No.125992

新・恋姫無双 第二話

あお。さん

やっとヒロインが出てきます。
誰かはギリギリまで隠したいのでタグにはしませんがw
楽しんでいただければ幸いです

2010-02-22 12:41:33 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3802   閲覧ユーザー数:3145

 

「ふぅ……」

 

そう息を吐いて無銘を鞘に納める。強盗っぽい男たちについては自身は無傷で、殺さずに撃退できた。1対6かと思っていたが、一刀に話しかけていた男は、彼に斬りかかるつもりはないらしく実際は1対5だった。まぁ1人増えようが増えまいが大して差はないのだが。

最後に残ったリーダー格を目で脅すことによって、全員を蹴り起こしてその場を去ってくれたのでむしろ良かったのかもしれない。

 

「一難去ったが……次はどうだろう?」

 

そう言って後ろを振り返る。周囲にも大小さまざまな岩があるが、少し離れたところに割と大きな岩がある。そこに向かって

 

「隠れてないで少しお話しませんか?」

 

少し大きめな声で話しかける。何も知らない人から見ればただの痛い人なのだが、一刀には確かに気配を感じたのだ。

 

(助太刀してくれたら、精神的に楽だったのになぁ……)

 

と思うが、そもそも気配が岩の裏の向こうから感じた時は、リーダー格の男と、下っ端1人まで減っていた。その状況で助太刀されても、最悪邪魔になったかもしてないのでそれ以上は考えないでおく。

そんなことを考えていると、岩の裏から3人の少女が出てきた。

 

 

「……」

 

黒く長い髪を俗に言うポニーテールにしている凛とした雰囲気を醸し出すつり目の美少女。こちらを警戒しているのだろう、青龍偃月刀を右手に無言でこちらを睨んでいる。

 

「そんなに睨んじゃ駄目だよ、愛紗ちゃん」

 

愛紗と呼ばれた少女が庇うようにしているのが、桃色で長い髪の柔らかな雰囲気を纏ったこれまた美少女。とりあえず彼女は争う気はないらしい。

 

「そうなのだ、愛紗。あのお兄ちゃんからは戦おうって気配を感じないのだ」

 

両手を頭で組みながら笑顔を浮かべ、桃色の髪の少女の横に立つ、赤いショートカットのやっぱり美少女。

 

(先の二人よりも幼いけども、将来は有望だなぁ)

 

なんて考えているあたり、一刀も余裕あるように見えるが、実際は愛紗と呼ばれた少女と赤い髪の娘を一目見た時からその強さが分かり、正直愕然としていた。

だが、いつまでもそうしているわけにもいかず、刀をベルトの隙間に差し、両手を上げて

 

「戦意はないからとにかく話をしてくれないか?」

 

と聞いた。

 

「だってよ、愛紗ちゃん?」

 

と桃色の髪の少女が愛紗に呼びかけると

 

「失礼しました。私たちもお聞きしたいことがありますので、こちらからもお願いします」

 

そう言って後ろに2人を連れてこちらに歩み寄る。それを見た一刀も彼女たちの元に歩を進めるのだった。

 

 

「まずは自己紹介からかな?俺の名前は北郷一刀だ」

 

「姓が北、名が郷、字が一刀でよろしいですか?」

 

「いや、姓が北郷、名が一刀だ。」

 

「二文字姓ですら珍しいのに、名も二文字ですか……」

 

一刀と愛紗が会話しているのだが、この時点で一刀は違和感を覚える。

彼女は二文字姓が珍しいと言い、二文字名も珍しいという意味を含ませたのだ。

自分の住んでいるところであればそんなことはありえない。

しかしそんなことを問答しても話が進まないので3人の名前を聞くことに。

すると

 

「私は姓を関、名を羽、字を雲長といいます」

 

愛紗と呼ばれた少女は世に名高き美髯公の名を

 

「鈴々は張飛、字は益徳なのだ!」

 

自らを鈴々と呼ぶ少女は、長坂の戦いで名を馳せた猛将の名を

 

「私は劉備、字は玄徳。よろしくね、一刀さん……でいいのかな?」

 

そして桃色の髪の少女は、長い雌伏の時を経て魏の曹操、呉の孫権と肩を並べるに至った仁徳の王の名を名乗った。

流石にこれには戸惑う。一刀の中では歴史上の人物なのだから。

だから一応確認してみるが

 

「その名前って本当に……?」

 

「嘘を吐く理由がありません」

 

「そうなのだ」

 

「そうだよね~」

 

これである。嘘を吐いている様子ではない。自らが名乗った時の違和感はこれだろう。自分が読んだ三国志演技に二文字姓はあっても、二文字名は見た覚えがなかった。よくよく考えて周囲を見渡せば、山々や終わりが見えない荒野、彼女たちの(普通ならコスプレと判断するだろう)服装は最近テレビでみた中国の風景っぽい。

 

 

とりあえず、ここは「どこ」で、今は「いつ」なのかは聞いておかなければいけないだろう。

 

「ここはどこだろう?」

 

「幽州啄郡五台山の麓だ」

 

「……もしかして今は後漢王朝の12代皇帝劉宏……様が治める世だったりする?」

 

「そうだよ?変なお兄さん」

 

口調で分かるだろうが、前者は関羽、後者は劉備が答えたのだがそんなことは一刀には関係なかった。

頭を抱える一刀。そんな一刀に劉備は尋ねた。

 

「お兄さんはどこから来たんですか?」

 

「日本の東京からかな」

 

これは一刀の最後の望みを賭けた返答だった。今までの回答は全部そのコスプレの設定であってくれと。嘘であってくれと。

 

「にほん?とうきょう?そんな地名大陸にあったっけ?」

 

しかし現実は厳しかった。その劉備の言葉を聞いた一刀は

 

(俺ってこれからどうなるんだろ……)

 

などと思いながら無限に広がるような青空を仰ぎ見るのだった。

 

 

あとがき。

 

というわけでやっと第2話アップできました。

 

昨日中にと思ってたのに12時間オーバー……。

 

とりあえずみてやるよっと思ってくれてた人には申し訳ないです。

 

いるかどうかは知りませんが……。

 

それはさておき

 

第一話のまえがき?に

 

一刀君の武力をプラスすると書きましたが、武力だけじゃなく他の能力もプラスするかもしれません。

 

それでもチートになるなんてことはないでしょうが。

 

個人的にはチート一刀君は嫌いじゃないですけどもw

 

では次は第3話にてお会いしましょう。

 

P.S.

蜀ルートか……なんて思ったあなたは甘いですw

 

 


 
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