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それはある魔王の自殺劇。
邪悪である事を拒んだが為に邪悪に染まってしまった哀しき魔王の物語。
青年と女性は出会い、そして何時しか愛し合う。
青年は誓う、魔王を倒し女性達を救うと。
女性はその言葉を信じ彼を持つ。
運命の中のつかの間の幸せ、運命による再びの闘い。
青年は女性の為にその身を盾にする。
女性は青年の為にその命を捧げる。
二人はただ、愛し合っただけ。
愛し合ったが故の悲恋。
愛し合ったが故の別離。
そして物語は魔王の消滅で終劇となる、
一人の青年に消えぬ傷を植え付けたまま。
ただ、純粋に懐いてくれるひのめ、事務所預かりになり師匠と慕ってくれるシロ、憎まれ口を言いながらもいつの間にか傍にいるタマモ、そして仲間達、その飾らない笑顔は彼の傷の痛みを和らげてくれる。
その後、更なる悲劇が彼を襲うが母の、そして友人達の声に応え彼は再び歩き出す。
たとえ来世であろうとも何時か彼女と夕陽を見る為に。
第1話「別に結婚しろとは言うてへん。まずは婚約や!by百合子」
その日、事務所に女性陣の叫び声が響いた。
『お見合いーーーーーーー!?』
忠夫「な、何だよいきなり」
百合子「母さんの知り合いのお孫さんでね、とてもいい娘だよ。向こうにもあんたの事は教えておいたけどけっこう乗り気だったわよ」
そう言い見合い写真を差し出し、その写真を見て忠夫は汗を一筋垂らした。
忠夫「あの~、お袋?」
百合子「何だい」
忠夫「確かに可愛いのは可愛いんだけど」
百合子「よかったじゃないか」
おキヌ「…あ、あの…これって……」
タマモ「こ、これは…まさか…」
シロ「まさかでござるな」
美神「…でもどう見ても…」
見合い写真を覗き見していた女性陣の感想も忠夫と同じだったらしい。
忠夫「……ちうがくせいって事はないよな…」
百合子「中学生だよ」
百合子は当たり前のように答えた。
忠夫「待たんかーーーーい!!」
百合子「何だようるさいね」
忠夫「中学生ってどういう事じゃい!!バインバインなお姉ーー様ならともかく中学生は色々とヤバイだろ!!」
百合子「何もいきなり結婚しろなんて言わないよ。まずは一度会ってきちんと向こう様の家族と話をして若い二人だけで色々話をしてそれから婚約しろと言ってるだけじゃないか」
忠夫「それがヤバイと言っとるんじゃーー!!」
百合子「……忠夫、あまりワガママばかり言っとると本気で怒るで」
忠夫「ワガママ?無理やり中学生と婚約させられるのを嫌がるのがワガママやと言うんかオカン」
美神「ちょっと待ちなさいよ!いくら母親だからってそんな事を勝手に…」
そう令子が反論を始めると百合子は携帯をいじりだした。すると令子のパソコンにメールが届いた。
チャリンチャリーーン
(何処かの王国の国王も愛用している小銭の音の着信音)
美神「何よこんな時に」
そう言いながらメールを開くと其処には事務所の裏帳簿など令子の脱税の証拠となる書類が表示されていた。
美神「な、ななななななななななななななななななななななななななななななななななな、何よこれーーーーーーーー!!」
百合子「あら?税務署に送ったと思ったのに間違えて此処に届いたのね」
百合子はしれっとそう言った。
美神「ヨ、ヨコシマクン・・・・・・・・・」
横島「な、何スか美神さん」
美神「お見合い、頑張ってきなさい」
おキヌ「美神さはーーーん!!」
美神の心の中
追徴金>越える気のない壁>横島の見合い
百合子「さ、話もついた事だしさっそく準備に取り掛かるわよ。まずはその身なりから整えなきゃね」
タマモ「待ちなさい!まだ話は終わってないわよ」
シロ「タマモの言う通りでござる!先生は誰にも渡さぬでござ……」
百合子「何か文句でもあるの?」
タマモ「ヒイッ!」
シロ「キャインキャイン!!」
動物はより強いものには本能的に逆らえない。
百合子「時間がないんだから急ぐわよ」
横島「いやーー!ロリはいやーー!ロリは逝ややーーー!!」
必死な叫びもむなしく横島は引きずられて逝った。
おキヌ「美神さーーん!このままじゃ横島さんが」
美神「だ、大丈夫よ。よく考えてみなさい、こんな可愛い女の子があの横島くんと結婚したがるわけないじゃない。そうよ、横島くんと結婚したがる物好きなんて………」
おキヌ「……結構いると思うんですけど……」
タマモ「いるわよね」
シロ「いるでござる」
美神「あ……あ…」
おキヌ「どーーするんですか!」
美神「仕方ないじゃない!あのままだったら莫大な追徴金を払わされる羽目になるところだったのよ。そんなのゴメンよ!」
シロ「先生が見ず知らずのおなごに取られてもいいと言うのでござるか!」
タマモ「いいかげん素直になったらどうなのよ!」
美神「だってお金が大好きなんだもん!」
おキヌ「…シメサバ丸……」
おキヌがそう呼ぶと台所からおキヌ愛用の元妖刀の現包丁が飛んできておキヌの手の中に収まった。
美神「あ、あれ?……お、おキヌちゃん?………」
病キヌ「美神さん…私、怒ってるんですよ…」
美神「おキヌちゃん、ま、待って。私の話を…」
病キヌ「美神さんのバカーーー!!」
美神「いやーーーーーー!!」
シロタマは何もできずに部屋の隅で抱き合いながら震えていた。
六道邸・・・・・
冥子「え~~~ん、お母様~~~~!」
冥子は泣きながら母親の部屋に駆け込んだ。
冥子「お母様~~~、横島君が~~、お見合いするって~~、…お母様~?」
六道家当主、六道冥華はメイドのフミさんから受け取っていた報告書を見ながらブルブルと震えていた。
冥子「フミさん~~、お母様は~~どうしたの~~?」
フミ「その情報なら私共の方でも掴んでおりましたので奥様に報告した所でございます」
冥子「そうなの~~、お母様~~どうしよう~~。横島君~~取られちゃう~~」
グシャッ
冥華は報告書を握りつぶしながらこの見合いを画策した相手に怒りを向けていた。
冥華「あ~の~、ぬ~ら~り~ひょ~ん~!!」
麻帆良学園都市、学園長室・・・・・
近右衛門「…などど、唸っとる頃じゃろうな。六道さんや、悪いが横島君はウチの木乃香が貰うゾイ。フォフォフォフォフォフォ」
その頃女子寮の明日菜達の部屋では。
明日菜「え~~!お見合いをする~~!!」
木乃香「うん。今度の日曜にな~」
ネギ「どんな人なんですか?」
木乃香「横島忠夫さんっていってな、GSなんやって」
明日菜「横島って、たしか以前魔族側についた人じゃない?」
ネギ「でも、あれは魔族陣営の情報を得るためのスパイだったんでしょ」
木乃香「大丈夫や。悪い人には見えへんし、それに何か気になるんよ」
明日菜「気になる?まあ、木乃香がいいんなら反対する理由もないけど」
木乃香「ウチにもよくわからんけど何か懐かしくて安心できるような気がするんや」
木乃香は昔の事を思い出すような感じでそう言った。
ネギ「と、とにかくお見合い、頑張って下さい」
明日菜「アンタ、わかってて言ってるの?」
ネギ「ごめんなさい。よくわかりません」
木乃香「あはは、ありがとネギ君。頑張ってくるな」
そして部屋の外、木の影で。
刹那「横島忠夫。もしお嬢様に相応しくない男だったら……でも…」
刹那は忠夫の写真を見ながら呟いた。
刹那「何故だろう。この人……どこか懐かしい……」
続く
あとがき
と、言う訳で書いてしまったネギま!クロス。
何でこうもGSのネタばかり浮かんでくるのだろう。
おまけに一姫だけじゃなく恋姫の新作のネタも浮かんできている。
まったく、キーやん!いいかげんにしてくれーー!
一姫を書かせてくれーー!!
『自分の文才のなさを私のせいにしないでください』
《次回予告》
遂に始まった横島と木乃香のお見合い。
邪魔をしようとする者、見守る者、パパラッチ×2
そんな中二人は?
次回・第2話「まだ、結婚とか考えるのは早いやん。まずは友達になろ。by木乃香」
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タイトル変更しました。
書きたくなったらとりあえず書いてみる。
それが私だ!!
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