No.107262

女王の血族。

LEGANさん

思いつき短編小説。

2009-11-15 19:38:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:461   閲覧ユーザー数:451

昔々、才色兼備な女王がおりました。

 

 

彼女は、民、臣下を思い、自然を愛でました。

だからこそ。

 

 

「愚かな! 隣国を攻めようと得ることなどない!」

女王は、戦を善しとしません。

争いを好まない強かな女性でした。

 

 

「貴女の考えることは、古いのですよ」

黒い影が動き出していました。

 

 

「もう、貴女は必要ない。 美しいだけの徒花など」

信じていた臣下は、欲に駆られ闇に支配されていました。

 

 

「私を始末しようと……得られるものは、何一つありません」

女王は、静かに言いました。

 

 

「理想だけを歌う女王など消えてしまえばいいのです」

臣下の目には、闇しか映っていませんでした。

 

 

「闇に支配された哀れな者よ…。 そなたは、光に怯え続けることになる」

女王は、そのまま二度と目を覚ますことはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

「……今、とっても平和よね?」

少女は、首をかしげながら問う。

 

「ほっほっほっほ! 当たり前じゃよ」

 

「??」

 

 

「その臣下は、すぐに女王の光に平伏したんじゃ」

少女は、目を丸くする。

 

 

「女王の息子にのう」

 

 

当時の王の年齢は、18歳。

まだ若く誰もが先に不安を感じた。

 

しかし、母の血を受け継ぎその才は母をも凌いだ。

多少、難ありではあったが。

 

 

「お前達の好きにさせるわけないだろう?」

その一言で隣国へ攻め入る、万を越える兵を自ら倒した。

 

文武両道のその男。

 

 

「それって、じい様の話?」

にっこりと笑うと。

 

 

「お前さんはのう、母上にそっくりじゃよ」

 

 

 

その娘、女王の血を受け継ぐ。

若き女王。

 

 

「まっ、そりゃ女王やってますからね~」

 

 

 

その歴史は、平和を紡ぐ。


 

 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する