陽光「早う! 早うするのじゃ天洸!」
天洸「はいはい姉さん。そう急かさないでくれ。店は逃げやしないって」
ある晴れた日、天空稲荷神社本殿。
天洸「さ、着替え終わったよ。行こうか」
陽光「うむ!」
二人が向かった先は、雪天仲見世の和スイーツの店。
歩きながら。
天洸「フフフ、姉さんったらすっかりあの店が気に入ったようだねw」
陽光「うむw 神社の近くにあのような店があったとはのう」
店の前まで来た二人。
陽光「さて、今日は何を買おうかの。饅頭、羊羹、練り切り、いちご大福…いろいろ迷ってしまうの」
天洸「姉さんったらw」
セリア「こんにちは、お二柱様」
天洸「おや、セリアさんじゃないか。あんたも何か買いに来たのかい?」
陽光「和服姿で和スイーツの店に来るとは、お主なかなか気合が入ってるのw」
セリア「だってここ私の店ですから」
陽光、天洸「は!?」
和菓子処 瀬梨庵
陽光「あ、看板…」
天洸「店の名前までは意識してなかったよ。あんたが経営者だったとはね…」
セリア「はい。ということで、これからもよろしくお願いしますわ」(にっこり)
『こら待てー!』
『誰が待つかよ、ウィ~ヒック!』
陽光、天洸、セリア「!?」
水色豚の男が、三人の前を駆け抜けて行った。
食堂の店主「ハア…ハア…ハア…。クソッ、もう走れねえ! 何て逃げ足の早い奴だ!」
セリア「どうしました食堂のご主人?」
食堂の店主「ハア…ハア…。食い逃げですよセリアさん! あの水色豚男、酒と鍋を散々注文しといて!」
セリア「何ですって!?」
陽光「…聞いたかの天洸」
天洸「もちろん聞いたさ。いっちょ行っとこうかね」
セリア「私もお手伝いしますわ」
陽光、天洸、セリア「テールフラーッシュ!!」
三人の正義のスーパーヒロインが超高速で豚男を追い越し、進路に立ち塞がる。
豚男「何だてめえら? ウィ~ヒック!」
陽光「お主、こんな明るい時間から酒とはいいゴミ分じゃの」
天洸「しかも食い逃げとか!」
セリア「覚悟しなさい!」
豚男「面白い! やれるもんならやってみな! ウィ~ヒック!」
陽光、天洸、セリア「どりゃーっ!!」
ドカッ! ドカッ! ドカッ!
バキッ! バキッ! バキッ!
グシャツ! グシャツ! グシャアッ!!!
豚男「ギャーッ!! ウィ~ヒック!」
・・・・・・
陽光「このぐらいでいいかの。店主殿、110番じゃ」
食堂の店主「あ、はいっ!」
ボロボロになった食い逃げ豚男は、駆けつけた警官たちに連行されて行った。
瀬梨庵。
スーパーヒロイン姿から普段着に戻った三人。
陽光「やれやれ、とんだ食前運動になってしまったの」
天洸「だねえ。さて、何を買おうか?」
セリア「それなら、おすすめがございますわ。今日から発売開始ですの」
陽光「ほう。ではそれを頼もうかの」
セリア「はい、ありがとうございます!」
降り注ぐ太陽の光が暖かい、ある晴れた日の出来事であった。
=END=
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