次の給料日、ルークは給与明細と銀行の引き落とし履歴を確認して驚きました。すぐに総帥の部屋にいるアークに会いに行きます。
「家のローンが引き落とされてないんだ。銀行に確認したら既に完済していると言われて、そんなはずはないって言ったら保証人が支払ったって…」
「ナタが保証人になっていたからな。全額振り込むように指示しておいた」
「なんでそんな勝手な事するんだよ!自分で返済しようと思ってたのに…」
「僕に返済すれば良い。無理なく自分のペースで構わないし、返済期日も特にない」
「お父さんに頼りたくなかったんだ。どうしてわかってくれないの?」
「ローラが悩んでいたぞ。夜の街で働こうとしていたようだが、それなら僕が代わりに払って僕に返済させれば、問題はなくなるだろう?」
「問題はあるよ!僕は一人でやれるって証明出来なくなる」
「なぜそこまで意固地になる?大体、僕の家の空き部屋にローラと住めば家賃もかからずに暮らせたんだ」
「そんな寄生虫みたいな暮らしはしたくなかったんだ」
「意地を張らずに僕に頼れば、ローラを悩ませずに済んだんだぞ?妻を夜の街で働かせてでも自我を押し通すつもりか!」
「お父さんは僕がローラを不幸にしてるって言いたいの?」
「お前は頑張ってると思うよ?しかしお前を利用しようとする奴らはそこにつけ込んでくる」
「僕は利用されるだけなら言う事なんか聞かないよ?」
「第二級試験に落とされたのに、まだ目が覚めないのか?」
「来年は絶対に受かるよ?一年遅れるけど第一級試験にも受かるから、そしたらもっと稼げるようになる」
「お前には言うべきか迷っていたんだが、これを見てみろ」
「何これ?不採用ブラックリスト…」
「ナタの名前が載ってる。ナタは就職活動で上位職は全て落とされてしまったんだよ。ここに名前が載ってしまったせいでね」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第313話。