家に帰った翌日にアプリィはまた体が燃えるように熱くなり骨が溶けてしまうのではないかと思うほど激痛に苦しみ悶えながら、小さな服を破って元のサイズに戻りました。
「あの薬は二十四時間で効果が切れるのね…」
「アプリィ…。とても苦しそうだったけど大丈夫だった?」
「ええ、大丈夫よ。短い時間だったけど、ショーンと恋人同士になれて楽しかったわ?」
「僕は今でもアプリィの事が大好きなんだよ?体のサイズが変わってしまっても気持ちは変わらないんだ」
「私もだってそうよ?昨日ショーンにキスされた事、ずっと忘れないと思うわ」
「キスなら今だって出来るだろう?」
アプリィがてのひらにショーンを乗せると唇に近付けました。ショーンはチュッと小さな唇でキスをします。するとアプリィはニコッと笑いました。
「まるで小鳥にキスされたみたい!」
「小鳥だなんて…!傷付くなぁ」
「ごめんなさい。それくらいに軽くて可愛いキスだったの」
「可愛いって言われると、少し傷ついてたんだよ」
「そうだったの?それじゃもう言わないようにするわね…」
「気を遣わなくて良いよ?」
「ショーンが傷付く事はしたくないの…」
「僕は今までアプリィに傷付けられた事なんかないよ?ただ自分が頼りなくて情けなくて哀しかっただけさ!」
「ショーンは力持ちで頼りになるわ」
「僕の体が大きくなれば良いのだけど…」
そんなある日、またあの老婆が訪問販売をしにやって来ました。
「お嬢さん、巨人になれる薬はいらんかえ?」
「巨人になれる薬ですって?この前の薬と反対の効果があるのかしら」
…つづく
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か昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第10話。