No.101270

恋姫無双異聞録~外史に降り立つ鬼~ 08

鴉丸さん

前話投稿からあまり時間を置かず、第8話投稿です

2009-10-16 10:09:31 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2834   閲覧ユーザー数:2496

 

 

―――Side 一刀―――

 

 

一刀「・・・やっぱり納得できない?」

 

 

今、俺たちは暁鬼さんに与えられた部屋の一室で今後の方針について話し合っていた と言っても、俺は暁鬼さんに修行をつけてもらうことになったし、鈴々・朱里・雛里は俺の判断に従うと言っている 問題は、桃香と愛紗なんだけど・・・

 

 

桃香「だって・・・自分の国以外はどうでもいいなんて」

 

 

一刀「でも、それは当たり前だと思うよ?人間誰でも自分や自分の仲間が可愛いものだから」

 

 

桃香「だからって・・・」

 

 

と、こんな感じで平行線 愛紗のほうは、どちらかというと暁鬼さんの圧倒的な武に自信が崩れかかっているから、暁鬼さんのやり方に対する疑問を持っている暇はないようだ

 

 

一刀「(愛紗のほうは、鈴々や暁鬼さんが何とかするって言っていたから、任せよう)」

 

 

とにかく、今は桃香をどうにかしないと もし、変なことをしたら暁鬼さんと敵対することになる もしかしたら殺しはしないと思うけど・・・最悪、二度と自力で歩くことが出来ない様にするかも知れない 暁鬼さんは、蜀の不利益になるならば容赦なく斬り捨てると思う 昨日から、修行をつけてもらっていた時に暁鬼さんはそう言っていたから

 

 

~回想~

 

 

暁鬼「少年・・・君はもし、劉備ちゃんが反乱を起こしたらどうする?」

 

 

一刀「・・・え?」

 

 

さっきまで、森の中を全速力で走り回って、休憩していたときに暁鬼さんが言った言葉は寝耳に水だった

 

 

暁鬼「厳しい言い方かもしれないが・・・劉備ちゃんは、俺のやり方に納得していない あの子は10のうち10全てを救うらしいが・・・俺から言わせてもらえば「現実を見ていない」んだ」

 

 

そして、「悪いが蜀に不利益をもたらすなら・・・」と最後のほうは言わなかったけど、きっとそうなったら桃香を排除すると続いたんだろう 魔化魍とずっと戦い続けてきた暁鬼さんはそんな選択をたくさんしてきたんだろう・・・だって、そういったときの暁鬼さんはとてもつらい顔をしていたから

 

 

一刀「俺が、桃香を説得して見せます」

 

 

そう言うと「じゃあ、任せる」と言ってくれた 

 

 

 

 

一刀「(だから、何とかして説得しないと)」

 

 

桃香が傷つくのも嫌だけど、暁鬼さんを苦しめるのもしたくはない

 

 

一刀「桃香 君と暁鬼さんは、違う人だ だから、考え方が違うのは当たり前なんだ」

 

 

桃香「・・・んで?」

 

 

一刀「え?」

 

 

桃香「何で、あの人ばかり立てるんですか!?」

 

 

突然、叫んだ桃香の顔は今までとは違った それは、俺に対する憎悪が前面に出ていた

 

 

桃香「もういいです!」

 

 

そう吐き捨て、部屋から出て行った すると、朱里たちが走って部屋に入ってきた

 

 

朱里「今、桃香様が泣きながら走っていきましたけどどうしたんですか!?」

 

 

事情を説明しようにも、言葉が出てこない 桃香にあそこまで憎悪をぶつけられるのは初めてだったから

 

 

愛紗「ご主人様・・・?」

 

 

すると、以前よりすっきりとした顔の愛紗が鈴々と暁鬼さんに連れられてやってきた 暁鬼さんとの和解は済んだようなんだな・・・俺は・・・

 

 

暁鬼「・・・説得は失敗かな?」

 

 

その言葉に返すことは今の俺にはできなかった

 

 

暁鬼「・・・では、悪いが劉備ちゃんをこのままにしておく訳にはいかない 明日にでも劉備ちゃんを牢に繋ぐなり、処刑するなりするからそのつもりで」

 

 

その言葉に、この場にいた全員の顔が凍りついた

 

 

 

 

雛里「あ、暁鬼さん いくらなんでもそれは[ギロッ]ひっ!?」

 

 

雛里が勇気を出して、反論するが殺気を込めた視線で半泣きになった

 

 

暁鬼「不安定要素をいつまでも放っておくほど俺は優しくない すでに瑠璃狼・緑大猿が居場所を特定して、瑠璃狼がこちらに戻ってきている 明日の正午に捕縛する その後は・・・」

 

 

そういって、暁鬼さんは部屋から出て行った でも俺たちは、その場を動くことが出来なかった しかし、桔梗さんが部屋に入ってきた

 

 

桔梗「まったくあいつは・・・対外的な事情があるとはいえ、もう少し器用に出来ないものか」

 

 

朱里「え・・・ど、どういうことですか?」

 

 

突然入ってきてそんなことを呟いた桔梗さん 

 

 

桔梗「あいつは、お前らにもう一度劉備を説得して欲しいんだよ」

 

 

愛紗「しかし「今の時刻は?」・・・え?」

 

 

今の時間は・・・俺の主観ではもうそろそろ昼?

 

 

桔梗「もうそろそろ正午だろう つまり、暁鬼が動くまで丸一日あるのだ そしてあいつは「瑠璃狼が居場所を特定している」と言った つまりは、瑠璃狼を使って劉備のところに行け、と言うことだ」

 

 

鈴々「なんで、そんなことをするのだ?」

 

 

鈴々の言葉に桔梗さんは苦笑しながら―――

 

 

桔梗「劉備たちがこちらに流れてきたことに少なからず、危機感を覚えている者も居るんだ 「もしかしたら、北郷や劉備が蜀を乗っ取ってどこかに戦争を仕掛けるのではないか?」「もしかしたら、暴政をするのではないか?」とな」

 

 

愛紗「な!?無礼な!」

 

 

確かに、それだけ聞けば無礼だろう・・・でも

 

 

 

 

一刀「でも、そう思われても仕方ないよ 所詮、俺たちはまだ蜀の民に認められていないんだから」

 

 

俺がそう言うと、桔梗さんは驚いた顔をした でも、すぐにいつもの笑みを浮かべ

 

 

桔梗「さすがは、暁鬼が認めるだけはあるな その通りだよ だから、このままでは処刑するなりしなければ収まらないのだ」

 

 

「実際、民は劉備たちの処遇が発表されていないからもしかしたら国内で戦争が起きるのではないか?」と思っていると続けた桔梗さんは苦笑を漏らしていた

 

 

桔梗「という訳でほれ 瑠璃狼も来たことだし、さっさと行け」

 

 

一刀「ありがとうございます!」

 

 

愛紗「・・・しかし、厳顔殿「北郷にも言ったが、桔梗で構わん」・・・では、私も愛紗で・・・桔梗殿は暁鬼殿の考えを理解されているようで・・・」

 

 

愛紗がそう言うと、この場にいる全員の顔が赤くなるほど妖艶な笑みを浮かべ

 

 

桔梗「まあ、一応あいつを支えると決めたからな それに・・・いずれは、な」

 

 

多分、結婚なんだろうな~・・・とりあえず、まだ顔が赤かったけど俺たちは瑠璃狼の先導で桃香のところに向かっていった

 

 

 

 

―――Side 桔梗―――

 

 

桔梗「・・・まったく、もう少し易しい言い方は出来ないのか?」

 

 

部屋を出て行ったけど、心配になって物陰に隠れているであろう暁鬼に問いかける

 

 

暁鬼「いや・・・俺は、こういうことには慣れていなくてな」

 

 

まあお前は「脅し」や「交渉」には向いていても、「説得」には向いていないな

 

 

暁鬼「・・・分かってらっしゃる」

 

 

桔梗「それは、一応お前の第一夫人を狙っているからな」

 

 

暁鬼「・・・そうかい」

 

 

最近分かったことがある こいつはこのように直接言われることに慣れていない まあ、それはこいつの過去にも関係あるのだろうが こいつから聞かされた「吉野」といわれるところで受けた迫害は私を苛立たせるのには十分だった そのせいで、こいつが心に傷を負ったことやそれを抱えても魔化魍を倒すために戦ってきた事を聞くと、自分のことでもないのに、泣きそうになってきた その日から私はこいつを支えると決めた そして、こいつも私の前では弱いところ見せるようになって来た・・・この役目だけは絶対に他のやつには渡さない 特に、星には!

 

 

暁鬼「まあ、後はあいつらに任せるさ それと、桔梗」

 

 

桔梗「ん?なんだ?」

 

 

暁鬼「少し、呉に行ってくる」

 

 

・・・こいつが、動くということは魔化魍か?

 

 

暁鬼「ああ だから、後のことは頼む 北郷君の修行内容は凪に言ってあるから」

 

 

桔梗「分かった 無事で帰ってこいよ?」

 

 

暁鬼「分かってるさ・・・まあ、その・・・お前を悲しませるのは本意ではないしな・・・」

 

 

不意打ちはまずい・・・あ、もう無理 最近、こいつ相手に我慢とかが出来なくなってきた

 

 

 

 

―――Side 暁鬼―――

 

 

あ~♪だから今夜だけは~♪君を抱いていたい~♪あ~♪明日の今頃は~♪僕は汽車の中~♪・・・どうも、リアル『心の旅』を体感した暁鬼です まあ、実際には汽車の中ではなく馬の上なんだがな・・・いや、マジで歌のとおりだったんだよ とにかく、蜀のことは桔梗たちに任せて、俺は今呉の領地に居ます まあ、顔は隠しているんだが持って来たものは、常備している『音撃棒:煉獄』と『音撃鼓:灰燼』 そして、『音撃弦:迅雷』と『音撃震:剛雷』と『浅葱鷲』 とりあえず、これだけあれば心配はない

 

 

暁鬼「一応、浅葱鷲は放ってあるから、何かあるまで動くわけには行かないか・・・あ、お茶うまい」

 

 

―――Side ???―――

 

 

鬼が呉に来たか・・・まあいい すでに、孫策の元には『あれ』を送り込んでいるし、『オロチ』の仕込みも終わった これで、この外史でやることはもうない・・・あとは、この外史がどうなるか見させてもらおう・・・ん?追っ手が来たか

 

 

?「『跳』」

 

 

狂骨「ちっ!逃がしたか・・・おそらく、この外史に現れることはもうないな・・・」

 

 

刑天「呂刀から別の外史に転移したとの連絡が来た・・・急ぐぞ」

 

 

狂骨「ああ・・・暁鬼さん 俺らは、これ以上直接的な干渉は出来ない・・・後は頼みましたよ?」

 

 

―――Side 暁鬼―――

 

 

暁鬼「・・・ん?」

 

 

今、誰かに呼ばれたような気がしたんだが・・・気のせいか?だが・・・「クー」ん?

 

 

暁鬼「浅葱鷲・・・魔化魍か?」

 

 

俺の問いを肯定するように、浅葱鷲は先導を始める そして、着いていくと大量の魔化魍に囲まれた呉の所要メンバーが居た

 

 

暁鬼「ちっ!この世界での『オロチ』は大量発生か!?」

 

 

だが、なにか違和感がある その違和感が何か分からないが・・・まさか、『オロチ』は二通りあるのか? とにかく、今はあいつ等を助けないとな!

 

 

 

 

「舞台裏」

 

 

さて、折り返してきました

 

 

狂骨「作者、質問」

 

 

はいなんでしょう?

 

 

狂骨「袁紹軍はどうなってる?」

 

 

まだ、滅んではいません 今は、幽州を手中にいれたところですね

 

 

刑天「じゃあ次 最後のほうに出てきた男は?」

 

 

とりあえず、狂骨たちが追っている「犯罪者」です もしかしたら、これからの外史で出てくる可能性があるよ

 

 

呂刀「んじゃ、最後 桃香の説得のシーンは書くのか?」

 

 

ん~・・・希望があれば書いてみようとは思うけど、正直無くてもいいかな?と思っているんだよね どうせ、原作に似た感じになるだろうし

 

 

暁鬼「それでいいのか・・・?」

 

 

狂骨「とりあえず、次回お会いしましょう 閑話の話のリクエストも待っています」

 

 

 

 

「紹介ページ」

 

 

吉野:日本全国に居る鬼やそれを束ねている猛子を統括している所 平たく言えば、会社の社長とかそこらへん

 

 

 


 
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