魔物は声のトーンが突然、上がって口調も優しく変わり、物腰が柔らかくなります。
「仲間たちを助けたい。我の他にもビーストテイマーに囚われて苦しんでいる者がいる」
「お前のように理性のある魔物は少ない。逃しても暴れて手の付けようがなくなる」
「しかしビーストテイマーに囚われていたら、永遠に死ぬよりも苦しい呪いを与えられるのだぞ?ほって置く事など出来ぬ!」
「お前だけで逃げる事は出来ないのか?」
「仲間を見捨てて逃げるなど我には出来ぬ…」
「お父さん、この魔物いい奴だよ?」
「ああ、まさかゲイザーのシナリオ通りになるとはな…。ここまでほぼ奴のシナリオ通りだ」
「ん?シナリオとは何の話だ…」
「いや、こっちの話だ。気にするな」
「闇市の元締を殺すのを手伝ってくれないか?仲間たちを救い出したいのだ…」
「ふむ、ルークなら闇市の結界も解除可能だろう」
「僕もこの魔物の手伝いをしてあげたくなって来たよ」
「ただ困った事に、その先のシナリオがないんだ。どうすれば良いと思う?ルーク」
「僕にもおじさんの考えはわからないから…」
「ゲイザーの奴、肝心なところを書かずに死んでしまうとは…」
「リリム姉さんも、あと少し寿命があったのに突然、おじさんが亡くなったからビックリしてたよ?」
「とりあえず闇市まで行ってみるか?どうするかはその時に考えよう」
「うん、何かあってもミカエル様にはその遺言書を見せれば良いしね」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第199話。