元締は休憩用のテントに控えていた用心棒の剣士や魔術師を呼びました。ゾロゾロと十数名の男たちが現れてフラウとリリムは取り囲まれてしまいます。
「先生方!お願いします…」
「二人ともえらくべっぴんさんじゃねぇか?」
「元締、捕まえた後にちょいとこの二人を可愛がってやっても構わないかい?」
「ご自由にどうぞ?カードさえ無事なら私どもは一向に構いません…」
リリムはテンプテーションをかけました。男たちはリリムに攻撃できなくなって、フラウを一斉に狙います。獣人の爪がなくなったフラウは拳に鋲の付いたグローブを嵌めていましたが、全員ノックアウトしてしまいました。
「な、なんて言う強さだ…」
「では帰らせてもらいます」
「やはりあんなカードを所持しているだけあってただ者ではなかったか…」
二人が家に帰るとゲイザーがお風呂から上がって髪をタオルで拭いていました。
「おや?二人で散歩ですか」
「ええ、月が綺麗だったので…」
「リリムさんとフラウは仲が良いようですね」
「そうですね…。リリムとは気が合うみたいです」
「それは良かった。リリムさん、フラウの友人になってくださって感謝します」
「あはは!フラウと私はもう親友って感じぃ」
何も知らないゲイザーは、フラウとリリムがミカエルを売り飛ばそうとしていたなんて、考えもしていませんでした。
「リリム、このカードは後でゲイザー様の上着にこっそり戻しておきます」
「もし売ったのがバレたら離婚の危機?」
「それだけは…!絶対に嫌です」
「フラウはカオスだから気が合いそうだと思ってたのにぃ」
「こんな悪い女だとゲイザー様に知られたら嫌われちゃうわ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第159話。