雪蓮達の活躍によって荊州の黄巾党は撃退できた。
ちなみにその後雪蓮は袁術に孫呉再建の兵を貸す約束を履行するよう請求したのだが
袁術にはぐらかされたらしい。雪蓮も、今回の戦の出費のほとんどを袁術に賄わせた手
前、強く言えなかったらしい。
ちなみに袁術に渡された資金のうち余った分はこっそり頂戴しておいた、
ていうか雪蓮、明らかに戦に使う分より多くふんだくっただろ・・・。
そう聞いたら雪蓮は、
「私たちを雇った報酬分よ♪」
とか言っていた。
そんななか、黄巾党の反乱は大陸中に広がっていった。
朝廷も官軍を用いて鎮圧しようとしたのだが、ことごとく敗北、
逆に朝廷の脆弱さを露見させる結果となった。
そんな中目覚しい活躍を挙げたのは、地方の諸侯たちである。
その諸侯の中には、曹操、袁紹、公孫纘といった向こうの世界で会った諸侯以外に劉備の名前もあった。
やはりこの世界には劉備がいるのか。
と、いうことはこの世界にも関羽と張飛、愛紗と鈴々がいる可能性が高い。
かつては共に戦った仲間でも今では赤の他人、
いやひょっとすれば敵同士にすらなる可能性がある。
さらに愛紗からすれば完全に自分自身との戦いだもんなあ。
内心複雑だろう、俺もだけど。
まあそれはともかく、そういった群雄達の活躍で、黄巾党は次第に追い詰められていっ
た。
それを黄巾党を潰す絶好の機会と判断したのか、
雪蓮は袁術から黄巾党本隊殲滅の命令を下された。
「・・・・暇だ」
冥琳に任された政務を終わらせた俺は、思わずそうつぶやいた。
事実なのだからしょうがない。
今回任された書簡はいつもと比べて少なかったため、かなり早めに終わってしまったのである。
ゆえに今、俺は暇で暇で仕方がない。
「なにしようか・・・」
祭さんと六花さんは軍事訓練してるし、冥琳は今政務中、穏も同様。
雪蓮は袁術の城にいるし・・・。
「・・・愛紗に会いに行くか・・」
今日、愛紗は非番のはずだし、自分の部屋に居るか、どこかで鍛錬しているだろう。
折角だし愛紗と一緒に町に行こうか・・・。
そう考えた俺は愛紗の部屋に向かった。
愛紗の部屋の前に着いた俺は扉をノックする。
「愛紗~、いる?」
俺が声を掛けると
「え?ご主人様?」
と中から愛紗の声が聞こえた。
ちょうど部屋に居たみたいだ・・・。
「なあ愛紗、今時間空いてるか?」
俺は扉越しに愛紗に尋ねた。
「ええ、まあ、空いてますが・・・」
「そっか、なあちょっと部屋に入っていいか?」
さすがに扉越しでは、と思った俺は中にいる愛紗に入っていいか
一応確認を取った。
「は?いえ、ご主人様・・・」
「入るよ」
愛紗が中で何か言ってるが構わず俺はドアを開けた
そしたら
「あ・・・・」
「あ・・・・」
着替えをしていたのかパンツ以外何もつけていない愛紗が背中をこちらに向けてたっていた。
「・・・・・」
「・・・・・」
ただ沈黙が空間を支配する。
そういえば前の外史でもこんな事あったな~、と俺が考えていると
「き、き、きききき・・・・」
「きいいいいやあああああああ!!!!!」
突然愛紗が凄まじい叫び声をあげた。
思わず耳を押さえたくなった・・・じゃなくって!!
「あ、愛紗!!わ、悪かった!まさか着替え中だとは思わなかった!」
俺は愛紗の裸から目を背けながら謝った。
「言い訳などより、早く扉を閉めてください!!!」
愛紗は叫びながら体を服で隠す・・・ってつい見ちゃったよ。
「ゴジュジンザァバ!!!ナズェミデルンディス!!!」
って愛紗の言葉がオンドゥル語になっている!!
やっぱり向こうの世界で仮面ライダー剣見せたせいかな・・・。
この言葉を話してるとき愛紗は相当危険だ!!(主に俺が)
そのため俺は急いでドアを閉める。
「あ、愛紗、もうドア閉めたぞ~~」
「で、でしたら私が着替えるまで待っててください///」
ドアの向こうから愛紗の声が聞こえたので俺はそのままおとなしく待ってた。
数分後・・・・
ドアの向こうから愛紗の入っていいという了承があったのでドアを開けると、
そこには、フランチェスカの制服を着た愛紗が椅子に座っていた。
「わ、悪かったな愛紗。着替えているとは思わなくてさ・・・」
「ふう・・・、以前もこのようなことがありましたけど・・・。
それでご主人様、私に何か御用ですか?
ね、閨のことならいつでも大丈夫ですが///」
「ちがうちがう!なんでそれに結びつくかな、愛紗は・・・・」
「前の世界でのご主人様の行いを見ての結論です////」
愛紗はそう言いながら顔を赤らめた。
うっ、確かに前の世界じゃあ俺って結構節操無しなことしてたからな・・・。
ま、まあそれはともかくとして・・・。
「ちがうってあ「あれ~、こんな時間に逢引~?一刀ったらやるわね~」って雪蓮!?」
「雪蓮殿!?」
突然後ろから雪蓮の声がしたので振り返ると、そこには面白いものを見つけた子供のような顔をした雪蓮と、頭を抑えている冥琳がたっていた。
「な、なんで二人とも此処に・・」
「城に戻って一刀を探してたらすごい悲鳴が聞こえたからなにかな~って声の聞こえた方に向かったら途中で冥琳に会って一緒に此処に来たってわけ」
「私は北郷に仕事について話があったんだが突然悲鳴が聞こえてな、何事かと見に行ったら途中で雪蓮に会って、一緒に来たといったところだ」
二人は愛紗の部屋に来た経緯を話した。
「北郷よ・・・。仕事はちゃんとすましているからその後のことについてはあまり言わんつもりだが、さすがに嫌がる者を犯すのはどうかと思うぞ?」
「まあまあ冥琳♪それだけ一刀は絶倫ってことよ♪これならきっと天の血を入れるのも・・・」
「わ~~~!!!!誤解だ誤解!!俺は関平を強姦してないって!!
って関平!何固まってるんだよ!!」
「ご主人様が・・・・私を・・・むりやり・・・・」
俺はそれから、固まった愛紗を元に戻して雪蓮と冥琳に事情を話した。
「な~~んだ。着替え覗かれただけだったの?つまんな~い」
「おいおい雪蓮、それはないだろう?女なら誰だって着替えを覗かれれば恥ずかしいものだ。ましてやそれが異性ならな」
「・・・・申し訳ありません」
「・・・ご迷惑をおかけしました」
雪蓮はつまらなさそうにしておりそれを冥琳がたしなめているのを見ながら俺と愛紗は二人に頭を下げた。
「まったく一刀、いくら恋人だからって女の子の部屋に入るときはちゃんと着替え中じゃないか確認しなきゃだめよ」
「ああ、大方お前達は体を重ねたもの同士なんだろうが、それでも礼儀というものがあるのだぞ。まあ、次からは気をつけてくれ」
「はい・・・わかりました・・・愛紗、ごめん・・・・」
「ご、ご主人様、そんな頭を下げないでください!もう気にしておりませんから///」
雪蓮と冥琳にたしなめられた俺は愛紗に頭を下げて再びわびる。
それに対して愛紗は顔を赤くしながら俺に頭を上げるよう言ってくる。
「まっ、これでこっちは解決ってことで・・・一刀、関平」
突如、雪蓮がまじめな口調で俺達に声を掛ける。
「すぐに軍議を始めるわ。祭達も集まってるからすぐに来て」
軍議のあと、俺たちはすぐに戦の準備を始めた
戦の資金はまた袁術に全額負担させたらしい。また、袁術から、別の場所にいる孫権を呼び戻す許可も貰ったらしい。
孫権 蓮華 やっぱりこの世界にもいたか・・・。
前の世界では雪蓮亡き後の孫呉を治める重圧と、冥琳との確執に苦しんでいたけど、
この世界ではどうなんだろうか。
と、俺はかつての世界に思いを馳せる。
そして半月後、出陣の日が来た。
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ようやく書けました第九章。
すみません。なかなか時間取れなくて。
今回ようやく黄巾党編ラストです。