休日にルークは暇を持て余して、公園でアップルパイの唄を歌っていました。宿題はすぐに終わってしまって、演劇のアルバイトも辞めたので、家にいてもする事が何もなかったのです。
「君は!アークのライブに現れた謎の美少女じゃないか?探したんだよ…」
「ん?おじさんは誰ですか」
「レコードを制作している者だよ?」
「父が僕のレコードは出さないって言ってたので、多分無理だと思いますよ?」
「アークの隠し子だったのか!」
「隠し子じゃなくて…。うーん、どう説明したら良いものか?」
「君ならミリオンヒットを飛ばせるぞ。お小遣いが欲しくないかい?」
「お小遣い稼ぎはちょっとしたいかも…」
ルークはまた九万九千九百九十九ジェニーで、契約書にサインさせられました。その頃、アークはゲイザーの執務室で話をしています。
「転売屋が悪質でね。この前のチケットの半分は転売しているようだから、一億の金が裏で動いたようだ」
「しかし一億も裏で動かしたら騎士団にもすぐバレるんじゃないか?」
「それが九万九千九百九十九ジェニーで取引してるんだよ」
「抜け穴を通ったのか…。十万未満の取引は公的な文書が必要ないからな」
「正規のルートで安いチケットを手に入れた者は、払い戻しになっても文句は言わないだろうが、裏ルートで十倍のチケットを買った者は不満を持つだろう」
「なんとか犯人を検挙できれば良いのだが…」
「ファンに転売チケットは買わないように言っても無駄だしな…。困ったものだよ」
アークと入れ違いに、グロリアがゲイザーの執務室に入って来ました。
「この前のライブではありがとうございます」
「いえいえ、特別席には空席がありましたのでグロリアさんを招待してはどうかな?とフラウに持ちかけたんですよ」
「ダーク様が特別席を用意してくださったんですね!」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第52話。