No.131533

真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第9話

葉月さん

今日から夏休みのお話です
夏休みを前に理事長こと貂蝉はとんでもないことを朝会の日に全校生徒に伝えた。そのとんでもないこととは?
では、本編をお楽しみください
2010/03/22:誤字修正
2010/03/23:誤字修正

2010-03-22 01:03:39 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:8038   閲覧ユーザー数:6296

真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます 第9話

 

 

 

 

夢、夢を見ている……

 

そこは一面広がる荒野。馬に乗る二人の女性が月明かりの下を歩いて行く

 

「っ!?」

 

「冥琳今の見た?」

 

「ええ、こんなにはっきりとした箒星が見えるとは、不吉ね……」

 

「そうかしら?私には希望の光のように見えたけど」

 

「根拠はなに?」

 

「勘よ」

 

「はぁ、お得意の勘ね、まぁ、貴女の勘は当たるから案外そうかもしれないわね」

 

「ぶー!なによそれ、ほら、それより、行って見ましょうよ」

 

「分かったわ」

 

「確かこの辺だったわね」

 

「雪蓮、あそこに人が倒れているわ」

 

「本当だわ、行って見ましょう」

 

「なっ!危険よ雪蓮!」

 

「大丈夫、大丈夫♪」

 

「まったく、孫呉の王という事を自覚して欲しいものね」

 

「はいはい、それにしても、見たことも無い服装ね」

 

「ええ、月の光に照らされて服が輝いているわね」

 

「ねえ、冥琳」

 

「ダメよ」

 

「えー何もいってないでしょ」

 

「どうせ、この者を連れて行こうと言うのでしょ」

 

「流石、冥琳」

 

「はぁ、何処の誰ともわからぬ輩なのよ、少しは」

 

「大丈夫、大丈夫。それに、きっとこの子あれよ、今巷で噂の」

 

「管輅が占ったというあの天の御遣いのことか?」

 

「ええそうよ、だって見たことも無い服装なのよ、これで決まりでしょ!」

 

「はぁ、しかしだな」

 

「もー冥琳は心配性ね大丈夫だって!私の勘がそういっているわ」

 

「まったく、わかったわ、では、連れて……何をしているの?雪蓮」

 

「え?なにって、連れて帰るんでしょ?」

 

「そうだが、なぜ、雪蓮の馬に乗せているのだ?」

 

「あら、冥琳ヤキモチ?」

 

「そんなことを言っているのではないわ、なぜ、貴女の馬に乗せているのかを聞いているのよ」

 

「別にいいじゃないのそんなこと」

 

「まったく、貴女という人は……」

 

「ほら、帰るわよ」

 

「わかったわ、全軍!反転!城に戻る!」

 

……

…………

………………

 

「……ん……」

 

「あ、起きたみたいね」

 

「ここは?」

 

「冥琳、彼、起きたわよ」

 

「え……」

 

「気分はどうだ」

 

「は、はい大丈夫です?」

 

「ふむ、何処も打っていない様だな」

 

「はあ……」

 

「ねえ、君、名はなんというの?」

 

「俺は、北郷一刀です」

 

「そうか、では、北郷いくつか質問していく、正直に答えてくれ」

 

「え?は、はい」

 

――ジリリリリ……

 

(ガバッ!)

 

「はぁ、はぁ……なに、今の夢は……」

 

雪蓮は玉のような汗を流し肩で息をしていた

 

(あれは確かに一刀……どういうこと?今までの夢では顔も声もぼやけた感じだったのに今回はどうして……)

 

雪蓮は悩んでいたが

 

「それにしても熱いわね、こんなに汗かいちゃったわ」

 

雪蓮のパジャマは汗で体にペッタリとくっ付きなんとも気持ちが悪そうに顔をしかめた

 

「とにかく、シャワーを浴びましょ、まだ、集合までに時間もあるし、それにこのままじゃ風邪ひいちゃうわ」

 

雪蓮は時計を確認しまだ時間に余裕があることを確認した。

 

「ふふふ~♪ふ~ふふ~ふ~♪」

 

ベットから抜け出し、タンスから替えの下着と服を持って鼻歌を歌いながらお風呂場へと向かった

 

「ん~!気持ちが良いわ、やっぱり朝風呂よね

 

シャワーを浴び、お風呂に浸かった雪蓮は上機嫌だった

 

「それにしても、今日も暑くなりそうね、やっぱり、あっちの服にしようかしら」

 

窓から差し込む日差しを見上げながら今日の予定を考える

 

「今日は久しぶりに三人で出かけるんだし……とは言っても、実際は違うんだけどね」

 

雪蓮は夏休み前を思い返した

 

夏休み前、どこの学校・学園においても夏休み前の朝礼は必ずあるものだ、このフランチェスカも例外ではない

 

『はぁ~い、夏休みを前にしてそわそわしてるみんなに報告よ』

 

筋骨隆々の巨漢の男がビキニを着た理事長が朝礼台の上に立っていた

 

『実はみんなに、課題を課すわよ』

 

『『えええええええええええ!』』

 

並べられた列から抗議の声があがるが理事長は無視して話し出す

 

『そんなに喜ばなくてもいいのよ。簡単なことなんだから、学園内にある歴史資料館に新しい展示物を入れたのだけれど、それを見学してレポートを出して欲しいのよ』

 

『『えええええええええええ!』』

 

またしても抗議の声が上がるがそれも無視をする

 

『どぅふ♪安心して、作文用紙2枚で良いわ。それに提出してくれれば他の夏休みの課題はやらなくても良いわよ』

 

『『り、理事長!』』

 

これには教師から抗議の声が上がるが三度目も無視をする

 

『ただし、半端なレポートの場合は夏休みの課題を提出してもらうわよ。その判断は私がするわ』

 

早いうちに資料館に行ってしまえばその後は遊び放題、だが、夏休み明けの理事長の判断しだいでは夏休みの課題をやらなければならない

 

まさにハイリスク・ハイリターン。

 

中途半端なレポートは即全教科の課題になる。どちらを取るかは生徒次第ということだ

 

「あの理事長も無茶なことするわね」

 

(まあ、あのビキニ姿だけは何とかして欲しいものね)

 

雪蓮は苦笑いを浮かべる

 

「さてと、そろそろ行く支度しないとね」

 

雪蓮は湯船から上がり出かける支度をした

 

「あっ!雪蓮、こっちだよ!」

 

「一刀!」

 

集合時間の10分前に集合場所に来た雪蓮を一刀が待っていた

 

「遅れちゃったわね」

 

「ううん、まだ時間前だから大丈夫だよ」

 

そういう一刀であったが、以前に琳から言われ30分前に来ているのは雪蓮も知っていた

 

「腕はもう平気なの?」

 

「ああ、少し筋力は落ちちゃったけど、ほらこの通り」

 

一刀の左腕は右腕より若干細くなっていたが生活に支障をきたすほどではなかった

 

「そっか、よかったわ、これで思う存分左腕に抱き付けるのね♪」

 

「お、おいおい、ギブスしてても普通に抱きついてたのに」

 

「あら、そうだったかしら?」

 

「そうだったかしらって、はぁ、まったく……」

 

「ふふふ、そう言えば優未はまだ来てないの?」

 

「ああ、まだ来て無いよ」

 

「何やってるのかしらあの娘、連絡してみようかしら」

 

「時間前だしもう少し待ってみようよ」

 

「そうね」

 

(♪~♪~~)

 

丁度その時だった雪蓮の携帯電話が鳴った

 

「あら?優未からだわ……もしもし、優未?どうしたの」

 

『ご、ごめん雪蓮!寝坊しちゃった!遅れそう!』

 

『(ガラガラガラッ!)』

 

「ちょ、ちょっと優未?何か落ちなかった?!」

 

『あああっ!折角洗った食器具が!』

 

「優未、ちょっと落ち着きなさい。ちゃんと待ってるから」

 

一刀が心配そうに雪蓮を見ていたが雪蓮は大丈夫と伝えた

 

『うん!大丈夫!直ぐに行くから!……きゃぁぁぁ!』

 

『(ベチッ!)』

 

「ゆ、優未?!」

 

『ふぁ、ふぁいひょうふ……』

 

「大丈夫な様には聞こえないわよ?!ちょっと優未!」

 

『うぅ~、痛いよ、雪蓮……とにかく、直ぐに行くから近くのお店の中に入ってて』

 

「わ、わかったわ、とにかくちょっとは落ち着きなさい。先に行ったりしないから」

 

『うん……それじゃね』

 

(ピッ)

 

「優未は大丈夫のなのか?」

 

「え、ええ、優未は遅れるみたいだから何処かのお店に入りましょ」

 

「あ、ああ。それじゃ……!あそこの店で良いか、テラスならここら辺見えるし」

 

「そうね、それじゃ行きましょう」

 

雪蓮と一刀は近くにあるオープンカフェに向かった

 

「なんか騒々しかったけどどうしたんだ、優未?」

 

「ええ、寝坊したのよ。それで慌てて食器具落としたり、こけたり」

 

「だ、大丈夫かな……」

 

「大丈夫よ、あの娘ああ見えて丈夫だから平気よ」

 

「そっか、よかった」

 

一刀は安心したのか微笑んだ

 

約束の時間から10分後

 

「はぁ、はぁ、はぁ、んはぁ、はぁ、お、お待たせ!はぁ、はぁ」

 

「……」

 

「はぁ~」

 

一刀は唖然とし、雪蓮は溜息をして立ち上がった

 

「一刀、ちょっと待っててね」

 

「あ、ああ……」

 

「ほら、優未ちょっと来なさい」

 

雪蓮は立ち上がり優未の手を取り歩き出した

 

「え、ど、何処に連れて行くの?ちょ、ちょっと休ませてよ~~」

 

「いいから来なさい!」

 

「うえ~ん!一刀く~~~ん!」

 

「え、あ……行ってらっしゃい……」

 

優未は雪蓮に引っ張られて店内へと入っていった

 

「まったくもう……落ち着きなさいって言ったでしょ?」

 

洗面所の前で優未の髪を整える雪蓮

 

「だって~」

 

「だって~、じゃ無いわよ。こんなに頭ボサボサで早く来られても、逆にこれじゃ見っともないわよ」

 

「うぅ……ごめん」

 

「ほら、大人しくして……」

 

雪蓮は優未の髪を梳かすが、いくら梳かしても元には戻らなかった

 

「……あなた、癖毛なの?」

 

「うん……」

 

「困ったわね……」

 

「ほ、ほら!ヘアースタイルだと思えば!」

 

あっけらかんと言う優未に雪蓮は溜息をつく

 

「はぁ……とにかく、この帽子被ってなさい。あとでヘアースプレー買いに行くわよ」

 

「は~い」

 

「まったく……それじゃ、戻るわよ」

 

「うん」

 

雪蓮と優未は洗面所を後にし、一刀の待つ席へと戻った

 

「お待たせ一刀」

 

「お待たせ~」

 

「お帰り雪蓮、それにおはよう優未」

 

「おはよ一刀君!」

 

「寝坊したって雪蓮から聞いたけど何時に寝たんだ?」

 

「それがさ~、することも無いから22時にはベットに入ったんだけど興奮して寝たのが2時だったんだよね」

 

「優未……あなた小学生?」

 

「え~そんな事無いよ!それなら雪蓮は何時に寝て何時に起きたの?」

 

「私は23時に寝て7時には起きたわよ」

 

「う゛……」

 

「俺は、1時に寝て8時かな」

 

「ふ、ふ~んだ……どうせ私は子供ですよ~」

 

「まったく、本当に困った子供ね」

 

「ははは、それじゃ資料館に行く前に何処行こうか」

 

「まずは、デパートに行きましょ。優未のこの髪を直さないとね」

 

雪蓮は優未から帽子を持ち上げた

 

帽子を取った瞬間、優未の髪が一気に跳ね上がった

 

「わああ!もう!帽子取らないでよ!」

 

「こういうことだから」

 

「わかった、それじゃデパートに行こう」

 

デパートに向かう道中、優未が

 

「ねえねえ!お昼どうするの?」

 

「まだお昼には早いじゃない」

 

「えー、いいじゃん、楽しみなんだから」

 

「そうだな~。雪蓮と優未は何か希望はある?」

 

「私は、そうね……手軽に食べられるものがいいわね」

 

「私は一刀君のお勧めが良いな!」

 

一刀は少し考えて

 

「手軽な食べ物か……なら、サンドイッチとかは?ここらへんに美味しいサンドイッチを作る店があるんだ」

 

「私は良いわよ」

 

「私もー!」

 

「それじゃ後で行こう」

 

「ええ」

 

「は~い!」

 

雪蓮たちはデパートに向かい歩いていった

 

「それじゃ、ちょっと待っててね一刀」

 

「何処かに行っちゃやだからね!」

 

「大丈夫だよ、ここで待ってるから」

 

雪蓮たちはデパート内の店舗でヘアースプレーを買い手洗いに入っていった

 

数分後

 

「お、またせ~。一刀君!」

 

「はぁ~。疲れたわ」

 

ご機嫌な優未と疲れ果てた雪蓮が戻ってきた

 

「お疲れ様」

 

「ありがとう一刀。それにしても、優未の癖毛は強力だわ」

 

「そんなにすごかったのか?」

 

「まあね、話すのも面倒だから話さないけど、とにかくすごかったわ」

 

「そっか。ご苦労様」

 

雪蓮の疲れた顔を見て労をねぎらう一刀

 

「ほら~。二人とも!次のお店行くよ~」

 

「まったく……少しは落ち着きなさい。優未!」

 

優未を注意しながら優未の元へと向かう雪蓮

 

それを見て微笑みを浮かべて歩いていく一刀

 

「だって、夏休みだよ?遊ばないと損だよ!」

 

「それも一理あるけど、今日の目的は資料館に行ってレポートを書くのが目的なのよ」

 

「わかってるよ~。でも、行くのは15時くらいでしょ?なら、それまでは夏休みを満喫しないと、損だよ!」

 

「ははは、優未の言うとおりだな。それじゃ、それまでは楽しもうよ雪蓮」

 

「一刀がそう言うならいいわよ。はぁ~、手のかかる妹みたいだわ」

 

「も~、そんなこと言って雪蓮だって一刀君と一緒で嬉しいくせに」

 

「当たり前よ。一刀と一日ずっと居れるんだから、嬉しくないわけ無いじゃない」

 

「ちょ、雪蓮!」

 

「ふふふ~♪」

 

一刀の腕に嬉しそうに抱きつく雪蓮

 

「あ~!ずるい、私も!」

 

「ゆ、優未まで!」

 

「えへへ~♪」

 

「こ、これじゃ、歩きにくいんだけど」

 

「あら、両手に花でいいじゃない、文句言わないの」

 

「そうそう、憎いねこの~♪」

 

優未は一刀の脇を小突く

 

「そりゃ、こんな綺麗な二人に抱きつかれちゃうとね」

 

「嬉しいこと言ってくれちゃって。優未なんて顔真っ赤にしちゃってるわよ」

 

「ふぇ?!そ、そういう雪蓮だって赤いくせに!」

 

「そ、そんなこと無いわ」

 

否定はしたが確かに顔が赤くなっている雪蓮であった

 

「照れてるくせに~」

 

「ふん、そんなことより一刀、お店を回りましょ♪」

 

「え、ああ」

 

「あ~!ちょっと!私を無視していくなんて酷い!」

 

一刀の腕に抱きついていた優未を払いのけて二人で歩き出す雪蓮。それを慌てて追いかける優未

 

その後、三人はウィンドウショッピングを楽しみお昼を食べに行くのであった

 

「随分とおしゃれなお店ね」

 

「だろ?俺も食べにきたことはあるんだけどさ、一人じゃ居づらくてね」

 

店は落ち着いた様子で、昼だと言うのにここだけが時間の流れがゆっくりに流れているかのような感覚に囚われていた

 

「それで、一刀のお勧めはなんなの?」

 

「え?俺も一回しか来たこと無いからな……」

 

「それじゃ、一刀はその時はどれを食べたの?」

 

雪蓮はメニューを見せてどれを食べたのか一刀に聞く

 

「えっと、このアボガドソースのグリルチキンってやつ」

 

「確かに美味しそうね……。またこれを頼むの?」

 

「いや、今度は違うやつにしてみようかなって」

 

「ふ~ん……ね、一刀、ここってテイクアウト出来るの?」

 

「え?確か出来たはずだけど」

 

「雪蓮、なんかこのマークが付いてるのはテイクアウトできるみたいよ」

 

優未はメニューの端を指差す

 

「本当ね、なら、近くに公園があったからそこで食べましょ。外の方が気持ちが良いし」

 

「私もさんせー!」

 

「それじゃ注文して公園に行こうか」

 

一刀たちはカウンターで料理を注文して公園へと向かった

 

「ん~!本当にこのアボガドソースのグリルチキン美味しいよ!」

 

「このハムとチーズのこんがりトーストも中々おいしいわね」

 

「ははは、気に入ってくれたみたいで良かったよ」

 

「そう言う一刀は何を頼んだの?」

 

「俺のはバジル風味の薄切りローストビーフだよ」

 

「一刀君のもおいしそ~」

 

「そうね。ねえ一刀、一個ずつ交換しない?」

 

「それいいね!一刀君交換しよ~」

 

「いいよ。それじゃ……はい」

 

一刀たちはお互いのサンドイッチを交換し合った

 

「一刀の美味しいわね」

 

「だね~。私もこれにすればよかったかな」

 

「そうしたら交換できなかったわよ」

 

「あ、そっか」

 

「ははは」

 

「う~。笑わないでよ一刀君!」

 

「ははは、ごめん、ごめん」

 

「まだ笑う~」

 

優未は少し拗ねたように口を尖らせた

 

その後も楽しい昼食をとった一刀たちは時間まで遊び、学園内にある資料館へと向かった

 

「へ~。あの理事長って三国時代が好きなの?」

 

展示されている鎧や武器を見て疑問に思う雪蓮

 

「そうみたいよ。度々、展示してはレポート書かされてるし」

 

優未はうんざりするように答えた

 

「まったくもう、何を考えてるんだか貂蝉さまは……」

 

優未は夏休み前のことを思い返した

 

「貂蝉さまは何を考えてるんですか!」

 

「うんもう、そう怒らないで優未ちゃん」

 

優未は理事長室に入るや否や貂蝉に怒鳴りつけた

 

「少しは落ち着くのだ太史よ」

 

落ち着いた様子で卑弥呼が貂蝉が座っている横に立っていた

 

「卑弥呼さま!最近見ないと思ったら何してたんですか」

 

「うむ、ダーリンとちとな」

 

「そこで赤らめないでください」

 

「ふふふ、相変わらずですね。卑弥呼」

 

「管輅さままで!」

 

管輅はソファーに座り優雅にお茶を飲んでいた

 

「きっと来ると思って待ってたのよ優未ちゃん。ささ、座って」

 

貂蝉は体をくねらせて優未をソファーへと座らせた

 

「さてと、優未ちゃんが来た理由はわかっているわ、夏休みのレポートのことね」

 

「そうですよ!なんであんなことしたんですか」

 

「そのことについては、私が話そう」

 

「卑弥呼さまが?」

 

「うむ、もともと資料館を利用しようとしたのは私の考えだ」

 

「私も一部関わっていますがね」

 

お茶を飲みながら管輅も手を貸していると言い出した

 

「孫策殿の記憶も大分戻ってきていると管輅から言われてな。なら、少し強めの刺激を与えてみようと考えたのだ」

 

「な!それじゃ雪蓮が危険じゃないですか!最近は頻繁に起こらなくなったけど、それでもたまに頭痛程度は起きてるんですよ!」

 

「ええ、それも知っているわ。でも、そろそろ時間が無いのよ」

 

「時間がないってどういうことですか。管輅さま」

 

管輅は言い辛らそうに言葉に困っていると

 

「孫策殿の記憶が永久的に甦らなくなるということだ」

 

卑弥呼が管輅に変わり優未に伝えた

 

「なっ!?」

 

「落ち着きなさい優未ちゃん。その為にお師匠様がこの提案をしてきたのだから」

 

「だからって、資料館の品で記憶が戻るとは到底思えません」

 

「大丈夫ですよ優未さん。そのことについてもちゃんと考えてあります。卑弥呼に頑張っていただきましたから」

 

「うむ、少々てこずったがな。すでに資料館に展示してある」

 

「何を展示したんですか?」

 

「それは行ってからのお楽しみよ」

 

「?」

 

優未は首を傾げ管輅を見た

 

「ふふふ、行けば直ぐにわかりますよ。ただし、少々術を使わせていただきました。雪蓮たちにしかわからないように」

 

「なんでそこまでするんですか?」

 

「わたくし達も賭けなのです。何が起こるかわかりませんから」

 

管輅は目を伏せて答えた

 

「そんな……」

 

「大丈夫よ優未ちゃん。雪蓮ちゃんの記憶はきっと戻るわ。だから安心しない」

 

「貂蝉さま……」

 

「どぅふ♪」

 

「気持ち悪いです……」

 

「きーーー!なんですって!酷いわ、こんな乙女を前にして!」

 

「貂蝉、少しは控えてください。わたくしも見るに堪えませんわ」

 

「管輅ちゃんまで!」

 

「貂蝉よ。お前の気持ちが判るのは漢女を極めた私だけだ」

 

「お師匠様……」

 

「貂蝉よ……」

 

「さ、二人の世界に入った変態は放って置いて、わたくしたちは少々学園内を歩きましょう」

 

「は、はい……管輅さまって結構きつい事言うんですね」

 

「ふふふ、これも慣れですよ」

 

優未と管輅は理事長室を出て校内を散歩した

 

「管輅さまは卑弥呼さまたちとどれくらいの付き合いになるんですか?」

 

「そうですね……もう長いこと一緒に仕事をしているので忘れてしまいました」

 

「そうですか……」

 

誰も居なくなった廊下をただ黙々と歩き続ける優未と管輅

 

(こうしてみると管輅さまって綺麗だよな~。それがなんで卑弥呼さまみたいな人達と……)

 

「ふふふ、わたくしはそれほど綺麗ではありませんよ。それにああ見えても、卑弥呼たちは、根は優しいのですよ」

 

「人の考えが読めるんですか?!」

 

「ええ、多少なりにも占いを生業にしていますから、造作も無いことです」

 

「ひえ~、これじゃ悪口も言えないですね」

 

「わたくしの周りにはそのような方たちは居ませんよ」

 

「それって、逆に読まれたくないから近くに居ないだけじゃないんですか?」

 

「そうとも言いますね。ですが、それならそれでいいのですよ」

 

「そう言うものですかね~」

 

「ええ、優未さんにもそのうち判りますよ」

 

「判らなくてもいいような気がします」

 

「そうですか。そう言えばその後、北郷さんとは何処まで行ったのですか?」

 

「ど、どこまでって……」

 

優未は顔を赤くしてモジモジしていた

 

「ふふふ、初心ですね。これでは接吻もまだですか?」

 

「もう、からかわないでくださいよ管輅さま!」

 

「ごめんなさいね。さて……本題ですが優未さん」

 

「はい?」

 

「孫策さまの記憶が戻った場合、優未さん、あなたはどうなるかわかって居ますね?」

 

「……はい」

 

「では、もしそれが回避……いえ、延命出来るとしたらあなたはどうしますか?」

 

「?!出来るんですか!」

 

「ええ、多少なりともですが、しかしそれは裏を返せば辛さが先延ばしになっただけ、運命は変わりませんよ?」

 

「それでも……少しでも長く雪蓮や一刀君と一緒に居られるなら!」

 

「わかりました……では、これを渡しましょう」

 

管輅は首にかかっていたネックレスを優未に手渡した

 

「それを肌身離さず持っていなさい。そうすれば少しの間は大丈夫でしょう」

 

「ありがとうございます。管輅さま」

 

「いいえ……それにしても変わりましたね優未さん」

 

「?私って管輅さまにあったのはこれで2回目なんですけど」

 

「ああ、あなたは覚えていないのですね。私はこれで3回目ですよ。わたくしの初対面は狭間の世界ですからね」

 

「狭間の世界って管理者が居るところですよね」

 

「ええ、あなたはそこで生まれたのですよ。卑弥呼によってね。その時もわたくしは立ち会っていたのです」

 

「そうだったんですか」

 

「ええ、生まれたばかりのあなたは手のつけられないじゃじゃ馬でしたわ。まさに、孫策さまの一部を引き継いでいるかのようでしたね」

 

「ははは、全然覚えてないや」

 

「そうですか。覚えていないと言うことは、それだけ今の生活が楽しいと言うことなのでしょうね」

 

「そう言うことなんですかね」

 

「きっとそうですよ。さ、そろそろ戻りましょうか。そろそろあの変態たちも落ち着いていることでしょうから」

 

「管輅さまってやっぱりきついこと言いますね」

 

こうして優未と管輅は理事長室に戻ったのだが未だに漢女について熱く語っていた貂蝉と卑弥呼を見て管輅は笑顔で貂蝉と卑弥呼の顔にパンチを喰らわせていた

 

「優未、ちゃんと見てる?」

 

「え?!ちゃんと見てるよ!」

 

「優未、もしかして疲れた?それならあそこで休もうか?」

 

心配そうに覗き込んでくる一刀

 

「大丈夫だよ!ほら!」

 

「ならいいけど……」

 

「まったくもう、あんまり心配をかけないでよね優未」

 

「ごめ~ん、だから許して雪蓮」

 

「まったくもう、ほら次の展示に行くわよ」

 

「は~い!」

 

雪蓮たちは次の展示品が飾ってある部屋へと歩き出した

 

「うわー!すごいね」

 

「こんなに原型を留めているものなのかしら?」

 

「確かに、1800年も前のものには見えないよね。つい最近まで使われてたみたいだよ」

 

不思議に思う雪蓮に頷く一刀

 

「それにしても……あれ?あの部屋は何かしら」

 

「どうしたんだ雪蓮」

 

「一刀、あそこにも部屋があるみたいなんだけど」

 

「本当だね」

 

「でも、誰も入っていかないのよね。まるでそこには何もないみたいに通り過ぎてるのよ」

 

資料館にはまばらであったが学園内の生徒が見学に来ていたが誰一人としてその部屋には入ろうとはしなかった

 

「ねえ、優未。ちょっとこっちに来て」

 

「ん?どうしたの雪蓮、それに一刀君も」

 

展示品を見ていた優未は雪蓮に呼ばれ近づいた

 

「あそこに何が見える?」

 

「なにって、部屋の入り口?

 

「そうよね」

 

「ん?話が見えないんだけど?」

 

「それがさ」

 

一刀はさっき雪蓮と話してたことを優未に伝えた。すると、優未は真剣な顔つきになり

 

「あの部屋に行って見よ」

 

「え、でも、誰も近づいてないのに」

 

戸惑う一刀に優未は

 

「大丈夫だよ。どうせ、展示品の見学に来たんだからほらほら!」

 

「あ、ちょっと優未!」

 

一刀と雪蓮は優未に腕を引っ張られてその部屋へと近づいていった

 

(きっとあの部屋だ……あの部屋に雪蓮の記憶を戻す鍵があるんだ!)

 

優未は逸る気持ちを押さえながら部屋へと足を進めた

 

「?!なんでここにこれが!」

 

そこで優未が見たものとは!

 

 

葉月「はい、本日もここで続編待ちになります。こんにちは葉月です」

 

雪蓮「今日も更新が少し遅いわね」

 

葉月「申し訳ないです。PSPの三国無双マルチレイド2にはまってしまって執筆が遅れてしまいました」

 

雪蓮「そんな理由で読者が許してくれると思っているのかしら?」

 

葉月「だって、だって董卓があんなキモい男だと知ってショックを受けてたんだーーーー!ブハッ!」

 

雪蓮「まったく……いくら恋姫†無双が好きだからって恋姫の董卓が三国無双のゲームに出てくるわけないでしょ」

 

葉月「そりゃ、そんなこと思ってませんけどだって無双覚醒するとあれはどう見ても化物ですよ」

 

雪蓮「確かにそうね。でも、流石は私と冥琳の嫁よね。大橋に小橋は可愛かったわ」

 

葉月「……恋姫のほうだとロリっ子でふ」

 

雪蓮「葉月?それ以上言うと……潰すわよ♪」

 

葉月「す、すいませんでした!」

 

雪蓮「それより今回の話だけどなんだか管輅が優未に意味深なこと言ってたわよね。それに展示部屋で何を見つけたのよ」

 

葉月「優未については今後の展開で明らかになると思います。それにわかる人は9割近く居ると思いますがあえて次回まで持越しです!」

 

雪蓮「まったく、焦らし過ぎよ葉月」

 

葉月「それが話を盛り上げる醍醐味?ですから」

 

雪蓮「まあいいわ。さて次回はなんととんでもない自体が雪蓮に襲い掛かる!って私に?!」

 

葉月「自分で言って何驚いてるんですか」

 

雪蓮「だって私まだ死にたくないもん!」

 

葉月「すでに、一度死んでるじゃないですか」

 

雪蓮「うるさいわね。葉月は少し黙ってなさい」

 

葉月「うぅ~」

 

雪蓮「んん!気を取り直して……そして、優未の体にも変化が!『わ、私の胸が小さくなった!?』」

 

優未「ちょっと!話を捏造しないでよ!それに全然私の声に似てないから!」

 

雪蓮「ちっ……」

 

優未「ちょ!今舌打ちしたでしょ!」

 

雪蓮「気のせいよ♪」

 

優未「気のせいなんかじゃ!って、雪蓮なんで近づいてくるのよ……ひっ!い、いや~~~~~~~!」

 

雪蓮「まちなさ~~い!」

 

優未「待てと言われて待つ私じゃないよ~~~~!」

 

葉月「さて、二人とも行ってしまったのでこのこの辺で……ついでに言いますが優未さんの胸は小さくなりませんよ。それでは皆さんまた来週!」


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
108
14

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択