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真・恋姫無双 ~黄龍記~ 第一章 (第一話改訂版)

アレクスさん

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2009-10-08 17:08:10 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3767   閲覧ユーザー数:3156

 

 

 

并州のとある山間部

 

漆黒の闇が支配する深夜、一つの黒い影が深い森の中を疾風の様に駆け抜けていた。

 

殆ど音を立てる事無く駆ける影、黒装束に身を包んだ者は疾風の様に大地を駆けながらも常に周囲に気を配りながら走り続けていた。

 

暫くすると視界が広がり崖に面した場所に出た。黒装束の者は足を止めて周囲の様子を伺い安全を確認するとゆっくりと崖に進む。

 

そして崖の上から崖下を望むと・・・・・

 

 

「わはははははっ」「酒だ!酒だぁっ!もっと酒を持って来ーーい!」「へへへ、一仕事の後は酒が美味いぜ!」

 

 

三方を崖に囲まれた山間の盆地で幾つ物篝火と焚き火を囲み、派手な宴を開いている盗賊や山賊の者達が屯していた。

 

黒装束の者は盗賊達の存在を確認するとすぐさま周囲の状況や地形などを自らの頭の中に叩き込み、やがて用は済んだとばかりに音も無くその場を去っていった。

 

そしてそんな黒装束の者の存在に崖下で宴を開いて楽しんでいる盗賊達は全く気づく事は無かったのだった。

 

 

 

 

 

 真・恋姫無双  ~黄龍記~

 

 

 第一章

 

 

 并州賊徒討伐

 

 

 一刀、賊徒を殲滅せしめるのこと

 

 

 

 

結成から約二ヶ月

 

一刀率いる義勇軍は連戦連勝の快進撃を続けた。

 

既に討伐した賊集団の数は大規模な物から小規模な物を含めて十五を超える数に及び、義勇軍も少なからず損害を負ったが、そのおかげで并州各地に蔓延っていた賊徒達はほぼ一掃されつつあった。

 

降伏したり、捕らえられた賊の数は軽く一万を超えた。

 

漢王朝の施政の乱れと、その施政に対する人々の不満がどれ程大きいものであったか解る数であろう。

 

一刀はその内、賊徒達を率いていた主犯格の者達に対しては容赦無い処罰を下し、その部下達は一刀が拓いた鉱山で無償の強制労働に従事させた。

 

だがその一方で食い詰め農民や家族を養う為に已む無く賊に身を落とした者達に対しては、犯した罪に応じて一定期間の強制労働を課し、強制労働終了後も希望すれば引き続き鉱山で仕事に従事させる事を約束して生活に困らない様に手配した。

 

勿論、強制労働の期間中も前借りと言う形で給金を家族に渡して面倒を見てやる事も忘れない。

 

また才ある若者は私兵団に登用し、残りの者達は義勇軍の一員に組み込む。

 

一刀は見事に飴と鞭を使い分けて鉱山の労働力を確保しつつ、自軍の戦力を増強する事に成功したのだ。

 

同時に罪を決して見逃さずに処断する厳しさを持ちながらも、罪人とその家族に今一度やり直す機会を与えるなどの慈悲と寛容さが多くの人々の心を打つ事になり、一刀の人気と評判はますます高まっていくのだった。

 

結果、決起当初五千の兵力であった義勇軍は投降兵のみならず新たな志願兵を加えて瞬く間に膨れ上がり、今では一刀に絶対の忠誠を誓う直属の私兵騎馬軍団は三千騎に、そして歩兵七千に加えて弓兵二千の計一万二千もの兵力に達していた。

 

その力と財力、そして兵力は正に地方豪族の域に達していると言ってもいいだろう。

 

そしてそんな一刀の下に一つの情報が齎された。

 

 

「盗賊や山賊の残党が?」

 

「はい、他にも十人前後の極小規模の為に放置されていた野盗や盗人などの賊を吸収して急速にその規模を大きくした様です。

数は千人を超えて二千に達する規模になりつつあり、既に小さな農村が二ヶ所襲われて全滅させられています」

 

 

一刀は自分の私室で黒装束に身を包んだ者・・・・・一刀が数年の時を掛けて育成した忍、喇叭(らっぱ)と呼ばれる北郷忍軍(通称玄武部隊)・・・・・の報告を聞いていた。

 

忍び頭の者は一刀に対して臣下の礼として片膝を着きつつ、部下から報告された事を有りの儘に伝える。

 

 

「二千か、まだそれだけの数が残っていたのか」

 

「はい、このまま放置すれば遠くない内に周辺の邑にも被害が出る事は確実かと・・・・・・唯一幸いと言えるのはこの盗賊集団を殲滅すれば并州の賊はほぼ完全に一掃される事でしょうか」

 

「確かに、な・・・・・玄武」

 

「はっ」

 

「配下の者を何人か選び、その盗賊集団の監視に付けろ。

俺は直ちに義勇軍を編成して出陣する。それまで敵の動向を逐一見張るんだ」

 

「判りました、では直ぐに」

 

 

一刀の命を聞き、玄武と呼ばれた者は見事なまでに音も無く姿を消した。

 

それを見た一刀は(流石だな)と内心感心しつつ、警備の兵を呼んで直ちに出陣準備を整える様に伝える。

 

そして僅か一刻足らずで準備を終えた一刀率いる義勇軍は今、討伐の手を逃れた賊徒達が寄り集まって出来た盗賊集団殲滅の為に出陣していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お頭、今日は獲物がごっちゃりでしたね!」

 

「おうよ!ここん所しけた稼ぎしか無かったが、今日は久々の大収穫だぜ!これだから盗賊家業は止められねえ!!

   野郎共!今日は遠慮はいらねえぞ!大いに飲んで喰って騒げ!!」

 

「「「「「おお!!!」」」」」

 

 

相も変わらず三方を崖に囲まれた山間の盆地に構えた隠れ家で盗賊達が馬鹿騒ぎをしていた。

 

彼らは今日の昼間、近くの村を襲撃して略奪と殺戮を繰り広げていたのだ。

 

そして襲撃の結果、村の規模に比べて予想以上の金品、食料があった為に彼らはすこぶる上機嫌だった。

 

しかし、だからこそ気付かなかった。

 

そんな彼らを崖の上からつぶさに監視していた者達がいた事に・・・・・・

 

 

 

 

 

一方、一刀率いる義勇軍は既に盗賊の拠点たる山間の盆地から少し離れた場所に待機していた。

 

義勇軍の兵士達の中から腕の立つ選りすぐりの者達、五千人が何時でも戦える様に準備を整えて待っていたのだ。

 

突撃の号令が掛かるのを・・・・・・

 

 

そこに伝令の兵士・・・・・玄武部隊に所属する者・・・・・が一刀の下に駆け付けて詳細を報告する。

 

そして報告を聞いた一刀は伝令兵に休息を取る様に言って下がらせると、徐に背後に向き直って立ち並ぶ兵士達に告げる。

 

 

「皆聞け、盗賊共は今上機嫌で宴を開いているそうだ。

皆も既に知っている通り奴らは昼間、この近くの村を襲撃して無垢な民衆の命を奪った。

にも拘らず、奴らは罪の意識も持たずに機嫌良く馬鹿騒ぎをしている! 何の罪も無く、唯日々を平穏に生きていただけの人々を殺したにも関わらずにだ!!」

 

 

一刀の言葉を兵士達は唯黙って聞いていた。

 

 

「奴らは人間ではない、自らの欲を満たす為だけに略奪し殺戮を行う。

それは日々を生きる為に他の動植物を喰らう獣以下の所業に他ならない!

最早遠慮する事はない!鬼畜外道に堕ちた奴等を一人残らず皆殺しにするんだ!

二度と同じ事を起こさせない為に、そして皆が住むこの并州の平和の為に・・・・・・いいな!!」

 

「「「「「おおう!!」」」」」

 

 

一刀の力強い激に対して義勇軍の兵士達は大声で応えた。

 

彼らは理解しているのだ。一刀が本気で怒っている事を・・・・・・

 

複数の鉱山を所有する大富豪でありながら身分に関係なく優しく接してくれて、また危険な戦いにも率先して参加して挑んでいく。

 

彼のその行動の全てが無垢な人々の為であり、決して代価など求めない。

 

そんな彼の優しさと強さにどれだけの多くの人々が救われた事か・・・・・・

 

盗賊共に襲撃された村も、そんな一刀の優しさに救われた村の一つであったのだ。

 

日々の食事にも事欠く有様の中、一刀が訪れて鉱山の仕事を照会して従事させ、更には当座の食料まで用立てて村を救ったのだ。

 

そのおかげで村は救われ、人々は揃って一刀を慕っていてくれたのだ。

 

だからこそ一刀は許せなかった。そんな彼等の平穏と笑顔を奪った盗賊達が・・・・・・

 

 

またその思いは義勇軍の兵士達も同様だった。

 

兵士達は皆、一刀がどれほど頑張って人々を守ってきたのか良く知っていた。

 

それこそ身を粉にして頑張り続けて人々を守って来たのだ。

 

そして自分達もまたそんな一刀と共に命を懸けて無垢な人々を守ってきたのだ。

 

にも拘らず、そんな一刀や自分達の頑張りを無にする行為を行った盗賊達。

 

とても許せる筈も無く、兵士達は盗賊達に対して激しい怒りの炎を燃やしていた。

 

 

 

今正に、将と兵士達が一つとなって愚かな盗賊達にその獰猛な牙を剥こうとしていたのだった。

 

 

 

 

 

 

「よし、松明に火に付けろ!」

 

「はっ、松明に火に付けろーーーっ!!」

 

 

一刀の指示に副官が応え、後方で待機する兵士達に大声で指示を出す。

 

 

「銅鑼を鳴らせ!」

 

「はっ、銅鑼を鳴らせーーーーっ!」 ジャーンジャーンジャーン ジャーンジャーンジャーン

 

 

兵士達は遅滞無く指示通り行動し、一斉に松明に火を付けて力一杯銅鑼を打ち鳴らす。

 

 

「よし行くぞ!盗賊共を決して一人たりとも逃すなよ!全軍、突撃ーーーーーッ!!!」

 

「「「「「うぉおおおおおおおーーーーーっ!!!」」」」」

 

 

普段と違い山間の乱戦になると考えていた一刀は、いつも騎乗で使っている剛槍ではなく常に腰に佩いていた愛刀・白虎の大太刀を抜き放って駆け出した。

 

そしてその一刀に遅れじと全兵士達が一斉に武器を振り上げて突撃を開始する。

 

怒号と兵士達の進撃の音が辺りに響き渡り、静かな夜の一時が一変して命を奪い合う戦場へと姿を変えていった。

 

 

 

 

 

一方、盗賊達は・・・・・・

 

 

「たくよ~~、こんな時に見張りなんてやってられるかってんだ!」

 

「全くだ!こんな所に誰が来るってんだよ」

 

「まあまあいいじゃねえか、俺達は俺達で盛り上がろうぜ」

 

 

盆地へと入る唯一の通路の見張りを命じられた者達も誰も来る訳無いと高をくくって宴会場から失敬してきた酒や食い物で大いに盛り上がり、完全に油断していた。

 

そんな時である。突然前方で大量の松明が灯ったのは。

 

 

「な、なんだぁ!?」

 

 

突然の事に困惑する盗賊達を尻目に事態は進んでいく。

 

そして松明に続いて銅鑼の音が辺りに響き渡ると、凄まじい掛け声と共に一人の青年・北郷一刀が、その後ろからは気合十分な雄叫びと共に数千の屈強な兵士達が駆けて来るのが見えた。

 

 

「まさか・・・・・・敵?」

 

「て、敵だ! 敵襲だ! 敵襲ーーーーーッ!!!」

 

 

突然の事態に慌てた見張りの者達が漸く状況を察して敵襲の声を上げる。

 

 

だが次の瞬間!

 

 

   ズババッ ザシュッ 斬っ!

 

「「「・・・あ・・・」」」  ドシャシャッ

 

 

疾風の如き速さで接近した一刀の凄まじい斬撃によって、盗賊達は断末魔の声すら上げる事無く斬り捨てられた。

 

余りの速さと凄まじさに盗賊達は自分達の死すら認識できないまま死を迎えたのだった。

 

 

 

それからは最早一方的だった。

 

有象無象の盗賊集団でしかない彼らでは、例えしらふでも一刀が鍛え上げた義勇軍の精鋭とはまともに戦っても敵う訳が無い。

 

そんな盗賊達がすっかり酒に酔っぱらっている状態の中、突然襲撃を掛けてきた一刀率いる義勇軍とまともに戦える訳が無かった。

 

 

混乱し必死に逃げ惑う盗賊達。

 

 

だが三方を崖に囲まれた山間の盆地は隠れ場所としてはうってつけの場所ではあったが、いざと言う時の逃げ道すら失くしてしまう危険な場所だった。

 

結果、盗賊達は逃げる事すら叶わず徐々に追い詰められていき、最終的には一人残らず討ち取られて逝った。

 

そして盗賊や山賊達を纏めて率いていた頭領の前には手下達を蹴散らして現れた一刀の姿があった。

 

 

「貴様が盗賊達の頭領だな。何の罪も無い人々の命を奪った報いを受けて貰おう」

 

 

淡々と、しかしその瞳に隠しきれない激しい怒りの炎を燃やしつつ、氷の如き冷たい殺気を飛ばしながら一刀は盗賊達の頭領に近付いて行く。

 

 

「てっ、てめえら、何してやがるんだ! 早くそいつを殺せぇ!!」

 

「!?う・・・・・うぉおおおおおっ!!」

 

 

周囲に居た盗賊集団の副官格の者達が命令に従い、弾かれた様に一斉に一刀に向かって襲い掛かった。

 

だが・・・・・・

 

 

  フッ

 

   ズバッ ザシュゥッ ドシュッ ドバッ ザンッ

 

 

一刀が音も無くその場から姿を消した次の瞬間、複数の肉を断ち斬る斬撃音が響くと共に、一瞬の内に襲い掛かった五人の賊が血飛沫を上げて討ち倒された。

 

 

「ひぃいいいっ!? いっ、一瞬で五人を・・・・・・ばっ化け物だぁーーーーーっ!!」

 

「なっ!? て、てめえら待ちやがれ!!」

 

 

姿を消した上、一瞬の内に五人の賊を葬った一刀。

 

そんな一刀の姿に盗賊達は化け物か妖術使いの類を連想させ、恐慌をきたして逃げ散っていった。

 

盗賊達の頭領は手下達を必死に呼び止めるが誰一人として聞き入れはしない。

 

あっと言う間に手下達は逃げて行ってしまった。

 

 

「後は貴様だけだ」

 

 

一刀は逃げた賊には眼もくれず(どうせ逃げられないと解っている為)頭領に向かって歩き出した。

 

 

「う・・・ううう・・・・・・ちっ、ちくしょぉおおお!!」

 

徐々に、だが確実に近づいてくる一刀の存在に、そしてその凄まじい覇気と殺気にとうとう耐え切れなくなった頭領は破れかぶれに突撃、手に持った大刀を振り被って勢い良く振り下ろした。

 

 

   ザシュッ

 

「ギ・・・・・・ギャァアアアアアッ!!」

 

 

しかし大刀が振り下ろされる事は無かった。

 

眼にも留まらぬ、いや眼にも映らぬ速さで繰り出された一刀の斬撃が頭領の両手首を斬り飛ばしたからだ。

 

そして・・・・・・

 

 

「地獄で自分のした事を後悔するがいい・・・・・・神速百裂斬」

 

   ズババババッ

 

「ぐ・・・・が・・・・・・・」

 

   ドバシュゥゥッ     ドシャッ

 

 

頭領は一刀に全身を滅多斬りにされて、その短い人生を終えたのであった。

 

 

「終わったな」

 

 

 

 

 

「皆、よくやってくれた。俺達の大勝利だ!勝ち鬨をあげろーーーーーっ!!!」

 

「「「「「うぉおおおおおおおーーーーーっ!!!」」」」」

 

 

 

これして一刀と、一刀率いる義勇軍は并州各地に蔓延っていた賊徒達を全て一掃し終えたのであった。

 

 

 

 

 

 

「さあ皆、今日は無礼講だ!好きなだけ飲んで喰ってくれ!」

 

「「「「「おうさぁ!」」」」」

 

 

一刀が居を構える邑は今、まるでお祭りの如く賑わっていた。

 

ある意味当然だろう。何せやっと盗賊や山賊に怯える必要の無い平穏な日々が戻ってきたのだから。

 

義勇軍に参加した者達も目的を果たした達成感に酔い痴れて浴びる様に酒を飲み、邑の人々もそんな義勇軍の者達に感謝しつつ、久しぶりの美味い酒に酔っていた。

 

誰もが皆、笑顔を浮かべて陽気に騒いでいる。

 

一刀もそんな皆の姿を見て微笑んでいた。

 

 

しかしその反面、出てしまった少なくない犠牲と世の行く末を考えて憂いてもいた。

 

 

「(この世界にやって来て約四年、右も左も解からなかった俺を受け入れてくれた邑の人達の為に

出来る限りの事をやって来た。

そのおかげでこの邑と周辺の村々は他とは比べ物にならない位に豊かになった。

けどそれはあくまでもこの邑の周辺のみであり、他の邑や村々は未だに苦しい生活を強いられ、他の州に至っては相変らず賊の横行に怯え民衆が苦しんでいる)」

 

 

愁いを帯びた顔で一刀は夜空を見上げた。

 

雲一つ無い夜空には煌々と月が輝き、まるで一刀率いる義勇軍の功績を称えているかの様であった。

 

 

「天の御使いか・・・・・・」

 

 

有名な易者の管輅が立てた予言めいた占いに出て来た天の御使い

 

一刀は人々に自分こそが天の御使いだと噂されている事を知ってはいた。

 

だが一刀自身は自分が天の御使いだなどとは露程も思っていなかった。

 

確かに自分は類希なる才能を持ち、それを努力して伸ばして来たおかげで元いた世界では武芸十八般の武神と称されるまでになった。

 

そればかりではなく人によっては胡散臭い代物と言われる仙術や道術に興味を持ち、齢十五にして中国へと旅立ったばかりか、その旅の途中で偶然にも本物の仙人出会って仙術や道術を師事。

 

そして僅か一年という短期間でありながらも様々な仙術や道術を極め、またその過程で錬丹術をも身に付けた。

 

さらには東洋の錬丹術に似て非なる西洋の錬金術にも興味を示し、すぐさま渡欧。

 

そこでもやはり様々な導術や錬金術を身に付けるに至り、それに応じて膨大な知識と技術を得るに至った。

 

そう、一刀は齢十七にして世界最高の知識と技術、そして世界最強の武を誇る存在へとなっていたのである。

 

 

だが一刀が如何に世界最高の知識と技術、そして世界最強の武を持つとは言え、一人の人間である事には変わりは無く・・・・・・当然限界はある。

 

たった一人では守れる人々の数は高が知れているし、幾ら知識や技術を持っていても一人で造れる物には限りがある。

 

今の一刀には自分の手が届く場所に居る人々を守る事で精一杯なのだ。

 

しかもそれとて完璧ではなく、眼の届かない所で犠牲は出てしまう。

 

そんな自分が天の御使いなどとは到底思えない。一刀は本気でそう考えていた。

 

 

しかしその一方で一刀はこうも考えていた。

 

 

自分の持つ知識と技術、そして武術と武芸を使いこなせばより多くの人々を救えるのではと・・・・・・

 

それこそが、自分がこの世界にやって来た理由であり、果たすべき使命なのでは?

 

 

と考えていた。

 

 

 

これから先自分はどう生きるべきか、一刀は深く真剣に考えさせられていた。

 

 

 

 

 

 

そしてその数日後、

 

一刀の元にある意味自分の運命を決める事になる人物がやって来るのだった。

 

 

 

 

 

 

真・恋姫無双 ~黄龍記~ 第一話改訂版これにて終了。

 

幾つかの変更点などがありましたがいかがだったでしょうか?

 

脱字や字の間違いなどあった場合、お知らせ頂ければ幸いです。出来る限り直ぐに直しますので・・・・・

 

では次の第二話の改訂版でお会いしましょう。

 

 

   アディオ~~ス。

 

 

 

 

 


 
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