No.126675

真・恋姫無双×仮面ライダー 一刀蒼き仮面の遣い 第1話

BLACKさん

この物語のメインは真・恋姫†無双の話ですが、主人公の一刀の性格が原作と全然違う部分が存在します。それが嫌な方はご閲覧をご遠慮願います。
なおこの物語の原作者は書いた著者ではありません。
原案者の許可をいただき、原案者の名前を書かせてもらいます。
原案者 ビスマス  作成者 BLACK

2010-02-25 22:13:39 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5582   閲覧ユーザー数:5001

 

「いててて……」

 

一刀は目を覚ます。

 

「ここはどこだ?」

 

一刀は辺りを見回すと、先ほどまで自分や森が居た所とは全く違うところであり、辺りは何もない荒野であった。

しかも森の死体も無かった。

 

「確か俺は空間の歪みに巻き込まれて……」

 

一刀は考える。

 

「まあ仕方ない。適当に歩いてみるか……」

 

一刀は歩いてみればどこか分かるだろうと思い、適当に歩きだす。

すると……。

 

「うん?」

 

自分の少し先には三人組の男に絡まれる三人の少女達が居た。

 

「なあ、姉ちゃん達……金目の物をくれないか?」

「アニキを怒らせると怖いぞ」

 

アニキ、チビ、デブと呼ばれる三人組の男達はその少女達に金の要求、要するに恐喝をしていたのだ。

 

「悪いが、お前達にやるような金は無い」

 

綺麗な長い黒髪の少女が断りを入れる。

 

「だったら……こいつはどうだ!」

 

チビとデブがアニキに言われてしまっていた剣を取り出す。

 

「さっさと金だしな……」

 

するとその男三人組の後ろの足元から、何かが飛んでくる。

 

「うわっ!」

「な、何だ!?」

「今のは何なのだ?」

 

男達三人組と少女達三人はその飛んできた方を見る。

その飛んできた方にはガタックマスクドフォームに変身したガタックの肩に付いているガタックバルカンから放たれたプラズマ火球弾であった。

 

 

「なんだありゃ!?」

「妖か!?」

「ねえ、愛紗ちゃん。あれって……」

「桃香様は下がってください!」

 

桃香と呼ばれるピンクの髪の少女は愛紗と呼ぶ先ほどの黒髪の少女に言われる。

一刀はガタックホーンを倒す。

 

「Cast Off」

 

その音声と共に鎧は飛び散り、その鎧から出てきたのは仮面ライダーガタックライダーフォームであった。

 

「Change Stag Beetle」

「姿が変わったのだ!」

 

一番小さな少女がガタックの変化に驚く。

 

「お前達!」

「「「は、はい!」」」

 

三人の男達は一刀の言葉に反応する。

 

「俺に殺されたくなかったら二度とこんなことしないと誓え!」

「「「は、はい!」」」

「本当にやらないだろうな!」

「疑ってるんですか?」

「当たり前だ! お前達のような悪人を何度も見てるからな。俺は簡単に信用しない!」

「だったら……」

「死にやがれ!」

 

男達は破れかぶれの状態で一刀に戦いを挑む。

結果は目に見えていた。

一刀はガタックライダーフォームの肩に付いているガタックダブルカリバーで三人を斬る。

もっとも斬った方は刃が無い方だったので、三人は死なずにすんでいた。

 

「うっ……」

「今は手加減してやったが、まだやるんだったら……」

「ご、ごめんなさ~~~~~い!!」

 

三人は急いで一刀から離れていった。

 

「ふん」

 

一刀は変身を解除して元の姿に戻る。

 

「大丈夫だったかい?」

 

一刀が三人の少女のところに駆け寄る。

すると突然愛紗と呼ばれた少女が一刀に向かって自分の武器を振りかぶって来た。

 

 

「おわっ!」

 

一刀はその愛紗の攻撃をかわした。

 

「ほう、この距離でかわすとはなかなか……」

「愛紗ちゃん! どうしたの!?」

「桃香様は下がってください! こやつは妖か何かかもしれません」

「でも愛紗……」

「鈴々、お前も来い」

「愛紗……」

 

鈴々と呼ばれる少女は戸惑う。

 

「ならば、私だけで……」

 

愛紗は一刀に攻撃を続け、一刀はその攻撃を避け続ける。

 

「仕方ない……、ガタックゼクター!」

 

一刀がガタックゼクターの名を叫び、まだ一刀の近くにいたガタックゼクターが飛んできて、愛紗の武器を叩き落とすように体当たりし、一刀の手に収まる。

 

「変身!」

「Henshin」

 

一刀はガタックマスクドフォームに変身した。

 

(このままの姿じゃ武器的なまずいな……)

 

一刀がガタックゼクターのホーンを立てる。

 

「キャストオフ!」

「Cast Off」」

 

ガタックゼクターのホーンを倒し、その音声と共に鎧は飛び散った。

 

「Change Stag Beetle」

 

一刀が肩に付いているガタックダブルカリバーを取り、愛紗の武器とぶつける。

その時、武器と武器のぶつかり合いで一刀は気付く。

 

(この子……かなり強い……)

 

一刀はその愛紗の強さを実感した。

 

(力から考えると……森くらいだ……)

 

一刀は森とたまにだが、ライダーに変身しながら模擬戦をしていったが、一刀はなかなか森に勝てないでいた。

もっとも一刀はまったく勝てないわけではないが、勝率は森の方が多かった。

そして愛紗と呼ばれる少女も似たようなことを考えていた。

 

(こやつ……鈴々かそれ以上だな……本気でかからないと、こっちが負ける!)

 

愛紗の目つきがさらに鋭くなる。

 

(まずい……このままだと……負ける。とりあえず距離を……取る!)

 

一刀はスラップスイッチを押す。

 

「Clock up」

 

一刀はクロックアップで愛紗との距離を置いた。

 

「Clock over」

「なっ!?」

「あれれ?」

「いつの間にかあんなところにいるのだ!」

 

三人の少女はクロックアップの事を知らないので、一刀が愛紗から離れていることに気付いて、かなり驚く。

と言ってもそこまで距離は離れていない。

一刀はガタックダブルカリバーを日本刀の刀をしまうような行動し、居合いの構えを取る。

 

「来ないならこちらから行くぞ!」

 

愛紗が一刀に突っ込んでいく。

そして一刀に向かって武器を振り下ろす。

 

「とりゃあ!」

 

一刀は居合いの技で愛紗の武器を弾き、愛紗の手から武器が離れた。

 

「くっ!」

 

愛紗は思わず膝を地面に付ける。

 

「ま、こんなものかな……」

 

一刀はもう大丈夫だと思い、変身を解いて愛紗に手を差し伸べる。

 

 

「大丈夫?」

「貴様……何のつもりだ?」

「別に俺は君達と戦うつもり無いからな」

 

愛紗は一刀の手を取り、立ちあがる。

そこに桃香と鈴々と呼ばれていた少女達が来る。

 

「まあ、いいや。とりあえず聞きたいことがあるんだけど……」

「何でしょうか?」

「ここどこ?」

「幽州啄群。五台山の麓だ」

「ゆうしゅう、たくぐんね……。全然分からん」

「お兄さんは何でここにいるの?」

「いつの間にか居たから分からない」

「……」

「ところでお主……」

「何?」

「先ほどの姿は何だ?」

「さっきのはガタック……。俺の先輩……森から譲り受けた力だ」

 

一刀はガタックの事、自分がここに来るまでの事を三人に話した。

 

「とても信じられぬな」

「だと思うよ。一般人にさえ基本的に隠してることだし……」

「でも……。思ったとおりだよ、愛紗ちゃん! 鈴々ちゃん!」

 

桃香がなにやらはしゃぐ。

 

「この国の事を全然知らないし、私達の知らない言葉を使ってるし、それにそれに、何と言っても服が変!

この人、きっと天の御遣いだよ! この乱世の大陸を平和にするために舞い降りた、蒼くて強い愛の天使様なんだよきっと!」

「管輅が言っていた天の御遣い。…あれはエセ占い師の戯言では?」

「うんうん。鈴々もそう思うのだ」

「でも、管輅ちゃん言ってたよ? 東方より飛来する流星は、乱世を治める使者の乗り物だーって」

「ふむ…確かに、その占いからすると、このお方が天の御遣いという事になりますが…」

「う~ん。よく分からないけど……そう言えば聞いてなかったけど、君達、名前は?」

「私は劉備。字は玄徳!」

「鈴々は張飛なのだ!」

「関雲長とは私のことだ」

「へ?」

 

一刀は困惑した。三国志の人物の名を語る者達がどう見ても女性である。

 

(どういうこと……だ? 俺は異世界に来ているのか?)

 

一刀はそう考えるが、別の事も考えている。

 

(でもこの子達……可愛いな……。それに劉備と関羽ってこの胸も大きいし……。

張飛って子は……まだ子供だけど将来が楽しみだな……)

「あの~」

「え、あ、ごめん。少し考え事してて……」

「とりあえずは近くの街まで行きましょう」

 

関羽の提案により、一刀達は街に行くことにした。

 

 

「それでね、北郷様」

「うん?」

「さっきも説明したとおり、私達は弱い人達が傷つき、無念を抱いて倒れる事に我慢が出来なくなって、少しでも力になれるならって、そう思って今まで旅を続けていたの。

でも三人だけじゃもう、何の力にもなれない。そんな時代になってきてる」

「官ぴの横行、太守の暴政、そして弱い人間が群れをなし、更に弱い人間を叩く。そういった負の連鎖が強大なうねりを帯びて、この大陸を覆っている」

(人の性というか、エゴというか……)

「三人じゃ、もう何も出来なくなってるのだ……」

「でも、そんな事で挫けたくない。無力な私達にだって、何かできる事はあるはず。…だから、北郷様!」

「力を貸してくれだろ? いいよ」

「ホントですか!?」

「ああ、俺もそう言うの放っておけないし……」

「ありがとうございます! ところでお金は……」

「は? 無いのか?」

「……(コクッ)」

 

皆お金を持っていなかったため、その後その事が女将にばれて、しばらく食事代分の皿洗いをさせられてしまった。

 

「それじゃあ、これは餞別……」

 

女将は四人のお酒を渡す。

 

「え、これって……」

 

どうやらやら先ほどまでの四人の話を聞いていたようだった。

三人は一刀を主人と決め、四人は劉備の知り合い、公孫賛のところに行くことを決めるがその前に桃園に立ち寄った。

 

「これが桃園かーすごいねー♪」

「美しい…まさに桃園と言う名にふさわしい美しさです」

 

四人は盃にお酒を注ぐ。

 

「そうそうお兄ちゃん」

「なんだ?」

「お兄ちゃんは鈴々達のご主人様になったんだからちゃんと真名で呼んで欲しいのだ!」

「真名?」

「我らが持つ、本当の名前です。家族や親しきものにしか呼ぶことを許さない、神聖なる名」

「その名を持つ人の本質を包み込んだ言葉なの。だから親しい人以外は、例え知っていても口に出してはいけない本当の名前」

「だけどお兄ちゃんになら呼んで欲しいのだ!」

(本当の名前…、ってことは劉備とかは一応の名前だが、真名の前では偽名に近いな)

「我が真名は愛紗」

「鈴々は鈴々!」

「私は桃香!」

「愛紗、鈴々、桃香……。何をすれば良いのかよく分からないが、俺はお前たちの力になる。宜しくな」

「じゃあ、結盟だね!」

 

そして四人で誓いを果たす。

 

「我ら四人っ!」

「姓は違えども、姉妹の契りを結びしからは!」

「心を同じくして助け合い、皆で力なき人々を救うのだ!」

「同年、同月、同日に生まれる事を得ずとも!」

「願わくば同年、同月、同日に死せんことを!」

「かん……ぱい!」

 

四人は乾杯する。

そして一刀はあることを心に決める。

 

(この子達は俺の仲間。……森、俺、この子達を守る。お前が俺を庇ってくれたように俺もこの子達を守る。

俺を慕ってくれる仲間達を……)

 

仮面ライダーガタックの力を手に入れた一刀の新たな戦いの火蓋はここで切られるのであった。


 
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