デンライナーと巨大戦艦の戦いは熾烈を極め、デンライナーの外観も少しボロボロになっている。
デンライナーはまだ巨大戦艦に致命的なダメージを与えていない。
このままではデンライナーのほうが持たない。
「こうなったら一か八かだ!」
一刀がデンライナーを敵の砲台一直線に突き進ませた。
「馬鹿め!」
ゴルドラが突き進むデンライナーを目の前の砲台で撃つ。
しかしその砲の攻撃は突如デンライナーの前に現れたドラグレッダーが盾になり相殺された。
ドラグレッダーはそれと共に消えていった。
「何!?」
「ドラグレッダー! 仇はとってやる!」
ドラグレッダーが攻撃を防いでくれたお陰で、戦艦に隙が出来、デンライナーは砲台から戦艦の中に入っていき、戦艦を破壊していく。
「ようーし、いくぜ!」
一刀はデンライナーの先頭を開いて、マシンデンバードと一緒に飛び出した。この戦いの決着をつけるために……。
操縦室ではもはや制御不能に陥ってた巨大戦艦の操縦桿をどうにかしようとするゴルドラ。
「おのれ! おのれ! おのれ!」
憤るゴルドラ。
そこに壁を突き破ってマシンデンバードと共に飛び込んできた一刀がやって来た。
「よう、大将。この船はもうじき沈む。いい加減にしたらどうだ?」
「この船が無くとも俺がいればこの世界の歴史を変えれる。この船を貴様の墓場にしてやる」
「悪いが遠慮させてもらうぜ。俺はまだハネムーンを味わってないんでな。ハネムーンを味わうまでは絶対死ねないな……」
一刀が冗談交じりでゴルドラと距離を保ちながら、対峙する。
二人は攻撃のタイミングを図る。そして戦艦の操縦桿が完全に止まった。
「でぇやぁ!」
先にゴルドラが仕掛けてきた。ゴルドラは己の杖を一刀に振るが、一刀はそれをくぐり抜けるかのように下に避ける。
そして……ライダーパスをベルトに通す。
「俺の超必殺技!」
「フルチャージ」
フルチャージされたオーラエネルギーが両足に溜まっていく。
ゴルドラは後ろを向いている一刀に向かってまた杖を振る。
一刀はその攻撃を左足の後ろ回し蹴りでそれを受け流し、振り向き際に右足でゴルドラの顔を蹴る。
ゴルドラはその攻撃で思わず、操縦桿のところまで後ろに下がり、一刀はゴルドラに向かってジャンプし、蹴りを入れる。
「ライダーーーーーキーーーーーーーック!!! バーーーーーーーージョーーーーーーーン!!!」
電王のオーラエネルギーが溜まった右足が、とび蹴りとしてゴルドラにぶつかり、ゴルドラは致命傷を受けた。ゴルドラに電流が走る。
「く……何故だ…何故貴様は、この三国を救おうとするのだ?」
「仮面ライダーだからだよ!」
一刀は倒れているマシンデンバードに乗り込み、急いで元来た道に戻る。
「う……う…」
ゴルドラは力尽きると共に爆発。操縦室は大爆発を起し、その爆風はマシンデンバードに乗っている一刀の後ろを押し出した。
「どわあああああああああああ!!!」
一刀はその爆風のお陰で、予定よりも早くデンライナーに戻れ、デンライナーを動かして、急いで巨大戦艦から脱出。
巨大戦艦は各部の爆発と共にまだ隠れていた五胡兵とゲルニュート達のところに落ちていき、大爆発をし、完全に消滅した。
「終わったな……」
大爆発した様子を遠くで見る一刀達。ちなみに一刀は変身を解いている。
「そうね。私達の勝ちよ」
「まぁこれだけ痛手を被ったら、五胡の奴らもすぐには出だし出来ないでしょうね」
「まあ大将を倒したし、兵のほとんどもやられたみたいだしな」
「でもその間に、付け入れられる隙をなくさなくちゃダメですね」
「そうね」
「ああ」
孫策も一刀も桃香の意見に賛成する。
「曹操さん」
「何かしら?」
曹操は笑った顔をしながら桃香に対応する。
「まだ……戦う気、ありますか?」
「……」
「私達は協力してこの国の敵を退ける事が出来ました。それでもまだ戦いますか?
五胡と戦っているとき、私達の心は一つになれたって思う。ならこれからも、その思いを共有することだって難しい事じゃない。
だから……だからみんなの力を合わせて、この国の未来を守りませんか?」
「ふふっ…どうする、曹操?」
孫策も少々笑いながら曹操に尋ねる。
「もう答えは決まってると思うけど?」
一刀も笑った顔をして、曹操に尋ねる。曹操は真剣な顔で答えた。
「劉備よ」
「はい」
「この国の未来。あなたはどう思い描く?」
「三人がそれぞれの国を大切にしながら、残りの二つの国を尊重する…それが私の思い描く、この国の平和な未来」
「そんな平和が続くとでも?」
「続きます。ううん、続かせるんです。皆で力を合わせて…!」
「ま、私達よりも更に後の世代の事を考えなくちゃいけないけど…なんとなかるんじゃない?
今のこの気持ちを、しっかりと後継者たちに伝えていけばね」
「そうだな。人はいつかは過ちを犯す。でも俺達が築き上げた思いをしっかり伝えておけば、その過ちをすぐに修正できる。俺はそう信じている」
「永遠の平和なんて望めないし、そんなの実現不可能だと思う。だけど、百年、二百年の平和なら、皆の努力で実現可能だって思うんです。だから………」
「……そうね。一人の力で支えられなくても、三人よれば支える事が出来る、か」
曹操は少し間を置いて答えた。
「分かったわ。…劉備。あなたの提案を受け入れましょう」
「曹操さん!」
「例え道が違ったとしても、同じ頂に至るのならばそれで良い…この戦いでそれが良く分かったわ」
「ふふっ……そうね。たった一人の天然な女の子のお陰でね」
「いいえ、劉備だけじゃないわ」
曹操が一刀の方を向く。
「あなたのお陰でもあるのよ。北郷一刀」
「俺?」
「ええ、あなたが赤壁で私に勝ったおかげで、私は簡単に覇王の衣を脱ぎ捨てる事が出来たのよ。礼を言うわ」
「礼を言われるほどじゃ……仮面ライダーとしては当たり前……かな?」
一刀は照れくさそうにした。
こうして……世は天下三分として、平和になった。
それから半年後……。
ここからは劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウンの主題歌「Climax Jump the Final」が流れているものだと思ってください。
蜀の成都では祭りの準備が行われていた。その祭りとは三国同盟記念の祭りで月一で行われ、今月は蜀での開催である。
その祭りの内容は呑兵衛王者決定戦、天下一品武道会、論文発表会や競馬大会など多種多様のものであった。
皆が楽しい時間を過ごそうと祭りの準備をしたり、来客としてくる呉の将たちや魏の将たちを持て成す桃香達。
祭りが行われ、皆が盛り上がる。
呑兵衛王者決定戦で星、桔梗、霞、黄蓋、夏侯淵、猪々子などが酒を飲みつくそうとする。
天下一品武道会では、愛紗、夏侯惇、凪、典韋、麗羽、斗詩、月、詠がそれぞれ料理を出して、一部のものは審査員が嫌な顔をしていたりした。
論文は朱里、雛里、呂蒙、陸孫、桂花、郭嘉、程昱、ねねなど軍師と言える人間たちが論文発表をする。
競馬大会は翠、蒲公英、白蓮、自分のからくりの力を試したいとしてやる李典、周泰、などが参加していた。
祭りを見たいという民達もやってきて、一刀はデンライナーに乗せて上空からその祭りの盛り上がりを見せる。
「なかなかだな……」
そして……。メインイベントの超絶武闘会が開催されようとしていた。
「ご主人様! 降りてきて!」
桃香がしたから、一刀を呼び、一刀は急いでデンライナーを地上に下ろす。
そして一刀がデンライナーから降りると、自分の前には自分を打ち負かそうとする魏の将や呉の将、それに自分の陣営である蜀の将のほとんどが参加していた。
ちなみに全員狙いは一刀一人であり、一刀に勝ったら、自分の欲しいもの一つ上げると言う物なのだ。もちろん一刀が出来る範囲で…。
「お館様、わしの実力を改めて見てもらいのだがの…」
「それは私も同じですわ」
「一刀、強くなったウチの力を見せ付けてやるわ」
「一刀さん、あの時の決着を今度こそ付けましょう」
(ご主人様に勝って……)
「主よ、勝ったら我が願いを聞き届けてもらいたい」
それぞれが自分の思惑を一刀にぶつけようとする。
一刀は大胆不敵に笑う。
「面白え!」
一刀がデンオウベルトを腰に巻き、赤いボタンを押す。
「変身!」
「ソードフォーム」
一刀は仮面ライダー電王ソードフォームに変身した。
演出を高める爆発と共に、電王はいつもの決め台詞とポーズを見ているみんなの前で取った。
「俺、参上!」
仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編 完
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基本的には真・恋姫†無双の蜀ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
なお、今回で蜀編の本編は終わりです。