No.1063340

スマブラ Stern des Lichts 87 ~戦いの果てに~

Nobuさん

魔物との戦い、その3。
ここでも、より熱い描写を目指しました。
そして、次回がキーラ・ダーズとの最終決戦となります。

2021-06-02 10:54:33 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:640   閲覧ユーザー数:640

 スマブラメンバーの活躍で、ボスが三体倒れた。

 光と闇の数が合計で奇数になった事で、ぶつかる相手がいないものが出てきた。

 ファルコン、ピーチ、ミュウツー、ロックマン、マール、テリーは闇の中に飛び込んだ。

 

「ハハハハハハハハハ! またボクに挑むのサ? 返り討ちにしてやるのサ!!」

 闇の中で待っていたのは、マルクだった。

 この六人は戦った事がないが、マルクは強者のオーラを漂わせており、六人は全員、唾を飲み込んだ。

「みんな、攻撃に気を付けて!」

「ああ!」

 ピーチは魔法で不可視の壁を作り出し、味方全員の防御力を高めた。

「ロックバスター!」

 ロックマンのバスターから、光の弾丸が放たれる。

 マルクは抵抗したため、ダメージは入らなかった。

「それっ、それっ、それっ!」

 ミュウツーはシャドーボールを3つ作り出し、マルクの視界の範囲外に設置した。

 マールはスプラシューターを連射してマルクをとにかく攻撃していく。

「この戦いに、必ず勝つぜ!」

 テリーがマルクを指差してそう言うと、マルクが一瞬だけ萎縮した。

「許さないのサ!!」

「うおっ!」

 しかし、それに怒ったマルクはテリー目掛けて急降下し、ファルコンの攻撃をかわしてテリーを吹っ飛ばす。

「いたいのとんでけ!」

 ピーチが手から光を飛ばし、テリーの傷を癒す。

 テリーは空中にジャンプし、マルクを殴る。

「それ!」

「??」

 ロックマンはマルクに爆弾をくっつける。

 マルクは少し困惑しつつも、六人に向かって爆撃しようとするが、突然、爆発がマルクを襲った。

「な、何なのサ!」

 実は、これはくっつけて時間が経つと爆発する、クラッシュボムである。

 マルクはそれに反応できず、ダメージを受けた。

「えいっ!」

「……」

「ウアアアァァァァァァァ!」

 マールがスプラシューターを撃つと同時に、ミュウツーが一斉にシャドーボールを放つ。

 連続攻撃を喰らったマルクは、体力を一気に削られた。

「みんな倒してやるのサ!」

「きゃっ!!」

「うおっ!!」

 マルクは空中から爆弾を落とし、爆発によってマール達を吹っ飛ばす。

「ふんっ!」

 ミュウツーは手を振り下ろし、マルクの空間を真っ二つにする。

 マルクは冷気を放ってファルコンを凍らせ、さらにレーザーを放って攻撃する。

「それっ!」

「とおっ!」

「パワーダンク!」

 ロックマンはマルクにロックバスターを連射する。

 テリーとファルコンの格闘技は、マルクが飛び上がってかわしたため当たらなかった。

「このぉっ……当たれ!」

「みんなげんきになあれ!」

 チャージしたロックバスターがマルクに直撃。

 直後にマルクは爆弾を落として攻撃したが、ピーチが回復魔法を唱えて傷を癒す。

「とどめだ」

「ギャアアアアアアアアアア!!」

 そして、ミュウツーがマルクの空間を切り裂き、マルクを再び倒したのだった。

 

「これで大丈夫だ」

「みんな、後は頼んだよ……!」

「ファルコン達が道を託してくれたぞ! 後は、(わたし)達に任せるがよい!」

「ああ! 油断禁物だぜ、瑠璃!」

 ガレオムに挑むのは、瑠璃、ダークリンク、クロム、ルキナ、ルフレ、カムイ、ベレスの七人。

 強くなっているだろうと七人は身構えた。

「暗黒斬り!」

「光剣!」

「残念だったな!」

「マーベラス・コンビネーション!」

「トロン!」

「いきます!」

「……はっ!」

 だが実際のところ、復活したガレオムは、今の瑠璃達の前には歯が立たなかった。

 そのため、ガレオムは一方的にやられ、いつも落ち着いている瑠璃もきょとんとしていた。

「……ガレオムは、こんなに弱かったか?」

「いや……単にオレ達が強くなっただけじゃね?」

「……そう、だな」

 

 そして、ドラキュラに挑むのは、シモン、リヒター、サムス、ルイージ、シュルク、ミロの六人。

「みんな、攻撃に気を付けて!」

「1、2、3、4、5、6、7、8……」

 シュルクが号令をかけて、皆の士気を上げる。

 ルイージは準備運動をして、構えを取った。

「バックスラッシュ!」

「せいやぁぁぁ!」

 シュルクは背後に回り、モナドで斬りつける。

 直後にミロが、爪でドラキュラを切り裂いた。

「ふんっ」

 ドラキュラは霧を呼び出し、部屋中に広げる。

 ミロは口を塞いでいたため効果はなかったが、それ以外の四人は霧を吸い込んで混乱した。

 ルイージはすぐにオバキュームで霧を吸い込む。

「ゴホッ、ゴホッ……!」

 リヒターが咳き込みながらヴァンパイアキラーを振るが、ドラキュラにはギリギリで当たらなかった。

 シモンの投げた手斧もドラキュラには当たらない。

「そこね」

 サムスはドラキュラがいる方向にミサイルを放つ。

 爆発が起こると共に、霧が消えた。

「ドラキュラが、倒れた……?」

「いえ、まだよ」

 サムスが倒れたドラキュラを見ると、ドラキュラはゆっくりと起き上がり、魔神の姿に変わった。

「変身したか! だが!」

 リヒターはドラキュラに向けて聖水を投げつけ、聖なる炎がドラキュラを包み込む。

 ドラキュラはリヒターに爪を振りかざし反撃した。

「ぐあぁっ!」

「ああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ミロは暴走しながら、ドラキュラを攻撃する。

 シュルクは相手の出方を見極めながら、モナドでドラキュラを斬りつける。

 ドラキュラの攻撃は激しいが、リヒターは的確にかわして鞭で反撃。

「モナドスマッシュ!」

「チャージショット」

 シュルクはモナドをレーザーのようにしてドラキュラを貫き、サムスがチャージショットで追撃する。

 ルイージもオバキュームで吸い込んだドラキュラの炎をエレメントとして放つ。

「これで、とどめだ!!」

 そして、シモンのヴァンパイアキラーがドラキュラの急所にクリーンヒットし、ドラキュラは倒れた。

 こうして、全てのボスは再び敗れ去るのだった。

 

「後はキーラとダーズだけだ……」

「絶対に勝って、帰ってくるのよ……」

「たとえ悪い未来が見えたとしても、君達なら絶対に変える事ができるよ」

 そして、マリオ、リンク、カービィ、ピカチュウ、イレブン、ソニック、シャドウ、ベルの八人は、キーラとダーズの玉座に辿り着いた。

「よくぞここまで来た」

「我が軍を退けるとは……誉めてやろう」

「キーラ……ダーズ……!」

 光と闇の化身、キーラとダーズはゆっくりと玉座を降りて八人に語り出す。

「お前達はまだ分からないのか?」

「我らの望む世界が、どれほど素晴らしいかを」

「なんだと……」

 キーラとダーズは傲慢な態度を崩さない。

 マリオ達はいつキーラとダーズが攻撃を仕掛けてきてもいいように、身構える。

「我は、誇りをもたらす光の未来を紡ぐ者。それは人々が秩序立って行動する、災いのない理想の世界。我は眩き光でこの世界を照らす!」

「余は、安らぎをもたらす闇の未来を紡ぐ者。それは人々が永遠の安息を得る、争いのない理想の世界。余は暗き闇でこの世界を閉ざす!」

「「さあ、受け入れよ、新たなる創世を!!」」

 キーラとダーズの提案に対し、八人は全員首を横に振った。

「そんなの、お断り! 理由? 簡単だよ。君達のせいで、僕のお昼寝タイムとご飯タイムを邪魔されたから!」

「災いも争いもない世界だと? お前達が災いや争いを起こしたのに、手のひらを(かえ)すとは……愚かだな」

「僕達は平和を取り戻すためにここに来たんだ。だから、僕達はここで、君達を倒す」

「正義の味方気取りが、戯言を!」

 ダーズは怒りに震えながらイレブンに叫ぶが、イレブンは首を横に振った。

「……正義の味方気取り? 違うよ。勇者は、正義の味方じゃないんだ。

 何故なら、正義は突然逆転するほど不安定で、正義のための戦いはどこにもないからだ」

「この世界は灰色だから、全てを受け入れるのよ。光も闇も、強すぎたらこの世界じゃなくなるわ」

 ベルの言う通り、光だけでも、闇だけでも、この世界の均衡を保つ事はできない。

 そもそも、この異変が起きたせいで、争いの世界そのものが終焉へと向かっていたのだ。

「新たなる創世こそ、災いのない世界なのだ! 我が災いを起こさぬように導くというのに……。貴様は、災いのない世界を拒むのか!?」

 キーラはベルに自らの理想を問うが、ベルは鋭い目でキーラを睨みつけた。

「災いは様々な事が絡み合ったから起こるものなの。それを無視して、あんたの都合だけで世界を思い通りに操るのは間違ってるわ!」

 ベルが守りたいものは、あくまでも世界だ。

 一柱の神の都合で世界をやり直されては、世界に生きるものが困るというのが本音だ。

「こうしてシャドウと一緒に戦ってる夢も、あと少しで覚めるな……。それでも、この楽しい夢を見せてくれてThank you!」

「お前らが言ってる新たな創世は、世界を思い通りにしたいだけの、ただの我儘だ」

「そのために俺達を巻き込んで、操って……。覚悟はできているだろうな?」

「キーラもダーズもやっつけて、今の世界を守る! 光も闇も関係ない! 侵略者は侵略者だ!!」

 そして、マリオ、リンク、ピカチュウ、イレブン、ソニックも、最初の攻撃で生き残ったカービィ、シャドウ、ベルの仲間として共に戦う事を決めた。

 最早、八人に見えているのは、キーラとダーズのみだった。

 

「我儘、だと……!? 愚かな被造物め……!」

「どこまでも我らと敵対するか……!」

 マリオに「我儘」と言われたキーラとダーズは、新世界の創世を拒否した八人を鋭く睨みつけた。

 だが、八人がそれで怯むはずはなく、表情を引き締めてこう言った。

「するぜ! お前らみたいな我儘野郎に、この世界を渡してたまるかよ!」

「自分の世界のために関係ない奴まで巻き込んだ時点で、お前達は神様失格だ!」

「ああ……俺達にとっての神様は、もっとお茶目で、トラブルは起こすけど世界を侵略はしない右手袋と左手袋だけだ」

「どんな困難にも立ち向かう、勇気ある者。それが『勇者』の本当の意味なんだ」

「さあ、これがLast Gameだ。必ず勝って、この世界に帰るぜ」

「私、ベル・クリーブは、死神として、争いの世界の秩序を乱すものを排除する! お涙ちょうだいだと思わないでよね!」

「僕は自分が信じた道を行く。そして僕は、その道のゴールに行こうとしている。

 覚悟するんだな、キーラ、ダーズ。貴様らを必ず討ち、ゴールに辿り着いてみせる」

「平和な時間を邪魔する奴は、何度でもやっつける! 未来なんか欲しくない。今がずっと続いて欲しい! だから……僕達は、絶対に勝つ!!」

 

 光と闇の化身との最終決戦が、始まる。


 
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