タニグチリウイチの出没!風穴は広がるか?そうならないためにもジャーナリズムやマスメディアが頑張らないといけないんだけど、これまたアート界以上に権威に敏感だったりするんで容易には受け入れないし、受け入れたとしてもどこかキワモノ扱いになってしまう。且つ大衆もこれまた権威に依存しがちで、キワモノ的な扱いのものはどこまでもキワモノとして認識してしまうから、先はますます暗いし遠い。 もっとも今はキワモノ扱いでも、少しづつ開いていった風穴がやがて巨大なものとなって、既存の権威に依らずおもねらないアートのレボリューションが巻き起こる、という展望もないではない。権威の無視無知無関心も気にせずむしろ歓迎しつつ、粛々と回を重ねていくことの方が重要なんだろう。その意味でも8月31日、9月1日の開催に期待がかかる。場所はオタクの殿堂・東京ビッグサイト。何をしでかしてくれるやら。 来るイベントあれば行くイベントも。3月24日に小規模同人誌即売会の数ある殿堂のひとつ、浜松町の都立産業貿易センターで開催された「デ・ジ・キャラット&ちっちゃな雪使いシュガー中心コゲどんぼ作品オンリーイベント デ・ジ・ケット3」は「3」と名前がつきならも単独開催はこれが最初でおまけに今回で最後という、謎に満ちたものとなっている。どうやらこの「デ・ジ・ケット」、1回目は別のオンリーイベントのオフィシャルカタログ内に掲載された「デ・ジ・キャラット」こと「でじこ」がイベントを乗っ取ろうとするマンガの中で開催されたものらしく、つまりは虚構のイベントだったらしい。 遊びも極めれば芸術になる
ならば「2」はと言えばこれもまた別のイベントの開催日だったエイプリルフールのお遊びだった模様。開催中のイベントの看板を書き換えてみたり、会場内の一角でそこだけ「デ・ジ・ケット」を開いてみたりといった具合の開催で、つまりは1度たりともオンリーイベントとして開催されたことがなく、この3月24日に晴れて最初の開催を迎え且つ、真剣なお遊びとしてこれが最後の開催となった、みたい。虚構から生まれ現実を侵食しては最後にパッと消える展開は、イベントというよりも一種のパフォーマンスとも、アートともいえそうで面白い。 もっとも最初の「デ・ジ・ケット」から(つまりはマンガが掲載されてから)1年半のうちに、「でじこ」はもとより「シュガー」に「ぴたテン」とコゲどんぼ人気の上昇ぶりはすさまじく、ファンも増え同人誌を作るサークルも増えてなかなかの賑わいを見せていた。遊びとしての格好良さと引き際の潔さにはシビれるものがあるから「デ・ジ・ケット」はこれで終わりとしても、「でじこ」「ぷちこ」「シュガー」「サガ」「美紗」「湖太郎」なイベントはこれからもどかで何らかの形で続いていって欲しいもの。ウサギ型した美紗の頭飾りを買い逃した身として節にお願いします。ブロッコリーが作ってしまうかもしれないけれど。 ◆ page 4/4
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