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仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第8章

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の蜀ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。また今回は原作にないオリジナルの話です。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。そして今回の話で新しい仮面ライダーの力が出てきて、3つ全てが出揃います。
何なのかはご覧になるまでのお楽しみ。

2010-01-10 22:24:08 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:5972   閲覧ユーザー数:5218

仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第8章  暴れる赤龍との契約

 

 

南蛮を平定し、美以達が成都に居ついてから二ヵ月後くらいのことであった。

 

「赤い龍?」

 

一刀達の元にそんな情報が入る。

 

「はい。街亭付近に住む住民からの情報なんですが、どうやら街亭にある山に赤い龍が住んでるって情報が入ったんです」

「どうせ、野盗とかの仕業だろ?」

「それが……」

 

雛里が口ごもってしまう。

 

「どうしたのだ?」

「その赤い龍は人を食べるみたいなんです」

「人を……食べる?」

「はい。しかもその龍は何か自分達が映るものから突然現れて、人をその出てきたものに引きずりこんでしまうのです」

(映るものから出てくる。……人を襲う。……赤い龍……まさか!?)

 

一刀はその情報でその赤い龍の正体を見抜いた。

 

「その赤い龍は大勢の人間が目撃してるのでまず人じゃないということです」

「それでその赤い龍は最近街亭の山に住んでいるみたいなんです」

「街亭って確か……」

「ちょうど魏との国境線にあるところですな」

 

星の言うように、この時の街亭は蜀と魏の国境線の真ん中にあり、街亭に行くときは商人でもかなり苦労するとの事である。

そんなところを怖い赤い龍が住んで占領してるとなると怖くて付近にいた住民達も街亭から離れてしまっている。

 

「どうする、ご主人様?」

 

桃香が一刀に聞くが、一刀の答えは決まっていた。

 

「その赤い龍、俺がどうにかする」

「え?」

「お一人で行くつもりですか?」

 

紫苑が少々不安そうに一刀に尋ねる。

 

「ああ、俺一人で街亭に行って赤い龍をどうにかする!」

「ご主人様! 危険すぎます!」

 

愛紗が必死に止める。

 

「ご主人様! 街亭は魏との国境線。赤い龍もありますが、魏軍との接触も考えられます。

せめて、私も連れて行って下さい!」

「ダメだ、何と言おうと俺一人で行く」

「ご主人様!」

「一刀!」

「皆は赤い龍の怖さを知らないからそう言えるんだ」

「お兄ちゃんはその龍の事を知ってるのか?」

「知ってる。というより、どんなものか分かってる。

その龍は仮面ライダーじゃないとあいつと対抗なんて出来ない」

「ご主人様……」

「それにそんな国境線だと軍隊とかで行くよりも一人で行ったほうが争いになる確率も低い。

だから俺一人で行くんだ。わかってくれ……」

 

一刀が皆に向かって頭を下げる。

 

「……ご主人様」

「一刀、せやったらウチも付いていった方が…」

「いや、霞は確かに顔は利くだろうけど、それを良く思ってない兵がいるかもしれない。それを踏まえても俺一人で行く」

「だったら約束してください。必ず生きて帰ってくるって……」

「ああ、約束してやる! 俺は必ず生きて帰るってな!」

 

一刀が親指を立てて、皆に約束した。

次の日、一刀はマシンデンバードに乗り、街亭に向かった。

 

 

街亭に着いたのはもう夜になろうとしたころだった。

 

「さてと……この山のはずだけど……」

 

一刀がマシンデンバードから降りて、赤い龍がいるとされる山の麓を歩いていると……。

 

「誰だ、貴様!?」

 

一刀の目の前に突然の明かり。それは魏軍の将、楽進であった。その隣には李典、于禁もいた。

一刀は敵意は無いとして両手を高く上げる。

 

「俺か? 俺は北郷一刀。仮面ライダーだな」

「北郷一刀……」

 

一刀の名前を聞いて、楽進達はすぐに蜀の指導者の北郷一刀であることに気付いた。

 

「ひょっとしてあの北郷一刀なの?」

「あのといわれても北郷一刀は俺一人しかいないだろ」

「せやな……。で、何しとったん?」

「この付近にいる赤い龍をどうにかしてくれって付近の住民に言われて一人で来た。仲間はいないぜ」

「そちらもか……」

「そちらもって事は……」

 

一刀の察しの通り、楽進達も赤い龍をどうにかして欲しいと住民たちに言われて軍を少し率いて来たとの事であった。

 

「そうか……。だけどな、そんなに兵を連れてきても無駄だぞ」

「どうしてなの?」

「その赤い龍は軍隊がどれだけあっても勝てない。勝てるとしたら仮面ライダーくらいだな」

「仮面ライダー……以前、霞様達を長坂橋で足止めし、霞様を蜀に行かせるきっかけを作ったのは……」

「俺だ」

「だったらなおさら……」

 

楽進が構える。

 

「まあ待ちな。霞は普通に元気でやってるさ。

それに俺はお前たちと争いに来たわけじゃない。この辺りを捜索しても蜀の兵や将はいないぜ」

「それは本当か?」

「俺を信用するならな……」

 

一刀の目を楽進達が覗き込むように見る。その目は嘘をついている様な目でないと判断した。

 

「本当ならいい…」

「信じてくれてありがとう。じゃあ俺はこの上にいるって言われてる赤い龍をどうにかしにいくぜ」

「待て!」

「うん?」

 

一刀が歩いて山を登ろうとするのを楽進が止める。

 

「なんだ?」

「お前一人で行くのか?」

「ああ。さっきも言ったが、仮面ライダーしかどうすることも出来ない相手だからな」

「……そうか……。だが私も一緒に行くぞ」

「凪!?」

「凪ちゃん!?」

 

李典と于禁が楽進の発言に驚く。

 

「赤い龍についての報告をきちんとしないといけないからな。なら私が行ったほうがいいだろ?」

「お前、死ぬ気か?」

「いえ、そのつもりはありません。それに……仮面ライダーは人を守るのでしょう?

華琳様から聞きましたよ。長坂橋での事を……」

「ふ……俺がお前を守ってあげると?」

「華琳様からの言葉から考えると……」

「曹操は俺の事を理解しているようだな。ま、何かあったら俺が体張って助けてやるよ」

 

 

一刀と楽進は二人で赤い龍がいる山を登る。李典と于禁達には半日しても戻らなかったら様子を見に来いと楽進は言った。

そして頂上に到着したが、何もなかった。

 

「何もないですね」

「いや、水溜りがあるって事は……」

 

突然金切り音が二人の耳に響く。

 

「この音は……水溜りから来るぞ! 気をつけろ!」

 

一刀の言うとおり、楽進は水溜りを注意していたため、一刀と反対方向に飛んだが、赤い龍に襲われずに済んだ。

そして赤い龍は水溜りから完全に出てきて、その姿を現した。

 

「これは……」

「やっぱりドラグレッダーだったか……」

 

ドラグレッダー、それは「仮面ライダー龍騎」に出てくるミラーモンスターであり、鏡の世界(ミラーワールド)に住む怪物であり、

人を襲う際は、その襲う人間をミラーワールドに引きずり込み、食べるのである。

しかしミラーモンスターは架空の生き物。本来ならこの世界にいるはずがないのだが……。

 

「ま、響鬼の変身ものとかバイクがある以上こんなのもいるってことは予想してたけどな!」

 

一刀はデンオウベルトを腰につけて、紫色のボタンを押す。

 

「変身」

「ガンフォーム」

 

一刀は電王ガンフォームに変身し、ドラグレッダーに対して言う。

 

「お前倒すけど良いよね? 答えは聞いてない!」

 

デンガッシャーガンモードから弾を撃ち、ドラグレッダーに当てる。

ドラグレッダーは攻撃をくらい、怒ったようで、一刀に向けて口から炎の弾を吐き出した。

 

「よっと!」

 

一刀はダンスをするようによけて、よけると同時にまた弾を撃ってドラグレッダーに当てる。

一刀とドラグレッダーはそれの繰り返しで戦い続けてる傍らで……。

 

「よし、今なら……」

 

氣を溜めて待っていた楽進は、それを足の前に収束させてドラグレッダーに向けてぶつけた。

ドラグレッダーに見事命中。しかしそのせいでドラグレッダーの目標が一刀から楽進に変わり、ドラグレッダーは火の玉を楽進に向けて放った。

その火の玉は楽進の予想よりも早く、また連続で撃って来た為、何発かよけたが、最後の一つはよけ切れそうになく直撃をくらいそうになるが……。

 

「危ない!」

 

一刀がいつの間にか電王アックスフォームになっており、その背中で楽進を抱くように庇った。

 

「ぐわぁあ!」

 

しかしその火の玉の攻撃は強く、一刀は転がりながら、電王の変身が解けてしまった。

 

「ど、どうして……?」

「言っただろ。何かあったら俺が体張って助けてやるって……」

「し、しかし…」

 

楽進は一刀が冗談で言ったものだと思ったが、一刀はかなり本気だった。

 

「それにな……。やっぱり君みたいな可愛い子は男が体を張って守らないとな……」

 

一刀が地面に手をつけて、立ち上がろうとするとあるものを見つける。

 

「これは……」

 

それはミラーモンスターと契約する事で、正式に使えるようになるカードデッキである。

しかしそのカードデッキにはモンスター(正確には仮面ライダー)の紋章が出ていない。

 

「ってことは……」

 

一刀がデッキからカードを抜くと契約のカードが出てくる。

 

「よし、俺と契約しろ!」

 

一刀がドラグレッダーに向かって契約のカードを見せる。

するとドラグレッダーはそのカードに吸い込まれるように、いなくなった。

 

「あの……」

「うん?」

「あの赤い龍は?」

「ああ、俺と契約したから人を襲わないよ」

 

一刀が契約のアドベントカードを見せる。

 

「これに封じたのですか?」

「それは違うな。これに封じ込めるように見えて、実はミラーワールドに帰っただけなんだ」

「ミラーワールド?」

「俺たち人間じゃ、入ってすぐに死んじまう特殊な空間さ。ま、この仮面ライダーなら少しの時間ならその空間にいられるけどな。

折角だから見せてあげるよ。この仮面ライダーの姿と技を」

 

そういうと一刀は水溜りの方に行き、デッキを水溜りに写す。それと同時に一刀の腰にはVバックルがつけられた。

 

「変身!」

 

 

一刀がバックルの真ん中にデッキを入れる。そして仮面ライダー龍騎に変身した。

 

「おおっ!」

「……っしゃあ!」

 

一刀が気合を入れたようにガッツポーズみたいなのをとる。

 

「それじゃあこいつの技を見せてやろうか」

 

そうすると一刀はデッキからカードを一枚取り、左手についてるドラグバイザーにカードを装填する。

 

「ソードベント」

 

その音声と共に空から剣が降ってきた。ドラグセイバーである。

 

「これはただの剣だな。次は……」

 

次に新しいカードを取り出し、バイザーに装填した。

 

「ガードベント」

 

次にドラグシールドを肩につける。

 

「これはただの盾だ。次は……」

 

また新しいカードをバイザーに装填する。

 

「ストライクベント」

 

上空からドラグクローが飛んできて、右手につけられる。

 

「それは?」

「これはな……、こう使うんだ」

 

右手のドラグクローに炎が溜まっていく。

 

「はああああああああああ、はあああああああああああ!!」

 

一刀がドラグクローから炎を撃ち出す。

そして目の前にあった岩を粉々に粉砕した。

 

「すごい……」

「(その気になれば出来ると思うけど……、)じゃあ最後はこれだ」

「ファイナルベント」

 

音声と共にドラグレッダーが現れる。

 

「はああああああああ!!」

 

一刀が何か気合を溜めるようなポーズを取った後、高く上空に飛び上がり体を回転させる。

 

「はああああああああああああ!!!」

 

ドラグレッダーの口から放たれた炎弾が一刀を押し出し、その勢いを利用して一刀はキックポーズを取っていて、

そのキックで先ほどよりも大きい岩を粉々にした。

 

「……」

「どうだった?」

 

一刀は変身を解いて楽進に感想を聞く。

 

「なかなか凄いものですね」

「さっきカードデッキを見つけれたのは君のおかげだよ。お礼と言ってはなんだけど、さっきのストライクベント、

正確には昇竜突破って言う技だけど、君なら出来ると思うから特訓しようか?」

「え? い、いいですよ。私は……」

「敵だからかい?」

「まあ、それもあるのですが……、私のせいで怪我を……」

「いや、怪我はしてないけど……」

 

一刀が楽進に背中を見せる。その背中には怪我なんて一つもしてなかった。

 

「電王のあの鎧はかなり強いんだよ。それにこれはお礼なんだ。

皮肉な事を言うけど、君のおかげで俺はまた新しい力を手に入れたんだ。

まあその事事態は魏にとっては不利にしかならないけど……」

「………」

「でも俺はお礼がしたいんだ。ただ本当にそれだけなんだ。信じてくれないか?」

「………わかりました。特訓お願いします」

「ああ。もしかしたら他にも技が出来るかもしれないね」

 

こうして一刀と楽進の街亭の山で特訓が始まり、それから数時間後……。

 

 

「はああああああああ、はああああああああああああ!!」

 

楽進の氣が右手に溜まり、放たれた氣が目の前の岩を破壊した。

 

「はあ、はあ……」

「やったじゃないか! 楽進!」

「はあ、はあ…ありがとうございます……」

 

楽進は疲れたのか、座り込む。

 

「大丈夫か? 楽進」

「凪です」

「え?」

「私の真名です。凪と言います」

「そうか……。じゃ凪、大丈夫か?」

「大丈夫です」

 

一刀が手を差し伸べて、凪はその手を受け取る。

そして二人は別の山から出てくる朝日を見る。

 

「朝日が……」

「技習得の記念だな」

「はい……」

 

二人は静かに朝日を眺める。

 

「それじゃあ、お互い帰るか」

「そうですね。ただ……」

 

凪が少し黙り込んでしまう。

 

「ああ、そういうことか」

「はい……」

「何、気にするな。手加減する必要なんてないよ」

「そうでしょうか……」

「俺も手加減しないよ。戦場であったら正々堂々やろうぜ」

「……はい!」

「いい返事だ」

「霞様があなたについていった理由が分かった気がします」

「……そうか……」

 

そして二人は山を降りて、凪は李典、于禁達と合流し、赤い龍は逃げたと言い、一刀は近くに止めてあったマシンデンバードに乗って成都に帰った。

 

「さてと……」

 

一刀は走りながら契約のアドベントカードを見る。

 

「何かあったら俺は本気でこいつと戦わないとな」

 

ミラーモンスターは餌(人間)を長時間与えないと、契約者を食い殺すのである。

尤もそれは一刀が知ってる知識であり、この世界だとそんな決まりがないのかもしれない。

 

「それまでに決着をつけないとな……」

 

 

 

おまけ

 

 

作者「どうかな? オリジナル話である、仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第8章」

一刀「何か龍騎の設定少し違わなくないか?」

作者「昇竜突破のことか? あれはな、本当はドラグレッダーの口から吐くものなんだけど、ドラグレッダーを出すのがめんどいから、ディケイド龍騎仕様にした」

一刀「そうかい…」

作者「まあ本編には書いていない裏事情と言うか裏設定だけど、ドラグレッダーとか一部の設定はドラゴンナイトのものを使ってる」

一刀「そうなのか」

作者「それでも不満だと思う人がいるかもしれない。そのため一応謝っておきます。ごめんなさい。そして次回をお楽しみに……。次回は今までどおり原作の話+仮面ライダー混じりです」


 
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