アクセル全開! 真・恋姫†無双 第2話 男と女の記憶
一刀達が華琳に拾われて2日ほど経った。一刀は自分が何をすればいいのか分からずベットに寝転がっていた。
そこに華琳が扉を開けて入ってきた。
「入るわよ、一刀」
「もう入ってるのに言う台詞か」
華琳は部屋に入って早々に一刀のいるベットに蹴りを入れる。
「うわぁ!」
一刀は思わず跳ね上がり、急いで床について正座をする。
「何か用?」
「何か用じゃないわよ。あなた達、ここに来てから何もしてないみたいね」
「まあな」
「まあなじゃないわよ。ここは何もしない人を置いてられるほど寛大じゃないわよ」
それは一刀や美沙緒もわかっているのだが、何をすればいいのかわかっていないのだ。
おまけに美沙緒にいたっては……。
「私なんか物に触れれないんだもん」
「……まあ美沙緒はまだ仕方ないわ。とにかく一刀は何か仕事を探しなさい。自分の意思でね」
「はいはい」
一刀は仕事を探しに行くのだが、これといったものはなかった。
「俺何してたっけ?」
「さあ?」
二人が城の中を見て回っていると……。
「腰が入っておらん!」
春蘭が兵隊達の訓練をしていた。
「う~ん」
「どうしたの?」
「いや、前に俺、隊長って呼ばれてなかったっけ?」
「そう言えばそんな気もするね」
「でも何の隊長だったかは思い出せねえ」
「とりあえずあれに参加してみたら?」
「そうだな……」
一刀は美沙緒に勧められて訓練に入れてもらおうと春蘭に頼んだが…。
「貴様如きで訓練について来れるのか?」
「やってみなきゃ分からないんだな。これが!」
「よし! なら付いて来て見せろ!」
「あ、ちょっと待った!」
「何だ!?」
「剣じゃなくてトンファーない?」
「トンファー?」
一刀は春蘭にトンファーの形を言い、ないかと聞くと、春蘭は……。
「知るか! 武器庫にでも行って見て来い!」
怒鳴られてしまい、一刀達は武器庫に行ってみた。
そしてその武器庫を管理している官に頼み、トンファーを探してもらいトンファーは見つかったのだが、一刀達はまた変わった物を見つけた。
「あれ?」
「これって……確か……」
ある箱でそれを見つける。その物の形はUSBメモリを少し小さくした形で色は灰色であった。それには「E」と書かれていた。
「確か……これは……エンジンメモリ」
「ねえ、もしかして……」
「もう一つあるはずだ!」
一刀は箱の中をさらに探す。
そして同じような物を見つけた。
その色は薄いオレンジ色の入った赤色で、「A」と言う文字が書かれていた。
「やっぱり…アクセルメモリだ……くっ!」
「一刀、どうしたの?」
「頭が少しな……。アクセル……アクセル……くそ、後少しなのに思い出せない!」
「ねえ、一刀」
「何だ?」
「それとベルトを利用してたよね」
「ベルト……。そうだ! ベルトだ! だがベルトはあるのか?」
一刀はアクセルメモリに関係するベルトを探すが、見つからない。
「簡単にはベルトは見つからないか……」
「でもそのベルトどうしたっけ?」
「さあ?」
一刀はエンジンメモリを見つけ、それがエンジンブレードと関係していることを華琳に伝え、一刀はしばらくエンジンブレードの使い方を思い出しながら一人だけで特訓した。
とある日、盗賊退治に行くことになった。
「さてとここにいるのか?」
一刀と美沙緒はとりあえず華琳から糧食の最終点検の帳簿を受け取るようにと命令され、それを持ってる監督官なる人物がなかなか見つからないがようやく見つけた。
「お前か?」
「…………」
監督官と思われる少女を見つけるのだが返事がない。
「お前か?」
「…………」
また反応がない。
「お前か?」
「聞こえているわよ! さっきから何度も何度も何度も何度も……いったい何のつもり!?」
どうやら一刀の呼び声は聞こえていたがあえて無視していたようであった。
「俺は俺のつもりなんだな。これが」
「そういうこと聞いてるんじゃないわよ!」
その少女はかなりピリピリしていた様子であった。
「なんか感じ悪いね」
「そうだな」
「何言っているの?」
どうやらその少女にも美沙緒は見えていない様子である。
「気にするな」
「まあいいわ。そんなに呼びつけて、何がしたかったわけ?」
「糧食の最終点検の帳簿を受け取りに来たんだ。そいつを貰いに来た」
「なんであんたにあげなきゃいけないのよ?」
「華琳に言われたからなんだよな、これが」
一刀は少女に華琳の命令だと聞くと驚きを見せた。
「ちょっと、なんであんたが曹操様の真名を呼んでるのよ!?」
「本人が良いと言ったんだから呼んでるんだ。文句あるか?」
「信じられない……なんで、こんな猿に……」
「猿だって……」
「おいおい」
猿という言葉に一刀と美沙緒は思わず苦笑いする。
「あんた、この間曹操様に拾われた天界から来たと言う猿でしょ? 猿の分際で曹操様の真名を呼ぶなんて……ありえないわ…」
「猿は猿でも変わった猿なんだよな。これが!」
一刀の反応を見て、少女はこのままでは時間がもったないとようやく折れたのか帳簿を一刀に渡し、一刀も帳簿をもらって華琳のところに戻った。
一刀は華琳に帳簿を手渡し、華琳も手渡された帳簿を見る。帳簿を見ていくうちに華琳の表情が険しくなっていった。
「秋蘭、この監督官と言うのは、一体何者かしら?」
華琳の問いに秋蘭は答える。
「先日、志願してきた新人で、仕事の手際が良かったので、今回の食料調達を任せてみたのですが…何か問題でも?」
「ここに呼びなさい、大至急よ」
そしてさっき一刀と揉めた少女が呼び出された。
どうやら華琳が指定した半分しかなかった事が判明したのだ。その事で華琳は怒り少女を呼び出したのだ。
しかし少女のそれは計算の範囲であった事がわかった。少女は曹操を試し、自分を軍師として売り込むためのものだった。
そして華琳は少女の話を聞いてその少女を気に入り軍師として取り入れることになった。
その少女の名は荀彧、真名を桂花(けいふぁ)と言った。
盗賊退治への行軍中、進路前方に正体不明の集団が数十人おり、その偵察に春蘭と一刀が行くことになった。
春蘭と一刀が言われた場所に行ってみるとどうやらどこかとどこかどうしが戦ってるように見えたが実際は大の大人が小さい子供一人相手に集団で攻めていたのだ。
その事に気付いた春蘭は急いだ。しかし春蘭は馬に乗っているが、一刀は徒歩、しかもエンジンブレードを引きずっているのでなおさらであった。
そして春蘭は一人で戦っていた子供、しかも女の子、春蘭がその女の子を援護し、一刀が二人のところに到着し、野盗達を追い払った。
(たく、バイクがあったらいいのにな……)
一刀はようやくたどり着いたがもうすでに野党達は逃げていた。
そして春蘭と一刀は一人で戦っていた少女から事情を聞こうとすると華琳達本隊がやってきた。
「一刀、謎の集団とやらはどうしたの? 戦闘があったという報告を聞いたけれど……」
「やっこさんたちは春蘭が追い払ったが、追跡のため何人か後を追わせているぜ」
「あら、なかなか気が利くわね」
「そう言われると嬉しいね」
そのやり取りに少女は尋ねる。
「お姉さん達、国の軍隊?」
「まあ、……そうな……」
春蘭が言い終える前に少女は先ほどまで振り回していた鉄球を春蘭に目掛けて投げるが、春蘭は見事、剣でガードした。
「き、貴様、何をっ!?」
「国の軍隊なんか信用できるもんか! ボクたちを守ってくれないクセに税金ばっかり持っていって!」
そういうと少女は再び春蘭に向けて鉄球を投げ、春蘭はまたガードする。
「だから一人で戦っていたと…」
一刀が少女に問う。
「そうだよ!ボクが村で一番強いから、ボクがみんなを守らなきゃいけないんだっ! 盗人からも、お前たち役人からも!」
「なるほど、だいたいわかったぜ」
そう言って一刀は春蘭の前に立つ。
「北郷!?」
「だがな、きちんと話を聞かない子供にはお尻ペンペンしないといけないんだよな! これが!」
一刀はなんとかエンジンブレードを持ち上げる。
「お兄ちゃんも役人なら容赦しない!」
少女が一刀に向かって鉄球を投げる。
「そいえ!」
一刀がなんとか持ち上げたエンジンブレードで鉄球をはじき返した。
「え!?」
一刀は少女と対峙をする。
そこに華琳が間に入り怒鳴る。
「剣を引きなさい、そこの少女も一刀も春蘭も!」
「は……はい!」
少女は華琳の気迫に思わず返事をして鉄球を地面に落した。春蘭も剣を納め、一刀もエンジンブレードを下ろす。
その時のエンジンブレードと鉄球の重みがすごく地面が陥没した。
(その鉄球もすごく重いんだな)
鉄球の重みに一刀は少々冷や汗をかいた。
「春蘭、この子の名は?」
「あ」
春蘭も一刀もまだ少女の名は聞いていなかった。そこへ少女が名乗った。
「許緒と言います」
「許緒、ごめんなさい」
華琳は許緒に謝罪に言葉を言い、自身の紹介をした。
許緒は華琳の事を聞いて謝った。どうやら華琳の評判は良いものであったようでそんな人間に手を上げたと知り懸命に謝る。
そして華琳は許緒の村を脅かす盗賊を退治するため許緒に力を貸すよう頼み許緒も承諾した。
許緒を軍に加え、華琳達は盗賊団の本拠地を見つけた。
「敵の数はわかる?」
「はい、およそ三千との報告がありました」
「我らの人数は千と少しだからだいたい三倍くらいか」
「もっとも連中は、集まっているだけの烏合の衆。統率もなく、訓練もされておりませんゆえ…我々の敵ではなありません」
「ま、油断大敵なのは大前提だがな」
一刀の意見は当たり前として桂花は無視して華琳に自身の策を提案。そして策により華琳は正面、春蘭と秋蘭は左右、残りは砦の後ろの崖から攻めることになった。
「てことは俺は後ろの部隊か」
「いえ、一刀は私と一緒よ」
「なっ!」
華琳の意見に桂花と一刀は驚いた。
「北郷! 貴様、華琳様に何かあったらただではおかんからな! 盾になってでもお守りするのだぞ!」
「安心しな、そのつもりだ。だろ?」
「ふふ、どうかしらね」
一刀に対して華琳は小悪魔な返事を返す。
「各員、持ち場につけ!」
華琳の号令に従い、兵達は所定の位置へと向かう。華琳の部隊に入ったのは一刀だけでなく許緒もであった。
「許緒ちゃんもこっちか」
「季衣でいいよ。春蘭様も秋蘭様も真名で呼んでいいって」
「そうか。季衣は華琳の護衛って言う大役だからな、頑張れよ」
「大役か……、緊張してきた」
「それは俺もだよ。俺も戦場は初めてだからな」
そう言いながら一刀には多少の嘘をついている感があった。
自分はこれから戦場に出て人がたくさん死ぬのを見る。
しかし一刀はそんな光景を何度も見たことがあるのだ。それもテレビなどでは無く、真近で……。
それは美沙緒も同じであったことに一刀は何となく気付いていた。
(俺のこの手がまた真っ赤な血に染まっていくのだろう。だがそれは季衣も同じだ。
力があるのならそれを使わないといけない時がある)
一刀は数日前、華琳に言われて仕事を探していたが、全然見つからず華琳のお説教を聞かされた時に華琳にこう言われていた。
「この大陸はね、一刀。人に話を聞いて欲しければ、声を張り上げて、相手の耳を引っ張って、力ずくで引きずり倒して言い聞かせないと……伝わらないのよ」
その時はなんとなく程度で理解していたが、今は華琳の言いたかったことがよくわかっている。
(話を聞かせるにしても何にしても力で相手をどうにかしないといけない時がある。なら俺は……俺は……戦う!)
作戦を始めるが出だしは予想以上で、華琳の部隊が銅鑼を鳴らすと敵は思いっきり突撃してきた。
「桂花、これは想定していたことかしら?」
「いえ、想定外です」
「まさかここまで馬鹿とはな……」
作戦通り敵を分担させることに成功し、華琳達は逃げたふりをし盗賊達に戦いを挑む。
それからすぐに戦闘は終わり、盗賊の殲滅に成功した。
帰りの中一刀は考える。
(俺のやってることは正しいのか、間違っているのか?)
そうこう考えていると華琳が声をかけてくる。
「一刀」
「なんだ?」
「良く逃げなかったわね。感心したわ」
華琳が一刀の功績を褒めてくれる。
「初陣なら逃げ出したいという気持ちを御するだけでもたいしたものよ」
「いや、それがな……初陣じゃない気がするんだよな」
「どういう意味?」
「はっきり思い出せないんだけどさ、俺はこう戦場に何度も出てきてた気がするんだよ。
最低でも人が目の前で死ぬのを見たのは初めてじゃない。これだけは思い出したな」
そして一刀は考える。これは正しい事なのかそうでないのかと。しかし一刀は改めて考える。
(戦争なんて自分達が正しいから戦ってるんだよな。だったらこれは正しいことかもしれない。
そう言えば何かで聞いたな、正しかろうがそうでなかろうが自分の進む道を決めるだけだと……)
一刀はその言葉を思い出し、胸にしまう。
(いちいち考えても鬱になるだけだ。とりあえず記憶が戻らん以上どうすることも出来ないしな)
一刀は覚悟を決める事をし、改めて華琳の元で戦うことを決意した。
おまけ
作者「新作の第2話何だな。これが!」
一刀「あのな…」
作者「言いたいことがありそうだな」
一刀「投稿が早すぎるだろ」
作者「まあな」
一刀「そう言えば設定何だが…」
作者「まあ補足説明しておくと一刀は特にない。オリジナルキャラの美沙緒については少しある」
一刀「何だ?」
作者「何で『アスラクライン』の奴をモデルにしてるかと言うと、単純に俺がその作品が好きだからだ」
一刀「何じゃそりゃ」
作者「と言っても俺はアニメ版しか見てないけどな。原作ファンからはアニメ版は不評な意見をもらってるが、俺としてはかなり面白かったな。スパロボに出た夢を見るくらいに」
一刀「どんな夢だよ!」
作者「ガン×ソードとかガンダムXとかが一緒に出てたな。とりあえず覚えてると言うか出てきたのはその二つだ。
そして仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双のアフターストーリーは投稿されてますよ」
一刀「あれ長くて読みにくいから読んでくれる人がかなり限られてるだろ」
作者「かもな…。それでは!」
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この作品の文章には仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編で使われたものが多々あります。
そして一刀の態度や口調が原作と違うことをご了承してください。
また本作の一刀の設定のため、一刀のパートナーとなるオリジナルキャラクターがいます。