りには、言葉も出ないわ。

まったく、老い先短いくせに生き汚いったらありゃしないっ

 

「いくら、頭が優秀でも、肥え太った豚は、所詮家畜でしかないと言う事ね。

 ・・・・・・・・でも、まったく無駄足でもなかったわ」

「と言うと、華琳様の御眼鏡に適う人物がおられましたか」

「ええ、孫策とその従者の北郷って男よ」

 

 

 

 

 

 

私は華琳様の言葉に、眉を顰めてしまう。

孫策はまだ分かる。

細作の報告では、英傑に相応しい能力と人材を持ち、運気もある。

只無いのは、土地だけだが、それもそう長くは掛からないと推測できる。

なにより、春蘭が英傑と認めたのだ。 あれは阿呆だけど、そういう目は信頼できる。

なら、間違いなく、華琳様の望む英傑になるに違いない。

 

だけど、問題は北郷と呼ばれた男の事だ。

華琳様の口から、男なんて無能の塊の名前が出るなど、滅多にない事だ。

むろん、無能は無能なりに、盾となり矛となって、華琳様に尽くせば良いだけの事。

でも、今の華琳様の言葉は違った。

あれは、人物を認める発言だった。

 

「一体どのような奴だったのでしょうか?」

 

華琳様が認めるほどの男、 どのような人物か尋ねてみたが

 

「そうね、最初は、笑顔が素敵な只の庶民って印象だったわ」

「はっ?」

 

華琳様の言葉が、一瞬理解できず私は思わず聞き直してしまった。

華琳様も、そんな私の反応が楽しいのか、笑みを浮かべながら

 

「秋蘭は、どう感じたのかしら?」

「はぁ、私も華琳様と同じ印象を受けました。 確かに、あの笑顔には驚かされましたが、特に武に秀でている

 ところもなくと言うか、庶民と変わらないようでしたし、桂花の様に、才気溢れるものも感じませんでした。

 正直、私も桂花同様、華琳様が、何故あの男に目をつけられたのか解りかねます」

 

と、私が言いたかった事を言ってくれた。

うん、さすが秋蘭、どこかの猪と違って、知性溢れる人間の会話が出来て嬉しいわ。

しかし、笑顔が素敵って何なのよ? 男に使う言葉じゃないわよ、と言うか、想像するだけでも汚らわしいわっ

 

「あら、秋蘭、貴女もまだまだね。

 確かに私も、あの男は庶民と変わらない印象を受けたわ、でもただの庶民が諸侯の代表がひしめく軍議の中、

 あんな笑顔を作れるかしら? ましてや、劉備のところの、おちびちゃんのために笑みを向けてあげるような

 余裕なんて作れると思う?」

「しかし、ただの空気の読めない虚け者かもしれませ・・・・」

「気がついたようね、只の虚け者を孫策が連れてくるはずないでしょう」

 

秋蘭は華琳様に話す途中で、自分の発言の矛盾に気がついたようだ。

秋蘭らしくないとは思うけど、それだけその男の擬態が見事だったのだとしたら・・・・・・

 

「で、そう思って、二人には、本気で覇気をぶつけて見たのだけど、結果は知っての通りよ。

 孫策は、理性で押し止めていたけど、あの男は全然変わらなかったわ。 あくまで自然体だった。

 しかもそれを不自然に感じさせない。 その行為自体が、不自然だと言うのにね」

 

そんな、華琳様の本気の覇気を受けて、何も変わらないなんて・・・・・・ありえない。

だって、華琳様の本気の覇気を正面から受けたら、気の弱い者なら、それだけで心の臓を止めてしまうと言うのに・・・・・・

それに、不自然であっても、自然に思える行動だなんて・・・・・・まさか五胡の妖術?

・・・・・・いえ、ありえないわ、聞いている孫策の性格からしたら、そんなものと手を結ぶとは考えられない。 ましてや妖しの類であれば、斬って捨てて、武勇を上げる糧とするはず。

 

「で、さすがに、そのままでは面白くないから、最後に軽く遊んでみたんだけど、あっさり笑みで返されたわ。

 

 『これで終わり?』

 

 と言わんばかりにね。 あそこまで軽く流されたのは生まれて初めてよ。 あれは、かなりの曲者ね

 そして、そんな曲者が、孫策と言う英傑と共にいる。 ふふふっ、楽しみだわ」

 

そう楽しそうに笑われる。

その瞳に、獲物を見つけた美しい肉食獣のような光を灯して。

 

あぁ、それでこそ華琳様です。

覇道の前に立ち塞がる者が居たとしても、それすら、覇道を成し遂げるための試練として、己を高める糧として、只、誇り高く邁進される姿、そして、その心は慈悲深く、民の嘆きを自分の嘆きとされる。

まさに、私が全てを捧げるに相応しいお方。

 

「桂花、孫策と共にいた北郷と言う男について、調べられることについては、全て調べておきなさい。

 それと、劉備が追い込まれるようだったら、それとなく助けてあげなさい。 まっ、関羽の他に、おちびちゃ

 ん達も居るから、大丈夫とは思うけど、劉備と共に潰させるには惜しいわ」

 

華琳様のお言葉に、私は快く受ける。

また華琳様のお役に立てる事が出来る。

そう、密偵を動かす事が出来るのは私だけ、秋蘭や、あの直進する事しか知らない春蘭達には出来ない事。

私だけの特権。・・・・・・・・まあ、調べる対象が男と言うのは、気に食わないけど、華琳様があそこまで興味を持たれたのだから、一応全力で調べる事にするけど・・・・・・報告とは言え男の事を調べ上げるなんて、怖気がはしるわ、あぁ、やだ、考えただけでも鳥肌が立ってきちゃったわ。

まったく、これで、華琳様の良い糧にならないような、役に立たないどうしようもない男なら、こっそり暗殺でもしちゃおうかしら?・・・・・・いいえ、さすがにそれは不味いわね。 華琳様の御名を汚す事になるわ。

まぁいいわ、それならそれで、忘れるだけの事だし、今は、今回の戦で、華琳様の勇名を広げ、袁紹の所の兵を如何に減らす事が大事なのだから。

 

 

 

 

 

袁術(美羽)視点:

 

「なぁ七乃」

「どうしました美羽様」

 

七乃は、わらわの言葉に振り向き、右手の人差し指を立てて、いつもの姿勢を示す。

そう、いつもの姿勢、そしてわらわと、七乃しか知らない秘密の合図じゃ。

もっとも、始終している事が多いため、他人から見たら、只の癖にしか映らぬであろう。

だが、その事実に、もはや悲しみも、怒りも、沸いてくる事はない。

 

「麗羽の奴、わらわを差し置いて総大将となってしまったぞ。 わらわは不満ぞ、何故、あのような妾の娘が、

 わらわ差し置いて、総大将などと」

「あらら、たしかに、それはさぞお腹立ちでしょうね。 でも美羽様、総大将と名前は良くても、その実は只の

 雑用です。 そのような雑多な事、美羽様には相応しくありません。 美羽様はどーんと、構えておられれば

 良いのです」

「うむ、そう言われれば、そうかも知れぬな。 雑用など、妾の娘にやらせておけばよいのじゃ」

 

わらわの言葉に、七乃は大きく何度も頷く。

どうやら、上手く言っておるようじゃ・・・・・・、

 

「そう言えば、孫策が見知らぬ男を連れてきておったのじゃが、七乃から見てどうであった?

 わらわには、只の凡庸な者にしか映らなんだぞ」

「そうですねぇ、只の笑顔の素敵な凡人さんって感じでした」

「なに? 笑顔が素敵じゃと?」

 

七乃の発言の内容に、珍しさを感じ、訊ね返してしまう。

 

「はい、美羽様はよそ見されていたので、知りませんが、思わず赤面しちゃうくらい素敵でしたよ。

 あれはきっとあれですね。 最近孫策さんたちがお気に入りの茶館の主ですね。 こんな所まで連れてくるな

 んて、よっぽどお気に入りなんですね」

「孫策のやつ何を考えておるのじゃ、その様な者連れてきたとて邪魔になるだけであろう」

「それはきっと、あれですね。 美羽様に旧臣達の殆どを散り散りされ、よっぽど人材不足なのでしょうね。

 事実報告では、幾つかの一族が孫家から離れていっていますから」

「うむ、孫策も哀れよのう、せっかく、助けてやったと言うのに、家臣に見放されるとは」

「うわー、この人自分が原因と言うのに、この言いよう、さすが美羽様です。 えぇーい、その調子で、どんど

 ん孫策さんを虐めてあげてくださいな」

「うむっ、よく分からんが、わらわに任すのだっ」

 

七乃の言葉に、わらわは右手を上げ、はしゃいでみせる。

孫策が何を考えているか分からぬが、あやつには、まだまだ役に立ってもらわねばならぬ。

わらわの目的のためにのぉ

 

 

 

 

 

諸葛亮(朱里)視点:

 

 

孫策さん達が帰った後、桃香様や雛里ちゃんから聞いた話を元に、作戦を考え、そのための準備を兵隊さん達に指示をしていると、孫策さんの使者が作戦を持ってきた。

作戦そのものは、予想したとおりのものだった。

弱小勢力である、今の私達にとって、これが最良の手である事に違いない。

孫策さんは、約束通り信義を見せてくれるでしょう。 桃香様も、その結果同盟を組む事を決意されると思います。

それは構いません。 今の私達には信頼できる、いいえ、信用し利用できる諸侯と手を組む必要があります。

孫策さん達孫呉は、そういう意味では、最良の相手と言えます。 ああいう型の人間は、自分達から裏切る事はないからです。 それに、力も申し分ありません。

問題は・・・・・・

 

「雛里ちゃん、ちょっといい?」

「ほぇ、朱里ちゃんなにかな?」

 

私は、仕事に一区切りが付いた所を見計らって、雛里ちゃんを自分の天幕に誘う。

そして天幕の中に入り、雛里ちゃんが落ち着いているのを確認してから

 

「雛里ちゃん、さっき孫策さんと一緒に居た男の人の事だけど」

「はわわっ、北郷さんの事?」

 

雛里ちゃんは、そう言って、頬をやや朱に染め、恥ずかしげな態度をします。

・・・・・・え?

さすがに、その反応は予想外で、驚かされます。

そう言えば、あの時も、桃香様の後ろに隠れていたっけかな、私は雛里ちゃんより後ろに居たので、表情を確認できなかったけど、最初は怯えていたのかと思ったけど、こんな顔をしていたかもしれない。

 

「雛里ちゃん、あの男の人と何かあったの?

「はわわ、何もないよ・・・・・・ただ、ちょっと笑顔が素敵な人だなって・・・・・只それだけだよ、本当だよ・・・・」

 

私が疑問に思って訊ねると、雛里ちゃんは慌てながらそう答えてくれる。

どうやら本当の事のようです。 親友を疑うわけではないが、桃香様も、あの時似たような事を仰っていた記憶があります。 ならその通りなのだろうと納得した後、ふと考えてしまう。

雛里ちゃんが男性に対して、こういう反応するのは珍しい事だ。 大抵は、男の人に怯えている事が多い。 詳しい事は知らないけど、きっと水鏡女学園で出会う前に何かあったのだと推測できる。 けど聞きたいとも、知りたいとも思わない。 彼女が話す気になるまで踏み込んではいけない領域だと分かるから・・・・・・・・

 

「笑顔が素敵な男性って、どこかで聞いた事ある言葉だよね」

「あっ、朱里ちゃんもそう思ったんだ」

「うん、今は思い出せないけど、気のせいではないと思う。 でも今はそんな事より、あの北郷さんの事を聞き

 たいの、 雛里ちゃんは、あの人をどう感じたの? その笑顔とかを抜きにして、軍師として」

 

真剣な顔に戻った私の言葉に、雛里ちゃんは少し思い出すかのように考え込んだ後

 

「ごく普通の人って感じだったよ。 最後に桃香様に質問した時と、その内容にも驚いたけど・・・・今考えれば、

 ごく普通の人が出す質問と考えれば、不思議な事じゃないと思えるし、 軍議の時も、ごく普通の人って感じ

 だったよ」

「・・・・・・・・ごく普通の人・・・・・・・・・・緊張して何かやったとか?」

「ううん、そう言う事はなかったよ。

 本当にさっき会った時と同じような感じで、ごく普通に座って、あっ・・・・・」

 

 

 

 

 

「あっ・・・・」

 

私の言葉に促されて、答えていくうちに、雛里ちゃんも気がついたようです。

そして私も、雛里ちゃんの言葉で、確信しました。 あの北郷って人の異常性を・・・・・・

私も、あの質問がなかったら、きっと雛里ちゃんと同じように誤魔化されていたと思います。

そして、雛里ちゃんは、あの人の笑顔と言うまやかしで、目が曇っていたから仕方ないと思う。

それくらい、あの人からは、ごく普通の感じしかしなかった。

 

最初、私の方を見ていた目も、その表情も、何かを思い出していると言った感じで、あまりののんびりさに、心の中で、笑みを浮かべていたくらいです。

それに愛紗さんに確認したけど、武芸に秀でている事はなく、普通の庶人と変わらないと言っていた。

雛里ちゃんや私のように才気溢れるものもなかった。

でも、そんな人が孫策さんの横に居る。 ・・・・・・ありえない・・・・・・

 

そして、あの質問と、私達を見る優しく、そして、静かで、まるで鏡を見ているような感じのした奥深い瞳。

あの眼差し、あれは私達の心の奥底まで覗き込もうとしていた。 いいえ、違います、覗き込まれた。

あの質問は、湖面に投げ込んだ小石、そして、その小石はごく当たり前のもの、・・・・・・それ故に、何の抵抗もなく、小石は湖面の奥底まで真っ直ぐと届いた。

あの人は、その湖面に浮かぶ波紋から、湖の大きさも、深さも、形も、水質を読み取ったのだと分かる。

 

桃香様の想いも、私と雛里ちゃんが隠している事も、全部知られたと思って間違いない。

おそらく、性格や思考も読み取られたと思う。 そして、此方は、逆に油断できない人としか情報を得る事が出来なかった。 おそらく、知られても構わないと思っていたに違いない。

 

体が、背中に冷たい氷を押し付けられたように、冷たくなるのが分かる。

血液が、真冬の冷たい水になったように、体が急速に冷やされていくようだ。

隣を見れば、雛里ちゃんも同じように感じたのか、自分の体を抱え震えている。

さっきまでは、同じ相手に頬を染めていたと言うのに、今は怯えている。

きっと、今度会ったら、今度は本当に、怯えて背中に隠れてしまうかもしれない。

私はそんな雛里ちゃんを暖めてあげようと、手を伸ばすが、其処で自分の手が震えている事実に気がついた。

それでも、私は、このまま居てはいけないと思い、手を無理やり伸ばし、雛里ちゃんを抱きしめる。

そして、お互いがお互いを暖めあうようにしていると、やがて震えが止まり、心が落ち着くのが分かります。

 

(良かった、雛里ちゃんが居て)

 

私は心の底から、そう思いながら

 

「今回は不意を突かれた。 でももう、私達はあの人の存在も、油断ならないという事も知る事が出来た。

 なら、そのための心構えも、手も打つ事はできる。

 細作を使って、北郷さんって人の事を調べましょう。 そして、あの人の事を知る事が出来れば、おのずと

 あの人の手の内を知る事が出来ると思うから、 私と雛里ちゃんが居れば、きっと大丈夫だよ」

「・・・・・・」

 

私の言葉に、雛里ちゃんは小さく頷き、顔を上げる。

雛里ちゃんは、弱い、けど、とても強いと思える。

ああやって、怯えても、次の時には、それに対応するだけの強さを、生み出す事が出来る。

そして次の手を打つだけの柔軟さがある。

その一点において、私以上の才を持つ親友。

あの人は、まだ知らない。

雛里ちゃんの心の強さも、

私と雛里ちゃんが、本気で手を組んだ時の力を、

桃香様の生み出す本当の力を、

 

もし、この先直接会う事あれば、今回のようにはいかせません。

今度は私達が、北郷さんの心の奥底まで覗いて見せます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

こんにちは、うたまるです。

 

 

  第31話 ~ 策謀に踊り惑う心 -後編- ~ を此処にお送りしました。

 

さて、明命の視点を楽しみにしていた方、申し訳ありません。

今回は、しつこいようですが、一刀の覚悟とその他陣営の話となりました。

(麗羽、白蓮、翠の陣営はこの際無視(w )

私としては、何度も何度も思い悩みながら、少しづつ成長する一刀の姿を書きたかったので・・・・・・

とりあえず、今回は、一刀の心の吐露がメインで書いてみました。

さぁ、これで孫呉で、一刀を認めていないのは、蓮華と、まだ未登場の人物だけになりました。

 

では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。


 
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