No.985996

英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇

soranoさん

第84話

2019-03-03 22:33:16 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:903   閲覧ユーザー数:820

 

 

外に出たリィン達は通信で状況を説明した後先に演習地に戻るヴァリマールを見送っていた。

 

~ブリオニア島~

 

「ふむ…………力になれなかったようだな。」

 

「いや、俺の判断不足さ。だがあの白い神機―――尋常じゃない力を秘めていそうだった。」

 

「ああ、今のうちに手立てを考えておくがいい。私も有効な戦術を検討しよう。」

 

「ああ、よろしく頼む。」

そしてヴァリマールはミリアムとガイウスに視線を向けて頷いた後その場から飛び立って演習地へと戻って行った。

「フフ、以前にもまして人らしくなったようだな。」

 

「そだね。前はカタコトだったし。」

 

「はは、相変わらず昔の記憶は戻っていないらしいけどな。―――とにかくミリアム。無事でいてくれてよかった。ユーシスも安心してるだろう。」

 

「ええ…………それにミリアムさんの件を伝えた時にトワ先輩達も安心していましたわ。」

 

「ふふっ、先程城館にも通信を入れておきました。」

 

「あはは…………ホントありがとう!アーちゃんにⅦ組のみんなも!」

リィンとセレーネ、ミュゼの話を聞いたミリアムは無邪気な笑顔を浮かべてアルティナ達を見つめた。

「…………まあ、今後は気を付けて頂けると。」

 

「もーアル、素直じゃないんだから~!」

 

「えっと、今のアルみたいなのが”ツンデレ”って言うんだったかしら…………?」

 

「ゲ、ゲルドさん…………一体どこでそんな言葉を覚えたんですか………?」

 

「…………まあ、大方ベルフェゴールかレン教官あたりが教えているんだろうな…………」

 

「はは…………」

 

「ハッ、やれやれだな。」

すました様子で答えるアルティナをユウナが微笑ましそうに見守っている中首を傾げて呟いたゲルドの言葉を聞いてそれぞれ冷や汗をかいたセレーネは表情を引き攣らせ、リィンは疲れた表情で溜息を吐き、その様子を見守っていたクルトとアッシュは苦笑していた。

 

 

「そしてガイウス――――来てくれて本当にありがとう。それと、久しぶりだ。…………こんな嬉しいことはない。」

 

「ふふっ、お互い無事に再会できて何よりですわ。」

 

「フフ、俺もだ。」

ガイウスとそれぞれ久々に会うリィンとセレーネはそれぞれ順番にガイウスと握手をした。

「ふふっ…………」

 

「たしか最後のⅦ組メンバーでしたよね?」

 

「ああ…………そうなるな。しばらく連絡がつかなかったから心配していたんだが…………」

 

「ええ…………それにガイウスさん達がトールズ本校を去ってから起こったノルド高原での出来事の件もありましたし…………」

 

「そうそう、ボクもユーシスもまだ理由を聞いてないんだけど。」

 

「フフ、いろいろあってな。改めて―――ノルド出身の旧Ⅶ組、ガイウス・ウォーゼルだ。見知り置き願おう、新Ⅶ組のみんな。」

その後リィン達はガイウスと共にボートでフォートガードへと戻り始めた。

 

~海~

 

「フフ、どうやらオレたちの再会を祝福してくれているようだな。」

 

「”ゼオ”だったか…………はは、懐かしいな。」

 

「ええ…………2年前の内戦の際も協力してくださいましたものね。」

自分達よりも先へと飛んでいる鷹―――ゼオを見つめて呟いたガイウスに続くようにリィンとセレーネは懐かしそうな様子でゼオを見つめていた。

「もしかしてノルドから付いて来てくれたとかー?」

 

「ああ、オレの旅の道行きを見守ってくれている、誇り高き友だ。」

 

「うーん、さっき助けに来てくれた時の迫力も凄かったですけど…………」

 

「ウォレス准将といい、ノルドの方は噂以上の方々みたいですね?」

 

「ああ、例のバルディアスの末裔もこちらにいるという話だったな。実は共通の知り合いがいて、彼にも会いたいと思っていたんだが…………」

 

「ああ、そうなのか?」

ガイウスがウォレス准将と会いたがっている事にリィンは意外そうな表情を浮かべた。

「状況を考えると、すぐにでも会えそうな気がしますけど…………」

 

「…………そうだな。」

 

「……………………」

ミュゼやクルトがそれぞれ鉄機隊やジークフリードの事を思い返している中、ゲルドは目を伏せて黙り込んでいた。

「霊力の充填も完了―――”舞台”も一通り整った、か。…………猟兵たちの件と合わせてとんでもない状況になってきたな。」

 

「ええ…………間違いなく今回の特別演習の期間以内にもお兄様への要請(オーダー)が発生するでしょうね。」

 

「うーん、そうだね。クサイと思ってここまで来たけど予想のナナメ上だったかな?」

 

「おかげで今回の状況が判明したのはお手柄ですが…………だとしても掴まってしまったのは情報局員として不手際だったかと。」

 

「うーん、あの陣を出されるまで何とか逃げ切れると思ったんだけど。でも、リィンにセレーネ、ガイウス、アーちゃんたちも助けに来てくれたから万事オッケーだよね!」

ジト目のアルティナの指摘に対して苦笑しながら答えたミリアムだったがすぐに無邪気な笑顔を浮かべた。

「…………知りません。」

 

「あはは…………ねえミリアムさん。アル、凄かったんだよー。」

 

「そうだな、どうしても貴女を放っておけないとか何とか。」

 

「それにアルがリィン教官以外であんなにも感情をさらけ出す所は初めて見たわ。」

 

「!?」

 

「アーちゃんが…………ボクのために?」

 

アルティナはいつもの調子でミリアムの言葉を受け流そうとしたがユウナやクルト、ゲルドの指摘を聞くと驚き、ミリアムは目を丸くしてアルティナを見つめた。

「…………知りません、忘れました。」

一方アルティナは僅かに頬を赤らめて淡々とした様子で答えた。

 

 

「あははっ、ホントありがとね!」

 

「で、ですから…………ふう、もういいです。」

 

「ふふ…………」

 

「クスクス…………」

 

「ったく、情報局員とかなんかの間違いじゃねえのか?」

 

「ああ、個人的には同感だけど…………しかし鉄機隊に加えて、あの仮面まで現れるなんてな。西風の連中が来ている時点で可能性はあり得たんだが…………」

 

「ああ、”黒の工房”の関係者かもしれないんだよね?うーん、顔は隠れてたけどどう考えても…………でも、あり得ないよね?他に可能性があるとすれば…………」

 

「考えたくはありませんが”彼”を元にした”ホムンクルス”という可能性もありえますわよね…………」

リィンの推測を聞いたミリアムはジークフリードの事を思い返して考え込み、セレーネは複雑そうな表情で推測した。

「”蒼のジークフリード”か…………すまなかったな、リィン。今まで相談にも乗ってやれずに。せめてノルドにいれば駆けつけることもできたんだが…………」

 

「そういえば、例の特殊モードでも全然通信が繋がらなかったが…………もしかして―――どこか遠い場所に行ってたのか?」

 

「ああ―――事情があって、しかもかなり特殊な環境にいてな。殿下から送られたARCUSⅡもしばらく無駄にしてしまった。」

 

「ぞうなのですか…………」

 

「うーん、どう考えても色々あったみたいだね?」

リィンの疑問に対して苦笑しながら答えたガイウスの話を聞いたセレーネは静かな表情でガイウスを見つめ、ミリアムは興味ありげな様子でガイウスに訊ね

「ああ、いずれ落ち着いた時にでも話させてもらうとしよう。」

ミリアムの疑問にガイウスが静かな表情で頷くと、ユウナが運転するリィン達を乗せボートはフォートガードの港に近づいていた。

 

その後フォートガードの港に到着したリィン達はボートを返却した後ユーシスたちに会うために城館へと向かった。

 

 

午後6:50―――

 

~フォートガード・カイエン公爵家第二城館~

 

「――――まったく、せめて事前にどこに行くか伝えるがいい!俺に気を使ったのだろうが、情報局の圧力などどうとでもする!」

 

「あはは…………うん、ゴメンね。確かに行き先くらいはちゃんと伝えとけばよかったよ。」

城館で顔を会わした瞬間しっせきしてきたユーシスに対してミリアムは苦笑しながら答えた。

「フフ…………無事でよかったじゃないか。」

 

「ああ…………不幸中の幸いと言うべきか。」

 

「しかし、由々しき状況が明らかになったようだね。」

 

「ええ…………」

アンゼリカやパトリックもミリアムの無事に安堵している中状況の深刻さに気付いていたハイアームズ侯爵は表情を厳しくした。

「”結社”の実験とやらがこのフォーカードでも行われていた。しかも現れたのは”鉄機隊”―――かつて結社最強とも伝えられた”鋼の聖女”にして何らかの理由によって結社からメンフィル帝国へと所属を変え、今は第Ⅱ分校の分校長を務めているサンドロッド卿の直属部隊だった”現代の鉄騎隊”か。」

 

「…………内戦では”神速”としか剣を交えた事がありませんでしたが、それでも”執行者”とも同等―――いえ、それ以上の使い手でした。」

 

「ええ…………それに他のお二人も相当な使い手でしたわ。」

 

「ハッ、その割にはサザ―ラントの時はあっさり制圧していなかったか?」

 

「…………まあ、あの時はプリネ皇女殿下達の加勢もあった上、セレーネ教官にとってリィン教官と並ぶ最も連携が取りやすい味方であるルクセンベール卿も加勢していましたし。」

 

「ふふ、少なくても彼女達が現れた以上、今回の件には必ず私達にとって最も頼もしい方が加勢してくださることになるでしょうね。」

 

「分校長――――結社”鋼の聖女”にしてエレボニアの伝説の”槍の聖女”か…………」

 

「警告したにも関わらず、再び姿を現した彼女達に対してリアンヌさんは何を思っているんだろう…………?」

ウォレス准将の言葉にリィンとセレーネは重々しい様子を纏って答え、アッシュの指摘に対してアルティナが静かな表情で答え、静かな笑みを浮かべるミュゼの言葉に続くようにクルトは呟き、ゲルドはリアンヌ分校長の顔を思い浮かべて心配そうな表情を浮かべた。

「――――そして警戒すべきは3体目の”白い神機”だろう。」

 

「ふむ、あのガレリア要塞を消滅させた機体の後継機だったか。」

 

「それと同等の能力を持つとすれば恐るべき事態ではあるが…………女騎士たちによれば、そこまでは至らないという事だったか?」

 

「ええ、ですが今までの実験を考えると常識外れの能力を持っていると思われます。騎神と同等――――いや、それ以上と思った方がよさそうです。」

 

「ふむ…………」

 

「とんでもなさすぎだろう…………」

ウォレス准将の問いかけに答えたリィンの話を聞いたハイアームズ侯爵が考え込み、パトリックが信じられない表情で呟いたその時

「ええ――――由々しき事態ね。」

サラが現れ、リィン達に近づいてきた。

 

「サラさん…………!」

 

「あ、サラだ!」

 

「お久しぶりです、教官。」

 

「ふふ、ガイウスは久しぶりね。ミリアムとは2ヵ月ぶりくらいか。」

 

「先程ラクウェルへ連絡してこちらに来て貰うことになってな。」

 

「そうだったんですか…………峡谷方面はいいのですか?」

ユーシスが説明したサラが現れた理由を知ったセレーネは目を丸くしてサラに訊ねた。

「実は、やっと助っ人が来たからそちらに任せて来ちゃったのよ。トヴァルとアガットなんだけどね。」

 

「そうだったんですか…………!」

 

「うん、フィーにも連絡したんだけどちょうど別件で手を離せなくてね。」

 

「そうか…………彼女とも久しぶりだが。」

 

「んー、ちょっと残念だなー。」

フィーがフォートガードに来ていない事を知ったミリアムとガイウスはそれぞれ残念そうな表情を浮かべていた。

 

 

「――――しかし地方軍の配備は見直すべきかもしれませんな。」

 

「ああ、私もそう思う。フォーカードは当然としてもやはり峡谷方面も必要だろう。」

 

「ええ。二つが何らかの形で連動している可能性は高いでしょう。正規軍が当てにできない以上は地方軍にカバーして頂きたいところです。後できれば峡谷方面に関してはオルディスのクロスベル帝国軍とも連携を取って頂きたいのですが…………」

 

「――――了解した。それでは早速、編成とオルディスに連絡を…………」

 

「その必要はない!」

ハイアームズ侯爵とサラの意見を聞いて地方軍の配備の見直しを決意したウォレス准将だったが、突如私兵を連れて現れたバラッド侯爵が声を上げて地方軍の配備の見直しを否定した。

 

「侯爵閣下…………」

 

「准将、何度も言わせるな!地方軍は新海都と領邦会議を守っていればそれでよいのだ!全軍で当たれば”結社”とやらの人形だろうが恐れるに足らぬだろう!」

 

「そのために全軍を投入するのはあまりに無駄が多すぎます。結社と猟兵団の動きが読めぬ今、柔軟かつ迅速に対応できる態勢を―――」

 

「ええい、ワシに意見するつもりか!?地方軍の監督は、フォートガード州統括者たるこのワシに委ねられているのだぞ!?貴様ごとき、帝国政府に打診すれば首をすげ替えられることを忘れたか!?」

 

「……………………」

 

「くっ…………」

バラッド侯爵に意見をしたウォレス准将だったが聞く耳を持たない様子のバラッド侯爵に閉口し、パトリックは悔しそうな表情で唇をかみしめた。

「…………まあまあ、バラッド侯。いかに領邦会議が大切とはいえラクウェルの民も不安でしょう。閣下が贔屓にされている店などもあるのではないですか?」

 

「むっ、それは…………」

 

「エレボニアでは珍しい歓楽都市―――小劇場などの文化もあります。」

 

「次期カイエン公としてせめて保険を掛けるべきでは?」

 

「…………フン、そこまで諸君が言うならばいいだろう。だが一個中隊のみだ!それ以外割くことは許さん!残りは新海都防衛に回し領邦会議の開催を死守せよ!それとオルディスのユーディットには峡谷方面のクロスベル帝国軍の配備はあくまクロスベルの領土内で、決してクロスベル帝国軍はエレボニア帝国領土内には入って来るなと伝えて置け!これは決定事項だ、わかったな!」

 

「…………承りました。」

他の四大名門の関係者達からも意見が出るとさすがのバラッド侯爵も反論できず、ウォレス准将に指示をした後そのまま進んでユウナ達と対峙した。

「お前達か…………邪魔だ、どくがいい!」

 

「なっ…………!」

 

「ハッ、面白ぇ…………」

 

(よせ…………相手が相手だ。)

バラッド侯爵の横暴な指示にユウナが厳しい表情を浮かべ、アッシュは不敵な笑みを浮かべたがクルトが二人に忠告をした。するとその時ミュゼが静かに前に出てバラッド侯爵に話しかけた。

「失礼いたしました、”次期”公爵閣下。」

 

「ほう…………?昨日も見かけたがそなたは…………」

 

「ミュゼ・イーグレット。イーグレット伯の孫になります。今回の会議での決定、応援申し上げておりますわ。」

 

「ほう、イーグレット伯の…………このような令嬢がいたとはな。ハッハッハッ、覚えておこう。それではな!」

 

「ふふ、お休みなさいませ。」

恭しく礼をして応援の言葉を贈ったミュゼの態度に気をよくしたバラッド侯爵は満足げな様子で去って行った。

 

 

「あ、あんたって…………」

 

「ハッ、大したあしらいぶりじゃねぇか。」

バラッド侯爵が去った後ユウナはジト目でミュゼを見つめ、アッシュは呆れ半分の様子でミュゼに指摘した。

「ふふ、気分良くして頂いた方が面倒がなさそうでしたので。」

 

「私もミュゼを見習って、ああいった横柄な貴族の人に対するあしらい方を覚えるべきかしら…………?」

 

「ちょっ、ゲルド!?」

 

「まあ、養子の身とは言えリウイ陛下のご息女の一人であるゲルドもいずれは上流階級に属している人物達の接し方やあしらい方も覚えるべきとは思うが…………」

 

「少なくてもメンフィル帝国の皇女の一人であるゲルドさんがミュゼさんのようにエレボニア帝国貴族に対して気を使う必要はないと思うのですが。」

ミュゼを見習うべきかと考えているゲルドの様子にリィン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ユウナは慌てた様子で声を上げ、クルトは困った表情を浮かべ、アルティナはジト目で指摘した。

 

「はあ…………でも、いい判断だったな。」

 

「ああ、僕の方からも礼を言わせてもらおう。」

 

「…………しかし明日は色々な意味で忙しくなりそうだな。」

 

「ええ、自分の方でもせめて今夜中に備えておきます。」

 

「――――リィン、セレーネ、新Ⅶ組の皆も。今夜はこれで演習地に戻るがいい。」

 

「そうね、特務活動に島の探索、目いっぱい働いたんでしょうし。」

 

「そうそう、捕まってた分。今夜はボクが働くからさ!」

 

「俺も手伝わせてもらおう。明日に備え、しっかり休んで英気を養っておいてもらいたい。」

 

「うーん、そう言われると…………」

 

「休息も大切な任務ですか…………」

 

「わかりました。―――何かあればご連絡ください。」

ユーシス達の好意を受ける事を決めたセレーネはリィン達の代わりに演習地に戻る事を答え

「フフ、ちょうど夏至祭の夜だし少しは愉しんで帰ったらどうだい?」

 

「まあ、夜更かししない程度にな。」

アンゼリカはリィン達にある提案をし、アンゼリカの提案を聞いたパトリックは苦笑しながら忠告した。

 

 

「ふむ、あれが改めて打診のあった…………」

 

「…………ええ。自分も流石に驚きました。」

 

「フフ、私は以前から面識はありましたけどね。」

 

「…………?何の話ですか?」

去って行くリィン達の背中を見つめながら会話をしているハイアームズ侯爵達の会話内容の意味がわからないパトリックは不思議そうな表情で訊ね

「ふぅん、ひょっとして…………」

 

「あ、ボクもちょっと聞いたことがあるかも。」

ハイアームズ侯爵達の会話が聞こえ、察しがついたサラとミリアムもそれぞれリィン達を見つめていた。

「フフ…………会うのは初めてだが師からの手紙で存じている。この身は既に帝国貴族、随分羨ましく思っていたものだ。」

 

「恐縮です、准将。」

ウォレス准将に話しかけられたガイウスは謙遜した様子で答えた。

「――――結社にせよ、会議にせよ、明日は恐らく佳境を迎えるだろう。風と女神の導きを、ガイウス。君の使命を果たすといいだろう。」

 

「ええ、そのつもりです。ただし、使命ではなく――――あくまで”Ⅶ組”としてですが。」

その後リィン達は夏至祭を行っている都市内を軽く回って演習地にいる第Ⅱ分校の教官や生徒達の為のお土産を買った後演習地へと帰還した――――

 

 


 
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