私は今、生命を生み出そうとしている。
その生命は、世の人々が言う生命とは大きく異質なものであるかもしれない。だが、私はその者達を生命あるものとして扱う。
生命は、そこに存在していれば、あるものなのだ。
私の目の前にいる者達は、全て意識があり、生命を有している。私自身が創り出し、私が一部肉体に改造を施したという事を除けば、そこにあるのは立派な生命なのだ。
もちろんこの技術は、法により固く禁じられている。
人の道を外れた行為。そして、社会に大きな悪影響を及ぼす行為。そのように言われている行為でしかない。
だが、私は思う。
そのような法の枷が、人類の進歩の大きな妨げになっているのだ。
私は、その枷から解放されている。
この研究を始めた時から、いや、私自身が生まれた時から、私には枷が無いのだ。
人の道を外れた行為とでも何とでも言うが良い。
いずれ、人類は気づくであろう。私が、新しい技術と進歩の扉を開き、そこに新たな道を作り出したのであると言う事を。
今、最初の私が生み出した生命が誕生しようとしている。
正しく言えば、すでに誕生している。
彼女は、私がこの研究を始めた時からすでに誕生しているのだ。
だが、その彼女を生体ポッドの中から解放する瞬間、私の心は躍り、思わず笑みを隠すことができなかった。
解放スイッチを押す瞬間。私は指の震えを抑えることができなかった。
それだけ興奮している自分に気づく。
さあ、目覚めよ。
お前から全ての歴史が始まるのだ―。
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リリカルなのはStrikerSのナンバーズ達が主役の小説です。
プロローグは、博士がいよいよ、ウーノお姉様を誕生させるシーンとなっています。