「第二回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」レポート「第二回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」(以降、横浜国際会議)の二日目(12月18日)にエクパット関西ユース主催ワークショップ「漫画はCSECではない」が催された。同ワークショップは、マンガ関係者を中心に組織された連絡網「AMI(Animation,Manga,Interactive-game)」による共催のもと、理論的な話が中心となった午前の部、実作者中心の午後の部の構成で行われた。 冒頭で、午前の部の司会である伊藤剛氏からワークショップのアウトラインが示された。それは「キャラクター」と「特定の身体や人格」とを区別するということだ。マンガは「CSEC」ではない、とする主張もここから生まれる。「CSEC」から児童ポルノ法(というか近代法)が保護しなければならないのは、特定の身体や人格をもった個人=児童の人権であり、そこでは被害者は具体的にしか存在しない。 しかしマンガ、アニメ、ゲームに描かれた、キャラクターと呼ばれるものは、こうした特定の身体、人格を指し、脅かすものではない。それゆえ絵で描かれたキャラクターによるポルノグラフィを、写真やビデオテープの児童ポルノと同列に規制対象とするべきではない、というわけだ。 ワークショップではその後、パネリストによるコメントスピーチが英文通訳をまじえて行われた。午前の部においては、それぞれ現実の「CSEC」には徹底的に反対しつつも、児童ポルノの対象に「絵」を含めることの問題点、オタク系文化における性的表現を考える上での重要な指摘が、様々な分野からなされた。 午前の部パネリストは、東浩紀(哲学者)/斎藤環(精神科医)/藤本由香里(評論家)/ジャクリーヌ・ベルント(美術評論家)/宮台真司(社会学者)/司会:伊藤剛(マンガ評論家)(五十音順) >>次頁 page 2/7
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