生涯一読者
TINAMIX
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■漫画とネットの相性は?

1ヶ月半ぶりとなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか、ただの読者のしばたです。今まで本連載は1日更新号掲載だったけど、今回から毎月16日更新号に登場することと相成りました……。

そんなわけで、これまでひと月遅れだった漫画ウォッチングが、半月遅れ程度でできるようになり、よりホットな情報をお伝えできるんではないかと思う。ご期待いただきたい。

ここのところ、漫画雑誌やら評論誌やらで「インターネットと漫画」というテーマの特集なりコラムなりをよく見かけるようになってきた。あのガロ(青林堂)でさえインターネット特集をするくらいだ。それだけインターネットというものが、誰にとっても無視できないものになってきたということだろう。

まあどの記事でも、だいたい「漫画の配布についてはインターネットはまだまだ」であり、「通信速度がネック」といった結論が出されていた。既存の紙媒体の本の流通を代替/補助するという意味では、現状でもいろいろと使い途が考えられる。例えば本の直販、一般人レベルでの古書のやりとりといったあたり。同人誌なんかはとくにそこらへんの恩恵は大きいはず。また既存の本の情報収集も楽になってきた。

ただ、漫画作品そのものの配布となると、確かにまだまだって気がする。たとえ回線速度の問題が解消されたとしたって、一朝一夕に紙にとって代われるものでもなさそうだ。現在でも例えばテキストベースである小説なんかは、十分ネットで配信できるサイズに収まっている。じゃあそれを読んでる人がどれだけいるかっていうと、インターネットの利用者でなおかつ小説好きな人の総数からするとほんのちょっぴりではなかろうか。とても商業ベースに乗るレベルじゃない。なんにしても、ホームページでの漫画の配布はちと望み薄な気がする。各出版社のサイトをいちいち巡回して、いちいち落としてくるなんていうのは、雑誌1冊買えば10作品20作品ガバッと読めるのに比べて、どうにも面倒くさすぎる。

筆者が可能性があるかなあと思っているのは、i-Modeなどの移動電話で4コマ漫画程度の短い漫画を配布するとか、メールで自動的に漫画が送られてくるとかそういう形態。これなら手軽だし、料金徴収システムも作りやすそうだし。何より重要なのは、たぶん携帯性となってくると見る。

インターネットでの作品配布に関しては、既存の作品をそのまま引っ張ってくるというより、ネットになじむ形式で新規作品を起こして送り出すというほうが現実的に思える。そのような新たな形態が開発されたとしたら、それはひょっとしたら漫画とは別の名前で呼ばれるメディアとなるかもしれないという気が、個人的にはしている。もちろん今までの漫画も大好きだが、近いうちに漫画的なものが新たに進化した形態が生まれてくるかもしれない。それはそれでちょっと楽しみ。

前置きが長くなったが、それでは今回も2ヶ月分まとめて、2000年3月4月の漫画をピックアップする。前置きだけでなく本文もやたら長いが、まあ我慢しておつき合いいただきたい。

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