ステイシーは今まで聞きたかった事を尋ねる事にしました。
「アウローラの記憶が戻らない場合、別の相手との再婚は考えておられないのですか?」
「再婚するも何も結婚していた記憶がないからね。役所で確認したら入籍はしていたから、離婚届を出さないと再婚出来ないけど、ローラにサインさせるにしても、お互いに腑に落ちないよ」
「今のあなたはアウローラに恋愛感情はないのですよね?」
「ちょっと気になる存在ってところかな?あんなに綺麗なオーラの持ち主は珍しいからね。守ってあげたくなるんだ」
「私のオーラも穢れているのでしょうか」
「ステイシーさんのオーラも綺麗だと思うよ」
ルークが紅茶を飲もうとしたので、ステイシーは慌ててカップを奪い取りました。ルークはクスクス笑います。
「ごめんね。惚れ薬には気付いてたんだけど、君を試しただけなんだ」
「試されていたの?演技には見えなかった…」
「多分、その薬はもう僕には効かないよ」
「薬が効かないって…どう言う事です?」
「一度、魅了の術にかけられた事があるから。次はかからない自信がある。記憶操作の仕組みがわかったから」
「やはり本当に飲むつもりだったのね…」
「飲んでも正気を保てるか試してみたかったんだ」
「危険過ぎます。もし正気を失っていたら…」
「君なら別に良いかなと思ったんだ」
「アウローラより私を愛してくださるの」
「それはわからない…。でも僕はもう…ローラから愛される事はない気がするんだ」
「どうしてそう思うのです?いつも自信満々なあなたがそんなに自信がないなんて珍しい…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第364話。