流石のアークもナタには弱いので、黙り込んでしまいます。
「でもお母さん、性転換魔法がそんな簡単に元に戻れないのは知ってるよね?」
「後先考えずに魔法を使うから、そう言う事になるのよ!私の子供の頃にそっくりだわ」
「えっ、お母さんも僕と同じような事してたんだ?意外だね…」
「魅了の術を使って後悔した事があったの。なかなか解けなくて元に戻らなかったらどうしようかと思ったわ」
「お父さんに魅了の術をかけたの?」
「お父さんじゃなくて別の人よ」
「えっ…お母さん、別の人が好きだったの?」
「ああ、私の黒歴史だわ。あの頃に戻れるなら子供の私に説教してやりたい!」
「まあゲイザーは自力で魅了の術は見切ってしまったから問題はない」
「魅了の術を見切れる人がいるの?すごい精神力だね!て言うか、お母さんの好きな人って…まさかゲイザーおじさん?」
「今はお父さんを一番愛してるわよ」
「ナタの口からそんな言葉を聞けるなんて嬉しいね!」
「すぐ調子に乗るんだから…。それより公演の件なんだけど、前売りチケット代だけじゃなくて、美容院代もかかってるのよ」
「そのファンの子たちが楽しみにしてるから、公演は中止にしちゃダメなんだよね」
「しょうがないな…。僕が代役で出よう」
「えっ!お父さんが僕の代わりにあの演劇に出るの?」
「元々、僕にオファーが来てた仕事だ。台本も一晩あれば丸暗記出来るだろう」
「ルークの代役が出来るのはアークしかいないわよね」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第40話。