No.1000881

マイ「艦これ」「みほ3ん」EX回:第78話(改1.5)<見舞いと顔合わせ>

しろっこさん

武勲艦の龍田さん「2号」を見舞った司令たち。その後は明日の演習会議。そこで相手メンバーと初顔合わせをするのだが……。

2019-08-04 03:07:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:968   閲覧ユーザー数:968

 

「初めまして……皆さん」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)

 EX回:第78話(改1.5)<見舞いと顔合わせ>

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私は扉が並んだ廊下の部屋番号を確認しながら進む。

「203号室……あった」

 

「龍田」と日本語で書かれた入り口の前でブルネイ司令が扉を軽くトントンと叩く。

「どうぞぉ」

 

(あれ? この声は美保の龍田さん)

一瞬、そんな考えが脳裏をよぎる。

 

「入るぞ」

そう言いながらブルネイ司令が先にドアを開けて病室内へ。

 

そこには二人の艦娘、ブルネイの「龍田さん2号」と美保の「龍田さん」が居た……ややこしい。

「あ、提督ぅ」

「すみません。わざわざ」

 

その「2号」のほうも「龍田さん」も喋り方が変わらない。

 

(まあ、当然か)

私は苦笑した。

 

「ご苦労だったね。経過は順調か?」

ブルネイ司令は帽子を取って声を掛けた。

 

「有難う御座います。本当に恐縮です、こんな者の為に」

ブルネイの彼女は美保の龍田さんより腰が低く丁寧だ。

 

「思ったより元気そうで安心したよ。早く治してくれ」

司令もホッとした表情を見せる。

 

「……」

すると龍田さん2号は軽く微笑んだ。その笑顔を見て私は何故か妙な違和感を感じた。

 

(……気のせいか?)

 

ふと気付いたのだが彼女は今まで何か書き物をしていたのか、ペンを持ち便箋を広げていた。

 

だが、ここには美保の龍田さんも居る。敢えて何を書いているのか立ち入って聞くことはなかった。

 

(初めての実戦記録か何かかな?)

軽く、そんなことを考えた。

 

(コンコン)

こんな時間に、誰かが扉を叩いた。

 

「はい」

思わず私が応える。

 

「失礼しまぁす!」

間髪を入れず良く通る声で挨拶をして入ってきた比叡……。

 

「2号か?」

思わず聞いた。

 

「はいっ」

このやり取りを見たブルネイ司令はニタニタしている。

 

「あらぁ、比叡ちゃん」

美保の龍田さんが、まったりとした声を掛けた。

 

「す、済みません。遅くなりましたっ!」

敬礼しながら恐縮する比叡2号。

 

「良いのよぉ、来てくれただけでも嬉しいわ」

龍田さん2号も、声を掛けた。

 

「あなた一人ぃ?」

「はいっ……あ、いえ」

比叡2号が何かを答える前に後ろから声がした。

 

「私は初めてナンだからさぁ、先に行かないでよぉ」

ブツブツ言いながら現れたのは美保の比叡だった。彼女は病室に司令官が二人もいるのを見て慌てて敬礼をした。

 

「ハッ、失礼しました! ……遅くなりましたが、お見舞いに参りました!」

この子も相変わらずである。

 

「ご苦労」

私も軽く敬礼をした。

 

 気が付くと室内に艦娘の同一艦が二人・二組揃っている状況になった。

 

(理屈は分かっていても調子が狂うな)

目眩(めまい)を起こしそうだ。

 

窓際でニタニタしながら見ていたブルネイ司令は、軽く咳払いをすると私に目配せをしながら言った。

「では我々は、これで失礼するよ。比叡も、あまり長居しないように」

 

「はい!」

彼女は改めて敬礼をした。ブルネイ司令に促されるようにして私たちは退出する。

 

 衛生棟の廊下に出ると彼は言った。

「今夜、21:00から本館会議室で明日の打ち合わせだ」

 

その言葉に私もハッとした。

「あ……そうか。着替えないと」

 

だがブルネイ司令は笑いながら言った。

「別に良いよ、そのままで。簡単な打ち合わせだから」

 

「済まないな」

そんな会話を交しながら私たちは建物の出口へと向かう。

 

 私は今日の出来事を思い出しながら言った。

「あの龍田さん、ほとんど丸腰で身を挺して渡河部隊を防御したんだが……ま、元気そうで良かった」

 

「そう……だな」

ブルネイ司令は半分、上の空な表情で生返事をした。

 

(何か別のことを考えていたのか?)

私は別に気にも留めなかった。

 

 やがて21:00少し前になった。

会議室にはブルネイ司令と私、そして美保の部隊班長の金剛と日向、本省の技術参謀が参加していた。

 

時計を見てからブルネイ司令が、ゆっくりと立ち上がって話しを始めた。

「今夜集まってもらったのは明日の演習の打ち合わせのためです。ご存知のように技術参謀がお持ち下さったレシピにより当研究所での艦娘の量産化も、ようやく目処が立ちました」

 

その場で軽く「おぉ」という全体の反応と共に拍手が湧いた。金剛と日向も顔を見合わせて微笑んでいた。

 

(へえ、そこまで進んだのか……)

私も肩の荷が軽くなった心地になった。

 

(ただ、それが艦娘たちにとって果たして良いことなのか?) 

今の私にも、よく分からない。

 

 そんな想いをよそにブルネイ司令は続けた。

「明日の対戦相手も準備完了してます。そこで今夜は美保艦娘の班長も同席しているので、新しい艦娘との顔合わせを行いましょう」

 

『えっ!』

急な話だ。私だけではなく、その場の全員……金剛と日向も同時に驚いていた。

 

「マジですか?」

これは金剛。声がでかい。

 

(……そういえば、ブルネイの技師が居ないな)

その新しい艦娘を、彼が一緒に連れて来るのだろうか?

 

(トントン)

 

誰かが会議室のドアをノックした。ブルネイ司令はドアに向かって声を掛ける。

「いいぞ、入れ」

 

(ガチャ……)

そこに入ってきたのはブルネイの技師を先頭に量産化された艦娘たちだった。

 

(うわ、苦手!)

そのメンバーを見て一番驚いたのは恐らく私だろう……だが幸いなことに私が直接、彼女たちと戦うわけではない。

 

先頭の、長身の艦娘は言った。

「初めまして……皆さん」

 

 

 

以下魔除け

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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PS:「みほ3ん」とは

「美保鎮守府:第三部」の略称です。

 

 


 
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