桜井恭子のコスプレ脱構築
TINAMIX

2.軍人に連れられた少女

――そもそもコスプレをはじめたきっかけはなんだったんでしょう。

写真2歳上のお兄ちゃんがオタクだったんですよ。で、お兄ちゃんの先輩がナチスの軍服を着てて、その人がわたしに服を買ってくれたんです。その人はお金持ってて、わたしを一緒に歩かせるのが良かったんですけど、最近わたしが一緒に歩かずに友達とコスプレしてるから、もう洋服は買ってくれないんです。

――ナチス!? その初めてのコスプレっていつ頃なんですか。

中2の夏コミだから、97年ですね。コミケに行ったのもその時が初めてでした。最初のキャラは「ときメモ」だったけど、自分ではキャラも全然決めてなくて。

――初めてコスプレやった時にはどうでした、コスプレ広場とか行ったんですよね? 人がたくさん寄って来たと思うんですが。

写真行きましたよー。「あーすごいなぁ、大変なんだ」って思いました。今じゃ自分も撮ってるくせに、そんなことを思ってたんですよ。だいたいわたしは自分が何のキャラをやってるのかも知らなかったし、コミケのことも何もわからなかったから。

――でもその後もコスプレを続けたわけだから、やっぱりコスプレをして楽しいと感じたわけですよね。

うーん、自分がいるのとは違う世界だったし、「頼まれてるし、1日ぐらいやるんだったらいいかぁ」って感じでした。コスプレがオタクだってことはわかってたんだけど、その時はわたし自身は今ほどオタクじゃなくて、ネットのこともあんまりわかってなかったですし。

――服を着て視線を浴びるのは楽しかったですか。

視線は別に。いろんな服着るの好きだから、そういう服を着ることが楽しかったです。普通に外には着ていってないし、コスプレの服が一般的じゃないところが良かったですね。

ときメモ
94年にコナミから発売された恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」。桜井恭子はこのゲームの「片桐彩子」というキャラクターのコスプレをしていた。[ →関連サイト ]

*
prev
2/10 next