真・恋姫無双 二次創作小説 明命√
『 舞い踊る季節の中で 』
第10話 ~ 堕ちるがままに舞う魂(中編) ~
(はじめに)
キャラ崩壊やセリフ間違いや設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助かります。
この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。
北郷一刀:
姓 :北郷 名 :一刀 字 :なし 真名:なし(敢えて言うなら"一刀")
武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇
:●●●●
得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(ただし本人は無自覚)
気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)
最近の悩み:どんどん魅力的になる二人の恩人に対する精神修養、いい加減堤防が決壊しそうです(涙
頼みますから、もう少しガードを堅くしてください、と嘆く毎日
(今後順序公開)
★オリキャラ紹介:
諸葛瑾:
姓 :諸葛 名 :瑾 字 :子瑜 真名:翡翠
武器:"双天" 対の双剣
武力:52(平均的な将を60とした場合)
智力:81
政治:89
家事:92
魅力:想像にお任せします(w
焦った時の口癖:『 あうあう 』又は 『 ぁぅぁぅ 』等の類語です
性格:基本的に温厚で、外見に反して大人の女性
だが、焦ると地が出てしまう。(朱里と違って、自分を律しています)
警戒心が強い性格だが、一度心を許されると、親身になってくれる。
妹がいるため、基本的には面倒見が良く、放っておくと、食事を取るのを忘れる明命を心配してよく食事
を差し入れていた。
やはり、妹がいるためなのか、時折人をからかって、その反応を楽しんだり、とんでもない悪戯を仕掛け
る悪癖もある、だが性質の悪い事に普段が完璧なだけに、周りは怒るに怒れないでいる。
家事全般は人並み以上に出来、そこらのお店以上と自負していたが、丹陽で知り合った男性の腕を見て
自信を喪失。 以降こっそり腕を磨いているが、全然敵わないと嘆く毎日を送っている。
武術は好きではないが、妹達を変態共から守るため、必要最低限身に付けたもの。
姉妹揃っての発育の悪さをコンプレックスに思いつつも、それを武器にする強かさを持っている。
自分を子供扱いしない男性が好みだが、言い寄ってくるのは変な趣味の持ち主ばかりで、17の時、現実
の男(変態の多さ)に愛想が付いた時に『八百一』と出会う。 以降のめり込み、妹達を洗脳するも、
基本的には周りには秘密にしている。 そのうち執筆も行うようになり、掲載されるようになる。
数年たった現在では、定期的な愛読者もつき『八百一』の主要作家の一人となっている。
黄巾の乱後、作品が益々洗練され、世に愛読者を急増させる要因となった。
翡翠(諸葛瑾)視点:
一刀君の茶店に、雪蓮様と冥琳様が来られました。
お二人の様子から、目的は一刀君なんだとすぐに理解しました。
どうやって一刀君の事を、知ったのでしょうか。
考えられるのは、明命ちゃんですが、蓮華様達に報告しなかったのに、今更報告するとも思えません。
そもそも、報告されていたなら、まず私が呼び出されているはずです。
とにかく、原因は分かりませんが、今は、何とかこの状況を突破する手を考える事です。
だと言うのに一刀君は、いつもよりお店を早く閉めて、私の視線での警告を無視して、雪蓮様達とお話しをします。
ならばと、思ったところに、今度は一刀君が、私を制止します。
その目は
(翡翠が、動いて良い相手ではないでしょ)
と、私を心配しています。
確かに一刀君の言うとおり、今私が動いても事態が好転する事はないでしょう。
結局、雪蓮様達の思惑通り事が運んでしまいました。
以外なのは雪蓮様が、一刀君が城に来るまで、私達から事情を聞かないと言った事です。
これで、私が雪蓮様達に、一刀君がただの庶人だと、誤魔化す機会を奪われてしまいました。
・・・・主君である雪蓮様達に、私は何を考えているのでしょう。
たぶん私は、優しい一刀君を、私達の世界に巻き込みたくないのだと思います。
雪蓮様は、私の封じるのが目的ではなく、たぶん本当にその方が面白いと思ったのでしょう。
でも私は、この事が何故か、とても嫌な感じがしました。
謁見のために用意された広間には、私達4人と祭様がいましたが、祭様は入口の方面の柱の影に、身を隠しました。
まぁ、王が素性の知れない者と会うのですから、仕方が無い事だと思います。
雪蓮様は、その事で冥琳様に
「相手を信じないで、仲間に引き込もうなんて、出来やしないわよ」
と、文句を言っておられましたが、逆に窘められていました。
そうこうすると、思春ちゃんに、連れられた一刀君が姿を現しました。
一刀君の姿に、私は少し驚きました。
見た事も無い、きらきら光る白い生地の服でした。
そのあと雪蓮様が、一刀君の真名に当るものを呼んでしまい。
雪蓮様は一刀君に頭を下げました。
雪蓮様の凄い事は、こういう所だと思います。
自分に非があった時、場合が許す限り、素直に謝る事が出来るということです。
普通、雪蓮様の立場の方は、そう言う事が出来ない人が殆どです。
自由奔放で、困った所がある方ですが、民を思い、そのための行動を起こし、民のためなら血を流す事を厭わな
い方です。嫌な相手に平伏す事も、笑って行ないます(心の中では烈火の如く怒っておられるでしょうが・・・)
私が認め、仕える自慢の主君です。
でも、そんな想いも、
一刀君の一言であっさりと、一刀君の真名に当るものを呼ぶ姿を見ると・・・・頭が痛いです。
まぁ今のは無かった事にしましょう。
とにかく、もっと驚いたのは、そのあとの明命ちゃんのお話でした。
この事をもっと早く聞いていれば、一刀君をあんな目・・・・やめましょう、意味がありません
それに今は『もし』の話しを考えている場合ではありません。
そして雪蓮様は、一刀君の能力を、明命ちゃんに確認を取りました。
それを、明命ちゃんは、嬉しそうに返事をします。
ぷちっ
そう、明命ちゃん、貴女が、げ・ん・い・ん・なのね!
私は少し貴女の事を、見直す必要が在りそうねっ!
そう思い、明命ちゃんを睨み付けると、私の視線に気づいたのか、小動物のようにぶるぶる震えています。
まぁ良いです。
今は一刀君の事の方が優先です。
一刀君が、言うのには、自分はこの世界の人間ではない、と言うような話でした。
そんな話し信じられませんでしたが、その後見せられた絡繰を見て、信じせざる得ませんでした。
切り口から覗く構造は、とても精緻で、沢山の部品らしきものが所狭しと詰まっていて、とても人間が作れるよう
な代物には見えません。
できる事なら、これが動いている所を見てみたかったです。
とにかく、絡繰は布に包み冥琳様にお渡しします。
もし無事事が済めば、何とかして一刀君に返してもらうようにしましょう。
そうしているうちに話が進み。
雪蓮様が、とんでもないことを言い出しました。
一刀君の血を、孫呉の血に入れると言うのです。
たしかに、天の御遣いと言う名を上手く使う事が出来れば、孫呉の今後に大きく貢献します。
雪蓮様の言う事は、それだけの価値があります。
でもその中に、私も入ると言うのです。
私が一刀君の子供を
ぼっ!
顔が一気に熱くなります。
あうあう・・・別に一刀君となら、子供を作るのも
と言うことは、そのためには、その・・・ぁぅぁぅ
危うく思考が暴走しそうになった所で、一刀君の様子が、おかしい事に気がつきました。
一刀君は、凄く冷たい表情で、雪蓮様に、ゆっくりと歩み寄ります。
・・・まさかっ!
「駄目です。一刀君っ!」
私は、一刀君を止めようと叫びますが、どうやら今の一刀君には、聞こえていないようです。
一刀君は、思春ちゃんの静止も聞かずに、歩みます。
明命ちゃんも、一刀君の様子に気がついて、素手で一刀君を止めようと、飛び出します。
「駄目です。 思春ちゃんは一刀君が敵う様な相手では・・・」
ドタッ
私は最後まで言えませんでした。
一刀君はいつの間にか手にした鉄扇を広げ、
その鉄扇で、明命ちゃんを、そっと直進方向を逸らしながら動く事で避わし、
思春ちゃんの剣をぎりぎりで、もう一つの鉄扇でやさしく逸らしながら、
明命ちゃんを退かした鉄扇で、そっと足元を払います。
鉄扇でよく見えませんでしたが、その時一刀君は、思春ちゃんに何かしたのでしょう。
床に叩きつけられた、思春ちゃんは、体を起そうと呻きますが、指一本動かせないようです。
駄目です、例え一刀君が強くても、雪蓮様には
私は、雪蓮様に向かって駆けます。
その間に一刀君は、祭様の弓を封じ、冥琳様の鞭を切り落とし、もう一度飛び込む明命ちゃんを避わします。
キンッ
雪蓮様の剣を弾き飛ばし、
床に転がし、
鉄扇を
「だめですっ!」
「だめですっ!」
私は、何とか雪蓮様と一刀君の間に、体を滑り込ませます。
雪蓮様を、殺させる訳にはいけません。
一刀君に、これ以上、人を殺めさせる訳にはいけません。
だって、一刀君をこんな状態にしたのは・・・
ピタッ
一刀君の鉄扇は、私の目の前で止められます。
「・・・翡翠?・・・こいつは翡翠達を」
一刀君は、冷たい表情のまま、でも私の行動に驚き、信じられないと言う目で私を見ます。
その言葉と、一刀君の眼を見て、私は確信しました。
やっぱり、一刀君は優しいから、
私や明命ちゃんが、本当に大切だと想っていてくれるから、
雪蓮様の言葉に、
一刀君が殺したあの人達が、私にしようとしたように、私や明命ちゃんが汚されると、思ってしまったのです。
私があの時、あんな事を言ってしまったから
『 私があの人達に、慰み者にされるのを、想像してみてください 』
『 そんな事させないっ! 』
一刀君は、あの時の言葉通り、私達を守ろうとしているだけ、
人を殺した事で、あれだけ苦しんだ一刀君が、私や明命ちゃんの為に、またそれを行なおうとしています。
私は、こんな時だと言うのに、一刀君の想いに、涙が溢れます。
一刀君の想いが、嬉しくて、そしてそれ以上に悲しくて、
でも、雪蓮様を殺させるわけにはいけません。
だから、
私はそっと、鉄扇を握る一刀君の手を握り
「違います。
雪蓮様は、・・・・あの人達とは違います。
・・・雪蓮様は、本当に優しくて・・・民を想いやる方で、
民が・・・平穏な生活にするため・・・自らの血を流す事を・・・厭わない方です」
「・・・・・」
「・・・雪蓮様の先程の言葉は・・・私が命を変えて・・・・取り消させて見せます。
だから・・・一刀君・・・私や明命ちゃんの為に・・・雪蓮様を傷つけるなんて事・・・やめてください。
・・・・お願いです。
私は一刀君に・・・こんな事して・・・欲しくないんです。
・・・一刀君には、笑っていて・・・欲しいんです。
此処で一刀君が・・・雪蓮様を・・・殺してしまったら・・・もう一刀君は・・・笑えなくなってしまいます。
・・・・私は、そんなの・・・絶対嫌です。
・・・だから・・・」
嗚咽に塗れて言う私に、
「・・・・俺が翡翠を・・・泣かせているのか・・・」
「・・・はい・・・明命ちゃんもですよ・・・」
「・・・そっか・・・・」
カランッ
そう言って一刀君は、鉄扇を力なく落とし、
私に手を握られたまま、地面に座り込みました。
その表情は、安堵と、後悔と、悲しみに彩られていました。
私は、その姿に、心を痛めながら安堵しました。
でも、今はやらなければいけない事があります。
私は、明命ちゃんを目で呼びつけ、
傷ついた一刀君を、背中から抱きしめていてあげるようお願いします。
今の一刀君には、温もりが必要ですから、
そして私は、すでに立ち上がり、離れた所で、此方の様子を伺っていた雪蓮様達の前に行き、臣下の礼をとります。
「一刀君の行動は、私や明命ちゃんを想っての事、
罰は、私と明命ちゃんが如何様にも受けますので、どうか、平にご容赦くださいませ」
私の言葉に、雪蓮様は深く息を吐き
「話は聞いていたわ
どういう理由があるか分からないけど、後で聞かせてもらえるんでしょ」
「はい」
「今回は私の失敗だったわ、貴女達をあれ程に大切に想っている人間に、あれは無かったわね。
年頃の男の子に、喜びそうな事だと思ったんだけどね・・・裏目に出ちゃったわ。
翡翠、貴女が言わなくても、さっきの言葉は取り消させてもらうわ。
私もそんな事でまだ死にたくないし、貴女を失いたくないわ。
それに、結果的に孫呉に血が入れば文句は無いわ」
「はい、きっと明命ちゃんが」
「あら貴女はちがうの?」
「ぁぅ・・・私は、その違います」
「そっちも、あとで話を聞かせてもらいましょうか」
「ぁぅぁぅ」
『ぁぅぁぅ』呻く私をよそに、雪蓮様は、先程拾い上げた"南海覇王"をもう一度床に置き、一刀君達へ歩み寄る。
私も冥琳様もその後を追い
「雪蓮、うかつだぞ」
「大丈夫よ、もう彼に闘う意思は無いわ。 そうでしょ?」
「・・・・ああ」
止める冥琳様を無視し、雪蓮様は一刀君に問いかけます。
その質問に、一刀君は、気が抜けたように答えるのです。
良かった、自己嫌悪に陥って入るようですが、少なくとも、自暴自棄になってません。
これなら、きっと一刀君は、すぐに立ち直ってくれます。
一刀君は、心の弱い所がある子ですが、弱いままにしておく程、弱い子ではありませんから、
「先程と、同じ人間に見えないくらい気が抜けちゃってるわね。
まぁいいわ、貴方がどんな人間かよく分かったし、その上で、さっきの続き」
「!」
「そんな目で見ないでよ。
さっきのは言い過ぎだったのは謝るわ、でも政治の世界に政略結婚はつき物よ。
今回の事がなくても、あの二人にはそれが待っているわ。
両家とも跡継ぎは必要ですもの。
其処に利が生まれるなら、話は進んでしまうわ、当人の意思に関係なくね。
それが分からないとは言わないでしょ」
「・・・・」
「分かっているけど、分かりたくないって顔ね」
「正直私だって、そんなもの無くしたいと思うわ、でも王としては、なかなかそう言うわけには行かないの、
もしそれをやるなら、それなりの建前がいるのよ。
天の御遣い、貴方がこの国のために働いてくれるなら、私が王である限り、それをしないであげる事が出来る。
むろん、明命達にも決して強要したりしない。
あの娘達は、自分の好きな子と結ばれ、子を宿せば良い。
ただ、貴方だって、ずっと一人と言うわけには行かないでしょ。
その時に、うちの娘達だと良いなってだけ、王として決して強要はしない、自由に恋愛すれば良い」
「・・・脅迫か」
「そう思われるのも嫌ね、
じゃあ、貴方が断っても、あの二人だけは政略結婚なんてさせない。
さっきの私の発言のお詫びって事でね、でも私個人では、そこまでが限界なのも事実よ。
変な話しに拗れてしまったけど、私は孫呉を立て直し、乱れた世を建て直し、そこに住む人達の笑顔を守りたい
と思っているの。
そのためには、力が要る。・・・・たぶん、それで焦ってしまったみたいね。
でも、天の御遣いを抜きにして、貴方の力が欲しいと思ったのも本当の事よ、元々そのつもりだったわけだしね。
今、私を信じて欲しいなんて、都合の良い事は言わないわ。
貴方の信じる翡翠や明命のする事を、手伝って欲しいの、それでも駄目かな?」
雪蓮様は、つい先程、目の前の一刀君に、殺されそうになったというのに、
その一刀君に、力を貸して欲しいと頼みます。
もう脅迫染みたものではありませんが、優しい一刀君の事です。
きっと・・・
「・・・・わかった」
そんな一刀君の言葉が、広場に染み渡ります。
結局、私は一刀君を、私達の世界に巻き込んでしまう事になりました。
優しい一刀君を、血と屍で汚れた世界に・・・・
耐えられずに、壊れてしまうかもしれないと、分かっているのに・・・・
つづく
あとがき みたいなもの
第10話 ~堕ちるがままに舞う魂(中編)~ を此処におおくりしました。
・・・・また喰っちゃってるかなぁ(汗
正直途中、書いていて涙が・・・
よし、次回の明命視点で、頑張ってもらいましょう。
と言うわけで、無事一刀と雪蓮は和解(?)をする事が出来ました。
とりあえず、これで、3人の中を進展させるための舞台を、揃える事が出来ました。
あとは、ちょこちょことイベントで3人の中を掻き回して行きたいなぁ~なんて思ったりもしています。
まぁ実際は、脳内のキャラしだいなんですが
・・・絶対、あの暴走能天気王が、私以上にかき回してくれそうな予感がします。
さて、コメントの中で気になった事で、一つだけヒントを
一刀君の強さが、雪蓮達に分からないのは理由があります。
一刀君が身に付けているのは、裏舞踊だと言う事なんですよー。
あと、更新が早いのは、今回たまたまです。
更新の早さを楽しみにしている方、申し訳ありません。
では、頑張りますので、どうか最後までお付き合いの程お願いいたします。
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『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。
明命√の作品となります。
雪蓮に刃を向いた一刀、さぁどうなるのか・・・
拙い文ですが温かく見守ってください