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ピンチです、助けてください!
そんな支援要請があった。
ピンチです助けてくださいとあっちゃしかたない。
今回、草薙が支援したのは——美味しい食材を輸入している、とある日本の食品会社だった。
「フードロスを削減やないの」
(今回はちょっと日本応援要素が薄いかもしれんけどな)
彼らは、“うまいもん”を仕入れて、日本で販売する輸入会社。
しかし、近年の大陸からの被害や物流の混乱により、大打撃を受けてしまった。
そして今——数十トンのソーセージが売れ残っているという非常事態。
このままでは、大量のソーセージが廃棄になり、会社も大赤字。
「なんとかならんのか」
彼らが掲げたのは、「食べて応援してください!」という、まさに命懸けのクラウドファンディング。
「フードロスってやつだな」
食べられるのに廃棄される、もったいない食材たち。
それが“フードロス”。
(もったいないやないの……)
これはまさに、日本人の「もったいない精神」が試される時だ。
(環境にもよろしくないやないの)
捨てればゴミ、食べれば資源。
そして、廃棄にはエネルギーもコストもかかる。環境負荷も大きい。
「それもまた良し」
これは立派な“日本応援”やないの。
草薙は静かに支援の手を差し伸べた。
届いた一つは——ホワイトソーセージ。
見た目は白くてぷっくり、なかなかの存在感。
「食うぞ」
ひとくち——
「……うまい」
口いっぱいに広がる、まろやかな味わい。
さすがは「うまいもの」を見極めるプロの選んだ一品。
「これを廃棄なんて、もったいない」
その味に、草薙はしみじみとうなずいた。
量も多く、味もよし。
クラウドファンディングの“お得感”も申し分ない。
「いいぞ、食うぞ」
そして——
「うむ!」
フードロス削減!
食べて応援!
うまいもの万歳!
草薙は、今日もささやかに、そして確かに——
日本の未来を食卓から支えていた。
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