雁宿暖太によるメルヘン化解除薬開発から約半年。
二十年余にも及ぶ社会問題が解決に向かったのは確かなのだが、
一方で「一部の労働、生活面で有用な形態」への憧れは（特に米国中心に）燻り続けていた。

そこに着目した雫石駒鳥は安心安全な変化付与薬の開発に着手。

続きを表示

遺伝子組み換えにより特定の変化因子を含むキノコの胞子を用いる手法で
胞子が付着している間のみ変化を実現しようというものである。
現在、変化できる形態が乏しい上に風が吹くと近くの人まで変化が伝染する欠陥があり、
環境への影響も含め、当面は研究室レベルで改良が進められる事になりそうである。

後にこの変化の日常化が社会に混乱と変革をもたらし、
法整備の果てに「フェアリーリング」と呼ばれるポータルを利用した
合法変化チェーンへと進んでいく。その時代においてルフのような存在は珍しくはない。