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~少年が望んだ世界鳥から~

第六十五話 仮面の男

2020-05-03 17:04:06 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1565   閲覧ユーザー数:1544

前書き

 

ARXー7アーバレスト「これまでの~少年が望んだ世界と力~は」

 

仮面の男「私達はこの世界、そして未来を守る為に行動をしているだぞ」

 

健悟「誰も、誰も人の未来を奪うことは出来ない!そしてそれを妨げるなら俺は全力で排除する!

 

健悟「他人の都合で犠牲となり、命を狙われるのがどれ程醜く、恐ろしいものなのか。教えてやる」

 

 

3人称Side

リンディ提督が持つデバイス、デュランダルを狙って野田家に侵入した仮面の男達だが、彼らの接近を感知していた健悟が待ち構えていた。

周辺被害を出さぬようVステルスロボにゾーンを展開させ、その中で仮面の男達と健悟、そして健悟が増援として仮面ライダーディケイド激情態を召喚して2対2の戦闘が始まった。

 

「喰らえ」

 

ディケイドと戦っている仮面の男は自分に向かって来るディケイドに誘導弾を多数放つ。

 

「ふん」

 

『ATTACK RIDE! BULST!』

 

迫り来る誘導弾に対してディケイドはディケイドライバーを開き、ライドブッカーからARを取り出してバックルを開き装填して閉じる。

ディケイドブラストを発動させるとライドブッカーをガンモードに変形させ、ディケイドブラストを放ち、誘導弾を全弾撃ち墜とす。

 

「ふん。ふああああっ!」

 

誘導弾を撃ち墜としたディケイドはライドブッカーをガンモードからソードモードに変形させ、いつものように刀身を撫で、仮面の男に向かって駆け出す。

 

「はっ!ふんっ!はあっ!」

 

「くっ!」

 

接近したディケイドはライドブッカーを振るうが対して仮面の男は右腕を伸ばしてラウンドシールドを展開し、ライドブッカーを防御する。

連続で斬りつけるがそれでもラウンドシールドは壊れない。

 

「こいつを試すか」

 

『ATTACK RIDE! SLUSH!』

 

「ふっ!たっ!やああっ!」

 

「ちっ!このっ!つあっ!」

 

普通の斬撃では破壊出来ないと分かるとディケイドはバックルを開き、カードを取り出してバックルに装填して閉じる。

AR「ディケイドスラッシュ」を発動させ、連続で斬りかかる。

だが、仮面の男の展開するシールドを破ることは出来ない。

 

「ほぉ、中々硬いな」

 

相手のシールド強度に関心しながらディケイドはライドブッカーからカードを取る。

 

「なら、これでどうだ?」

 

『ATTACK RIDE! GIGANT!』

 

取り出したカードをディケイドライバーに入れ、ARでG4のギガントを装備する。

「ふんっ!」

 

「質量兵器だと!?一体何処から!」

 

「はっ!」

 

ギガントが装備されたの見て仮面の男が驚くが、そんなことを気にすることなくディケイドは左脚を前に出しギガントを構える。

 

「はあああああっ!!」

 

ギガントのミサイルを一斉射し、迫るミサイルを仮面の男はシールドを展開する。

ミサイルが着弾すると爆煙によって仮面の男の姿が見えなくなる。

ディケイドはミサイルがなくなったギガントを投げ捨てると煙の方をジッと見ている。

 

「ん?」

 

「ふっ」

 

煙が晴れると仮面の男がシールドを展開したまま立っていた。

ギガントを全弾受けてもシールドは破れず仮面の男は無傷だ。

 

「無傷か。まぁ、良かったけどな。開始早々に倒されたんじゃつまらないからな。ふっ!」

 

倒れず無傷の仮面の男に対してディケイドは感心すると再びライドブッカーをソードモードにして仮面の男へと向かっていく。

 

健悟Side

 

「はああああっ!」

 

仮面の男達のとの戦闘が始まり、俺は仮面の男の1人に向かって駆け出す。

俺が向けって行くと仮面の男が身構える。

 

「狙い撃つぜ!」

 

「!?ふっ!」

 

仮面の男に接近しながらフェニックスドライバーを取り、狙いを定めてエネルギー弾を放つ。

エネルギー弾を撃つと仮面の男は跳躍して躱し、俺は後を追う。

仮面の男が着地すると俺はまたエネルギー弾を放つがこれも跳んで躱される。

 

「ん!」

 

「逃がすか。はっ!」

 

仮面の男は観客席に降りると俺も跳躍して観客席に降りる。

 

「ふあああああっ!はっ!このっ!はあっ!」

 

観客席に降りると仮面の男へ向かって行き、左ストレートを繰り出す。

俺の左ストレートは仮面の男の右腕で弾かれる。

右脚からのミドルキックを出すが後ろに下がられて躱される。

連続で左脚からの回し蹴りを出したがこれも躱された。

 

「まだまだぁ!」

 

「ん!ふんっ!」

 

「うお!?があっ!!いだっ!」

 

諦めずに右手のフェニックスドライバーを振り上げて降ろすが仮面の男の左手で右腕を掴まれる。

腕を掴まれると仮面の男の右脚で俺の左脚を払われバランスを崩し、胸部に右脚からの前蹴りを喰らった。

前蹴りを受けたことで背中から通路に倒れる。

背中いったい!

俺が倒れると仮面の男が追い打ちをかけ、跳び蹴りを繰り出す。

 

「!?ちぃっ!」

 

それを見た俺は後転で跳び蹴りを回避する。

 

「よっと。この!」

 

「ふん」

 

仮面の男の攻撃を避けるとフェニックスドライバーを向けて放つ。

エネルギー弾を仮面の男はラウンドシールドを展開して防ぐ。

 

「アポロン、ショットモードに変更だ!」

 

「ラージャ!」

 

「くらえ!」

 

「ぬうっ!威力が上がった!」

 

通常モードの威力だと無理だと思い、ショットモードに変えて再び放つ。

エネルギーを圧縮し威力と貫通力を高めたエネルギー弾を受けると仮面の男が1歩後ろへ下がる。

 

「ぐう!」

 

更にエネルギー弾を撃ち、シールドを防がれるがまた1歩仮面の男が後ろに下がった。

 

「くっ!」

 

「ふっ!」

 

3発目を放つと仮面の男は今度はシールドで受けずに跳んでエネルギー弾を回避、グラウンドへと降りる。

俺も仮面の男を追って跳躍してグラウンドへと降りた。

グラウンドへと降りるとフェニックスドライバーを通常モードに戻す。

にして戦いながら様子を見ていたがディケイドが戦っている仮面の男、適当に選んだけどあの戦い方だとディケイドの相手はあっちの方だな。

俺の方も戦い方から見るに前回と同じか。

まぁ、別に構わんけど。

ディケイドの奴、早々にブラストとスラッシュ、更にはギガント使ってるし。

 

「何故貴様はそこまでする!彼女達の犠牲だけで大勢の命が救われるんだぞ!」

 

「決まってる!そんなの!」

 

仮面の男は俺に何故戦うのか尋ねてくる。

理由か。

さっきのも戦う理由の1つだし、そんなんいくらでも出てくる。

 

「それが俺の生きる道だからだ!」

 

「何!?」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『HIBIKI!』

 

リーーーーン

 

ドドンッ!

 

戦う理由の1つを答え、カードを取り出してドライバーに装填、トリガーを引いて紫の炎に包まれ響鬼にKRする。

 

「この仮面ライダー、響鬼になっていた人が言っていた。『自分の生きる道を決められない奴に、なんの人助けが出来るんだ』と。今の俺の生きる道は俺にとって大事な人達を守ること!だから助ける!」

 

『ATTACK RIDE! ONGEKIBOU REKKA!』

 

音撃棒烈火を装備して仮面の男は接近して音撃棒で殴りかかるが躱されて中々当たらない。

上段から振り下ろすと左腕で防がれ、押し返される。

押し返された際に距離が離れると仮面の男は右脚からのハイキックを出してきたが後ろへ跳んで躱す。

 

「はああっ!」

 

「舐めるな!前と同じ手が通じるものか!」

 

仮面の男との距離が開き、音撃棒を振るい、烈火弾を飛ばすが仮面の男は腕を振るい、蹴りで烈火弾を弾く。

こいつ、烈火弾を弾きやがった!

仮面の男の蹴りで音撃棒が蹴り飛ばされてしまう。

音撃棒が弾かれ正面がガラ空きになると仮面の男が右腕を突き出し、正拳突きが胸部に当たり後ろへと殴り飛ばされる。

背中から地面に落ちて3回程転がり、殴られた胸部を押さえる。

結構効くなぁ。

 

「私達の邪魔をしなければ痛い思いをせずに済むぞ。大人しく諦めろ」

 

「誰が、諦めるか!」

 

倒れた俺にもう諦めろ言う仮面の男に俺は拒否し、ゆっくりと立ち上がる。

たかがこれくらいの攻撃を与えただけで勝ち誇ってんじゃねえ。

 

「俺は!はやてと、はやてを大切に思っている騎士達と友達の涙を見たくない!皆に笑顔でいてほしいんだ!皆の笑顔を守る為に戦う!それが俺の!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『KUUGA!』

 

「うおおおおっ!うあっ!」

 

立ち上がった俺はカードを取り、飛ばされるドライバーに入れて、トリガーを引く。

直後に仮面の男に接近し、仮面の男の顔を右手で1発殴り、続けて右手でもう1発殴る。

仮面の男も右手で殴り掛かってくるが左腕でガードし、また右手で顔を殴り、殴った右手を振るい裏拳でも顔を殴る。

 

「はあああっ!つあっ!くおおおおっ!うりゃああ!」

 

右足で仮面の男の左脇腹を蹴り、右ストレートで胸部を殴ると右腕が変わり、次に左で胸部を殴ると左腕が変わる。

両腕が変わると体も姿を変え、最後に頭部も変わって響鬼からクウガに変身する。

クウガへKR後、両手で仮面の男を掴み、投げ飛ばす。

 

「くっ!この程度で」

 

「・・・・・」

 

投げ飛ばした仮面の男はすぐに立ち上がり、俺の方を向き、睨み合う。

 

「ふっ!」

 

「ちっ!」

 

「はっ!」

 

5秒ほど睨み合うと互いに相手へと向かっていく。

仮面の男が右ストレートを繰り出すと俺は跳躍して仮面の男を飛び越える。

 

「うらあ!」

 

「ぐっ!」

 

「ふあああっ!」

 

「がっ!ぐっ!」

 

右回りに一回転しながらしゃがんで右足からの後ろ蹴りを腹部に入れ、仮面の男に振り向くと同時に右腕を突き出して仮面の男の服部をパンチ、後退させる。

 

「つおおお!」

 

「このっ!」

 

「うりゃああ!」

 

「ぐあっ!」

 

「んっ」

 

退がった仮面の男に接近し胸部を狙って左脚からのキックを繰り出すが仮面の男に脚を掴まれてしまう。

しかし掴まれたまま右脚で跳び上がり、右脚で胸部を蹴るとその衝撃で仮面の男は脚を離し、後ろへと吹っ飛び、俺は地面に着地する。

 

「はやて達の居場所を守る為に!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『AGITO!』

 

着地後にカード取り出してドライバーへと入れ、トリガーを引く。

アギトのオルタリングの変身時の唸りが響き渡り、光を放つとクウガからアギトへと変わる。

 

「それもこの間のやつか」

 

アギトに変わると立ち上がった仮面の男は警戒してすぐには仕掛けてこない。

俺も仮面の男には不用意に近づかず距離を保った状態で互いにゆっくりと右に動きながら様子を窺う。

 

「ふっ!」

 

先に動いたのは仮面の男だ。

仮面の男は近づくと右ストレートを出してきたが俺はそれを左に避ける。

右ストレートを躱されると仮面の男は横一線に左腕を振い、俺はしゃがんで躱す。

躱された左腕を往復させてくると左腕で相手の左腕を防ぎ、続けて右腕を出してくるが俺も右腕を出して弾き、そのまま一回転して左肘で仮面の男のうなじを突く。

仮面の男はよろけながら俺の後ろに回る。

背後からの動きを感じ取ると俺は振り返りざまに左腕を振るうと仮面の男が振るってきた右腕を払い退け、右腕を突き出し、掌で仮面の男の顎を突く。

仮面の男は後ろへと下がり、突かれた顎を右手で押さえる。

仮面の男との距離が開くと俺は仮面の男へと歩をゆっくりと進める。

 

「くっ!調子に乗って!はあああっ!」

 

「ふっ!」

 

「ぐっ!がっ!うっ!」

 

「はあっ!」

 

ゆっくり近づいたことで余裕を見せていると思いこんだ仮面の男は熱くなり駆け足で接近し、右腕を振るってくる。

仮面の男の右腕を俺も右腕で防ぐと左フックで右脇腹を殴り、続けて右フックで左頬、左フックで胸部を連続で殴り、そして右ストレートを繰り出す。

 

「くそっ!んっ!」

 

「ふっ!」

 

「なっ!?ぐああっ!!」

 

右ストレートを跳躍して躱し、俺の頭上を飛び越えていこうとする仮面の男の左足を右手で捕まえ、そのまま地面に叩きつける。

 

「くっ!ううっ」

 

「はっ!」

 

「うああっ!」

 

叩きつけられた仮面の男は俺の方に振り向き、すぐに立ち上がったるが立ち上がった直後の仮面の男の右頬に右脚からの回し蹴りを食らわせ蹴り飛ばし、仮面の男は地面を転がる。

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『FAIZ!』

 

『COMPLETE』

 

「くっ!?」

 

仮面の男を蹴り飛ばすと次のカードを取り出してドライバーに入れトリガーを引く。

発動後、俺の体に沿ってフォトンフレームが形成されて赤い閃光を放つと立ち上がろうとしていた仮面の男は眩しさで顔を逸らす。

閃光が収まると次はファイズになる。

KR直後、右手首をスナップさせる。

 

「くっ。・・・!?この前とは違う!」

 

「ふぅーーー・・・はっ!」

 

前回の戦いで既に響鬼、クウガ、アギトは見ていたが今回仮面の男の前では初めてKRしたファイズの姿に仮面の男が驚いている中、俺は右足を前に出し、息を吐きながら腰を少し落とすように構えて仮面の男に向かって駆け出す。

距離が縮まり、右腕を引く。

そして腕を前に突き出そうとした時、仮面の男は避けようと左に動いた。

そして俺のパンチは躱される・・・・・ことはなかった。

そもそも俺の狙いはパンチじゃない。

 

「らああっ!」

 

「っ!!くっ!」

 

仮面の男が動いた直後、突き出そうとしていた右腕を降ろし、右脚からのキックを繰り出す。

キックを躱そうと体を捻るが仮面の男の右肩に当たり、後ろへと吹っ飛び地面を転がる。

蹴り飛ばした仮面の男へと近づく。

 

「くっ」

 

「ふんっ!」

 

「うくっ!」

 

「はっ!はっ!らああっ!」

 

「ぐわあああっ!」

 

これまで攻撃を受けたせいかすぐに立ち上がれないでいる仮面の男の胸倉を掴んで無理矢理立たせ、離れられないよう左手で仮面の男の右肩を掴み、右手で仮面の男の腹部を2回殴り、そしてアッパーカットを顎に喰らわせ、仮面の男を後方へと殴り飛ばす。

俺は更に攻撃を喰らえようと仮面の男に近づく。

 

「うわっ!なんだこれは!?」

 

「ん?」

 

もう1人の仮面の男と戦っているディケイドの声が聞こえ、気になって視線を向ける。

視線の先にはもう1人の仮面の男によってバインドを掛けられ身動きを封じられたディケイドの姿があった。

 

「ディケイド!」

 

俺はディケイドのバインドを破壊しようとフェニックスドライバーを取ろうとする。

しかし、その直後に俺もバインドで拘束されてしまった。

 

「なっ!?いで!」

 

バインドによって両腕だけでなく両脚もバインドで拘束されてしまい、バランスを崩して倒れる。

俺とディケイドはバインドで身動きを封じられた。

 

「ようやく捕まえた」

 

「くそ。手間をかけさせてくれる」

 

俺達を拘束すると仮面の男達は俺とディケイドの前に立って見下ろす。

 

「拘束された以上、もう手出しは出来ない。終わりだな」

 

「終わり?何を言ってるだお前達は?」

 

勝ち誇っている仮面の男に対して、俺は睨みつける。

相手には見えてないだろうけど。

 

「俺達はまだ倒れてない。体も、心も。戦う気迫がある限り、それはまだ負けたとは言えない!」

 

「そんな状態でまだ負け惜しみを言うのか!」

 

「ああ。俺は負けられないんだ。皆でいつまでも一緒に暮らしたいっていうあいつらの夢を守る為に!」

 

「さっきから聞いていれば、全て甘い考えだ!」

 

「うっ・・・」

 

「笑顔を守る?居場所を守る?夢を守る?お前はテレビや映画のヒーローのつもりか!闇の書は生半端なことで解決出来ることじゃない!現実にヒーローなんてものなんていない。簡単に解決することなんて出来ないんだよ!」

 

まだまだ戦う気があることを告げるとディケイドと戦っていた仮面の男が声を荒立てる。

負けられない理由を仮面の男達に答えると俺と戦ってあた方の仮面の男がもう1人以上に声を荒立て、俺に近づく。

これまで言ってた言葉が気に入らないようで怒りを露にし倒れている俺の胸倉を掴み、拳を振り上げる。

 

「スモーク散布!」

 

「ラージャ!」

 

俺が叫ぶとアポロンがスモークディスチャージャーからスモークを散布する。

 

「狙い撃つぜ!」

 

「!?ちっ!」

 

「いたっ!!」

 

「敵との距離、離れました」

 

俺が狙い撃つと言うと仮面の男が舌打ちをして突き飛ばして離れ、俺は背中から地面に倒れる。

各種センサーで捉えているアポロンが報告をしてくれる。

よし、狙い通りだ。

実は実際に完全には捉えてきれていない。

スモークで視界が遮られているとはいえ、至近距離だから当てられないことはないが腕が動かないからね。

仮面の男がフェイクに引っかかってくれてよかった。

 

「アポロン、ディケイドの位置は!?」

 

「方位120度です!」

 

「ぬおおおおっ!!

 

仮面の男が離れるとアポロンにディケイドの位置を教えてもらいその方向に足が向くように身体を転がす。

 

「ディケイドォ!!」

 

「!」

 

「痛みは一瞬だ!!」

 

「分かった!こい!」

 

煙幕から出てディケイドを呼ぶとディケイドが俺の方を見る。

拘束されながらもなんとかフェニックスドライバーを掴み、ディケイドに痛みは一瞬だと言うと俺の考えを察したディケイドは俺に背を向ける。

ホルスターに入った状態で可能な限り、照準を合わせてフェニックスドライバーのトリガーを引き、ディケイドに放つ。

 

「ぐああっ!」

 

バインドを破壊出来たがディケイドの背中にも数発当たってしまう。

 

「ごめん!」

 

「つぅ。全く・・・」

 

バインドが外れて動けるようになったディケイドは立ち上がるとライドブッカーからカードを1枚引き抜く。

その直後、ディケイドの背後に銀色のオーロラが出現し、そこからマシンディケイダーが現れる。

 

「なんだ今のは?それにバイク?」

 

『ATTACK RIDE!AUTO VAJIN!』

 

突然出現した銀色のオーロラに驚き、そこから現れたマシンディケイダーに疑問そうに見るとARでマシンディケイダーがオートバジンへと変わりバトルモードに変形、もう1人の仮面の男にバスターホイールで攻撃を行う。

 

「!?バイクの形が?!ロボット!?」

 

マシンディケイダーがオートバジンに変わり、ビークルモードからバトルモードに変わったのを見て、仮面の男は混乱しながらもラウンドシールドでバスターホイールの銃弾を防ぎ、後方へ飛び距離を取ろうとする。

離れる仮面の男をオートバジンは追いかける。

 

『ATTACK RIDE!SHOOT VENT!』

 

オートバジンに仮面の男を任せるとディケイドはARでシュートベントを発動させ、ゾルダのギガランチャーを装備する。

 

「ふんっ!」

 

ディケイドはギガランチャーを構え、砲弾を放つ。

 

「うわっ!」

 

「おわああっ!」

 

ディケイドの放ったギガランチャーの砲弾は仮面の男に直撃はしていないが俺と仮面の男の間に着弾させ、それよって爆風と衝撃波が発生する。

爆風と衝撃波で仮面の男を吹っ飛ばすが同時に俺も吹っ飛ばされた。

 

「おいディケイド・・・ん!?」

 

俺がディケイドに注意しようとした時、ディケイドはギガランチャーを投げ捨て、ライドブッカー ガンモードを俺に向けている為、目を見開いた。

 

「ちょっとくすぐったいぞ?」

 

「いった!!」

 

ディケイドがライドブッカーを撃ち、エネルギー弾が俺に命中する。

その際にバインドが壊され、身動きが出来るようになった。

ディケイドの奴、俺と同じ手でバインドを破壊して俺を自由にしてくれるのはいいけど、くすぐったいじゃなく痛いわ!

 

「あいたた」

 

痛みを堪えて立ち上がり、仮面の男の方を向く。

 

「お前の言う通り、この世にヒーローなんていない。待ってたってこねぇよ。だから、俺が守るって決めたんだ!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『BRAED!』

 

『TURN UP』

 

「うおおおおっ!はあっ!」

 

「んっ!」

 

カードケースから次のカードを取り、ドライバーに装填してトリガーを引く。

フェニックスドライバーからオリハルコンエレメントが正面に展開されて駆け出し、通過してファイズからブレイドにKRする。

そのまま仮面の男に向かっていき、右腕で仮面の男に殴り掛かるが避けられてしまう。

 

「らああ!」

 

「ふっ!」

 

「はっ!」

 

「ふんっ!」

 

相手に躱されるとすかさず右腕からの裏拳を出すが後ろに下がられて躱され、右脇腹を狙ってミドルキックを繰り出すがこれは両手で防がれる。

 

「ちっ!このっ!」

 

「つあっ!ふっ!やっ!ふああっ!」

 

「とっ!」

 

「ふんっ!」

 

「ぐああ!」

 

キックも防がれて軽く舌打ちをして、左腕でパンチを出したが仮面の男の右腕でガードされ、弾き返された。

俺のパンチを弾き返すと仮面の男が左フックを繰り出してきた為右斜め前に転がって避ける。

避けて片膝立ちになると仮面の男が振り返り、左足からの蹴りを出してくると右腕でガードする。

だが左足を下ろすと更に続けて今度は右足からの回し蹴りを繰り出し、ガードが間に合わず右頬に当たり、地面を転がる。

 

「くそっ・・・。っ!?」

 

「やあああ!」

 

「がっ!だっ!うっ!」

 

「はあっ!」

 

「うわあああ!あっ!」

 

俺はすぐに立ち上がるが仮面の男が接近し、連続でパンチを繰り出すと俺の胸部、顔、腹部に命中する。

更に仮面の男の右足からの蹴りを胸部に受けて後ろへ吹っ飛ばされる。

 

「がはっ!このぉ!」

 

『ATTACK RIDE! MACH!』

 

『MACH』

 

「!?」

 

「ウエイ!」

 

「ぐっ!」

 

蹴られた胸部を押さえながら立ち上がり、カードを取り出してドライバーに装填する。

ARでマッハを発動させ、高速移動で仮面の男の目の前に接近する。

突然接近されて動きが止まった仮面の男に俺は右ストレートを仮面の男の左頬に喰らわせる。

 

「人を守ることが出来るこの力。俺は闇の書の運命と戦う!運命なんかに負けてたまるか!」

 

「ほざくな!」

 

『ATTACK RIDE! METAL!』

 

『METAL』

 

「い゛!くおぉぉぉぉっ!!」

 

俺が言い放つと仮面の男が殴りかかってくるが取り出したARをドライバーに入れて、メタルを発動させて俺の体を硬化させる。

メタルで強化され鋼のような強度になった俺を殴ったのが痛かったようで右手を左手で押さえ、下がりながら唸っている。

 

『ATTACK RIDE! TACKLE!』

 

『TACKLE』

 

「うおおおおっ!」

 

「っ!?」

 

「ふぅぅぬんっ!」

 

「うわあっ!」

 

仮面の男が痛がっている隙にARを取り出して装填、トリガーを引いてタックルを発動させると仮面の男に向かって突進していく。

仮面の男も気づいたようだが防御するには少々遅く、正面からタックルを食らわせて吹っ飛ばす。

 

『ATTACK RIDE! SIDE BASSHAR!』

 

「え?」

 

仮面の男を吹っ飛ばした直後に聞こえた音声に耳を疑い、すぐに視線を向ける。

俺が視線を向けると丁度、空中にいたオートバジンがサイドバッシャー バトルモードへと姿が変わり、飛行機能を持たないサイドバッシャーは落下し、ズドンっと着地する。

うわぁ~、ディケイドの奴、サイドバッシャー使うとかガチじゃん・・・。

 

「馬鹿な!」

 

「ふっ!」

 

オートバジンがサイドバッシャーに変わった為、仮面の男が驚いているとディケイドはサイドバッシャーの運転席部に飛び乗る。

そりゃああんなん見たら驚くよな。

 

「ふんっ!」

 

サイドバッシャーに飛び乗ったディケイドはハンドルを握りしめてサイドバッシャーを操縦するとサイドバッシャーで仮面の男に向かって飛びかかる。

 

「!?ちッ!」

 

サイドバッシャーの右腕を振り上げて、勢いよく振り下ろすが仮面の男が後ろへ躱す。

 

「くっ!あの巨体でなんて動きを!」

 

「ふっ!」

 

鈍重そうな外観と異なり高い機動力を出すサイドバッシャーに関心しているとディケイドはサイドバッシャーの右腕を突き出し、仮面の男にフォトンバルカンを放つ。

放たれるフォトンバルカンは仮面の男の周囲に着弾し仮面の男の動きを封じる。

 

「はっ!」

 

動きを止めるとディケイドは再度サイドバッシャーでフォトンバルカンを撃つ。

今度は直撃コースだ。

 

「ちっ!」

 

ディケイドの攻撃を仮面の男は後方斜め上に跳び、空中へ退避する。

仮面の男が空中に逃げるとディケイドはサイドバッシャーの左腕を突き出す。

あ。

あれは・・・。

 

「やあああああああ!!」

 

ディケイドは叫ぶとエグザップバスターを全弾発射。

発射して数秒後、6発のミサイルが空中分解し、中から無数の小型ミサイルが放たれ、全弾が仮面の男に襲い掛かる。

 

「な、何?!」

 

予想していなかった攻撃とミサイルの数に戸惑いながらも仮面の男は両手でシールドを大きめに展開して防ごうとする。

 

「くぅううっ!うあああっ!!」

 

全てのミサイルを防いだが爆発による衝撃を防ぐことは出来ず、仮面の男が吹っ飛ばされる。

 

「ふっ!」

 

ディケイドはサイドバッシャーから飛び降り、仮面の男を追う。

流石激情態のディケイド、容赦ないな。

おっと、俺も相手に集中しよう。

 

「俺は生きていてほしんだ。闇の書主とか、守護騎士とかじゃなく。はやて達は、はやて達として!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『KIVA!』

 

「闇の書の、あいつらを縛る運命

さだめ

の鎖を解き放つ!」

 

タックルで仮面の男を吹っ飛ばすと次のカードを取り出し、ブレイドに続いて今度はキバにKRする。

キバにKRすると仮面の男に向かって駆け出す。

 

「うおおお!はっ!」

 

「ちっ!」

 

「とおっ!」

 

「ふっ!」

 

「てりゃあっ!」

 

「んっ!はっ!」

 

「うおっ!?しまっ!」

 

仮面の男に近づき、顔を狙った右ストレートで殴りかかるが左に避けられ、次はミドルキックを出すがこれは僅かに後ろに下がられて躱され、更に近づいて右腕からのラリアットを繰り出したが仮面の男は姿勢を低くして躱すと俺の背後に回り、抱き付く。

 

「ふん、この!」

 

「簡単に逃しはしないぞ」

 

「それなら!」

 

仮面の男を離れさせようと暴れてみるが仮面の男は簡単には離れない。

暴れて離れなかった為、次の手段として抱き付かれた状態で壁に向かっていく。

 

「自分から逃げ道をなくすとは。流石に諦めたか?」

 

壁まである程度まで近づくと左肘で仮面の男の胸部を突く。

胸部を突かれたことで力が弱り、壁に脚が届く距離まで近づくと足を上げ、壁を駆け登る。

俺が壁を駆け登ると仮面の男は手を離した。

壁を蹴って空中で回転しながら今度は俺が仮面の男の背後に回り込む。

 

「くっ!」

 

「はっ!」

 

「うっ!」

 

「はっ!」

 

「ぐあっ!」

 

「はああっ!」

 

「がああっ!」

 

振り向いた仮面の男の顔を右手で1発殴り、右手を振るい裏拳で殴る。

続けて腹部に左右交互に1発ずつ殴り、再び右手で顔を1発殴り、もう一度腹部を右手で2回、左手で1回と3発殴ってまた右手で顔を殴って仮面の男を殴り飛ばす。

 

「はやて達の時刻をここで終着点にしないために」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『DEN-O!』

 

『SWORD FOAM!』

 

仮面の男を殴り飛ばして次のカードを取り、ドライバーに入れてトリガーを引く。

キバの次のKRは電王だ。

 

「これを忘れちゃいないな」

 

『ATTACK RIDE! ORE SANJOU!』

 

「俺、参上!」

 

「・・・?なんだ?それがどうした?」

 

「これがお決まりなんだよ。行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

 

電王へのKR後、ARを発動させて「俺、参上」を忘れずに行う。

これまでのARと違い、ポーズをとるだけで何もしてこない俺に何の意味があるのか仮面の男が質問してくる。

これが決まりだと答えて、電王風に仮面の男へ向かって駆け出す。

 

「どりゃああっ!」

 

「んっ!」

 

「とお!」

 

「ふっ!」

 

「これでどうだ!」

 

「はっ!」

 

右ストレートを繰り出すが躱され、続けて左脚から脇を狙ったミドルキックを出すがこれは右腕でガードされる。

更に左腕で横に振るったチョップを出したがこれも姿勢を低くして躱され、後ろに回られた。

 

「ありゃ。どがっ!つうううううう・・・」

 

後ろを振り返ると顔面に左ストレートをモロに受けて後ろに下がりながら殴れた顔を押さえる。

めっちゃ痛い。

 

「いい加減にこれで寝ていろ」

 

攻撃を加えようと仮面の男が近づき、首を狙って手刀を出してきた。

 

「ていっ!」

 

「な!?」

 

だが、右手で仮面の男の右腕を掴んで手刀を止める。

 

「てめぇ、いてぇじゃねぇか!」

 

「ぐがっ!・・・うう。くっ!」

 

「でりゃあっ!!」

 

「うああっ!」

 

掴んだ右腕を引き寄せて仮面の男に頭突きをかます。

頭突きで動きが止まると前蹴りで仮面の男を蹴り飛ばす。

 

「ふぅ。んんっ!・・・お前達の考えは決して間違っちゃいない。何かを守るために戦う以上、多くの犠牲が出るよりも最小限の犠牲で済むなら、その僅かな命を切り離す。確かにやむおえんことだ」

 

電王の戦い方をしたせいで少し熱くなってしまった為、深呼吸と咳払いをして一旦クールダウン、落ち着きを取り戻した所で戦う上で多くの犠牲を出さない為には少なからずの犠牲を出す考えは間違っていないと仮面の男に伝える。

 

「それが分かっていながら何故---「だが!」---っ?」

 

「それはあくまで自分が犠牲にならない奴らや、その犠牲となる者達との関わりのない連中の考えだ!」

 

「!!」

 

仮面の男が俺に恐らく分かっていて何故戦うのか尋ねようとするがそれを遮り、その考えは己が犠牲にならず、犠牲になる人達と関わりを持たないがないからだと言うと仮面の男は言葉が出なくなる。

 

「自分が死ぬ訳じゃない。犠牲になる奴は家族でも親戚でも恋人でも友人でもない垢の他人。だから簡単に切り離そうと、犠牲にすることが出来るんだ!」

 

「違う!我々は簡単に切り離してなど!」

 

俺の言葉に仮面の男は懸命に否定する。

ああ、分かってる。

知っているさ。

関わりがないなんて嘘だよ。

軽い気持ちで犠牲にしようなんて思っていない、懸命に考えたって分かってる。

・・・でも!

 

「ならば何故デュランダルを求めた!お前の言葉に偽りが無いなら何故はやてを永久凍結させようとした!何故他の方法を考えなかった!!はやて達は俺の大切な友達だ!友達を永遠に眠らせるなんて俺は許さない!」

 

俺は本心を仮面の男に吐き出す。

今の俺にとって、はやては本当に大切な友達だ。

短い時間でも一緒に話をして楽しかった。

危ないめに合わせたのに俺を責めなかった。

理由が分かっていても、そんな優しい友達を俺は失いたくない!

仮面の男に言い放った後、カードケースからカードを1枚引き抜く。

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『FOURZE!』

 

「宇ちゅぅぅぅぅぅう・・・来たぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「・・・は?」

 

「う、宇宙?」

 

「友達を失わない為に、タイマン張らせてもらうぜ!」

 

カードをドライバーに入れてトリガーを引き、電王からフォーゼになり、右腕を突き出してフォーゼを決め台詞を言う。

突然宇宙来たー!っと叫ばれて2人の仮面の男は戸惑っている。

 

「ディケイド、相手を変えよう。格闘重視の奴だ。気を付けろ」

 

「魔法重視のこいつよりはマシだな」

 

「いくぜ!」

 

『ATTACK RIDE! MAGIC HAND MODULE』

 

『MAGIC HAND ON』

 

仮面の男達が戸惑っている中、俺はディケイドに対戦相手の交代を告げ、今さっきまで俺と戦っていた仮面の男の戦闘スタイルを教える。

ディケイドから了承を得るとARを取り出して装填、ARで右腕に「マジックハンドモジュール」が装備される。

 

「ふんっ!」

 

「何!?」

 

「うあ!」

 

『ATTACK RIDE! ROCKET MODULE!』

 

『ROCKET ON』

 

「はっ!」

 

マジックハンドをもう1人の仮面の男に向かって伸ばし、右腕を掴む。

もう1人の仮面の男をマジックハンドモジュールで投げ飛ばし、別のARを発動させるとマジックハンドモジュールが消え、右腕にロケットモジュールが装備される。

ロケットモジュールを使って俺も後を追う。

 

3人称Side

 

「!?待て!っ!?」

 

「何処に行く気だ?今度は俺が相手してやる」

 

残った仮面の男が健悟を追いかけようとしたがその周囲にエネルギー弾が着弾する。

放たれた方を向くとディケイドがライドブッカー ガンモードを向けていた。

 

「言っておくが俺は、フェニックスのように甘くはないぞ?」

 

「邪魔だ!」

 

邪魔をしてきたディケイドに仮面の男が走って向かっていく。

仮面の男が向かってくるとディケイドはライドブッカーを放つが仮面の男はシールドを展開して防ぎながら近づいてくる。

 

「ふあああ!!」

 

「ふん」

 

仮面の男が右ストレートで殴りかかるがディケイドはライドブッカーを右手から左手に持ち替え、右手で仮面の男の拳を受け止めてる。

 

「ちっ!」

 

「そう熱くなるなよ。なんなら冷やしてやるよ」

 

『ATTACK RIDE! BLIZZARD!』

 

「うわ!なんだ?!」

 

拳を止められた仮面の男は仮面越しで見えないがディケイドを睨みつける。

怒りで熱くなっている仮面の男にディケイドが冷やしてやるというと左手で1枚のカードを取り出すとディケイドライバーへと装填してバックルを閉じる。

ARでレンゲルのブリザードを発動させ、右手から冷気を放ち、仮面の男の右腕を凍らせていく。

更には両脚までも凍らせて身動きが取れなくした。

 

「凍結?!魔法を使ってないのに!」

 

「少しは頭が冷えたか?」

 

「き、貴様!」

 

「なんだ、寒いか?なら暖めてやる」

 

『ATTACK RIEE! ONIBI!』

 

「はああっ!」

 

「うあああああ!!」

 

魔法を使わずに凍結させることが出来ることに驚く仮面の男にディケイドが頭が冷えたか尋ねる。

仮面の男が仮面越しに睨み付けるとディケイドはブリザードのせいで寒いのかと尋ねて、暖めると言うとバックルを開き、ライドブッカーからカードを取り出すとディケイドライバーに装填してバックルを閉じ、AR鬼火を発動させると口部から鬼火を出し、至近距離から喰らわせる。

だが、鬼火を使っても氷は溶けていない。

 

「まだ足りないな」

 

『ATTACK RIDE! STRIKE VENT!』

 

「ふああっ!」

 

「があっ!」

 

それを見たディケイドはARでストライクベントを発動させ、ドラグクローを装備し、右腕を引いて突き出しドラグクローファイヤーを放つ。

 

「うっ!」

 

ドラグクローファイヤーは仮面の男の腹部に当たると勢いに耐えられず氷が割れ、仮面の男は吹っ飛ばされて背中から地面に着地する。

 

「どうだ?暖まっただろ?」

 

「くっ!ふざけるな!」

 

腹部を右手で押さえながら立ち上がり、ディケイドの言葉に怒声を上げ、ディケイドに向かっていく。

仮面の男はディケイドにパンチ、キックを連続で出すがディケイドは腕で弾き、後ろに下がって躱し、身体を捻る等で仮面の男の攻撃を回避する。

 

「このっ!」

 

「ふっ!はっ!」

 

「ぐっ!」

 

ディケイドは右手で仮面の男の左腕を払い退け、正面がガラ空きになると左腕を伸ばして仮面の男の首を掴み、片腕で持ち上げる。

 

「うっ!があっ!・・・あっ!」

 

首を掴まれて持ち上げられていることで痛みと息苦しさに仮面の男は声を漏らし、両手でディケイドの左手首を掴み、脚で左腕を蹴るが苦しいせいか力がない。

 

「ふんっ!」

 

やがてディケイドは仮面の男を投げた。

 

「ぐっ!がっ!がはっ!ごほっ!・・・うう」

 

投げられた仮面の男は数回程地面を撥ねる。

首を絞められたせいで咳き込み、フラフラと立ち上がる。

 

『ATTACK RIDE! GX-05!』

 

「ふっ!」

 

ダダダダダダダダ

 

「うああああああっ!!」

 

仮面の男が立ち上がる中、ディケイドはカードを取り出す。

ARでG3-XのGX-05を装備すると、立ち上がった仮面の男に向け、トリガーを引く。

無数の弾丸が仮面の男に襲い掛かる。

 

「う・・・。ああっ!」

 

「ふっ。(ガシャン)どうした。立ち上がれよ。まだまだこんなもんじゃ終わらないぞ」

 

GX-05の全弾を受けた仮面の男はその場で倒れ、痛みに苦しんでいる。

全弾を撃ち尽したディケイドは弾切れになったGX-05を投げ捨て、仮面の男に立ち上がるように言い、仮面の男にゆっくりと歩を進める。

 

健悟Side

フォーゼにKRしてマジックハンドモジュールでさっきとは別の仮面の男を掴んで投げ飛ばしてロケットモジュールで追いかける。

何故ロケットモジュールを使ったのかと言うと投げ飛ばしても途中、空中で態勢を立て直すと思っているからだ。

 

「くっ!」

 

そして俺の予想してた通り、仮面の男は空中で態勢を立て直した。

 

「いっくぜぇぇ!」

 

「何!?ぐおっ!」

 

ロケットモジュールで仮面の男に突っ込んでいき、左手で相手の右腕を掴んでそのまま飛び回る。

 

「うおおおおお!おらあっ!」

 

「うああ!」

 

高度を地面ギリギリまで落として仮面の男を地面にたたき落とす。

一定の距離を開けて、ロケットモジュールを解除して着地、振り向くと仮面の男が立ち上がる。

 

「くっ、諦めの悪い奴だ。どんなに足掻こうと犠牲もなく闇の書をどうにか出来る訳がない。それが出来ていれば過去の悲劇など起きていない」

 

「知るか、んなもん!過去に止めることが出来なかった?過去に出来なかったからってなんで今でも諦めないといけないんだよ!過去は過去だろ!過去に出来なかったんなら、今やればいいだろ!」

 

実際に闇の書の事件を経験し、歴代の闇の書についても知っている仮面の男が今回の闇の書事件も犠牲なくして解決など出来ないと言うが、俺は知るかと、思いの全てを言い返す。

確かに俺も闇の書については調べた。

でも過去に出来なかったからって今回も出ないとは限らない。

 

「ふああああっ!うああありゃあ!」

 

「くっ!」

 

反論した俺は仮面の男に向かって駆け出し、ジェットパックを噴射して跳び上がる。

落下しながら仮面の男に右拳を振り下ろすが仮面の男は腕を交差させてガードする。

 

「おりゃ!」

 

「ふっ!」

 

「つおっ!」

 

「うっ!」

 

防がれて地面に着地するとすかさず右脚からのハイキックを出すがこれは下がられて躱され、前に出て距離を縮め、左ストレートを出すと仮面の男の右肩に当たり怯む。

 

「このっ!ふんっ!」

 

「がっ!」

 

仮面の男が怯むと左腕を伸ばして右腕を掴んで引き寄せ、頭突きを喰らわせる。

頭突きを受けた仮面の男はふらふらと後ろに下がり右手で頭突きを受けた箇所を押さえて首を振るう。

 

「ふぅ。・・・俺はな。後悔したくないんだよ」

 

「後悔・・・?」

 

「俺に何が出来るかは正直分からないさ!何かを選ばなければならないなら何かを捨てなければならない。そうしなけば生きれないことは分かってる!でもどちらかを選んで、どちらかを捨てた場合、後悔することもある!それが人の命ともなれば尚更だ!もっと言えば自分に救えるかもしれない力があるのに、手を伸ばせば届くのにそれで捨てたら、伸ばさなかったら俺は死ぬ程後悔することになる。俺はそんなの絶対に嫌だ!そんな後悔をするぐらいなら俺は自分の全てを掛けて全てを取りに行く!手を伸ばす!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『OOO!』

 

『タカ!トラ!バッタ!♪タ・ト・バ!タトバ!タットッバ!』

 

「はっ!」

 

俺はこの闇の書事件で出来なかったことを後悔したくないと伝えてフォーゼからオーズへとKRし、両腕のトラクローを展開して仮面の男へと向かって行く。

 

「はああっ!ふっ!はっ!せいっ!」

 

「ふっ!くっ!つっ!はっ!」

 

トラクローで3回連続で斬りかかるが全て躱され、胸部を狙って両腕を突き出すが後方へと跳ばれこれも躱されてしまう。

 

「はぁぁぁあああ・・・はっ!」

 

「むっ!」

 

「はああああっ!!」

 

「ぐっ!あっ!ぐあっ!」

 

仮面の男との距離が開くがバッタレッグの力で跳躍して一気に接近し、仮面の男の胸部に連続キックを食らわせる。

 

「まだ終わりじゃない」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『RYUKI!』

 

仮面の男を蹴り飛ばして着地後、カードを引き抜きドライバーに装填しトリガーを引く。

オーズの次は龍騎にKRする。

 

「このっ!」

 

仮面の男は俺に向かって右腕を突き出す。

すると奴の手の前に魔力が集まり光の球体が出来ていく。

もしやあれって・・・。

 

「警告。魔力反応増大」

 

「分かってる」

 

『ATTACK RIDE! GUARD VENT!』

 

『GUARD VENT』

 

アポロンから警告を受けるが既に分かっていると言ってARを引き抜いてドライバーに装填して発動、ドラグシールドを装備する。

 

「はっ!」

 

「くっ!」

 

ドラグシールドを装備した直後、仮面の男から魔力砲が放たれるとすぐにドラグシールドを構え、魔力砲を受け止める。

魔力砲を受けたことで少し後ろに後退させられたが仮面の男からの魔力砲を防ぎ切った。

 

「俺は小さな犠牲も、大きな犠牲も出さない!」

 

「ふざけるな。そんな綺麗事!」

 

「綺麗事だとしても、今はそれしかない!俺は人を守る為にライダーになったんだ!だから諦めない!絶対に!」

 

「いい加減に!」

 

俺の台詞を聞いて怒った仮面の男が自身の周囲に魔力弾を多数作り出し、俺に向かって全弾放つ。

 

『ATTACK RIDE! ADVENT!』

 

『ADVENT』

 

「ギャオオオオオオン!!」

 

ARでドラグレッダーを召喚するとドラグレッダーは自身の体で俺を囲い、誘導弾から俺を守ってくれる。

 

「龍召喚か!」

 

「ギャオオオオオオン!!」

 

多分前のヴォルケンリッターとの戦闘を何処かで見ていたのか、召喚したドラグレッダーにあまり驚いていない。

寧ろ当たり前のように見ている仮面の男にドラグレッダーは火炎弾を放つ。

 

「むっ!」

 

「ギャオオオオオオン!」

 

「うわああっ!」

 

放たれ火炎弾は仮面の男の周囲に着弾し、動きを封じるとドラグレッダーは俺から離れて仮面の男に接近し、体を大きく振るって尾で仮面の男を薙ぎ払う。

 

『ATTACK RIDE! STRIKE VENT!』

 

『STRIKE VENT』

 

「はぁぁぁぁああああっ!だあああああっ!!」

 

ドラグレッダーに仮面の男が吹っ飛ばされるとARでドラグクローを装備、右腕を引いて構える。

引いた右腕を突き出しドラグクローファイヤーを放つ。

 

「くうっ!なっ?!がああああっ!!」

 

立ち上がる途中だった仮面の男はドラグクローファイヤーへの対応が遅れて直撃し再び吹っ飛ばされ地面を転がる。

 

「貴様達はどうなんだ!もし仮に、はやてがお前の家族や友人だった場合、または、はやて以外の相手、お前の本当の家族や友人が闇の書の主だったら永久凍結にすると言われたらお前は今のように出来るのか!?闇の書の封印を最優先にして、1人の命よりも大勢の命を救うためにその大切な人が犠牲になってもいいのか!!」

 

「・・・・・ないでしょ」

 

吹っ飛ばした仮面の男に俺が問うと、地面に倒れたまま仮面の男が呟く。

でも声が小さくて聞き取れない。

 

「いいわけないでしょ!!」

 

次の瞬間、仮面の男は大声で叫んだ。

その声に俺だけでなく、もう1人の仮面の男とディケイドも戦いを止める。

叫んだ仮面の男はフラフラしながらも立ち上がる。

 

「考えた!探した!でも見つからなかった!だから私達はデュランダルを使おうとした!!何も知らないのに知ったようなことを言わないで!」

 

「・・・」

 

立ち上がった仮面の男は自分達の苦労も知らないで色々と言った俺に叫ぶ。

叫ぶ声からは悲しげな声も混ざっている。

感情が昂りすぎて素が出てきてるな。

 

「お前達が懸命に対策を考え、探したというのは嘘じゃないというのは分かった。しかし!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『DOUUBLE!』

 

『CYCLONE!JOKER!』

 

「導き出した答え、決断は許されることじゃない。さぁ、お前達の罪を数えろ!ふっ!」

 

龍騎からWにKRし、Wの決め台詞とポーズをとって仮面の男に向かって駆け出す。

 

「はああああっ!はっ!やっ!ほっ!とっ!」

 

「くっ!ふんっ!んっ!」

 

「おりゃあ!」

 

「くわああっ!!」

 

飛び蹴りを食らわせ、仮面の男が後ろに下がると追って続けて頭を狙っての回し蹴り、後ろ回し蹴り、ハイキック、ローキック、ミドルキックと左右を交互に出し、相手が下がっても追いながら足技を繰り出していく。

俺の攻撃は躱され、ガードもされたが顔に1回、胸部に2回、左脇に1回当たり、左脇を蹴られたことで右によろける。

俺は左手をスナップさせ、次のカードを取り出してドライバーへと装填する。

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『KABUTO!』

 

『HENSHIN』

 

『CHANGE BEETLE』

 

「とあるおばあちゃんが言っていた『子供は宝物、この世で最も罪深いのは、その宝物を傷つけることだ』ってな」

 

トリガーを引き、WからカブトにKRすると右手で天を指すポーズを取って天道総司の天道語録の1つを述べてARのカードを取り出す。

 

「ふっ。付きやってやるか」

 

俺がカブトの姿でARのカードを取り出したのを見たディケイドもライドブッカーからカードを取り出す。

 

「!?気を付けろ、そいつは!」

 

「遅い!」

 

『『ATTACK RIDE!CLOCK UP!』』

 

「クロックアップ!」

 

『CLOCK UP』

 

仮面の男がカブトになってカードを取った俺を見てもう1人の仮面の男に警告するが既に遅すぎる。

俺とディケイドはほぼ同タイミングでARを入れ、クロックアップを発動させる。

クロックアップによって俺とディケイドを除く周囲の動きがゆっくりになる。

 

「「はっ!」」

 

俺とディケイドは仮面の男へと走り出す。

 

「うおおおっ!つあっ!りゃあっ!ふんっ!」

 

俺は正面からパンチ、追い越して背面にパンチ、追いつくと右足からの回し蹴りで蹴り飛ばし、アッパーで、上に打ち上げる。

 

「はっ!やあああああっ!」

 

打ち上げた仮面の男を跳躍して追い、そのままオーバーヘッドキックを食らわせ、地上に向かって落とす。

 

「ふっ!はっ!たあっ!でやああ!!」

ディケイドは最初にタックルを喰らわせ、背後に周り背中へのミドルキック、蹴り飛ばしてからの左斜め後ろからのタックル、そして最後に正面に回り込み、回し蹴りをして蹴り飛ばす。

 

『CLOCK OVER』

 

「があっ!」

 

「うああっ!」

 

クロックアップが終了し、周囲の流れが正常に戻ると俺とディケイドの攻撃を受けて、仮面の男達が並んで地面に倒れる。

 

「そろそろショーを終わらせよう」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『WIZARD!』

 

『フレイム!プリーズ!ヒー!ヒー!ヒー!ヒー!ヒー!』

 

そろそろこの戦いに決着をつける為に最後のカードを装填、トリガーを引いて左腕を横に伸ばし、炎を纏った赤い魔法陣が出現する。

魔法陣が俺に向かって動き出し、通り抜けて炎を纏いウィザードにKRする。

 

『ATTACK RIDE! BIND!』

 

『バインド!プリーズ!』

 

「!バインド!?」

 

「し、しまった!」

 

ウィザードにKRしてすぐにARでバインドを発動させ、2人の周囲に赤い魔法陣が1人に付き4つ展開され、魔法陣から鎖が飛び出し、2人を拘束する。

これであいつらは逃げられない。

 

「闇の書が絶望を呼ぶなら、俺が希望になってやる。ディケイド!」

 

「ようやくか。待ちくたびれたぞ」

 

2人の動きを止め、俺はウィザードのFARをカードを取り出し、ディケイドに声を掛ける。

俺が声を掛けるとディケイドもFARをカードをライドブッカーから引き抜く。

 

「フィナーレだ」

 

『FINAL ATTACK RIDE! WIZARD!』

 

『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!!』

 

「ふっ!ほっ!はっ!はあ!」

 

カードをドライバーに装填し、トリガーを引いてFARを発動させると音声の後に足元に赤い魔方陣が出現、右足に炎を纏う。

駆け出して側方倒立回転をして後ろ向きの状態で空中に跳躍する。

 

『FIANL ATTACK RIDE!DE!DE!DE!DECADE!』

 

「(パンパン)はあ!」

 

俺が跳躍するとタイミングを少し遅らせてディケイドもカードをディケイドライバーに装填して閉じ、FARを発動させ、手を2回はたき跳躍する。

空中に上がるとディケイドと仮面の男の間にホログラム状のカード型エネルギーが出現する。

 

「「はあああああ!!」」

 

俺は空中で1/4ひねりで反転して降下し、ディケイドはカード型エネルギーを通過しながら降下していく。

 

「「うわあああああ」」

 

防御することも出来ない状態で俺のストライクウィザードとディケイドのディメンジョンキックを受けて吹っ飛ばされ、背中から壁に激突して地面に倒れる。

まだ意識はあるようだがあれだけ攻撃を受けて必殺技も喰らったせいでダメージが大きいせいかすぐには立ち上がれずにいる。

そしてその影響か仮面の男の姿が変わっていく。

いや、正確には元の姿に戻るというべきか。

 

「なんだ。女だったのか」

 

仮面の男の正体を知らなかったディケイドは素っ気なく言う。

仮面の男達の正体は時空管理局のギル・グレアム提督の使い魔である双子の姉妹、姉の「リーゼアリア」と妹の「リーゼロッテ」だ。

姉のアリアは魔法、妹のロッテは体術に長けており、クロノの魔法と体術の師匠でもある。

 

「これ以上の抵抗は無意味だ。君達では俺とディケイドには勝てない。もう退け。そしてこの件にこれ以上関わるな」

 

「ふざ・・・けないで!」

 

これ以上の戦闘続行は困難だと思った俺は2人に戦闘の停止と撤退、これ以上の闇の書事件に関わるなと警告するがリーゼロッテが俺達を睨んで起き上がるとフラつきながらも立ち上がる。

 

「勝手なこと・・・ばかり言って!私・・・達には・・・この世界にはもう・・・時間は残されてないんだよ!」

 

リーゼロッテが俺達に叫ぶとリーゼアリアも起き上がり立ち上がった。

おいおい、まだやる気かよこの2人・・・。

 

「やれやれ。なら、仕方ないな」

 

〈待ちたまえ〉

 

まだ戦おうとするリーゼ姉妹にディケイドは呆れながら2人に向かって歩き出そうとすると俺が止める前に空中にモニターが出現する。

モニターには初老の男性が映っており、その人物に待てと言われる。

なんか前にも同じことがあったな。

 

〈ロッテ、アリア、もう止めるんだ〉

 

「「父さま!」」

 

「親玉のご登場か」

 

「そのようだ」

 

男性は、2人に戦闘を辞めるように言うと2人は同時に男性を「父さま」と呼んだ。

この人物こそが2人のマスターで、はやてをデュランダルによる永久凍結を立案した人物、ギル・グレアム提督だ。

グレアム提督を見たディケイドが親玉が出てきたと言うと俺は頷く。

 

「問おう。貴方が2人のマスターだな?」

 

『ああ。そうだ』

 

知ってはいるが一応知らないフリをする為にグレアム提督にリーゼ姉妹のマスターであることを尋ねるとグレアム提督は頷く。

 

「そうですか。初めまして、自分は仮面ライダーフェニックス、本名は野田健悟と申します。このような姿でのご挨拶で申し訳ありませんが今はまだ戦闘中である為、ご了承ください」

 

『・・・・・』

 

「「・・・・・」」

 

「どうなさいました?」

 

『あ、い、いや。失礼した。まさか名乗ってくれると思わなかったもので驚いてしまった。初めまして野田健悟君。私は時空管理局顧問官のギル・グレアムだ』

 

事前に知ってはいるが実際に会うのは初めて、初対面である為、俺はグレアム提督に自己紹介と戦闘中の為変身を解除しないで挨拶していることについて謝罪する。

俺が自己紹介と謝罪をするとグレアム提督とリーゼ姉妹がポカンっとしている。

どうしたのか尋ねると俺が自己紹介するとは思ってなかったようで驚いていたようだ。

グレアム提督は慌てて謝って理由を説明し、グレアム提督も自己紹介をしてくれる。

まぁ普通は戦ってた正体不明の相手がわざわざ自分から名乗るなんてないよな。

 

「それでご用件はなんですグレアム提督?」

 

『・・・降伏する。だから戦闘を止めてもらえないだろうか?』

 

「と、父さま!?何を言ってるの!私達はまだ負けてなんかない!」

 

「そうです!まだやれます!」

 

自己紹介を終えたところでグレアム提督に用件を尋ねるとグレアム提督は降伏するので戦闘を停止するよう求めてきた。

グレアム提督の降伏にリーゼ姉妹は負けを認めず、まだ戦えると訴える。

 

『もういいんだアリア、ロッテ。お前達はよくやってくれた。これ以上はもういい』

 

「父さま・・・」

 

「分かりました」

 

「アリア!?」

 

これ以上リーゼ姉妹に傷ついて欲しくないグレアム提督は2人にもういいっと言うとアリアは指示に従う。

アリアが受け入れるとロッテは慌ててアリアを見る。

 

「ロッテ、父さまの指示に従いましょう」

 

「くっ!」

 

「了解しました。降伏を受け入れ、戦闘を停止します」

 

『感謝する』

 

アリアに説得されロッテは悔しそう俯く。

2人のこれ以上戦闘を続けないと判断し、俺も戦闘停止することを伝えるとグレアム提督はお礼を言う。

 

「しかし、早々に2人を解放することは出来ません。2人の身柄は捕虜としてこちらで一時的に預からせて頂き、こちらの提示する条件を呑んで頂けるのであれば早期に2人は解放します」

 

『条件とは?』

 

「グレアム提督、これから指定する座標に貴方御自身、1人で来て頂きたい。そこで自分と会談をして頂いた後、2人を引き渡します」

 

『会談?』

 

「はい」

 

しかし、俺もタダでリーゼ姉妹を返すつもりはない。

リーゼ姉妹の解放条件として提示したのはグレアム提督との会談だ。

俺としても1度はグレアム提督と話をしたい。

 

『・・・分かった。私も出来れば君と話してみたいと思っていた』

 

「では、こちらが自分の指定する座標です」

 

『この場所は、日本だな』

 

「はい。自分の家です」

 

『分かった。そちらに行かせてもらおう』

 

「では、後程。お待ちしております」

 

『ああ』

 

少し考えていたがグレアム提督も了承してくれると会談する場所の座標を見せる。

場所は日本、俺の家だ。

場所の方も了承を取り、待っていると伝えるとモニターが消える。

 

「さてっと」

 

グレアム提督との通信を終えると俺はリーゼ姉妹を見る。

 

「そんな訳でお二人さん。少しの間君達は捕虜だ。大人しくしててくれよ?」

 

「・・・わかりました」

 

「・・・」

 

声を掛けるとアリアは頷くがロッテは無言だ。

ロッテ凄い睨んでるよ。

 

「グレアム提督がこっちに来る前にやるべき事をやっておかないとな」

 

戦闘は終わったがこの後来るグレアム提督との会談の準備や他にもやることはある。

さっさとやってしまおう。

俺はとりあえず、何から手をつけていこうか頭の中で考えることにした。

 

 

 

 

 

後書き

 

ARXー7アーバレスト「さあさあ!第六十五話、投稿しました!!」

 

健悟「お。まだ早く出来たほうだな」

 

アポロン「珍しいですね」

 

ARXー7アーバレスト「今回のは以前からある程度の準備はしてたけど、戦闘描写の調整に時間が」

 

健悟「ああ、成程な」

 

アポロン「この内容だとしょうがないですね」

 

健悟「フェニックスとディケイドに加えてクウガからウィザードまでの平成仮面ライダー13人にKR、全部で15通りの戦闘描写だもんな」

 

アポロン「それぞれの個性を出す戦い方且つ極力描写が被らないように、また面倒なことしますね」

 

ARXー7アーバレスト「だってこっちの方がかっこいいじゃん」

 

健悟「自分の能力を考えて書けよ」

 

アポロン「それに関しては今に始まったことではありませんけどね」

 

ARXー7アーバレスト「面目ない」

 

健悟「そういえば気になったんだが」

 

ARXー7アーバレスト「どしたの?」

 

健悟「クウガとアギト、ブレイド、キバの描写って、これそれぞれの劇中の最初の戦闘描写だよな?」

 

ARXー7アーバレスト「正解!アギトに関しては津上翔一がG3-Xを装着した時のも加えてるよ。クウガとアギトは最初の戦いが結構お気に入りなんだよ。勿論アレンジは加えてるよ?」

 

アポロン「ディケイドですが、色々やってますね」

 

健悟「劇中でも使用したギガント、サイドバッシャー、クロックアップにギガランチャーやブリザードって」

 

ARXー7アーバレスト「強い相手に手は抜かない。やるなら徹底的にだ!」

 

健悟「そして最後にグレアム提督の登場か」

 

アポロン「この戦闘の止め方はクロノ執務官の時と似てますね」

 

ARXー7アーバレスト「大丈夫だ、問題ない」

 

健悟「次の会談で一体今後どうなるんだろうな」

 

ARXー7アーバレスト「まあそこはまだまだお楽しみにってことで。ではそろそろ次回予告行ってみようか!」

 

健悟「今回は何風?」

 

ARXー7アーバレスト「思いつかなかったからなしで!」

 

健悟「最近次回予告手抜きしてるな」

 

アポロン「ダメですね」

 

ARXー7アーバレスト「まあまあそう言わないで。ささ、タイトル言っちゃって」

 

健悟「はいはい。次回、~少年が望んだ世界と力~第六十六話『会談』です」

 

アポロン「分かりやすいですね」

 

健悟「ストレート過ぎる」

 

ARXー7アーバレスト「これしか思いつかなかった。それでは次回もお楽しみに!」


 
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