No.1093321

三年目の新婚さん

砥茨遵牙さん

バナーの村、英雄イベント捏造。新婚旅行三年目の4坊夫婦に2主くん達が出会う話。
この2主くんは既にルカ様を監禁したのがシュウにバレています。
坊っちゃん→リオン
4様→ラス
2主→ヒエン

2022-05-31 12:01:57 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:345   閲覧ユーザー数:345

バナーの村にて、通せんぼをしていたエリをおびき出すためコウに手伝ってもらい、ヒエンに似ているという人の元へ来たヒエン一行。

そこには、池で釣りをする人物。背を向けているため顔は分からないが、同行していたビクトールがあっ!と声を上げた。

「リオン!お前リオンだろ!」

ビクトールの声を聞いたその人物はくるっと振り返る。

「ふわぁ、綺麗な人…。」

同行していたナナミも思わずため息をつく。黒髪に朱色の瞳の、気の強そうな美人。

「ひっさしぶりだなぁリオン!」

「お前いつこっちに来てたんだ?」

ビクトールとシーナが親しげに話しかける。

その美人は、無表情で立ち上がると、

「…熊、シーナ。」

ドスの低い声を発しながらこちらに近づいてきた。名指しされた二人は、やべっあいつガチギレしてる、と気付いたが後の祭り。

美人が二人の胸ぐらを掴み、グイッと持ち上げて、村に向かってぶん投げた。

「うわ待て待て待て、ギャーッ!!」

「ギャーッ!!」

ピューッと飛んで行ったビクトールとシーナ。ゴゴゴゴゴという効果音が鳴るほどに、美人はお怒りである。

ただならぬ様子に、ナナミとヒエンがフリックの後ろに隠れた。

「ねえねえフリックさん、あの綺麗な人誰?」

「ビクトールさんとシーナさんの知り合い?」

「あー、いや、知り合いっていうか、俺達のリーダーだった奴。」

「リーダー?」

「トランの英雄、リオン・マクドールだよ。」

「えっ!?あの人が!?っていうことは、男!?」

「あの人男の人だったんだ…。女の子としてはめちゃめちゃ悔しいほどに美人…。」

「ていうかお前ら俺を盾にするな。」

「いやここはフリックさんかなーって。ねー、ナナミ。」

「ねーっ。」

「お前ら……。」

と、件のリオン・マクドールがずんずんとフリックに近づいてきた。フリックは、久しぶり、と声をかけたが、やっぱりガシッと胸ぐらを掴まれ持ち上げられる。

「ぐえっ。」

「何故邪魔した。」

「じゃ、邪魔って、何が、」

「やっとだ、やっと、魚がかかったところだったのに。」

「は?」

「貴様らのせいで逃がした。」

「そ、それでお前、ぐえ…」

「わーっ!わーっ!とりあえず降ろしてあげてくださぁい!」

「お、お魚ならわたし達が買いますからー!」

「………。」

ヒエンとナナミの懇願により、パッと手を離したリオン。ドサッとフリックが地面に落ちる。

「…青、この子達は?」

「ゲホッ…、ど、同盟軍軍主のヒエンと、その姉のナナミだ。」

「はっ、初めまして。ヒエンっていいますっ。」

「初めまして!ナナミでっす!」

「…そうか、君が…。私はリオン。リオン・マクドールだ。」

トランの英雄にお会い出来て嬉しいと伝えると、そう言われるのは好きじゃないと素っ気なく返される。そのタイミングで、ビクトールとシーナが戻ってきた。

「おー、いてて…。」

「何でそんなに怒ってんだよリオン。」

「魚逃がしたんだと。」

「それぐらいでキレてたのかよ。」

「…それぐらい、だと。」

再びゴゴゴゴゴという効果音が鳴って、何故か黒いオーラが見える。コラッとビクトールがシーナを肘で小突いた。

「お前達は旅する中で自分がどれほど相手の役に立ってないか、考えたことはあるのか?全てにおいてそつなく完璧にこなされて、やることがないんだ。この三年、私は己の無力さを思い知った……。」

「…あー、なんとなく分かってきたぞ。」

そういやこいつお坊ちゃん育ちだった、前も従者がいたしなぁ、とビクトールは一人ウンウンと頷く。師匠とお前と旅の年期が桁違いなんだから仕方ねえじゃん、とシーナがツッコミを入れたが、うるさいと一蹴された。

「食材を取りに来て、やっと、やっと、魚がかかったところだったのに。お前らのせいで……。」

「わー!わー!そ、そういやよ!お前がいるってことは、師匠もいるってことだろ!?」

「師匠?シーナさんの?」

「お前がラスを師匠って呼ぶな。ラスの美貌が損なわれる。」

「お前相変わらずキッツいな!?」

普段から軽いシーナが師匠と呼ぶ人物がいることにヒエンとナナミは驚いた。他の二人も知っているか聞こうと振り向いたら、ビクトールはフリックを見てニヤニヤしてるし、フリックは緊張してるようだった。

と、そこへ。

「おや、お客さんかな?」

「っ!?」

いきなり背後から声をかけられた。音もなく現れた気配にヒエンとナナミが飛び上がって、振り向くと。

黒い服に栗色の髪に赤いバンダナをした蒼い目の、背の高いとんでもない美形がいた。

[newpage]

「こんにちは。」

「こ、こんにちは…。」

「ふわあぁあ…。か、かっこいいぃ…。」

美形を至近距離で見たナナミが両手で口を押さえてキャパオーバーしてると、青年が二人に目線を合わせるように身を屈めて微笑んだ。

「ありがとう。君達のような可愛いお客さんに誉めてもらえるとは、光栄だね。」

「キャーっ!ちょっと聞いたヒエン可愛いって!こんなにかっこいい人に可愛いって言われたよー!」

「いだいいだいいだいいだい!僕が可愛いのは当然だから!叩かないでナナミ!」

バシバシ腕を叩かれて痛い。叩かれた腕をさすっていると、青年がヒエンに大丈夫かい?と声をかけてきて。大丈夫ですと返して、二人が自己紹介する。

「えっと、ヒエンっていいますっ。」

「ナナミです!」

「ああ、君が同盟軍の。」

「えっ?ヒエンのこと知ってるんですか?」

「この村のコウくんが話していたよ。改めまして、僕はラス。ラス・ジュノ・クルデスだ。よろしく。」

青年、ラスがニッコリ笑って。ナナミがキャーっと黄色い悲鳴を上げる中で、ヒエンは先程からラスにキュンキュンしていた。

おかしい。この人にも獣のような魅力を感じる。例えるなら、ルカは狼、この人は黒豹。スマートな見た目ながらも獰猛な獣の気配がする。微笑みかけられると、心臓が破裂しそうだ。ああもう耐えられない。僕はルカ一筋なのに。

「あのっ、そのっ、」

「ん?」

「抱いてくださいっ!」

「こらヒエンっ!初対面の人になんてこと言うの!」

「いでっ!」

ナナミにぽかっと叩かれた。そこにまあまあ、とシーナが近寄ってきて宥める。

「やっぱいくらアニマル大好きヒエンでも即落ちしたかー。クゥーッ!流石は師匠!美少年キラーご健在!そこに痺れるゥ!憧れるゥ!」

「おや、シーナ。久しぶりだね。」

「お久しぶりっす!師匠!」

「えっこの人がシーナさんの師匠なの!?」

「俺の憧れよ!」

「僕は特に何も教えてはいないのだけれど。でも、立派な青年になったね。それだけ立派になったら、僕にはもうときめいてくれないかな。」

「いや師匠美青年キラーでもあるから。俺今も胸キュン。師匠ガチで推せる、ガチで。」

「ははは、ありがとう。」

美少年キラー?とナナミが首を傾げると、シーナがジーン譲りの口上を述べて。スゴーい!とナナミがキラキラした眼差しをラスに向ける。

道理でときめくと思った…、僕可愛い美少年だからなー、とヒエンが叩かれた頭をさすりながら、ふとビクトールを見ると。

何故か背後に薔薇を背負って、ベル○ら風に作画崩壊していた。

紫の薔薇の人(ラス様)っ…!」

「うわっビクトールさん気持ち悪ーいっ!いろいろ混ざってる!」

「えっ?あっ、ホントだ!ヤダー!どうしたのビクトールさん!?」

「うわーその顔三年ぶりだなー。」

「ビクトール、元気そうだね。」

「はいっ。元気モリモリでございますわ。」

「口調まで気持ち悪いーっ!!」

「やだー!」

あのビクトールが畏まった口調をしていることに、ヒエンとナナミは驚くと同時に鳥肌が立ち、このビクトールさんを前にしても全く動じないラスさんすごい、と思った。

「その顔やめい!」

「いでっ!」

フリックがビクトールの頭にチョップして元に戻った。フリックに心の中で感謝するヒエンとナナミ。ビクトールとフリックのやり取りを見て、ラスがはははは、と笑い声を上げる。そのラスを見て、フリックが緊張したように体が固まった。

「あっ、えっと、その…」

「久しぶりだね、フリック。」

「ひ、久しぶ、り…。」

「君の活躍も聞いているよ。立派な戦士になったようだね。」

「そ、そんな大したことは、してない、」

フリックをよく見てみると、心なしか顔が赤い。基本運は悪いが頼りになる大人なフリックが、こんなにしどろもどろになるのは珍しいなーとヒエンが見ていると。ビクトールが、フリックもあの人に憧れてんだよ、と教えてくれた。

すると、再びゴゴゴゴゴという効果音が聞こえてきた。ギギギとラス以外の全員が振り返ると、リオンが怒りの黒いオーラを纏っている。

「…青。」

「あっ、いやリオン、これは、だな!」

わたわたと慌てるフリックを余所に、リオンがズンズンズンと歩いてラスの隣に来ると、その左腕に自分の右腕を絡ませた。

「ラスは私の伴侶だ。色目使うな。」

「へっ?」

「えっ?」

ヒエンとナナミが驚いていると、ラスがリオンに妬いてる?と問いかける。妬くに決まってる、と無表情ながらもどこか拗ねた返答をするリオン。すると、ふふっとラスが笑って、

「可愛いなぁ。」

と、右手でリオンの顔を自分に向けさせ身を屈めて、チュッ、と唇に軽く触れるだけの口付けをした。ばかっ、と顔を真っ赤にさせて、顔を隠すようにラスの二の腕に押し付けるリオン。

あまりに流れるようなイチャイチャっぷりに、一瞬時が止まって。

「えっ、えっ、えええ~っ!?」

「キャーっ!!キャーっ!!」

ヒエンとナナミの叫びが辺りに響いた。

ラスとリオン、二人は伴侶。連れ合い。愛し合う仲。

シーナによると、何でも解放戦争の頃から恋人同士で。戦争が終わってから二人は伴侶となり、旅に出たそうな。

「こないだトランに帰った時グレミオさんが言ってたぜー。新婚旅行三年目ですって。」

「まだ言ってたのか。」

「もう三年目なんだけどね。」

揃って苦笑いして。ナナミはキラキラと目を輝かせながら二人を見て、

「お似合いすぎる~。アップルちゃん喜ぶだろうなぁ。」

と呟いた。アップルも同盟軍にいるという事実に二人が驚いて、更にシーナがルックもいると教えると、それは知っていたと返ってきた。ルックに関してはレックナートが知らせてきたという。

レックナートと知り合いなのか聞こうとしたその時、エリが息を切らしながら走ってきた。

「あ、あのっ、コウが、コウが山賊にっ!!お願いです!!助けてくださいっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

宿屋に戻ってエリの話を聞くと、どうやらコウは本当に山賊に拐われてしまったようだ。

自分達がコウを危険に晒した事実に動揺を隠せないヒエン。

「お願いします、リオンさま。どうか、どうか、コウを助けて下さい。」

「私、は…。」

とその時、リオンのソウルイーターが光を放つ。何とか光を抑え、膝をついたリオンをラスが支える。

「大丈夫だよリオン。ソウルイーターは悪いものじゃない。君とテッドを引き合わせたものだ。それに万が一の時は僕もいる。だから、大丈夫。」

「ら、す…。」

「お願いします、リオンさま。わたし……、わたし知ってるんです。あなたがあの時の英雄だってこと……」

エリの言葉に驚くリオン。何でもエリはあの戦争時、家族と離ればなれになり、マリーの宿屋にお世話になっていたと、あの解放戦争を一緒に戦ったのだという。

「わたしにとって、あなたはかけがえのない人でした。その、あなたの恋人も……」

「んっ?」

エリの言葉にナナミは引っ掛かった。もしかして、エリちゃんも?

「お願いします、リオンさま。コウを……、コウを助けて下さい。」

「……。」

スッと立ち上がったリオンがスタスタと歩いてヒエンに近づき、肩をポンと叩く。

「君も、行くのだろう?」

「はいっ。」

「ならば、同行させてほしい。」

「いいんですかぁ!?ありがとうございますぅー!」

「おっしゃあ!行こうぜリオン!ヒエン!」

「僕も行こう。ソウルイーターが暴走したら、僕じゃないと抑えられないからね。」

「やった!師匠も一緒だぜ!」

パーティの面々が宿屋を出ていく中で、ナナミがエリにこっそり耳打ちする。

「私の持ってるアップルちゃんの本、帰ってきたら貸してあげるね。」

「へっ、えっ?」

「エリちゃんも、そうでしょ?」

「っ!」

「あの二人の昔の話、聞かせてねっ。」

「はいっ。」

ナナミがグッと親指を立て、エリもまたグッと親指を立てて、一行の後をついていく二人。お腐れ仲間ゲットの瞬間であった。

 

 

 

山賊をこらしめ、紋章の力でモンスターを退治したが、毒を浴びたコウの治療のためにグレッグミンスターのリュウカンの元を訪れた一行。コウの治療が終わり、レパントに大統領の座を渡されそうになったリオンが『私に世を平和に治める才能は無い。それに、ラスの隣が私の居場所だ。』と断り、尚も渋るレパントをアイリーンが『二人の邪魔しちゃ駄目よ。私達の新婚の時もああだったでしょう?』と制し、ラスとリオンを見て微笑み『お幸せに。』と言われて。そんなこんなで、ヒエン一行はマクドール邸に泊まることになった。

グレッグミンスターに着く前に、前もってラスが流水の紋章で鳥を作ってマクドール邸に知らせていたようで、グレミオとクレオが出迎えてくれた。旅に出ていたはずのパーンも戻っていて、久しぶりに楽しい夕食を共にする。

夜、クレオと話をしたヒエンは、どうしても聞きたいことがあって、コンコン、とリオンの部屋をノックした。どうぞ、と声がして中に入ると、リオンとラスが二人ベッドに座っていて。二人の仲睦まじい様子に、ヒエンは思わず、

「いいなぁ…。」

と呟いた。

ヒエンの呟きにラスとリオンは顔を見合せる。聞きたいことって何?とリオンが問うと、ヒエンは

「あのっ、どうやってお二人が結ばれたか教えて下さぁいっ!」

と興奮した様子で聞いてきた。何でも、好きな男性をようやく手元に置くのに成功したが、まだ向こうから好きとも言われてないし、キスも出来てないとのこと。アップルに借りた本を読んで、いっそ既成事実にするかなー、と悩んでいると。

「お二人はどちらから告白したんです?」

「えっと…、私、から。」

「おおっ!僕もですー!ついでに、タチネコどっち?」

「ええっと…」

「ヒエンくん、その手の質問は僕が。僕がタチで、リオンがネコ。」

「ラスっ。」

「やっぱりー!」

「既成事実を作るとは言っても、君、タチネコどちらが希望なんだい?」

「僕は抱かれたいですぅ。今向こうはロクに動けないし、既成事実作るならチャンスかなって。」

「なるほど、君は積極的なんだね。動けない、とは?」

「右腕は動かないし、他は麻痺が残ってあまり動かせません。」

「うーん、その状態だと君が相当頑張ることになるね…。相手に好きと言ってもらいたいなら、逆効果かも。」

「そんなぁ。」

しょぼんと落ち込むヒエンに、百戦錬磨の男が大丈夫と励ます。

「まずは甲斐甲斐しく尽くしてあげたらどうかな。心が傾くには十分だし、相手に変化が出てきたら、君からキスするのも有りだよ。例えば、向こうが優しさを見せた瞬間に、お礼の意味でするのもいい。」

「なるほど!」

メモを取りながら目を輝かせるヒエン。その後もラスから幾つかアドバイスをもらって、ありがとうございましたぁー!と意気揚々と部屋を出ていった。

「ふふ、いつの時代も恋に真っ直ぐな子は可愛いね。」

「……私は?」

「君が一番可愛い。」

「ん。」

ラスの返答に満足したのか、リオンがラスの頬にチュッと口付けして、ラスに寄りかかる。

「ところで、昼間魚逃がしたことに怒ったって聞いたけど。」

「…熊とシーナ、どっち?」

「どちらからも。君が旅の間役に立ててないって気にしてることも。」

「……。」

あいつらいつか〆る、とリオンが物騒なことを考えていると、ラスがリオンの背に左腕を回して肩を抱く。

「僕は旅慣れてるし、世話を焼くのは楽しいからしているんだけどな。」

「…っ、でも、私だってラスの役に立ちたい。」

「それならもう十分役に立っているよ。」

「どこが?私、何も…」

ラスが肩を抱いたまま自分に引き寄せ、リオンの額にチュッと口付けて、お互いの額をコツンとくっ付けた。

「君がいてくれる。それだけで十分さ。」

「あっ…、」

「こんなに可愛くて、俺を想ってくれる伴侶が側にいてくれるだけで幸せなんだ。君はどうかな?」

「……私も、幸せ。」

密着して、至近距離で笑い合って。この三年間、リオンがいるだけでどれほどラスの心の空虚が埋められたか。もう手離したくない、愛しい存在。

「それに、君は床上手になっても初々しさは無くならないから、俺は十分満たされているよ。」

「っ、ばかっ。」

湯気が出るように真っ赤になるリオンが可愛くて、右腕も背に回して、逃がさないというように抱き締める。身体が更に密着して、リオンも察したようで。お互いの熱が、伝わる。

「あっ…、ら、ラス…。」

「バナーの村の宿屋じゃ出来なかったからね。」

「だって、前に小さな宿屋のベッド、壊した。」

「うん、あれは反省してる。」

それから大きい都市の宿屋以外では控えるようになったのだ。長旅が続いてお互い我慢出来なくなって森の中で致したこともあった。

ラスの熱のこもった視線が、こんなにも近い。欲しているのはラスだけじゃないのだ。リオンもまた、ラスの昂る熱が欲しくて。熱のこもったお互いの視線が交わる。

「…音、消して。」

「ああ。」

「…ラスが満足するまで、抱いて。」

「ああ。」

「…私の中で、いっぱい気持ちよくなって。」

「っ、」

何処でそんな可愛い台詞を覚えてきたのか。ああ、俺か?俺しかいないな。とラスが心の中で自問自答して。辛抱たまらないといった勢いで、リオンの唇に噛みつくように口付ける。

しっかり消音の結界も張りつつ。二人の濃密な時間は過ぎていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、無事にエリとコウをバナーの村に送り届けて。

一週間もしない内にグレッグミンスターまでヒエンが迎えに来るようになり、ラスとリオンがムツゴロウ城に滞在するようになって。

ラスも真の紋章を持っていると知られるのにそう時間はかからなかったのだそうな。

 

 

 

 

 

終わり。

 

 

2軸4坊夫婦設定

 

 

坊っちゃん

リオン・マクドール

166センチ、朱色の瞳、一人称は私

ヒエンの第一印象は気の強い美人。

よく女性に間違えられる。

無表情と毅然とした態度な冷血スパルタ人間。本来は受動的で穏やかな性格だがお堅い。武将として育てられたため脳筋。良くも悪くも性格が父親似。細腕ながらビクトールとシーナを投げられる腕力がある。自分にも他人にも厳しいが大好きなラスの前ではふにゃふにゃになる。だって顔がいいから。

三年間ラスと旅をし、そのスパダリっぷりに何もすることがなくて悩む時期も。

ソウルイーターがラスの魂を狩れないため、時々暴走する。

額に烈火、左手に大地の紋章を宿した。ラスに魔力の使い方を教えられ、一人で合体魔法が出来るようになっている。紋章の選定基準はラスと合体魔法が出来る紋章と、戦いにおいて地形変動出来て有利という理由。魔力の質が火と相性抜群のため烈火の紋章をよく使う。

トランの英雄呼びが好きではない。戦場にはたまにソウルイーターに食事させるために出ることもある。

脳筋で育ってきたため料理は出来ず、フライパンを爆発させるのは日常茶飯事。教養としてダンスは踊れるが音痴。

黒真珠のピアスを右耳に付けている。左耳はラスの瞳の色のようなサファイアのピアス。

 

 

 

4様

ラス(ラス・ジュノ・クルデス)

182センチ、栗色の髪、深い蒼の瞳、瞳孔に橙色の光彩、一人称は僕(本性は俺)

ヒエンの第一印象はとんでもない美形の黒豹。

温和で能動的、思慮深い性格。強靭な精神力と人を惹き付けるカリスマ性を持つ。誰に対しても優しいが、それは他人の性質を図るため。時には人が憚る仕事を引き受け、時には他者にそれと悟られぬように働きかけ仕掛けるタイミングは逃さず利用する狡猾さを持ち合わせている。残酷なほど他人に優しいが残酷なまでに狡猾な男とエレノアから評価される。

リオンとルック以外の他人の前での一人称は僕。

リオンと伴侶になっても美少年(美青年)キラーっぷりは健在。シーナ曰く、彼に一度ときめいたらずっとときめいてしまうし推せる。顔がいい。

基本何でも出来るスパダリ。人と旅をするのが久しぶりで楽しくて、リオンの世話を焼いてしまう。

紋章は額に雷鳴、右手に流水。

ムツゴロウ城で息子のルックに会うのが楽しみ。

薔薇の剣士~ラインバッハ才能世の冒険鐔~の主人公ラインバッハ三世の唯一の友として書かれており、ラス本人も親しい友人だったと認めている。薔薇の剣士の大ファンのビクトールからは紫の薔薇の人と呼ばれる。

かつての恋人を失ってから各地を旅し、百年ほど武者修行していたためものすごく強い。それを後進に惜しむことなく指導する器量を持つ。一閃の紋章を宿さないのは普段から一振りで数十人斬れるためあまり変わらないのと、首を斬れなくなるから。

罰の紋章の主であり、この世界においてレックナートと同列の役割を担っている。罰の紋章が魂に絡み付いて寄生しているためソウルイーターでも狩れない。

右耳にリオンと分けた黒真珠のピアス、左耳にはリオンの瞳の色のようなルビーのピアスを付けている。

 


 
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