No.134012

真・恋姫無双紅竜王伝煉獄編⑤~凛々しき騎馬武者少女の伝説・合肥の戦い(上)~

合肥の戦いの始まりです。三部構成を予定しています。
・・・今回登場のオリキャラについて一言。『作者はバ○テス愛読者です』

2010-04-03 02:44:41 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3795   閲覧ユーザー数:3299

「さーてと、参ったなぁ」

合肥城の窓から外を眺めた霞は少しも困っていなさそうな表情で呟いた。城を取り囲む軍の旗は赤い『孫』の旗。反旗を翻した孫呉の王・孫策の妹孫権率いる10万の軍勢である。

「霞様」

その彼女に声をかけてきたのは凪。彼女はいつもの真面目な顔をさらに一層険しく、緊張感を漂わせた表情であった。

「おう、凪。密使は帰ってきたか?」

「はい。しかし華琳様も隊長も反乱軍討伐に全力を投じるつもりらしく、こちらに軍を回すのはしばらくかかるそうです」

魏漢軍主力は仲軍本隊を討つべく幽州に釘付けにされており、合肥に軍を回せない。

つまり霞たちは、凪たちが率いていた軍7千と自分と愛紗が連れてきた1千5百の総勢8千5百で孫権率いる呉軍10万に立ち向かわなければならないのであった―――

「さて、どうしたものじゃろうか」

合肥城玉座の間で一人の少女が地図を睨んで困ったように小首をかしげていた。その辺ではお目にかかれないような金髪の美少女である。しかし―――この少女、実は『少年』なのだ。

姓は曹、名は真、字は子丹。『魏漢一の美少女』として名高い『彼』こそが、合肥防衛軍の総大将である。曹一門の長老・曹仁の孫にして華琳期待の将軍。現在は舞人の弟子として軍学の訓練を受けている。

「お師匠と華琳様はあのようにおっしゃっていたが・・・あれでいいのじゃろうか?」

この軍の総大将として派遣されることが決まった時、魏漢主力を率いる師匠の舞人と一門の棟梁である華琳から秘策を授かっていた。

しかしこの戦が初陣で戦慣れしていない彼からすれば、無謀な作戦としか思えなかった。

そして、その作戦に二つ返事で了承した霞と愛紗にも唖然とさせられた。無理もないだろう。そして、彼女らの実力を知らぬ者からすればこの作戦は暴挙と言っても過言ではないだろう。

―――張遼・関羽が率いる1千の兵が、10万の孫権軍に真正面から突撃するなど。

 


 
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